- 英
- monoterpene
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/18 15:52:02」(JST)
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モノテルペン (Monoterpene) は、テルペンの分類の1つで、2つのイソプレン単位からなり、C10H16の分子式を持つものである。線形(非環式)のものと環を含むものがある。酸化や転位反応等の生化学修飾によって、モノテルぺノイドを生成する。
目次
- 1 非環式モノテルペン
- 2 単環式モノテルペン
- 3 複環式モノテルペン
- 4 気候への影響
- 5 利用
- 6 出典
非環式モノテルペン
イソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸は、生合成により結合して、ゲラニルピロリン酸を形成する。
ピロリン酸基の脱離によって、オシメンやミルセン等の非環式モノテルペンが生成する。またリン酸基の加水分解によって、非環式モノテルペンのゲラニオールが生成する。さらに転移や酸化によって、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、リナロールやその他多くの化合物が生成する。海洋生物で見られる多くのモノテルペンは、ハロモンのようにハロゲン化されている。
単環式モノテルペン
線形構造にイソプレンが結合することで、環が形成される。モノテルペンに最も多く含まれるのは、六員環である。ゲラニルピロリン酸を環化すると、 リモネンが生成する。
テルピネン、フェランドレン、テルピノレンも同様に生成する。これらの化合物をヒドロキシル化し脱水すると、シメンが生成する。単環式モノテルペンの誘導体である重要なテルぺノイドには、メントール、チモール、カルバクロール等がある。
複環式モノテルペン
ゲラニルピロリン酸は、二度の環化反応によって、ピネンのような複環式モノテルペンを生成する。
その他の複環式モノテルペンには、カレン、サビネン、カンフェン、ツジェン等がある。樟脳、ボルネオール、シネオールは、それぞれケトン、アルコール、エーテルを含む例である。
気候への影響
モノテルペンは森林から放出され、雲凝結核として働くエアロゾルを形成する。このようなエアロゾルは、雲の明るさを増し、温度を下げる[1]。
利用
リナロールのようないくつかのモノテルペンは抗細菌活性を持つ。
出典
- ^ D. V. Spracklen, B. Bonn, K. S. Carslaw (2008). “Boreal forests, aerosols and the impacts on clouds and climate”. Phil. Trans. R. Soc. A. 366 (1885): 4613–26. Bibcode 2008RSPTA.366.4613S. doi:10.1098/rsta.2008.0201. PMID 18826917. http://homepages.see.leeds.ac.uk/~eardvs/papers/spracklen08c.pdf.
テルペンとテルペノイド |
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ヘミテルペン |
イソプレン | プレノール | 3-メチルブタン酸
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モノテルペン |
ゲラニル二リン酸 | シネオール | リモネン | ピネン
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セスキテルペン |
ファルネシル二リン酸 | アーテミシニン | ビサボロール
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ジテルペン |
ゲラニルゲラニル二リン酸 | レチノール | レチナール | フィトール | パクリタキセル | ホルスコリン | アフィジコリン
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トリテルペン |
スクアレン | ラノステロール
|
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テトラテルペン |
リコペン | カロテン
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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- 1. 胆石の溶解療法 dissolution therapy for the treatment of gallstones
Japanese Journal
- 佐藤 浩太郎,上垣外 正己
- 高分子論文集 advpub(0), 2015
- … 合成において培った技術を利用して新しいバイオベースポリマーを創出することを目的として,低環境負荷な再生可能資源であるテルペンの精密重合系の開発について述べる.植物から豊富に採取されるモノテルペンであるβ-ピネンやd-リモネンは,脂環式骨格を有するオレフィンである.筆者らは,これらの植物由来化合物をモノマーとして用い,リビングカチオン重合やリビングラジカル共重合など,さまざまな精 …
- NAID 130005070959
- 47. チャにおける加害応答性モノテルペンアルコール生合成酵素の同定(口頭発表,植物化学調節学会第49回大会)
- 井上 智宏,阪井 直哉,戸塚 紘二郎,水谷 正治,渡辺 修治,大西 利幸
- 植物化学調節学会研究発表記録集 49(Supplement), 65, 2014-10-01
- NAID 110009865136
- 高濃度オゾン条件下での針葉樹からのモノテルペン放出量
- 西村 弘,近藤 明,乾 雄人 [他]
- 大気環境学会誌 = Journal of Japan Society for Atmospheric Environment 49(1), 8-14, 2014
- NAID 40019947415
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- 2006年10月17日 ... モノテルペンはイソプレン単位2個からなるC10化合物である。一般的に揮発性で芳香 性があり植物精油の構成成分である。その生合成はジメチルアリル二リン酸(DMAP)と イソペンテニル二リン酸(IPP)の結合によって生成したゲラニル二リン ...
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