出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/08/02 01:57:17」(JST)
ダイズ | |||||||||||||||||||||
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ダイズ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Glycine max | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ダイズ(大豆) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
米: Soybean、英: Soya bean |
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価 | |
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エネルギー | 1,866 kJ (446 kcal) |
炭水化物 | 30.16 g |
- 糖分 | 7.33 g |
- 食物繊維 | 9.3 g |
脂肪 | 19.94 g |
- 飽和脂肪酸 | 2.884 g |
- 一価不飽和脂肪酸 | 4.404 g |
- 多価不飽和脂肪酸 | 11.255 g |
タンパク質 | 36.49 g |
- トリプトファン | 0.591 g |
- トレオニン | 1.766 g |
- イソロイシン | 1.971 g |
- ロイシン | 3.309 g |
- リシン | 2.706 g |
- メチオニン | 0.547 g |
- シスチン | 0.655 g |
- フェニルアラニン | 2.122 g |
- チロシン | 1.539 g |
- バリン | 2.029 g |
- アルギニン | 3.153 g |
- ヒスチジン | 1.097 g |
- アラニン | 1.915 g |
- アスパラギン酸 | 5.112 g |
- グルタミン酸 | 7.874 g |
- グリシン | 1.88 g |
- プロリン | 2.379 g |
- セリン | 2.357 g |
水分 | 8.54 g |
ビタミンA相当量 | 1 μg (0%) |
- βカロテン | 13 μg (0%) |
- ルテインおよびゼアキサンチン | 0 μg |
ビタミンB1 | 0.874 mg (67%) |
ビタミンB2 | 0.87 mg (58%) |
ビタミンB3 | 1.623 mg (11%) |
パントテン酸(ビタミンB5) | 0.793 mg (16%) |
ビタミンB6 | 0.377 mg (29%) |
葉酸(ビタミンB9) | 375 μg (94%) |
コリン | 115.9 mg (24%) |
ビタミンB12 | 0 μg (0%) |
ビタミンC | 6 mg (7%) |
ビタミンD | 0 IU (0%) |
ビタミンE | 0.85 mg (6%) |
ビタミンK | 47 μg (45%) |
カルシウム | 277 mg (28%) |
鉄分 | 15.7 mg (126%) |
マグネシウム | 280 mg (76%) |
マンガン | 2.517 mg (126%) |
セレン | 17.8 μg (25%) |
リン | 704 mg (101%) |
カリウム | 1797 mg (38%) |
塩分 | 2 mg (0%) |
亜鉛 | 4.89 mg (51%) |
%はアメリカにおける成人向けの 栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
ダイズ(大豆、学名 Glycine max)は、マメ科の一年草。種子は食用となる。未成熟の種子は枝豆と呼ぶ。
目次
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農作物として世界中で広く栽培されている。日本には縄文時代に存在したと思われる大豆の出土例があり、『古事記』にも大豆の記録が記載されている。
ダイズを含む一部のマメ科植物は根に根粒もしくは茎に茎粒を持ち、根粒菌という細菌が共生している。根粒菌は植物からリンゴ酸などの効率のいい栄養分をもらって生活の場を提供して貰う代わりに、大気中の窒素を植物にとって使いやすい硝酸塩に転換(窒素固定)する。窒素は植物にとって必須元素であり、肥料として取り入れる成分の一つであるが、自然界では一部の細菌と雷などでしか使用可能形態に転換できない。特に根粒ではその能力が高いため、それを持つ植物は自ら肥料を作ることのできることになり、そのような植物はやせている土地でもよく育つものが多い[3][4]。このダイズの窒素固定能を有する根粒菌との共生により十分な量の窒素分を吸収し、豊富なアミノ酸を産生でき、ダイズはその種子に他の植物には見られないような豊富なタンパク質を含有させている。
ダイズ種子には苦み成分であるサポニンが多く含まれており、人類の主食にまではなっていないが、植物の中では唯一肉に匹敵するだけのタンパク質を含有する特徴から、近年の世界的な健康志向の中で「ミラクルフード」として脚光を浴びている。日本・ドイツでは「畑の(牛)肉」、アメリカ合衆国では「大地の黄金」とも呼ばれている。また、日本料理やその調味料の原材料として中心的役割を果たしている(後述)。
ダイズ種子貯蔵タンパク質のアミノ酸残基組成は、含硫アミノ酸であるメチオニンとシステイン残基が少なく、それらは制限アミノ酸となっていると言われたことがある。そのため、タンパク質の有効利用効率を示すアミノ酸スコアやプロテインスコアを下げていると言われていた。しかし、これらは成長期のラットに基づく数値であり、その後、ヒトに基づく数値に置き換えられ、具体的には、大豆のアミノ酸スコアが1973年には86点だったものが、1985年には100点と変更された。大豆は、牛乳や卵と同等の良質なタンパク質であるとの評価を得ている[5][2]。
多くのマメ科植物の種子と同様に、ダイズ種子中には有毒なタンパク質性のプロテアーゼ・インヒビター(トリプシン・インヒビター、セリンプロテアーゼ・インヒビター)やアミラーゼ・インヒビターやレクチンが含まれているため、生食はできない。そのため、加熱してプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターを変性・失活させて消化吸収効率を上げている。なお、加熱してもプロテアーゼ・インヒビターの失活は十分ではないので、納豆菌などを繁殖させて納豆菌の分泌するプロテアーゼによってダイズ種子中のタンパク質を分解させると、タンパク質の消化吸収効率が増大する。
古くからの在来種、固定種が多く現存しており、マメ科の特性もあり、両性花で自家受粉可能であるため自家採種のしやすい植物である。その反面、連作障害を起こしやすいため、次の年は輪作を行ない、違う作物を作付けし、連作を避けるか、連作を行なうために消毒や土壌改善を行う等の対策を練らねばならず、日本国内においては、この事が栽培規模拡大への障害のひとつとなっている。
説が各種あり、定かではないが、原産地は中国東北部からシベリアとの説が有力で、日本にも自生しているツルマメが原種と考えられている。
栽培の歴史も諸説あるが、約4000年前に中国でツルマメの栽培が始められ、ダイズとして作物化されたと考えられている。日本には朝鮮半島を経由して、縄文時代後期中頃[6][7]に伝来したと考えられている。日本列島においては縄文時代においてアズキやリョクトウなどの炭化種実が検出されているためマメ類の利用が行われていた可能性が考えられており、縄文農耕論の観点からも注目されている。近年はダイズに関して九州地方や中部地方においてを土器内部の植物圧痕として確認された例があり、縄文中期から後期にかけては日本列島における存在が確認されている[8]。
これらの発見により日本列島においては縄文中期中葉段階で栽培種ダイズが存在し、この時期以前に大陸から栽培種ダイズがもたらされたか、あるいは日本列島において独自にツルマメからの栽培化が起こった可能性が考えられている。また、山梨県の酒呑場遺跡から出土した土器のダイズ圧痕は蛇体装飾の把手部分から検出されており、これは偶然混入したものではなく意図的に練りこまれた可能性が想定されており、その祭祀的意図をめぐっても注目されている。
ヨーロッパやアメリカに伝わったのは意外にも新しく、ヨーロッパには18世紀、アメリカには19世紀のことである。ヨーロッパにダイズの存在を伝えたのはエンゲルベルト・ケンペルだといわれており、1712年に彼が長崎から帰国した際、ダイズ種子を醤油の原料として紹介した。shoyu(醤油)bean(豆)からSoybean。ヨーロッパでは1739年にフランスでの試作、アメリカでは1804年にペンシルベニア州での試作が最初の栽培とされている。ベンジャミン・フランクリンの手紙の中に、1770年にイギリスにダイズ種子を送る旨が記してある。ヨーロッパでそれ以前にダイズの存在を知られていなかった理由として、既に他の豆類が栽培されていた事や、土壌が合わなかったことなどが挙げられている。
ダイズが伝播した後も、専ら搾油用やプラスチックの原料など、ダイズ種子の工業用途が主な栽培理由であった。1910年代以前は、ダイズはアジア圏以外では重要な作物とはみなされていなかった。ヘンリー・フォードもプラスチックの原料を安く調達するために大豆農園を作っていた。食料として注目されるようになったのは1920年代以降の事であり、ヨーロッパで食料として初めて収穫されたのは1929年の事とされる。アメリカで本格的にダイズが栽培されるようになったのは、1915年にワタミゾウムシの侵入によってアメリカ南部の綿花が大打撃を受け、それまでアメリカの製油業の中心であった綿実油が不足してからである。ワタに代わる新たな製油材料として、それまでも徐々に栽培を拡大させてきたダイズは一気に脚光を浴びることとなった。1920年代には製油用や飼料用としての需要の高まりにより、さらに大規模に栽培されるようになった[9]。タンパク質含有量の高いダイズ種子は用途が広く、レシチンなど、様々な食品の製造に加工された。
日本では非常に珍重され、米・麦・粟・稗(ひえ)・豆(大豆)を五穀とし、節分には大豆による豆まきが行なわれるほどである。
ダイズ種子(大豆)はタンパク質や脂肪、鉄分、カルシウムなど、ミネラルを多く含む。
日本では色々な形に加工され、利用されている。まず、大豆を暗所で発芽させるとモヤシ、未熟大豆を枝ごと収穫し茹でると枝豆、さらに育てて完熟したら大豆となる。大豆を搾ると大豆油、煎って粉にするときな粉、蒸した大豆を麹菌と耐塩性酵母で発酵させると醤油・味噌、また蒸した大豆を納豆菌で発酵させると納豆となる。熟した大豆を加水・浸漬・破砕・加熱したものを搾ると液体は豆乳、その残りはおから、豆乳を温めてラムスデン現象によって液面に形成される膜を湯葉、にがりを入れて塩析でタンパク質を固めると豆腐、豆腐を揚げると「油揚げ」「厚揚げ」、焼くと「焼き豆腐」、茹でて「湯豆腐」、凍らせて「凍み(高野)豆腐」となる。大豆にはサポニン等水溶性の低分子化合物やタンパク質性のプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターやレクチンなどの有毒成分が含まれており、これらの加工には有毒成分の除去や解毒の意味もある。
蒸した黒豆(黒大豆)を発酵させてから乾燥させたものは、香豉(こうし、別名:豆豉(ずし))という生薬であり[10][11]、陶弘景校定による『名医別録』には「豉」として収載されている[10]。香豉には発汗作用、健胃作用があるとされ、香豉を含有する漢方薬には梔子豉湯、瓜蔕散などがある[10][11]。本来、黒豆の発酵・乾燥品を用いるが、現在では納豆を乾燥させたものを代用する[11]。
大豆から作られる大豆油は、かつては燃料としても用いられたが、現在最も安い食用油として発展途上国で、大量に消費され、ダイズ世界消費の87%を占めている。大豆から疎水性成分をヘキサンで抽出し、ヘキサン画分を減圧するとヘキサンを回収でき、粗油成分が残る。粗油成分を精製すると大豆油となる。油の搾り粕は醤油の原料や家畜の飼料となる。近年では大豆インキが環境に優しいなどとして利用が増加している。
飼料としての大豆はタンパク質源として良質で、肉牛を肥えさせたり、鳥の産卵率を上昇させるのに大きく寄与している。ただし、含有タンパク質中のメチオニンやシステイン残基含量が少ないため、タンパク質の有効利用効率を上げるために、メチオニンやシステインを多く含む他の飼料と混合して利用されている。近年、特にBSE問題によって飼料のタンパク質源として肉骨粉の利用が規制されたため、肉骨粉に替わるタンパク質源としてダイズ種子の需要は増している。 かつては温帯・亜熱帯でしか栽培可能でなかったが、技術の向上により、栽培できる地域が拡大した。
順位 | 国 | 生産量 (トン) |
順位 | 国 | 生産量 (トン) |
---|---|---|---|---|---|
1 | アメリカ合衆国 | 91.417.300 | 9 | ウクライナ | 1.043.500 |
2 | ブラジル | 56.960.732 | 10 | ウルグアイ | 1.028.600 |
3 | アルゼンチン | 30.993.379 | 11 | インドネシア | 974.512 |
4 | 中国 | 14.500.141 | 12 | ロシア | 943.660 |
5 | インド | 10.217.000 | 13 | ナイジェリア | 610.000 |
6 | パラグアイ | 3.855.000 | 14 | 南アフリカ共和国 | 516.000 |
7 | カナダ | 3.503.700 | 15 | イタリア | 468.200 |
8 | ボリビア | 1.499.376 | 世界総計 | 222.268.904 |
順位 | 国 | 輸出量 (トン) |
順位 | 国 | 輸出量 (トン) |
---|---|---|---|---|---|
1 | アメリカ合衆国 | 33.995.600 | 9 | ウクライナ | 201.346 |
2 | ブラジル | 24.499.500 | 10 | ベルギー | 189.681 |
3 | アルゼンチン | 11.733.300 | 11 | ボリビア | 86.681 |
4 | パラグアイ | 3.689.010 | 12 | スロベニア | 84.322 |
5 | カナダ | 1.850.570 | 13 | ドイツ | 46.624 |
6 | オランダ | 982.180 | 14 | インド | 44.838 |
7 | ウルグアイ | 810.725 | 15 | イタリア | 39.764 |
8 | 中国 | 465.530 | 世界総計 | 79.015.831 |
日本は現在大部分を輸入に頼っている為、2003年に世界的不作から価格が高騰したときには大きな影響を受けた。最大の生産国はアメリカ合衆国、次いでブラジル、アルゼンチン、中華人民共和国と続く。アメリカの大豆生産量は増減が激しいが、近年アルゼンチンとブラジルの大豆生産量が大きな伸びを示している。輸出国は、アメリカ合衆国、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、カナダの順である。日本の輸入量は、中華人民共和国、EU 27カ国に次ぐ世界第3位である。中華人民共和国では経済成長に伴う食生活の変化により消費量が増加しており、これからも増え続けると見られている[14]。この需要に応えるため、ブラジルでは天然林伐採を伴う大豆農地の拡大が進んでおり、問題視されている。また、ダイズ農場は一つの農場当りに必要とされる労働者が少ないため、失業問題にも繋がっている。
日本国内のダイズ生産量は平成22年度で222800トンであり、県別では北海道が57100トンで最大産地となっており、以下宮城県の18100トン、佐賀県の17700トン、福岡県の16100トンと続く。日本でダイズ生産量が1万トンを超えるのはこの4道県のみである[15]。
2007年のダイズの世界消費は、大豆油製造用が87%と圧倒的多数を占め、ついで飼料用が7%、食用が6%となっている[16]。また、ダイズから油を絞った後のダイズ搾りかすも飼料として価値が高く、世界の穀物取引の中心であるシカゴ商品取引所にはダイズとダイズ搾りかす(大豆ミール)がともに上場され、盛んに取り引きされている。日本国内のダイズ消費量は2005年度に534万8000トンであり、このうち大豆油用が429万6000トン、食用が105万2000トンである。ダイズが基幹食料となっている日本では食用消費の占める割合が世界消費に比べかなり多くなっているが、それでも20%弱に過ぎない。日本国内の食用消費の内訳は、豆腐が49万6000トンで半数近くを占め、ついで味噌・しょうゆ用が17万1000トン、納豆用が13万6000トン、煮豆や惣菜用が3万3000トン、その他が21万5000トンとなっている。国産大豆は油脂用にはまったく使用されていないが、食用消費の21%を占めている[17]。
英語の「soy bean」の由来は、大豆がまず醤油の原料として知られた事に由来する。
現在日本でよく知られている大豆加工食品には以下のようなものがある。
(ダイズの若芽)モヤシ | ||||
(未成熟のもの)枝豆 | ||||
(乾燥)乾燥大豆 | ||||
(粉砕せず加熱) | (炒る)炒り豆 | |||
(煮る)煮豆 | ||||
(砂糖で味付)甘納豆 | ||||
(粉砕・乾燥) | きな粉 | |||
打ち豆 | ||||
(圧搾・抽出) | 大豆油 | |||
(水とともに摩砕)呉 | (圧搾した液体)豆乳 | (加熱した皮膜)湯葉 | ||
(にがりで凝固)豆腐 | (揚げる) | 油揚げ | ||
生揚げ、厚揚げ | ||||
がんもどき | ||||
揚げ出し豆腐 | ||||
(凍結・乾燥)高野豆腐 | ||||
(発酵)豆腐餻、腐乳、臭豆腐 | ||||
(葛粉で凝固)ごどうふ | ||||
(発酵)豆汁 | ||||
(圧搾した残り)おから | ||||
(発酵) | 醤油 | |||
もろみ | ||||
ケチャップマニス | ||||
味噌 | ||||
納豆 | ||||
テンペ |
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大豆はタンパク質やカルシウムを多く含むため、栄養源として重要である。大豆の可食部乾燥重量100 g中に、417 kcal、水分12.5 g、タンパク質35.3 g、脂質19.0 g、炭水化物28.2 gの栄養価がある[19]。
さらに、大豆に含まれるゲニステイン(en)、ダイゼイン(en)、グリシテイン(en) などのイソフラボンは大豆イソフラボンと総称され、弱い女性ホルモン作用を示すことから骨粗鬆症や更年期障害の軽減が期待できる[20][21][22]。これらの作用から、大豆製品の中には特定保健用食品に指定されている物もある。骨粗鬆症予防効果、更年期障害の緩和に加えて、抗動脈硬化作用の可能性もある。また、乳がんや前立腺がん等の予防にも効果があることが、疫学的な調査で明らかになってきており、特にイソフラボン配糖体のゲニステインという物質に、腫瘍の血管新生を抑える効果があり、それにより腫瘍の増殖を抑制することがわかってきた[23]。 また、大豆イソフラボンはサプリメントとしても用いられる。順天堂大学の研究によれば、納豆の摂食頻度と月経状態・月経随伴症状は有意の関係がみられ、摂食頻度の増加は症状を軽減させている可能性があるとしている[24]。
イソフラボンはヒトに対する悪影響も懸念されており(詳しくはイソフラボンを参照)、内閣府食品安全委員会は食品とサプリメントを合わせた安全な一日摂取目安量の上限値を、一日あたり70 - 75 mgに設定している[25]。なお日本人の食品由来の大豆イソフラボン摂取量は15 - 22 mg、多い人でも40 - 45 mg程度である。イソフラボンは甲状腺へのヨウ素の取り込みを阻害する作用があるため、ヨウ素欠乏の状態で大豆製品を多食すると、甲状腺肥大をもたらす可能性がある。通常の日本食では海藻類にヨウ素が含まれている[26]。
全年齢では鶏卵38.7%、牛乳20.9%、小麦12.1%が3大アレルゲン(ピーナッツと魚卵を足し5大アレルゲン)であり大豆は1.5%の11位である[27]。アナフィラキシーショックを起こす可能性があるため、アトピーや喘息などアレルギー素因のある者は注意が必要である[28][29]。
2006年3月27日、アメリカ合衆国の健康専門月刊誌『ヘルス』による世界の5大健康食品が発表され、スペインのオリーブ油、日本の大豆、ギリシャのヨーグルト、インドのダール(豆料理)、大韓民国のキムチの5品目が選出された[30]。
BSE問題が顕在した結果、それまで畜産飼料として利用されていた肉骨粉の利用が規制され、それに伴い、肉骨粉に替わるタンパク質源としてダイズ種子の利用が急激に増えた[31]。需要が急増したため、南米諸国、特にブラジルやアルゼンチンでの栽培が増えた。その結果、アマゾンの熱帯雨林において、大豆生産のためのプランテーションの大規模な開発が行われており、それによる森林の消失が問題になっている。[32]
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