出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/07 21:25:17」(JST)
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句読点(くとうてん、英:punctuation)とは、句点と読点の総称である。最も狭義には終止符とカンマのみを指すが、より広く疑問符や感嘆符、省略符を含む場合、さらに広義には括弧、カギ括弧、その他文章に使う様々な記号を含む場合がある。
句読点は、その置き方により構文上重大な変化を起こしうる。例えば"eats, shoots and leaves"(食って撃って逃げる)と"eats shoots and leaves"(芽と葉を食べる)のように、カンマを入れることによって意味が変化する。日本語でも、仮名のみで書いた文章の場合、同様のことが起こるが、通常は漢字仮名交じり文を使用するため、あまり問題にならない。
ヨーロッパの多くの言語では、文の構造を示したり、イントネーションの明確化など、曖昧さの回避のために重要な要素となっている。
古代の線文字Bなどでは単語間の空白すら置かれなかったが、文字の普及とともに単語の切れ目に空白を置くのが普通になり、また多くの言語では正書法としての句読点がおおよそ確立された。
ただし、同一とみなされる言語でも、国や地域によって正書法が異なることもある。例えば英語では、英国では引用符で句を括った場合に、終止符は締めの引用符の前に置くが、米国では後に置く。反面、古代マヤ語や中世以前の漢文などでは、句読点がほとんどない。これらの言語では、それぞれの文字自体が形態素を構成し意味を構成しているので、欧文のように単語の間を空白で区切る必要も少ない。また日本語でも、中世以前、正式な文書は漢文で書かれていたので、同様であった。中世以降、仮名書き文や漢字仮名交書き文が普及したが、草書体から発展した平仮名での筆記は、文章の区切りごとに繋がって綴られることが多く、また漢字と仮名を交ぜ書きすることが普通であったこともあり、読み手が区切りを読み違えることも少なく、句読点の必要性はあまりなかった。
日本でも活字の使用が増え始めると、明治20 - 30年代以降、日本語での句読点の使用が、徐々に現れはじめた。句読点の置き方の標準がはじめて公的に示されたのは、明治39年(1906年)の文部省大臣官房圖書課の「句読法案(句読点法案)」である[1]。戦後も幾度か指針が示されたが、日本語の句点としては「。」や「.」、読点としては「、」や「,」などがあり、種々の組合せで用いられる[2][3]。
日本語の文章では、縦組と横組とで句読点を変えることがある。縦組では「、。」だけであるが、横組では「、。」「,。」「,.」の組合せがある。これは明治時代に日本語の改革が起きたとき以来続いているが、現代のワープロソフトやDTPソフトでも、基本的に縦横の組み方を変えたとき、自動的な変換はなされない(ミニュートなどは自動的に適切なものに置き換わるソフトもある)。
多くの仮名漢字変換システムでは設定によって句読点の使い方を選べるが、ソフトによっては「、。」と「,.」の組合せのみで、それぞれを独立して設定できないものもある。こういった表記ルールは各出版社や、その中でも印刷物の種類ごとに定められており、例えば官報は縦横どちらも「、。」であり、平凡社の世界大百科事典は書籍版においては「,.」、CD-ROM版においては「,。」を使用している。また、自治体によっては庁内文書や公的文書でも「,。」としている所もある(広島県,宮城県,呉市等)他,雑誌でもこのルールで記事が書かれているものもある(「ぽると出版」の「バスラマ・インターナショナル」等)。
昭和26年に公用文作成の要領が第12回国語審議会で議決、建議され、翌27年に各省庁に通知された。この要領において、公文書は横書きとし、句読点は「,。」を用いるよう定められている。この要領は昭和61年発行の内閣総理大臣官房総務課が監修した新公用文用字用語例集にも掲載されており、現在も有効である。それにもかかわらず、50年以上経過した現在においても、官報をはじめ、この要領に沿わない公文書が多く発行されている。文部省では横書きは「,。」が使用されていたが、平成11年3月文部省大臣官房総務課行政事務管理室から「文部省における事務能率の向上について」が出され、横書きの読点について、文書全体で統一することで「,」又は「、」のいずれでも可とするとされた。また、現在日本で使われている横組の教科書(社会、算数・数学、理科、英語、音楽など)のほとんどは「,。」の組合せである(国語、書写及び書道は縦組なので「、。」を使用)。
手書き毛筆の賞状、表彰状、感謝状等では、現代でも慣例として句読点を用いない。
メールやインターネット上などのインフォーマルな文書で、三点リーダ(…)の代わりとして文中や文末で句読点を重ねて使う人がいる。連続する回数は場合や人によってまちまちで一定せず、通常の句読点と混在させる場合もある(例…「~~だと思うんですけど、、、、」「~~だと思います。。。。」など)。
その意味合いは人によってまちまちだが、「三点リーダよりも打ちやすい」「入力モードを半角にしなくてよい」などの手間を省く目的や、「語尾に余韻を持たせたい」「まだ言葉が足りない気がするが言葉が見つからない」「言葉を濁す」「焦慮を込める」など、文面に様々な含みを持たせる目的で使うという(ただし、この用法を学術的に調査した例は知られていない)。
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