- 67歳の女性。乳癌の骨転移による疼痛を主訴として入院している。この患者と担当医の会話を以下に示す。医師①「小林さん、痛みの具合はいかがですか」
- 患者「来たときよりも大分ましです。ここ2週間はほとんど感じませんね」
- 医師②「2週間、痛みを感じないのですね」
- ③「ところで、一つ私から質問があるのですが、お聞きしていいですか」
- 患者「ええ、どうぞ」
- 医師「小林さんは入院されてからずっと病室で過ごされていますが、何かやってみたいことはありませんか。ここでの生活をできるだけ楽しんでいただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか」
- 患者「ああ、そのことねえ。昨日も看護師さんに外泊や外出を勧められたけど、私はここでいいの。楽しくもないけど、まあまあ満足しています」
- 医師「まあまあ満足しているということは、十分な満足ではないのですよね」
- ④「もしよかったら、満足具合をもっと詳しく教えていただけませんか」
- 患者「そうねえ、私、昔からあまり人付き合いが好きな方じゃないのです。特別会いたいと思う友達もいないし、ホールに出て行って話したいとも思わないのです。一人で気ままにしているほうが楽しいの。それは自宅にいられたらいうことないのですが、今まで家で療養していて、家族に負担をかけていたので、少し休養させてあげたいんです。私も家族に気兼ねしながら自宅にいるより、一人でここにいるほうが、気が楽だしね。だから、今の状態で、まあまあ満足なんですよ」
- 医師⑤「なるほど、人付き合いがお好きじゃないし、外泊するよりも、今はここに一人でいるほうが、気が楽なのですね」
- 正しいのはどれか。
- a. ①は痛みに限定した閉じられた質問(closed question)になっている。
- b. ②は患者の解釈モデルを確認している。
- c. ③は良い医師患者関係が成立していないことを示している。
- d. ④は患者の本当の気持ちを聞き出そうとしている。
- e. ⑤は聞き間違いがないかどうかの医師の不安感を示している。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D025]←[国試_100]→[100D027]
★リンクテーブル★
[★]
- 52歳の女性。腹痛を主訴に来院した。数年前から時々上腹部痛があり、昨年上部消化管造影を受け十二指腸球部の変形を指摘された。夫と二人暮らしである。5日前から空腹時にみぞおちが鈍く痛むようになり、2日前から黒色便が続いている。少し動くと動悸がする。意識は清明。身長157cm、体重48kg,体温36.5℃。脈拍112/分、整。血圧92/60mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心雑音はなく、呼吸音に異常はない。上腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球270万、Hb7.0g/dl、Ht21%、白血球8,000、血小板24万。担当医は緊急上部消化管内視鏡検査と入院治療とが必要であると考えて説明を行ったが、患者は「夫の世話をしなければならないので、内服薬をもらって帰りたい」と言っている。
- 検査と入院とを勧める際、信頼関係の構築に適切でないのはどれか。
- a. 指示に従わない限り治療しないと示唆する。
- b. 検査で判明する疾患を説明する。
- c. 入院治療の効果を強調する。
- d. 病態の重篤性を説明する。
- e. 家族の協力を依頼する。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D024]←[国試_100]→[100D026]
[★]
- 44歳の男性。会社の健康診断で糖尿病と高血圧とを指摘されて入院した。自覚症状はない。夜間、排尿に起きることはない。
- 身長170cm、体重78㎏。脈拍72/分、整。血圧144/98mmHg。血液所見:赤血球474万、Hb15.4g/dl、Ht46%、白血球6,200。血清生化学所見:空腹時血糖130mg/dl、HbA1c6.4%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.0g/dl、アルブミン4.4g/dl、AST48単位、ALT52単位、LDH324単位(基準176~353)。
- 受け持ち医は研修医(中村)と指導医(佐藤)である。ある日の診療録を以下に示す。
- 診療録記載の問題点はどれか。
- a. 問題指向型医療記録(POMR)になっていない。
- b. 不適切な略語が多く使用されている。
- c. 読みやすい字で書かれていない。
- d. 指導医の確認がされていない。
- e. 不適切な修正が行われている。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D026]←[国試_100]→[100D028]