- 英
- ambroxol
- 化
- アンブロキソール塩酸塩 塩酸アンブロキソール ambroxol hydrochloride
- 商
- アンキソール、アントブロン、アンブロン、グリンクール、コトブロール、コフノール、コンズール、サイプロール、シンセラキン、セルマキール、ゼンブロン、ゼンブロンL、ソロムコ、ダイオリール、ノンタス、バンブロアン、フズレバン、フストレス、プルスマリン、ブローミィ、ポノフェン、ムコアストマリ、ムコキール、ムコサール、ムコソルバン、ムコソレート、ムコブリン
- 関
- 去たん剤
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アンブロキソール
|
IUPAC命名法による物質名 |
trans-4-(2-アミノ-3,5-ジブロモベンジルアミノ)-シクロヘキサノール |
臨床データ |
法的規制 |
?
|
識別 |
CAS番号 |
18683-91-5 |
ATCコード |
R05CB06 |
PubChem |
CID 2132 |
ChemSpider |
10276826 |
KEGG |
D07442 |
化学的データ |
化学式 |
C13H18Br2N2O |
分子量 |
378.10 |
SMILES
- O[C@H]2CC[C@H](NCc1cc(Br)cc(Br)c1N)CC2
|
アンブロキソール (英語・ドイツ語: Ambroxol)は、去痰薬に属する医薬品で、痰の喀出に困難を伴う急性および慢性の下部気道症状の治療、および急性の咽頭部痛を緩和するのに用いられる。アンブロキソールは、アンブロキソール塩酸塩(塩酸アンブロキソール)の形態で、点滴剤、シロップ剤、錠剤、徐放性カプセル、発泡錠、吸入剤といったさまざまな剤形で投薬される。のどの炎症にはトローチ剤も適用される。
アンブロキソールはブロムヘキシンの活性代謝物である。
目次
- 1 薬理作用
- 2 使用上の注意点
- 3 その他の情報
- 4 主な商標名
- 5 脚注
薬理作用
去痰作用
アンブロキソールは、痰に含まれるムコ多糖を分解する酵素を活性化することで、気管支内の痰の粘性を低下させる。さらに、気管支の繊毛の運動を亢進させ、肺胞のサーファクタント(肺胞の表面張力を維持しているリン脂質で、細菌や異物から肺胞を保護する)の生成を促す。このようにして、肺胞や気管支における表面活性物質の生成と分泌とを促す。
鎮痛作用
アンブロキソール含有の鎮痛錠は、口腔および咽頭の粘膜に対して局所的に鎮痛作用を示す。しかしながら、この作用は微弱なものであり、学術的には議論の対象となっている。論文の中には、ペパーミントやユーカリを含んだキャンデーを投与する方が良いとしているものまである[1]。in vitroの研究では、アンブロキソールの局所麻酔作用は、おそらく神経のナトリウムチャネル阻害効果によるものであるという結果が出ている[2][3]。しかし、これらの研究もまた、アンブロキソールは急性の痛みにはほとんど効き目がないとしている。これに対して、慢性の痛みや神経症に起因する痛みには、アンブロキソールの静脈内投与が著明な鎮痛効果を示している[4]。
使用上の注意点
副作用としては、まれに、過敏反応、悪心、胃不快感、嘔吐が観察されることがある。きわめてまれではあるが、アンブロキソールの投与と重篤な皮膚粘膜症状(スティーブンス・ジョンソン症候群、ライル症候群)との経時的な関連例が報告されているので、皮膚や粘膜の異状が生じた際には、服用を中止することと速やかに医師の診察を受けることが望ましい。
アンブロキソール含有の去痰薬は、2歳未満の小児には、医師の指示に基づいて使用するのが望ましい。アンブロキソール含有の咽頭鎮痛薬は12歳未満の児童には使用しないことが望ましい。
アンブロキソールは胎盤関門を通過し、母乳中に排出される。妊娠中と授乳期はアンブロキソールを服用しないか、有効性と危険性を入念に考慮したのちにのみ服用することが望ましい。
その他の情報
ベーリンガー・インゲルハイム社によって1968年に特許が取得されているが、アンブロキソール塩酸塩は徐々にさまざまなジェネリックの咳止め薬の成分に含有されるようになってきている。
主な商標名
- ムコソルバン (帝人ファーマ)
- ムコサール (ベーリンガー・インゲルハイム)
- アンブロン (日本ユニバーサル薬品)
- フストレス (大洋薬品)
脚注
- ^ Ambroxol gegen Halsschmerzen? arznei-telegramm 6/2003
- ^ Weiser and Wilson 2002; Inhibition of tetrodotoxin (TTX)-resistant and TTX-sensitive neuronal Na+ channels by the secretolytic Ambroxol; Mol Pharmacol 62 (3), 433 – 438
- ^ Leffler et al. 2009; Block of sensory neuronal Na+ channels by the secreolytic ambroxol is associated with an interaction with local anesthetic binding sites; European Journal of Pharmacology
- ^ Gaida et al. Ambroxol, a Nav1.8-preferring Na+ channel blocker, effectively suppresses pain symptoms in animal models of chronic, neuropathic and inflammatory pain. Neuropharmacology 49(8) 2005 1220-1227
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 塩酸アンブロキソールおよびL-カルボシステインのシロップとドライシロップについての注意点
- P024 塩酸アンブロキソールシロップとドライシロップについての注意点(成人気管支喘息,ポスターセッション,第24回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- O63-1 塩酸アンブロキソール徐放剤のジェネリック製品についての検証(O63 その他の呼吸器疾患,口演,第61回日本アレルギー学会秋季学術大会)
Related Links
- ムコソルバンとは?アンブロキソールの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけでは ...
- アンブロキソール塩酸塩Lとは。効果、副作用、使用上の注意。 たんの粘り気を低下させて排出しやすくしたり、たんを溶かして排出しやすくする薬です。 感冒 ( かぜ )、 気管支炎 、 気管支拡張症 、 咽頭炎(いんとうえん ...
- ニプロ株式会社のアンブロキソール塩酸塩錠15mg「ZE」(呼吸器官用薬)、一般名アンブロキソール塩酸塩(Ambroxol hydrochloride) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 QLifeとは サイトマップ アンブロキソール塩酸塩錠15mg ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
有効成分の名称
含量
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、セルロース、ポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸Mg
禁忌
効能または効果
○下記疾患の去痰
- 急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難
○慢性副鼻腔炎の排膿
- 通常、成人には1回1錠(アンブロキソール塩酸塩として15.0mg)を1日3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(いずれも頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、顔面浮腫、呼吸困難、血圧低下等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アンブロキソール塩酸塩(Ambroxol Hydrochloride)
化学名
- trans -4-[(2-Amino-3,5-dibromobenzyl)amino]cyclohexanol hydrochloride
分子式
分子量
融点
性状
- 白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに特異な味がある。
メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
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