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クローディン(英語、Claudin)は、細胞間結合の様式の1種である、タイトジャンクション(密着結合)の形成に関わる主要なタンパク質である。タイトジャンクションにおけるストランド形成を担っており、細胞間バリアーを作り出している[1]。2010年までにヒトで24種類のタイプが報告されている。
目次
- 1 構造
- 2 機能と疾患
- 3 発見の経緯
- 4 関連画像
- 5 脚注
構造
クローディンは分子量が20~27kDa(キロダルトン)の小さな膜タンパク質である。細胞膜を4回貫通しており、N末端とC末端は細胞質側に局在(つまり、クローディンの一次構造の末端部分はいずれも細胞の内側に存在)し、2つの細胞外ループを持っている。1つ目の細胞外ループは、2つ目に比べて長い。また、N末端側は通常、4~10残基と非常に短いのが特徴である。C末端側の長さは21残基から63残基であり、クローディンが密着結合へ局在するのに基本的に必要である[2]。またクローディンの多くは膜裏打ちタンパク質の PDZドメインと結合するためのドメインを有している。
機能と疾患
クローディンはタイトジャンクションにおける細胞間バリアーの中心的な働きをしており、生体のホメオスタシスの維持に必須のタンパク質である。また、ヒト で24種類ものメンバーを有しているが、臓器や組織ごとに発現パターンが異なっており、多様なバリエーションを持っている。例えば、クローディン-5のノックアウトマウスでは血液脳関門のバリアー機構が破綻をしている[3]。また、低マグネシウム血症というヒトの遺伝病は、クローディン-16の分子異常により病気を引き起こすという報告がある[4]。
発見の経緯
クローディンは1998年に京都大学の月田承一郎らのグループによって報告された[5]。クローディン発見前の1993年、月田らはタイトジャンクションの構築に必須なタンパク質と思われたオクルディン(occludin)を同定していた。しかしながら、オクルディンをノックアウトしてもタイトジャンクションが形成されたことから、他の必須タンパク質の存在が示唆された。そのため、月田らは、オクルディンの精製過程を見直し、試行錯誤の末、クローディンの発見に至った[6]。クローディンの名前はラテン語のclaudere(閉まるという意味)から名付けられた[7]。
関連画像
脚注
- ^ Tsukita S, Furuse M, Itoh M.: Multifunctional strands in tight junctions. Nat Rev Mol Cell Biol. 2001 Apr;2(4):285-93. Review. PMID: 11283726
- ^ Ruffer C, Gerke V.: The C-terminal cytoplasmic tail of claudins 1 and 5 but not its PDZ-binding motif is required for apical localization at epithelial and endothelial tight junctions. Eur J Cell Biol. 2004 May;83(4):135-44. PMID: 15260435
- ^ Nitta T, Hata M, Gotoh S, Seo Y, Sasaki H, Hashimoto N, Furuse M, Tsukita S.: Size-selective loosening of the blood-brain barrier in claudin-5-deficient mice. J Cell Biol. 2003 May 12;161(3):459-60. PMID: 12743111
- ^ Simon DB, Lu Y, Choate KA, Velazquez H, Al-Sabban E, Praga M, Casari G, Bettinelli A, Colussi G, Rodriguez-Soriano J, McCredie D, Milford D, Sanjad S, Lifton RP. Paracellin-1, a renal tight junction protein required for paracellular Mg2+ resorption. Science. 1999 Jul 2;285(5424):103-6. PMID: 10390358
- ^ Furuse M, Fujita K, Hiiragi T, Fujimoto K, Tsukita S.: Claudin-1 and -2: novel integral membrane proteins localizing at tight junctions with no sequence similarity to occludin. J Cell Biol. 1998 Jun 29;141(7):1539-50 PMID: 9647647
- ^ 『新 細胞接着分子の世界』(羊土社 2001年4月)
- ^ 『小さな小さなクローディン発見物語』(羊土社 2006年2月)
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Japanese Journal
- 大腸癌における接着関連分子 Claudin-1,4,β-catenin の発現
- 平川 栄一郎,森西 起也,池内 瞳 [他],橋本 真侑,三木 友香理,藤岡 英里,上村 恵梨華,松永 徹,河野 幸治
- 香川県立保健医療大学雑誌 5, 7-14, 2014-03-19
- NAID 110009752462
- マイクロディンプルの高速加工 (特集 どこまで進化する! 超精密・微細切削加工の最新技術)
- Liver, Pancreas, and Biliary Tract IgG4関連胆管炎患者の胆汁中に増加したTh2サイトカインはタイトジャンクションが関与する胆管上皮細胞バリアーを傷害する
- 滝川 一,MULLER TOBIAS,BEUTLER CLAUDIA [他]
- Review of gastroenterology & clinical gastroenterology and hepatology 8(3), 33-36, 2013-12
- NAID 40019901731
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- cell adhesion、cell attachment、cell adherence、cytoadherence、cell contact
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