クロミプラミン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/16 00:07:25」(JST)
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クロミプラミン
|
IUPAC命名法による物質名 |
3-(3-chloro-10,11-dihydro-5H-dibenzo[b,f]azepin-5-yl)-N,N-dimethylpropan-1-amine
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口、筋肉内、静注 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
経口 ~50% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
クロミプラミン ~35時間
デスメチルクロミプラミン(主活性代謝物) ~50時間 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS番号 |
303-49-1 |
ATCコード |
N06AA04 |
PubChem |
CID: 2801 |
DrugBank |
APRD00253 |
ChemSpider |
2699 |
KEGG |
D07727 |
化学的データ |
化学式 |
C19H23ClN2 |
分子量 |
314.9 |
SMILES
-
Clc1ccc3c(c1)N(c2ccccc2CC3)CCCN(C)C
|
クロミプラミン(clomipramine)は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。分子式は C19H23ClN2。酢酸に極めて溶けやすく、酢酸エチル、ジエチルエーテルに溶けにくい。塩酸塩は白色または微黄色結晶。融点192–196℃。1960年代にスイスのガイギー社(現・ノバルティス)によって開発された。三環系抗うつ薬の一種で、アルフレッサファーマから塩酸塩がアナフラニールという商品名で発売されている。
脳内のセロトニンおよびノルアドレナリンの神経終末への取り込みを阻害する。
日本における適応は、うつ病・うつ状態、遺尿症、ナルコレプシーに伴う情動脱力発作である。
獣医学領域ではイヌの分離不安症の治療薬として使用される。
主な副作用
- 喉の渇き(三環系共通:頻度高)
- 眠気(抗うつ薬共通:頻度低)
- 立ちくらみ、めまい、ふらつき(抗うつ薬共通:頻度低)
- 食欲減退
禁忌
- 緑内障のある患者
- 心筋梗塞の回復初期の者
- 尿閉(前立腺疾患等)のある者
- チオリダジンを投与中の患者
種類
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CAS登録番号 |
分子式 |
モル質量
g mol−1 |
日化辞番号 |
PubChem |
クロミプラミン |
303-49-1 |
C19H23ClN2 |
314.86 |
J8.630D |
2801 |
塩酸塩 |
17321-77-6 |
HCl・C19H23ClN2 |
351.32 |
J290.331H |
68539 |
出典
- ^ DailyMed: About DailyMed
抗うつ薬 (N06A) |
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再取り込み阻害薬 |
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選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)
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フルオキセチン フルボキサミン パロキセチン セルトラリン エスシタロプラム
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セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRIs)
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デュロキセチン ミルナシプラン ベンラファキシン
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ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (NRIs)
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アトモキセチン
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ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬 (NDRIs)
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ブプロピオン
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受容体拮抗薬 / 再取り込み阻害薬 |
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セロトニン2受容体拮抗・再取り込み阻害薬 (SARIs)
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トラゾドン
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ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSAs)
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ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬 (NDDIs)
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アゴメラチン フリバンセリン
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三環系抗うつ薬 と 四環系抗うつ薬 (TCAs/TeCAs) |
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三環系: アミトリプチリン クロミプラミン イミプラミン ノルトリプチリン アモキサピン 四環系: マプロチリン ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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アザピロン と 5-HT1A阻害薬 |
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アリピプラゾール タンドスピロン
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サプリメント (ビタミン, ミネラル, アミノ酸など) |
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アスコルビン酸 (Vitamin C) 魚油 葉酸 (Vitamin B9) L-5-HTP (Oxitriptan) レボドパ (Levodopa) L-Methionine フェニルアラニン トリプトファン チロシン マグネシウム メラトニン ナイアシン/Niacinamide (Vitamin B3) ω-3脂肪酸 ピリドキシン (Vitamin B6) S-アデノシルメチオニン 亜鉛
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Japanese Journal
- 動物臨床医学 = Journal of Animal Clinical Research Foundation 19(3), 95-99, 2010-09-20
- NAID 10027642683
- O2-B-2 塩酸クロミプラミンが消化管刺激誘発性局所脳活動に及ぼす影響(シンポジウム7関連 Neuroimagingの新展開,一般口演,ストレス時代の『こころ』と『からだ』,第51回日本心身医学会総会ならびに学術講演会)
- 12.10数年来の難治性外陰部痛に少量の塩酸クロミプラミンが奏効した老年婦人の1例(一般演題,第65回日本心身医学会東北地方会演題抄録)
Related Links
- 成分(一般名) : クロミプラミン塩酸塩 製品例 : アナフラニール錠10mg~25mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価 区分 : 神経系用剤(含む別用途)/イミプラミン系/うつ病・うつ状態治療剤、遺尿症治療剤、情動脱力発作治療剤
- 抗ウツ薬 一般名 塩酸クロミプラミン 商 品 名 「アナフラニール」 作 用 機 序 脳内神経終末への5-HT取り込みを選択的に阻害する。 抗コリン作用があります・ 脳に直接働いて精神機能を高揚して不安を軽減します。 効 能
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- うつ病・うつ状態治療剤
- 遺尿症治療剤
- 情動脱力発作治療剤
販売名
アナフラニール錠10mg
組成
成分・含量
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、精製セラック、ヒマシ油、白糖、タルク、アラビアゴム末、酸化チタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、マクロゴール6000、カルナウバロウ
禁忌
- 緑内障のある患者[抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 心筋梗塞の回復初期の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 尿閉 (前立腺疾患等) のある患者[抗コリン作用により症状が悪化することがある。]
- MAO阻害剤 (セレギリン) を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれるおそれがある (「相互作用」の項参照)。]
- QT延長症候群のある患者[心室性不整脈を起こすおそれがある。]
効能または効果
- 精神科領域におけるうつ病・うつ状態
- 遺尿症
- ナルコレプシーに伴う情動脱力発作
- 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
・ 精神科領域におけるうつ病・うつ状態の場合
- 通常、成人にはクロミプラミン塩酸塩として1日50〜100mgを1〜3回に分割経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は225mgまでとする。
・ 遺尿症の場合
- 通常、6歳未満の幼児にはクロミプラミン塩酸塩として1日10〜25mgを、また6歳以上の小児には1日20〜50mgを1〜2回に分割経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
・ ナルコレプシーに伴う情動脱力発作の場合
- 通常、成人にはクロミプラミン塩酸塩として1日10〜75mgを1〜3回に分割経口投与する。
慎重投与
- 排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者[抗コリン作用により症状が悪化することがある。]
- 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈 (発作性頻拍・刺激伝導障害等) 等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者[循環器系に影響を及ぼすことがある。]
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。なお、米国における臨床試験の結果、本剤の用量とてんかん発作出現に明らかな相関関係が認められている。]
- 躁うつ病患者[躁転、自殺企図があらわれることがある。]
- 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
- 副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫等)のある患者[高血圧発作を引き起こすことがある。]
- 重篤な肝・腎障害のある患者[代謝・排泄障害により副作用があらわれやすい。]
- 低血圧のある患者[高度の血圧低下が起こることがある。]
- 低カリウム血症のある患者[低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられる。]
- 高度な慢性の便秘のある患者[抗コリン作用により症状が悪化することがある。]
- 小児又は高齢者[小児に投与する場合には4歳以上に投与することが望ましい (「高齢者への投与」、「小児等への投与」の項参照)。]
重大な副作用
悪性症候群 (Syndrome malin)
(頻度不明)
- 無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。
本症発症時には、白血球の増加や血清CK (CPK) の上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
セロトニン症候群
(頻度不明)
- 不安、焦燥、せん妄、興奮、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクロヌス、反射亢進、下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので、これらの症状が出現した場合には投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
てんかん発作
(頻度不明)
- てんかん発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK (CPK) 上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
無顆粒球症、汎血球減少
(頻度不明)
- 無顆粒球症 (前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等)、汎血球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス
(頻度不明)
- 腸管麻痺 (食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状) を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
間質性肺炎、好酸球性肺炎
(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常 (捻髪音) 等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH)
(頻度不明)
- 症状として低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
QT延長、心室頻拍 (Torsades de pointesを含む)、心室細動
(頻度不明)
- 定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- AST (GOT)、ALT (GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 抗うつ剤の作用機序は確立されていないが、脳内のセロトニン (5-HT) 及びノルアドレナリン (NA) の神経終末への取り込み阻害による受容体刺激の増強が抗うつ効果と結びついていると考えられている。各種抗うつ剤の脳内 (ラット) での5-HT及びNA取り込み阻害の比[ED50 (5-HT)/ED50 (NA)]は下図のとおりでクロミプラミンではNA取り込み阻害に比して、5-HT取り込み阻害が強い。4)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- クロミプラミン塩酸塩 (Clomipramine Hydrochloride)
化学名
- 3-(3-Chloro-10, 11-dihydro-5H-dibenzo[b , f ]azepin-5-yl)-N , N -dimethylpropylamine monohydrochloride
分子式
分子量
性状
酢酸 (100) に極めて溶けやすく、水、メタノール又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール (95) にやや溶けやすく、無水酢酸にやや溶けにくく、アセトンに溶けにくく、酢酸エチル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- clomipramine
[★]
- 英
- clomipramine
- 同
- 塩酸クロミプラミン clomipramine hydrochloride
- 商
- アナフラニール Anafranil
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関
[★]
- 英
- lamin
- 関
- 核ラミン