- 英
- hydrofluoric acid
- 関
- フッ化水素 hydrogen fluoride
- 局所作用:(フッ化水素酸火傷)化学熱傷を起こす。激しい疼痛としばしば水泡形成に伴う難治性潰瘍。50%の濃度で数秒でII度以上の深達性潰瘍
- 全身作用:局所に付着したフッ化水素酸から遊離したフッ素イオンは血中に吸収されてカルシウムと結合する → 低カルシウム血症 → 心室細動
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/25 14:55:28」(JST)
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フッ化水素酸 |
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識別情報 |
CAS登録番号 |
7664-39-3 |
RTECS番号 |
MW7875000 |
特性 |
化学式 |
HF |
外観 |
無色溶液 |
密度 |
1.15 g/mL(48%溶液) |
酸解離定数 pKa |
3.15(in 水) |
危険性 |
主な危険性 |
毒性が非常に高い |
特記なき場合、データは常温(25 ℃)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
フッ化水素酸(フッかすいそさん、Hydrofluoric acid)は、フッ化水素の水溶液である。俗にフッ酸とも呼ばれる。触れただけで激しく体を侵す毒劇物としても知られる。
目次
- 1 概要
- 2 酸性
- 3 用途
- 4 危険性
- 5 参考文献
- 6 関連項目
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概要[編集]
フッ化水素酸はフッ化水素と共に多くの薬品、重合体(例:テフロン)およびフッ素を含むほとんどの合成繊維の前駆体である。
濃フッ化水素酸は一般にガラス (SiO2) と反応して溶かすことがよく知られている。
- SiO2 + 4HF(aq) → SiF4 + 2H2O(l)
- SiO2 + 6HF(aq) → H2[SiF6](aq) + 2H2O(l)
ガラスを腐食する性質のため、フッ化水素酸はポリエチレンまたはテフロン容器に入れて保存される。また、フッ化水素酸は多くの金属も腐食する。特に硝酸との混合酸は酸に対し耐食性の高いタンタルなども溶解する。
通常は47~48% (d=1.15 g cm−3, 27.6 mol dm−3) 程度の水溶液として市販され、医薬用外毒物の指定を受ける。
酸性[編集]
フッ化水素酸は水溶液中では他の酸と同じように解離する。他のハロゲン化水素酸とは異なり希薄水溶液中では弱酸となる。
- HF(aq) + H2O(l) H3O+(aq) + F−(aq), pKa=3.17
その電離平衡に対する熱力学的諸量は以下の通りである[1]。
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−12.55 kJ mol−1 |
18.03 kJ mol−1 |
−102.5 J mol−1K−1 |
HF分子が接近したとき酸性度は次の平衡のため劇的に増加する。このためフッ化水素酸は通常の弱酸とは異なり、0.1 mol dm−3程度以上の濃度になると高濃度となっても電離度があまり減少しない。
- 2HF(aq) H+(aq) + FHF−(aq)
- HF(aq) + F−(aq) FHF−(aq), K=5.1
FHF−アニオンは、水素−フッ素間の強力な水素結合によって安定化される。このイオンは純液体フッ化水素のみならず、水溶液中でも高濃度であれば生成する。
用途[編集]
各種フッ素化合物の原料として重要であるほか、ガラスの化学加工や、半導体製造時のシリコンのエッチングに用いられる。ステンレスやアルミニウムの酸化被膜除去には、硝酸との混酸が使用される。濃縮ウランである六フッ化ウランを加水分解して、ウラン燃料としての酸化ウラン(IV)とする工程では多量のフッ化水素酸が生じる[2]。歯科技工の分野でも用いられるが、危険物のため生きた人間の歯に塗布してはいけない。
危険性[編集]
1982年には東京都八王子市で歯科医師からフッ化ナトリウムと誤ってフッ化水素酸を歯に塗布された幼女が死亡する事故が発生している[3][4]。
2013年にはフッ酸を塗られた靴を履いた女性が、足の壊疽(えそ)を起こし、5本の指すべてを切断する重症を負う事件が起こっている[5]。これは故意に塗られたもので、犯人は殺人未遂容疑で逮捕された[5]。
参考文献[編集]
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982)
- ^ 村田徳治 『新訂・廃棄物のやさしい化学 第3巻 廃酸・廃アルカリ・汚泥の巻』 日報出版、2004年、83-91頁。ISBN 978-4-89086-235-1。
- ^ 1982年4月22日・24日付毎日新聞(縮刷版)
- ^ 昭和57年(1982年)4月22日(水曜日)読売新聞
- ^ a b 靴に毒,同僚女性が足の指切断。殺人未遂容疑で男逮捕朝日新聞web 2013年3月28日13時9分
関連項目[編集]
- フッ化水素
- 塩酸
- 八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故
- グルコン酸カルシウム
Japanese Journal
- bFGF製剤が治療に有用であったフッ化水素酸による指尖部化学熱傷
- 大澤 学,爲政 大幾,松尾 智央,岡本 祐之
- Journal of environmental dermatology and cutaneous allergology = / the Japanese Society for Dermatoallergology and Contact Dermatitis 6(1), 33-36, 2012-01-31
- NAID 10030441068
- 北川 恵理,西村 剛三,今泉 敏史,芳原 聖司,三宅 啓介
- 熱傷 : 日本熱傷学会機関誌 = Japan journal of burn injuries 37(5), 303-308, 2011-12-15
- NAID 10030394586
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hydrogen fluoride
- 関
- フッ化水素酸 hydrofluoric acid
- フロンの材料、電球のつや消し、ブラウン管、、冷媒、金属の表面処理
- 沸点 19.5℃
- 吸入:急性肺水腫、気管支炎、上気道に出血性の潰瘍
- 皮膚、粘膜への接触:強い刺激性、腐食性
[★]
- 英
- hydrogen fluoride poisoning
- 同
- フッ化水素酸中毒 hydrofluoric acid poisoning、フッ酸中毒 fluohydric acid poisoning
- 関
- フッ化水素、フッ化水素酸
[★]
- 英
- hydrofluoric acid poisoning
- 関
- フッ化水素中毒
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
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