- 英
- follitropin beta
- 商
- フォリスチム
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 新しいくすり 遺伝子組換え卵胞刺激ホルモン(フォリトロピンベータ「フォリスチム注」)の排卵誘発における有効性と安全性
- 調節卵巣刺激(COS)における遺伝子組換え卵胞刺激ホルモン[フォリトロピンベータ(遺伝子組換え),Org 32489,フォリスチム 注,Follistim Injection]の有効性および安全性
Related Links
- 本日は、遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤フォリトロピンベータ(商品名フォリスチム注)300IUと600IUのカートリッジ製剤が、昨年(2008年)10月に発売されましたので、ご説明いたします。 フォリトロピンベータの効能・効果
- フォリトロピンベータの臨床試験成績 フォリトロピンベータの基礎研究は、1985年よりオランダで開始され、1995年にニュージーランドで初めて承認を取得しました。 欧州11ヵ国の18施設が参加し、1992年3月~1993年8月に実施 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
フォリスチム注50
組成
- フォリスチム注50:本剤は遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン(フォリトロピンベータ(遺伝子組換え))の注射液剤であり、1バイアル0.5mL中にフォリトロピンベータ(遺伝子組換え)50国際単位を含有する。
本剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。セルバンク作製時において、ウシの血清由来成分(ウシ胎児血清)、また製造工程において、ウシの血清由来成分(ウシ胎児血清、ウシトランスフェリン)、ブタの膵臓由来成分(ブタインスリン)を培地成分として使用している。
添加物
- L-メチオニン:0.25mg、ポリソルベート20:0.1mg、クエン酸ナトリウム水和物:7.35mg、等張化剤、pH調整剤を含有
禁忌
- エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者、卵巣、下垂体又は視床下部に腫瘍のある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 診断の確定していない不正出血のある患者[悪性腫瘍の疑いがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症のある患者
- 多嚢胞性卵巣症候群に起因しない卵巣嚢胞又は卵巣腫大のある患者[卵胞刺激作用によりその症状を悪化させることがある。]
効能または効果
- ・複数卵胞発育のための調節卵巣刺激(フォリスチム注75、同注150)
- ・視床下部−下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発(フォリスチム注50、同注75)
・複数卵胞発育のための調節卵巣刺激に使用する場合
- フォリトロピンベータ(遺伝子組換え)として通常1日150又は225国際単位を4日間皮下又は筋肉内投与する。その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整し(通常75〜375国際単位を6〜12日間)、平均径16〜20mmの卵胞3個以上を超音波断層法により確認した後、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤により排卵を誘起する。
・視床下部−下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発に使用する場合
- フォリトロピンベータ(遺伝子組換え)として通常1日50国際単位を7日間皮下又は筋肉内投与する。その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整し(卵巣の反応性が低い場合は、原則として、7日間ごとに25国際単位を増量)、平均径18mm以上の卵胞を超音波断層法により確認した後、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤により排卵を誘起する。
・複数卵胞発育のための調節卵巣刺激に使用する場合
- 本剤の使用に際しては十分な経過観察(超音波断層法による卵胞計測、血清エストラジオール検査等)が必要である。卵巣過剰刺激症候群を防止するため上記経過観察に加えて自覚症状や臨床所見についても観察を十分に行い、腹痛、呼吸困難、乏尿などの自覚症状並びにヘマトクリット値上昇、大量腹水、胸水貯留などの臨床所見を認める場合は、速やかに安静及び補液などの適切な処置を行い、必要により入院管理を行うこと。
これまでの治療経験及び患者特性(年齢、多嚢胞性卵巣症候群等)を考慮して、卵巣の反応性が高く卵巣過剰刺激症候群の発現が懸念される場合の初期投与量は低用量とし、卵巣過剰刺激症候群発現のおそれがある場合には、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤の投与を中止すること。
・視床下部−下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発に使用する場合
- 卵巣の反応性が低い場合の増量について、原則として、25国際単位の増量とすること。なお、50国際単位を超える増量での試験は実施されておらず、増量幅に注意し慎重に投与すること(「臨床成績」の項参照)。
本剤の使用に際しては十分な経過観察(超音波断層法による卵胞計測、血清エストラジオール検査等)が必要である。卵巣過剰刺激症候群を防止するため上記経過観察に加えて自覚症状や臨床所見についても観察を十分に行い、腹痛、呼吸困難、乏尿などの自覚症状並びにヘマトクリット値上昇、大量腹水、胸水貯留などの臨床所見を認める場合は、速やかに安静及び補液などの適切な処置を行い、必要により入院管理を行うこと。
これまでの治療経験及び患者特性(年齢、多嚢胞性卵巣症候群等)を考慮して、卵巣の反応性が高く卵巣過剰刺激症候群発現のおそれがある場合には、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤の投与を中止すること。
慎重投与
- 子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]
- 子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがある。]
- 未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があるため。]
- 乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。]
- 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状が増悪するおそれがある。]
重大な副作用
卵巣過剰刺激症候群
(4.7%)
- 本剤の投与に引き続き、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤を投与した場合、卵巣腫大、卵巣捻転、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水・胸水の貯留を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。
重度の卵巣過剰刺激症候群が発生した場合は本剤及びヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤の投与を中止し、患者を入院させて、安静にし、水分と電解質の管理を行い、必要に応じ鎮痛薬を投与する。腹腔、胸腔、心嚢への体液損失に関連した血液濃縮を引き起こすことがあるので、次の項目を毎日1回以上検査すること。
1)水分の摂取量と排泄量
2)体重
3)ヘマトクリット値
4)血清及び尿中電解質
5)尿の比重
6)BUNとクレアチニン
7)総蛋白量及びアルブミン・グロブリン比
8)血液凝固能試験
9)心電図による高カリウム血症のモニタリング
10)腹囲
卵巣過剰刺激症候群は卵巣損傷のリスクを増大させるが、肺窮迫又は心タンポナーデなどの処置を必要としない限り、腹水、胸水及び心膜水を除去しないこと。骨盤検査は卵巣嚢胞を破裂させ、腹腔内出血に至ることがあるので、避けること。もし出血が発生し外科的処置が必要な場合は出血を管理し、可能な限り多くの卵巣組織を維持すること。排卵後に過度の卵巣腫大が認められた患者では、卵巣嚢胞破裂による腹腔内出血の危険性があるので、性交を禁止するよう指示すること。
卵巣過剰刺激症候群の管理は、急性期、慢性期、回復期に分けられる。
<急性期>血管内容積が間質腔へ流出することによって起こる血液濃縮を防ぎ、血栓塞栓障害や腎臓損傷のリスクを最小限に抑えること。血管内容積の減少を許容可能な範囲に維持した上で、電解質を正常化させること。欠損した血管内容積を完全に補正することにより、間質腔の体液貯留が許容不可能なまで増加することがある。一定量の補液、電解質、ヒト血清アルブミンの点滴及び水分の摂取量と排泄量の厳密なモニタリングにより管理すること。高カリウム血症に関するモニタリングも行うこと。
<慢性期>急性期の患者を安定化させた後、カリウム、ナトリウム、水分を厳しく制限し、間質腔の過剰な体液の蓄積を抑えること。
<回復期>間質腔の体液が血管内へ戻ることにより、ヘマトクリット値の低下や水分摂取に伴わない尿排泄量の増加が観察される。腎臓において間質腔の体液排泄能力が低下すると、末梢又は肺の浮腫が発生することもある。回復期では、肺の浮腫に対処するために必要であれば利尿薬を使用してもよい。
なお、利尿薬は血管内容積の減少を促進することがあるので、回復期以外は使用を避けること。
血栓塞栓症
頻度不明注)
流産、子宮外妊娠、多胎妊娠
流産(0.3%)、子宮外妊娠(0.1%)、多胎妊娠(29.0%)
アレルギー反応
頻度不明注)
薬効薬理
FSH受容体結合能及びアロマターゼ活性化作用14, 15)
- 仔ウシ精巣膜のFSH受容体標本への下垂体由来ヒトFSH(125I-hFSH)結合を濃度依存的に阻害し、FSH受容体に対する結合親和性を示した。幼若ラットのセルトリ細胞及び顆粒膜細胞のアロマターゼを濃度依存的に活性化し、性ステロイド代謝を亢進させた。なお、これらのFSH受容体結合能及びアロマターゼ活性化作用は、ヒト尿由来卵胞刺激ホルモンと同等であった。
卵胞発育促進及び卵巣重量増加作用
- 下垂体切除幼若ラットで卵巣内エストラジオール含量の増加を伴う卵胞径の増大や卵胞数の増加などの卵胞発育促進作用とともに、卵巣重量の用量依存的な増加作用が認められた16)。また、卵巣重量の増加作用は、ヒト尿由来卵胞刺激ホルモンと同等であった14)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- フォリトロピンベータ(遺伝子組換え)
Follitropin beta (genetical recombination)
本質
- ヒト胎盤に由来するヒト絨毛性性腺刺激ホルモンα-サブユニットゲノムDNA及びヒト下垂体卵胞刺激ホルモンβ-サブユニットゲノムDNAの発現によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で生産される、92個のアミノ酸残基(C437H682N122O134S13;分子量:10,206)をもつα-サブユニット及び111個のアミノ酸残基(C538H833N145O171S13;分子量:12,485)をもつβ-サブユニットからなる糖たん白質(分子量:約35〜45 kD;二本鎖型)
性状
★リンクテーブル★
[★]
フォリトロピンベータ
[★]
フォリトロピンベータ
[★]
- 英
- tropine