オテラシル
Japanese Journal
- 高度肝転移をともなった膵癌に対する Gemcitabine/ テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)併用療法の治療成績
- 松本 俊彦,竹治 智,浅木 彰則,梶原 猛史,仁科 智裕,堀 伸一郎,池田 宣央,灘野 成人,井口 東郎
- 日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology 108(12), 2003-2009, 2011-12-05
- 膵癌は最も予後不良で,高度肝転移例ではさらに厳しく,1次化学療法の成否が予後を左右する.今回gemcitabine(GEM)/S-1併用療法(GS療法)を行った高度肝転移膵癌14例の治療成績を報告する.奏効率は43%で,14例全体でのprogression-free survival(PFS)およびoverall survival(OS)は186日および261日で,6カ月および1年生存率は各々71 …
- NAID 10030299113
- P-0516 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合抗癌剤適正使用のための保険薬局用チェックリストから見た使用実態(一般演題 ポスター発表,調剤・処方鑑査・リスクマネジメント,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 症例 進行期有棘細胞癌に対しテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合カプセル剤(TS-1)内服療法を施行した2例
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- 成分(一般名) : テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム 製品例 : ティーエスワン配合カプセルT20~25、ティーエスワン配合OD錠T20~25、ティーエスワン配合顆粒T20~25 ・・その他(ジェネリック) & 薬価 区分 : 代謝拮抗剤/配合剤 ...
- テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS-1)はフルオロウラシルを土台として、より効果が高く、副作用の少ない薬を目指して開発された薬です。進行・再発胃がんの第1選択薬として、広く用いられています。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エスワンメイジ配合カプセルT20
組成
- エスワンメイジ配合カプセルT20は、1カプセル中に下記の成分を含有する。
有効成分
- 日局テガフール 20.0mg
ギメラシル 5.8mg
オテラシルカリウム 19.6mg
添加物
- 乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体:ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化チタン
禁忌
- 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]
- 重篤な腎障害のある患者[フルオロウラシルの異化代謝酵素阻害剤ギメラシルの腎排泄が著しく低下し、血中フルオロウラシル濃度が上昇し、骨髄抑制等の副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 重篤な肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
- 他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤(これらの薬剤との併用療法を含む)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- フルシトシンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
頭頸部癌の場合
- 術後補助化学療法として、本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合せて次の基準量とし、朝食後及び夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
体表面積:1.25m2未満
体表面積:1.25m2以上〜1.5m2未満
体表面積:1.5m2以上
- 初回基準量(テガフール相当量):60mg/回
- なお、患者の状態により適宜増減する。増減量の段階を40mg、50mg、60mg、75mg/回とする。増量は本剤の投与によると判断される臨床検査値異常(血液検査、肝・腎機能検査)及び消化器症状が発現せず、安全性に問題がなく、増量できると判断される場合に初回基準量から一段階までとし、75mg/回を限度とする。また、減量は通常、一段階ずつ行い、最低投与量は40mg/回とする。
- 通常、患者の状態に合せ増減する場合、次の用量を参考とする。
初回基準量:40mg/回
初回基準量:50mg/回
初回基準量:60mg/回
- 減量:休薬←40mg/回←50mg/回
増量:75mg/回
- なお、増量する場合は1クール毎とし、一段階の増量にとどめること。
- 治療上やむを得ず休薬期間を短縮する必要がある場合には、本剤の投与によると判断される臨床検査値異常(血液検査、肝・腎機能検査)及び消化器症状が発現せず、安全性に問題がないことを確認した上で実施すること。ただし、その場合であっても少なくとも7日間の休薬期間を設けること。
- 骨髄抑制、劇症肝炎等の重篤な副作用を回避するために各クール開始前及び投与期間中は2週間に1回以上、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には休薬期間の延長、上記に準じた減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。特に1クール目及び増量時には頻回に臨床検査を実施すること。
- 基礎的検討(ラット)において空腹時投与ではオテラシルカリウムのバイオアベイラビリティが変化し、フルオロウラシルのリン酸化が抑制されて抗腫瘍効果の減弱が起こることが予想されるので食後投与とすること。
- 本剤と胸部又は腹部放射線療法との併用に関しては有効性及び安全性は確立していない。
慎重投与
- 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]
- 腎障害のある患者[フルオロウラシルの異化代謝酵素阻害剤ギメラシルの腎排泄が低下し、血中フルオロウラシル濃度が上昇し、骨髄抑制等の副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
- 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。]
- 耐糖能異常のある患者[耐糖能異常が悪化するおそれがある。]
- 間質性肺炎又はその既往歴のある患者[間質性肺炎が発現又は増悪するおそれがある。]
- 心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 消化管潰瘍又は出血のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
(頻度不明)
骨髄抑制、溶血性貧血
- 汎血球減少、無顆粒球症(症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、白血球減少、貧血、血小板減少等の重篤な骨髄抑制、溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
播種性血管内凝固症候群(DIC)
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎等の重篤な肝障害
- 劇症肝炎等の重篤な肝障害(B型肝炎ウイルスの再活性化によるものを含む)があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「警告」の項参照)
脱水症状
- 激しい下痢があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎
- 出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
- 間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。
心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全
- 心筋梗塞、狭心症、不整脈(心室頻拍等を含む)、心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、失神、動悸、心電図異常、息切れ等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な口内炎、消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔
- 重篤な口内炎、消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、腹部X線等の必要な検査を行い、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、ネフローゼ症候群
- 急性腎不全、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白質脳症等を含む精神神経障害
- 白質脳症(意識障害、小脳失調、認知症様症状等を主症状とする)や意識障害、失見当識、傾眠、記憶力低下、錐体外路症状、言語障害、四肢麻痺、歩行障害、尿失禁、知覚障害等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
急性膵炎
- 急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
嗅覚脱失
- 嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
涙道閉塞
- 涙道閉塞があらわれ、外科的処置に至った例が報告されている。流涙等の症状があらわれた場合には、眼科的検査を実施するなど適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
テガフール、ギメラシル、オテラシルカリウム(オテラシル)
- 関
- 代謝拮抗剤
[★]
- 英
- potassium
- 同
- K+
- 関
- 高カリウム血症、低カリウム血症、腎 Kと酸塩基平衡の異常
- 植物の灰(pot-ash)が由来らしい
- アルカリ金属
- 原子番号:19
- 原子量:39.10
カリウム濃度を調節する要素
- PT.481-482
-
- 血中K+が細胞内、細胞内H+が細胞外へ移動→低カリウム血症、K排泄↑
- 血中H+が細胞内、細胞内K+が細胞外へ移動→高カリウム血症、K排泄↓
-
- レニン・アンジオテンシン系の亢進 or 細胞外K+濃度の上昇 のいずれかにより副腎皮質からアルドステロンが放出される
- Na/H交換体、Na-K-2Cl共輸送体、Na/K-ATPaseを活性化。
- β2受容体を介してKの取り込みを促進。Na-Kポンプの活性化による。
例外
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.153
- 水素イオンと共に投与される陰イオンが細胞内に移行しうる場合、電気的中性は保たれるのでカリウムイオンは細胞外に移動しない。
- (細胞内に移行する)乳酸イオン、酢酸イオン ⇔ (細胞内に移行しない)塩素イオン
基準値
- LAB
- 出典不明
尿細管での再吸収・分泌
- QB.E-128
- 再吸収 :近位尿細管、ヘンレループ
- 分泌・吸収:集合管(QB.E-128)、遠位尿細管(QB.E-130)、皮質集合管の主細胞(参考1)
調節するファクター
- 1. アルドステロン
- 2. 集合管に到達するナトリウムイオン:集合管では能動的にナトリウムが再吸収されるが、電気的中性を保つために受動的にカリウムが管腔側に移動する。(参考1)
臨床関連
-
- 尿中カリウム < 20mEq/L:腎外性喪失
- 尿中カリウム > 40mEq/L:腎性喪失
参考1
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [1]
[★]
- 英
- oteracil
- 化
- オテラシルカリウム oteracil potassium
- 商
- ティーエスワン配合