- 英
- ipragliflozin
- 商
- スーグラ
- 関
- 糖尿病、SGLT2
- 機序としては腎臓で原尿中に排出されたグルコースの再吸収をSGLT2を阻害することで抑制して血糖低下作用を期待する薬物。
- スーグラの場合1日50mg1回の服用でよい。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/29 02:32:30」(JST)
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イプラグリフロジンは2型糖尿病治療薬の一つである。SGLT-2阻害薬の一番手である。 製品名はスーグラ錠。(アステラス製薬販売、寿製薬コ・プロモーション、MSDコ・プロモーション)日本では2014年1月17日製造承認、2014年4月17日に販売開始された[1]。
目次
- 1 適応
- 2 用法・用量
- 3 薬理
- 4 副作用
- 5 脚注
- 6 外部リンク
適応
用法・用量
- 1日1回50mg朝食前又は朝食後に経口投与。1日1回100mgまで増量可。
薬理
SGLT(Sodium-Glucose Co-Transporter 2:ナトリウム依存性グルコース輸送担体)は、細胞表面に存在する膜タンパク質で、ナトリウムとブドウ糖の細胞内への共輸送をつかさどっている。SGLT-2は、SGLTのサブタイプの一つで腎臓近位尿細管に多く存在し、ブドウ糖の尿中からの再取り込みにおいて重要な役割を担っている。(SGLT-1は小腸粘膜に多く存在し、食餌からのブドウ糖の吸収を担っている。)
イプラグリフロジンはこのSGLT-2を選択的に阻害することで、ナトリウムとブドウ糖の原尿中からの再取り込みを抑制し、ブドウ糖の尿中排泄を促進することで、血糖値を低下させる。インスリン非依存性に血糖降下作用を発揮し、高インスリン血症を来さない機序をもつ。そのためインスリンの直接作用による副作用(低血糖、体重増加など)が発現しにくいことが期待されている。
- 治験段階では有意に、血圧低下、血清尿酸値低下、コレステロールプロファイルの改善、体重減少も認められた。
副作用
重大な副作用とされているものは、低血糖、腎盂腎炎(0.1%)、敗血症、脱水、ケトアシドーシスである[2]。血糖コントロールが良好でも脂肪酸代謝が亢進するのでケトアシドーシスが発生する可能性が有る。
- 脱水症 ... ナトリウム利尿、浸透圧利尿のため、尿量が約400mL/日増加する。
- 尿路感染症 ... 尿糖により細菌感染症が増加する。
脚注
- ^ スーグラ:日本初のSGLT-2阻害薬
- ^ “スーグラ錠25mg/スーグラ錠50mg 添付文書” (2015年9月). 2015年9月16日閲覧。
外部リンク
- 2型糖尿病治療薬/SGLT2阻害剤イプラグリフロジン(ASP1941)日本におけるコ・プロモーション契約締結のお知らせ
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Japanese Journal
- 新薬紹介総説 新規2型糖尿病治療薬イプラグリフロジンL-プロリン(スーグラ錠)の薬理学的特性および臨床試験成績
- 高須 俊行,高倉 昭治,加来 聖司
- 日本薬理学雑誌 = Folia pharmacologica Japonica : くすりとからだ : ファーマコロジカ 145(1), 36-42, 2015-01
- NAID 40020312474
- 新規2型糖尿病治療薬イプラグリフロジンL-プロリン(スーグラ®錠)の薬理学的特性および臨床試験成績
- 高須 俊行,高倉 昭治,加来 聖司
- 日本薬理学雑誌 145(1), 36-42, 2015
- … イプラグリフロジンL-プロリン(以下イプラグリフロジン,商品名:スーグラ®錠)は,選択的sodium/glucose co-transporter(Na+/グルコース共輸送体:SGLT)2阻害薬として2014年1月に国内で初めて承認された新しい糖尿病治療薬である.腎近位尿細管においてグルコースの再吸収を担う糖輸送体であるSGLT2を阻害し,血液中の過剰なグルコースを尿糖として体外に排泄することによって高血糖を是正する. …
- NAID 130004827713
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- 2014年1月17日、2型糖尿病治療薬のイプラグリフロジン L-プロリン(商品名スーグラ錠25mg、同錠50mg)が製造承認を取得した。適応は「2型糖尿病」で、用法・用量は「1日1回50mg朝食前又は朝食後に経口投与。1日1回100mgまで増量 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
スーグラ錠25mg
組成
有効成分(1錠中)
- イプラグリフロジン L-プロリン 32.15mg(イプラグリフロジンとして25mg)
添加物
- D-マンニトール、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡[輸液、インスリン製剤による速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
- 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
効能または効果
- 本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖尿病の患者には投与をしないこと。
- 重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため、投与しないこと。(「重要な基本的注意(6)」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
- 中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。(「重要な基本的注意(6)」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
- 通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。
- 重度の肝機能障害のある患者に対しては低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。(「慎重投与」の項参照)
慎重投与
- 次に掲げる患者又は状態[低血糖を起こすおそれがある。]
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、るいそう、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
- 重度の肝機能障害のある患者[使用経験がなく安全性が確立していない。(「薬物動態」の項参照)]
- 他の糖尿病用薬(特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤)を投与中の患者[併用により低血糖を起こすおそれがある。(「重要な基本的注意(1)」、「相互作用」、「副作用」及び「臨床成績」の項参照)]
- 尿路感染、性器感染のある患者[症状を悪化させるおそれがある。(「重要な基本的注意(7)」の項参照)]
- 脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)[本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがある。(「重要な基本的注意(8)」、「相互作用」、「副作用」及び「高齢者への投与」の項参照)]
重大な副作用
低血糖
- 他の糖尿病用薬(特にスルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤)との併用で低血糖があらわれることがある。また、他の糖尿病用薬と併用しない場合も低血糖が報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。(「重要な基本的注意(1)」及び「臨床成績」の項参照)
腎盂腎炎(0.1%)、敗血症(頻度不明)
- 腎盂腎炎があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意(7)」の項参照)
脱水(頻度不明)
- 脱水があらわれることがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されているので、十分注意すること。(「重要な基本的注意(8)」及び「高齢者への投与」の項参照)
ケトアシドーシス(頻度不明)
- ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意(9)」の項参照)
薬効薬理
作用機序
- Na+/グルコース共輸送担体(SGLT:Na+-glucose cotransporter)は、Na+の濃度勾配を駆動力としてグルコースを細胞内へ能動輸送するトランスポーターである。ヒトにおけるSGLT1とSGLT2の機能について、消化管におけるグルコース吸収はSGLT1が、腎近位尿細管におけるグルコース再吸収はSGLT2が、それぞれ主たる役割を担っていることが明らかになっている28)。イプラグリフロジンは腎近位尿細管に発現するSGLT2を阻害し、血液中の過剰なグルコースを体外に排出することで血糖降下作用を発揮する。
薬理作用
ヒトSGLT2阻害作用
- イプラグリフロジンは、ヒトSGLT2に対して選択的な阻害作用を示し、その50%阻害濃度(IC50値)は、7.38nmol/Lであった。SGLT1に対するIC50値は、1880nmol/Lであった29)。
尿中グルコース排泄促進作用及び血糖降下作用
- イプラグリフロジンは、正常マウス、ニコチンアミド/ストレプトゾトシン誘発軽症2型糖尿病マウス及び2型糖尿病KK-Ayマウスにおいて単回経口投与により投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量を増加させた30)。また、イプラグリフロジンは、それらのマウスにおいて単回経口投与により液体栄養剤負荷後の血糖値上昇を抑制した31)。更に、イプラグリフロジンは2型糖尿病KK-Ayマウス並びにdb/dbマウスにおいて、1日1回28日間の反復経口投与によりHbA1c低下作用を示した32)33)。
2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg、100mg又はプラセボを1日1回14日間投与したところ、本剤投与群において最終投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量が増加した。また、空腹時血糖値のベースラインからの変化量も増加した3)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
融点
性状
- イプラグリフロジン L-プロリンは白色〜微帯褐白色の結晶又は粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
- 選択的DPP-4阻害剤/選択的SGLT2阻害剤配合剤, 2型糖尿病治療剤
薬効
- 2型糖尿病(ただし、シタグリプチンリン酸塩水和物及びイプラグリフロジン L-プロリンの併用による治療が適切と判断される場合に限る)を効能・効果とする新医療用配合剤
[★]
会社名
成分名
薬効分類
[★]
イプラグリフロジン
[★]
- 英
- rosin
- 同
- コロホニウム colophony、レジン、松脂 まつやに
- 関
- ピッチ
[★]
- 英
- plug
- 関
- 栓、栓子、塞ぐ