ミトキサントロン
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- 抗がん剤副作用、ノバントロン:塩酸ミトキサントロンを使うがん、急性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、乳がん、 肝臓がん.
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ノバントロン注10mg
組成
成分・含量
- 1バイアル(5mL)中
ミトキサントロン塩酸塩 11.6mg(ミトキサントロン 10mg)
添加物
- 1バイアル(5mL)中
塩化ナトリウム 40.0mg,氷酢酸 2.3mg,ピロ亜硫酸ナトリウム 0.5mg,無水酢酸ナトリウム 0.25mg
禁忌
- 心機能異常又はその既往歴のある患者
[心筋障害があらわれるおそれがある.]
- 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)
- 通常,成人にはミトキサントロンとして1日1回2〜5mg/m2(本剤1〜2.5mL/m2)を5日間連日,3〜4週間隔で静脈内にゆっくり投与する.
悪性リンパ腫,乳癌
- 通常,成人にはミトキサントロンとして1日1回2〜4mg/m2(本剤1〜2mL/m2)を5日間連日あるいは1回8〜14mg/m2(本剤4〜7mL/m2)を,3〜4週間隔で静脈内にゆっくり投与する.
肝細胞癌
- 通常,成人にはミトキサントロンとして1日1回6〜12mg/m2(本剤3〜6mL/m2)を,3〜4週間隔で静脈内にゆっくり投与する.
なお,いずれの場合も年齢,症状により適宜増減する.
注射液の調製法及び注射方法
- 毒性軽減のため本剤の用量を下記のとおり希釈して用いる.
・静脈内投与
- 本剤の必要量を通常,注射用蒸留水,生理食塩液又は5%ブドウ糖液20mL以上で希釈し,3分間以上かけてゆっくり静脈内投与する.
・点滴静脈内投与
- 本剤の必要量を通常,生理食塩液又は5%ブドウ糖液100mL以上で希釈し,30分以上かけて点滴静脈内投与する.
なお,注射用蒸留水で希釈した場合は低張となるので使用しないこと.
- 希釈した注射液は調製後24時間以内に使用すること.
慎重投与
- 肝障害のある患者
[副作用が強くあらわれるおそれがある.]
- 腎障害のある患者
[副作用が強くあらわれるおそれがある.]
- 骨髄機能抑制のある患者
[骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある.]
- 感染症を合併している患者
[骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある.]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 水痘患者
[致命的な全身障害があらわれるおそれがある.]
重大な副作用
うっ血性心不全(0.1〜5%未満),心筋障害,心筋梗塞(いずれも頻度不明)
- 従前にアントラサイクリン系薬剤を使用していない症例では,本剤の総投与量が160mg/m2,及び従前にアントラサイクリン系薬剤を使用した症例では,本剤の総投与量が100mg/m2を超える場合にうっ血性心不全等の重篤な心障害を起こすことがある.また,従前にアントラサイクリン系薬剤を使用した症例では,本剤の投与量の多少にかかわらず心筋障害を起こすことがあるので,心機能検査を頻回に行い,異常が認められた場合には投与を中止すること2).
骨髄抑制,汎血球減少(いずれも頻度不明)
- 骨髄抑制,汎血球減少,貧血(5%以上),白血球減少(5%以上),血小板減少(5%以上),出血(0.1〜5%)等があらわれることがあるので,頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合には減量,休薬等の適切な処置を行うこと.
間質性肺炎(頻度不明)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので観察を十分に行い,発熱,咳嗽,労作時息切れ,呼吸困難等の異常が認められた場合には,速やかに胸部X線検査等を実施し,間質性肺炎が疑われる場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発疹,呼吸困難,血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
抗腫瘍作用10〜17)
- ミトキサントロンはマウスに移植した白血病(L1210,P388),リンパ腫(L5178Y),乳癌(CD8F1)の細胞,ラットに移植した腹水肝癌(AH7974,AH44)の細胞及び培養ヒト肝癌細胞(huH-1,huH-2)に対し抗腫瘍活性を示す.また,ミトキサントロンは,ドキソルビシン及びダウノルビシン耐性P388白血病細胞移植マウスに対して,不完全交差耐性を示し,生存期間の延長(延命率はそれぞれ40%及び36%)が認められている.
作用機序
- ミトキサントロンは,DNA鎖と架橋形成し,腫瘍細胞の核酸合成を阻害する.
ミトキサントロンを作用させた白血病細胞(L1210)のDNA鎖では,DNA鎖の溶融に必要な温度の上昇がみられ,ミトキサントロンがDNA鎖と架橋を形成することが示唆されている.ミトキサントロンの架橋形成作用は,ミトキサントロンの白血病細胞(L1210)におけるチミジン及びウリジンの50%取り込み阻害速度(IC50値)が,それぞれ0.34μmol/L(150ng/mL),0.17μmol/L(75ng/mL)であることからも推察される10).
また,ミトキサントロンは,トポイソメラーゼ-IIによるDNA切断作用を阻害することが確認されている18).
有効成分に関する理化学的知見
分子量
融 点
性 状
- 暗青色の結晶でにおいはない.
水又はジメチルスルホキシドにやや溶けにくく,メタノール又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けにくく,エタノール(95),アセトン,ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- mitoxantrone
[★]
- 英
- mitoxantrone, MIT
- 化
- 塩酸ミトキサントロン, mitoxantrone hydrochloride
- 商
- ノバントロン, Novantrone
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関