- 英
- syphilis
- 関
- ワッセルマン反応
- first aid step1 2006 p.145,163,173
定義
症状
検査
-
- 感度 :一次感染78-85%, 二次感染100%, 潜伏感染95-98%
- 特異度:85-99%
- 2. 1.で陽性であれば梅毒トレポネーマ抗原試験(特異的)
- 感度 :一次感染84%, その他のstageでは100%
- 特異度:96%
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梅毒(ばいどく、Syphilis。黴毒、瘡毒(そうどく)とも)は、スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ (Treponema pallidum) によって発生する感染症、性病。 in vitroでの培養は不可能のため、病原性の機構はほとんど解明されていない。1998年には全ゲノムのDNA 配列が決定、公開されている。また、理由は不明だが、ウサギの睾丸内では培養することができる。
目次
- 1 歴史
- 2 臨床像
- 2.1 感染経路
- 2.2 症状
- 2.3 初期梅毒の感染性
- 3 検査
- 4 治療
- 5 予防
- 6 関連法規
- 7 参考文献
- 8 梅毒に罹患した人物
- 9 関連項目
- 10 脚注
- 11 外部リンク
歴史[編集]
詳細は「感染症の歴史」を参照
梅毒が歴史上に突発的に現われたのは15世紀末であり、そのため本病の由来については諸説ある。
- 梅毒は15世紀以前から旧世界(ヨーロッパ・アジア・アフリカなど)に存在していたとする説。古い法令に梅毒に関するものがあるなどとするが、本病による病変を示す人骨等の具体的資料は無く、支持者はほとんどいない。
- 梅毒は、症状が非常に軽い状態で旧世界に古くからあったとする説。現在でも熱帯地方を中心に、皮膚に白斑が生じる程度の「ピンタ」、潰瘍を生じる「ヨーズ」など軽症のものがあるが、これらは梅毒トレポネーマにより起こることから、旧石器時代(1万2000年以前)にピンタかヨーズが発生し、人類の間に広がり、15世紀末にヨーロッパでトレポネーマに変異が起きて梅毒が生じたとする。
- クリストファー・コロンブスの率いた探検隊員がアメリカ上陸時に原住民女性と交わって感染してヨーロッパに持ち帰り(コロンブス交換)、以後世界に蔓延したとする説。コロンブスの帰国から梅毒の初発までの期間が短いという難点があるが、アメリカでも古い原住民の骨に梅毒の症状がある例が発見されており、また例えば日本でも、コロンブス以前の人骨には梅毒による病変が全く見つかっていないなど証拠は多く、最も有力な説とされている。
- 旧ソ連の学者により唱えられた説では、梅毒はアメリカ起源ではあるがベーリング海峡を渡ってシベリア経由でヨーロッパに入ったとするものもある。原因は、ベーリング海峡を通して両地域の住民の交流があったためである。
- 日本では1512年に記録上に初めて登場している。交通の未発達な時代にもかかわらず、コロンブスによるヨーロッパへの伝播からわずか20年でほぼ地球を一周したことになる。特に沖縄においては、激烈な流行であった。花柳界においては、多く罹患し、古くからいる人“(ふるっちゅ)”は梅毒に罹っている人、古血(ふるじ)は梅毒を意味する言葉となった。著名人では、加藤清正、結城秀康、前田利長、浅野幸長などが梅毒で死亡したとみられている。本病が性感染症であることは古くから経験的に知られ、徳川家康は遊女に接することを自ら戒めていた。
- 抗生物質のない時代は確実な治療法はなく、多くの死者を出した。慢性化して障害をかかえたまま苦しむ者も多かったが、現在ではペニシリンなどの抗生物質が発見され、早期に治療すれば全快する。梅毒トレポネーマは抗生物質への耐性は獲得していない。罹患患者も減少しているが、根絶された訳ではない。
- 昔は鼻部の軟骨炎のために鞍鼻(あんび)や鼻の欠損になることがあり、川柳などに詠われていた。江戸時代の夜鷹などには『鼻欠け』が多かったので、川柳にも『鷹の名にお花お千代はきつい事』があった。勿論“お花お千代”とは“お鼻落ちよ”に掛けた。
- 同様の症状を呈するハンセン病と同一視されていた時期がある。ハンセン病を患ったダミアン神父も、梅毒と誤認され姦通の嫌疑を受けた。
- 日本語の「梅毒」という呼称については、この病気によって生じる瘡が楊梅(ヤマモモ)の果実に似ていたため「楊梅瘡」と呼ばれていたが、これが時代と共に変化したとする説がある。
タスキーギ実験[編集]
1932年から1972年にかけて、アメリカ合衆国で黒人梅毒患者を対象に行なわれた人体実験。患者に対し、病気を告げることもなく、治療もせず、梅毒末期の身体症状を調査した[1]。のちに政府が謝罪した。
臨床像[編集]
1978 - 1999年の22年間に東京都多摩地区に於いて行われた健康な人を対象とした抗原検査結果によれば、45,614例中1,017件 (2.23%) が脂質抗原検査陽性で、このうちTPHA法、FTA-ABS法によるトレポネーマ抗体の検査陽性は639例 (1.40%)。陽性率は1978 - 1999年まで概ね1 - 約2%の間で推移し、梅毒の潜在的な感染例は減少していない。また、陽性例中の493例 (約77%) は60才以上であった[2]。後記する検査を参照のこと。
感染経路[編集]
主に性行為・オーラルセックスにより感染、皮膚や粘膜の微細な傷口から侵入し、進行によって血液内に進む。これ以外にも母子感染、輸血血液を媒介とする感染もある。母子感染の場合、子供は先天梅毒となる。
症状[編集]
第1期と第2期が感染しやすく、感染後約1週間から13週間で発症する。現代においては先進国では、抗生物質の発達により、第3期、第4期に進行することはほとんどなく、死亡する例は稀である。第1期梅毒の最初の数週間は抗体発生前で、検査において陽性を示さない。
- 第1期
- 感染後3週間 - 3か月の状態。トレポネーマが侵入した部位(陰部、口唇部、口腔内)に塊(無痛性の硬結で膿を出すようになり、これを硬性下疳と言う)を生じる。塊はすぐ消えるが、稀に潰瘍となる。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れ、これを横痃(おうげん)という。6週間を超えるとワッセルマン反応等の梅毒検査で陽性反応が出るようになる。
- 第2期
- 感染後3か月 - 3年の状態。全身のリンパ節が腫れる他に、発熱、倦怠感、関節痛などの症状がでる場合がある。
- バラ疹と呼ばれる特徴的な全身性発疹が現れることがある。赤い目立つ発疹が手足の裏から全身に広がり、顔面にも現れる。特に手掌、足底に小さい紅斑が多発し、皮がめくれた場合は特徴的である。治療しなくても1か月で消失するが、抗生物質で治療しない限りトレポネーマは体内に残っている。
- 潜伏期
- 前期潜伏期:第2期の症状が消えるとともに始まる。潜伏期が始まってからの2年から3年間は、第2期の症状を再発する場合がある。
- 後期潜伏期:不顕性感染の期間で数年から数十年経過する場合もあるが、この期間は感染力を持たない。
- 第3期
- 感染後3 - 10年の状態。皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生する。(医療の発達した現代では、このような症例をみることは稀である)
- 第4期
- 感染後10年以降の状態。多くの臓器に腫瘍が発生したり、脳、脊髄、神経を侵され麻痺性痴呆、脊髄瘻を起こし(脳梅)、死亡する。現在は稀である。
初期梅毒の感染性[編集]
- Schober PC(英国)らは、梅毒の感染性という論文で、初期の梅毒患者のパートナーを精査した。[3]ホモセクシュアルでは49%, ヘテロセクシュアルでは58%が感染していたという結論である。このYear Book の編集者は全員に感染しないのは、露出の程度が異なるからだろうとコメントした。
検査[編集]
- 梅毒においては検査が重要で、その判定は主治医にまかせるべきである。
- STS(Serologic test for syphilis)(ウシ脂質抗原を使う、ガラス板法、RPR,カード法、緒方法、定量法がある)と梅毒トレポネーマ抗原を使うもの(TPHA法、FTA-ABS法)の2種ある。
- 注意すべきことは、STSは治療後陰性化するが、TPHAは陰性化しない。感染直後はIgMを使うFTA-ABSが陽性になる。
- STS陽性でも、生物学的偽陽性(他の疾患で陽性になる)があり、TPHA陽性でも治療が必要ない場合もあり、主治医によく判定を求めること。High responderもある。十分治療した場合、普通その後の治療は必要ない。
- 患者に伝染させたと思われる人ともども、梅毒の検査とエイズの検査を受けさせるべきといわれる。保健所であれば無料でエイズの検査が行える。
治療[編集]
男性の場合は泌尿器科・性病科、皮膚科、女性の場合は産婦人科、皮膚科、性病科を受診。特に皮疹がある場合は皮膚科がよい。
ペニシリン系の抗生物質の投与で治癒する。投与期間は第1期で2~4週間、第2期では4~8週間、第3期以降は8~12週間[4]。胎児(母体)に対し、エリスロマイシンを使用した場合には、新生児は出産後改めて治療する必要がある。なお、感染してから1年以内の梅毒を治療した場合、治療初期に38度台の高熱が出ることがある(ヘルクスハイマー現象)。菌が一気に死滅するための反応熱であり、初回治療の場合は、病院でしばらく観察する必要がある。かつて、クロラムフェニコールが使用されたが、副作用が強いため現在では使用されない。
危険な療法[編集]
16世紀、ヨーロッパで蒸気の吸入や軟膏の塗抹などによる水銀療法が用いられた。これにより多くの水銀中毒が出たため、水銀療法肯定派 (mercurialist) と否定派の間での論争が行われた。梅毒の水銀療法は中国や日本でも行われ、日本では杉田玄白やシーボルトらが記載している。ヒ素剤であるサルバルサンも一時使われたが、ヒ素の副作用もあり使用されない。
梅毒トレポネーマは高熱に弱いため、梅毒患者を意図的にマラリアに感染させて高熱を出させ、体内の梅毒トレポネーマの死滅を確認した後キニーネを投与してマラリア原虫を死滅させるという荒っぽい療法がかつて行なわれていた。この治療法はサルバルサンの効かない第4期患者にも有効であったため、最後の手段として用いられていた。ただし、この療法は危険度が大きいため抗生物質が普及した現在では行なわれていない。
予防[編集]
(VD(性行為感染症)である本病は禁欲が”最善の予防策”だが)「次善の策」として、不特定多数(確率的にその中に感染者が含まれているため)との性行為の自粛、またコンドームの着用により病原菌の人体間の移動を阻止することで防ぐことが可能である(参考:セーファーセックス)。無論100%(完全)ではなく、又、口から口へという経路やオーラルセックスでの感染等は防ぐことができない。
関連法規[編集]
感染症法における取り扱い、5類感染症全数把握疾患 保健所に届け出が必要である。
参考文献[編集]
- クロード・ケテル著『梅毒の歴史』(LE MAL DE NAPLES)藤原書店。ISBN 4-89434-045-3
梅毒に罹患した人物[編集]
- 結城秀康(徳川家康の次男、梅毒で死去)
- 大川周明
- フランツ・シューベルト
- ロベルト・シューマン
- ベドルジハ・スメタナ (反論有)
- フーゴ・ヴォルフ
- フレデリック・ディーリアス
- アル・カポネ
- モーリス・ガムラン
- ランドルフ・チャーチル (1849-1895)
- ギ・ド・モーパッサン
関連項目[編集]
- 皮膚科学
- 感染症の歴史
- ペニシリン
- サルバルサン
- ワッセルマン反応
- 性病
- 遊女
- マラリア
- 野口英世
- スピロヘータ
- パウル・エールリヒ(サルバルサンを開発した医学博士)
- 秦佐八郎(サルバルサンを開発した医学博士)
- ユリウス・ワーグナー=ヤウレック(マラリアに意図的に感染させる治療法を発見)
- 森林梅毒
- 芥川龍之介「南京の基督」
- 黒澤明「静かなる決闘」(1949年) 主人公の医師「藤崎」(三船敏郎)が、大戦中に野戦病院での執刀中の怪我にて梅毒に感染するところから物語が始まる。
- 初代根津嘉一郎(初代東武鉄道社長)
脚注[編集]
- ^ William FaulknerのThe Wild PalmsとRichard Wrightの"Down by the Riverside"における1927年のミシシッピ川大洪水中地幸、都留文科大学研究紀要 64, 67-81, 2006
- ^ 東京都多摩地区における梅毒血清反応検査成績(1978 - 1999年)(pdf)東京都立衛生研究所 研究年報 2000 年
- ^ Schober PC, et al: How infectious is Syphilis ? Br J Venr Dis 59:217-219, 1983, Summarized in 1984 Year Book of Dermatology
- ^ 新宿駅前クリニック
外部リンク[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、梅毒に関連するカテゴリがあります。 |
日本語のサイト
- 国立感染症研究所 - 感染症情報センター 感染症の話 (梅毒) 2001年49週号
- メルクマニュアル家庭版 - 梅毒
- ForSex - 梅毒の写真
英語のサイト
- 「Syphilis」 - Medpediaにある「梅毒」についての項目。(英語)
日本の感染症法における感染症 |
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一類感染症 |
エボラ出血熱 - クリミア・コンゴ出血熱 - 痘そう - 南米出血熱 - ペスト - マールブルグ病 - ラッサ熱
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二類感染症 |
急性灰白髄炎 - 結核 - ジフテリア - 重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る) - 鳥インフルエンザ(H5N1)
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三類感染症 |
コレラ - 細菌性赤痢 - 腸管出血性大腸菌感染症 - 腸チフス - パラチフス
|
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四類感染症 |
E型肝炎 - ウエストナイル熱 - A型肝炎 - エキノコックス症 - 黄熱 - オウム病 - オムスク出血熱 - 回帰熱 - キャサヌル森林病 - Q熱 - 狂犬病 - コクシジオイデス症 - サル痘 - 腎症候性出血熱 - 西部ウマ脳炎 - ダニ媒介脳炎 - 炭疽 - チクングニア熱 - つつが虫病 - デング熱 - 東部ウマ脳炎 - 鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く) - ニパウイルス感染症 - 日本紅斑熱 - 日本脳炎 - ハンタウイルス - Bウイルス病 - 鼻疽 - ブルセラ症 - ベネズエラウマ脳炎 - ヘンドラウイルス感染症 - 発しんチフス - ボツリヌス症 - マラリア - 野兎病 - ライム病 - リッサウイルス感染症 - リフトバレー熱 - 類鼻疽 - レジオネラ症 - レプトスピラ症 - ロッキー山紅斑熱 - 重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る)
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五類感染症 |
アメーバ赤痢 - ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) - 急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く) - クリプトスポリジウム症 - クロイツフェルト・ヤコブ病 - 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 - 後天性免疫不全症候群 - ジアルジア症 - 先天性風しん症候群 - 梅毒 - 破傷風 - バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - バンコマイシン耐性腸球菌感染症 - 風しん - 麻しん - 侵襲性インフルエンザ菌感染症 - 侵襲性髄膜炎菌感染症 - 侵襲性肺炎球菌感染症 - RSウイルス感染症 - 咽頭結膜熱 - A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 - 感染性胃腸炎 - 水痘 - 手足口病 - 伝染性紅斑 - 突発性発しん - 百日咳 - ヘルパンギーナ - 流行性耳下腺炎 - インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く) - 急性出血性結膜炎 - 流行性角結膜炎 - 性器クラミジア感染症 - 性器ヘルペスウイルス感染症 - 尖圭コンジローマ - 淋菌感染症 - クラミジア肺炎(オウム病を除く) - 細菌性髄膜炎 - マイコプラズマ肺炎 - 無菌性髄膜炎 - ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - 薬剤耐性アシネトバクター感染症 - 薬剤耐性緑膿菌感染症
|
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- 1. 早期梅毒の病因、臨床症状、および治療 pathogenesis clinical manifestations and treatment of early syphilis?detectedLanguage=zh Hans&source=search_result&translation=syphilis&search=%E6%A2%85%E6%AF%92&selectedTitle=1%7E150&provider=medicamap
- 2. 梅毒の診断的検査 diagnostic testing for syphilis?detectedLanguage=zh Hans&source=search_result&translation=syphilis&search=%E6%A2%85%E6%AF%92&selectedTitle=2%7E150&provider=medicamap
- 3. 後期梅毒の病因、臨床症状、および治療 pathogenesis clinical manifestations and treatment of late syphilis?detectedLanguage=zh Hans&source=search_result&translation=syphilis&search=%E6%A2%85%E6%AF%92&selectedTitle=3%7E150&provider=medicamap
- 4. 梅毒の病態生理、伝播、および自然史 pathophysiology transmission and natural history of syphilis?detectedLanguage=zh Hans&source=search_result&translation=syphilis&search=%E6%A2%85%E6%AF%92&selectedTitle=4%7E150&provider=medicamap
- 5. 妊娠中の梅毒 syphilis in pregnancy?detectedLanguage=zh Hans&source=search_result&translation=syphilis&search=%E6%A2%85%E6%AF%92&selectedTitle=5%7E150&provider=medicamap
Japanese Journal
- 梅毒 (今月の臨床 性感染症と母子感染 : 最新の診断と管理) -- (母子感染)
- 病初期にアルツハイマー病類似の症候を呈した神経梅毒の1例
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- 次の文を読み、45、46の問いに答えよ。
- 20歳の男性。医学部在籍中の2年次学生である。1週間の病院実習に初めての参加を予定しており、10か月前(1年次)に受けた抗体検査の結果を持って病院実習担当の医師に相談に来た。
- 既往歴:感染症の既往はないという。予防接種で発熱などの副反応が出たことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。家族歴:特記すべきことはない。
- 検査所見:10か月前の抗体検査の報告書を示す。
- 血中抗体価報告書氏名◯◯◯◯
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測定方法
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検査結果
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病院実習の基準を満たす陽性
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単位
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麻疹
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(IgG-EIA法)
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20.4
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(≧ 16.0)
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風疹
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(IgG-EIA法)
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10
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(≧ 8.0)
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水痘
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(IgG-EIA法)
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6.4
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(≧ 4.0)
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流行性耳下腺炎
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(IgG-EIA法)
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陽性
|
陽性
|
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B型肝炎
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(CLIA法)
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4.8
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(≧ 10.0)
|
mIU/mL
|
結核
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(IGRA)*
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陰性
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陰性
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- *結核菌特異的全血インターフェロン γ遊離測定法
- その後の経過:相談に来た学生は医学部を卒業し、5年後に研修医として同じ大学病院で勤務を始めた。この研修医が平日に救急外来で勤務していたところ、54歳の男性が自転車の転倒による挫創のため来院した。初診患者でこの病院に受診歴はない。この研修医が創部の縫合処置を行っている最中、誤って縫合針を自分の指に刺した。研修医は創部から血を絞り出し流水で十分に洗浄すると同時に、直ちに研修医自身と患者の血液検査を行った。
- 外傷患者の血液検査結果が陽性だった場合、できるだけ早期に研修医に対する内服予防投与の開始が必要なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114E045]←[国試_114]→[114E047]
[★]
- 28歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠12週に自宅近くの診療所で実施した血液検査で異常を指摘され、妊娠16週に紹介され受診した。検査結果を表に示す。
- a 「風疹ワクチンを接種しましょう」
- b 「成人T細胞白血病ウイルス感染の精密検査が必要です」
- c 「トキソプラズマの母子感染のリスクはありません」
- d 「梅毒に感染している可能性はありません」
- e 「出産後、赤ちゃんにC型肝炎ウイルスのワクチンを接種しましょう」
[正答]
※国試ナビ4※ [114F055]←[国試_114]→[114F057]
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- 37歳の男性。陰茎の疼痛と排膿とを主訴に来院した。1か月前から陰茎先端部に疼痛と硬結とを自覚していた。徐々に疼痛は増強しており、2、3日前からは発赤を伴うようになっている。今朝、下着に膿が付着し悪臭も伴うようになったため受診した。喫煙は20本/日を10年間。飲酒は機会飲酒。独身。不特定多数の相手と性交渉があった。真性包茎であり、包皮の発赤および排膿を認める。包茎に対して背面切開術を行い、包皮を翻転した写真(別冊No. 9A、B)を別に示す。亀頭部に硬結を認める。
- 最も疑われるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D028]←[国試_111]→[111D030]
[★]
- 35歳の初妊婦(1妊0産)。初回妊婦健康診査のため妊娠11週2日に来院した。無月経を主訴に3週間前に受診し、子宮内に妊娠8週相当の胎児を認め妊娠と診断された。
- 初期血液検査の説明として適切なのはどれか。
- a 「梅毒の検査は省略しましょう」
- b 「B群レンサ球菌(GBS)の検査が含まれます」
- c 「風疹抗体が陽性の場合は、先天性風疹症候群を発症します」
- d 「C型肝炎ウイルス検査が陽性の場合、赤ちゃんにワクチンを接種します」
- e 「B型肝炎ウイルス検査が陽性の場合、赤ちゃんに抗HBsヒト免疫グロブリンを投与します」
[正答]
※国試ナビ4※ [113C038]←[国試_113]→[113C040]
[★]
- 78歳の男性。特別養護老人ホームの入所前検査で梅毒血清反応に異常がみられたため受診した。梅毒を罹患し治療を受けたことがある。RPR 1倍未満(基準 1倍未満)、TPHA 640倍(基準80倍未満)。明らかな皮疹を認めない。
- 対応として適切なのはどれか。
- a 「治療の必要はありません」
- b 「抗核抗体検査を行います」
- c 「ペニシリン内服で加療を行います」
- d 「7日以内に保健所への届出が必要です」
- e 「3か月後に血清抗体価の再検査を行います」
[正答]
※国試ナビ4※ [113A030]←[国試_113]→[113A032]
[★]
- 46歳の男性。手指の皮疹を主訴に来院した。自宅で熱帯魚を飼育していた。6か月前、右中指指背に擦過傷を受傷したが、素手で水槽内の熱帯魚に触れていた。1か月後、皮疹が出現したが放置したところ、徐々に拡大してきた。手指の写真を以下に示す。生検病理標本でZiehl-Neelsen染色陽性の病原体を認めた。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G056]←[国試_095]→[095G058]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105B061]←[国試_105]→[105C001]
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- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- 腎生検のPAM染色標本(別冊No.2A)と蛍光抗体IgG染色標本(別冊No.2B)とを別に示す。
- 原因として考えられるのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A018]←[国試_107]→[107A020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105D012]←[国試_105]→[105D014]
[★]
- (1) 妊娠6ヶ月以降の風疹感染で文字の先天異常の原因となる
- (2) 妊娠初期の梅毒罹患に際しては、出生児に抗生物質を投与する
- (3) 心疾患合併妊婦NYHA分類class Iの際には、妊娠を継続させて良い
- (4) 新生児のB型肝炎ウイルス感染は経産道的が多い
- (5) I型糖尿病妊婦では巨大児出産が多い
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I080]←[国試_104]→[104A002]
[★]
- 感染症法に基づき、すべての医師がすべての患者の発生について届出を行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D009]←[国試_111]→[111D011]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097G061]←[国試_097]→[097G063]
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[正答]
※国試ナビ4※ [097H010]←[国試_097]→[097H012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104I002]←[国試_104]→[104I004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106H015]←[国試_106]→[106H017]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102E020]←[国試_102]→[102E022]
[★]
- 診断後、医師が保健所長に届け出なければならないのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E036]←[国試_103]→[103E038]
[★]
- 英
- bacterium,(pl.) bacteria
- 同
- バクテリア
- 関
- 特殊な細菌 、細菌の鑑別、細菌の同定?、細菌の分類?
細菌の命名
- ラテン語であり、イタリックで表す。
- 「属名 + 種名」で表現される。
グラム染色性と形状による分類と疾患
[★]
- 関
- 感染症法、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則
概念
- 国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民や医療関係者等に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症(現在42疾患)
- 発生動向の収集把握と情報の提供を行う。
五類感染症
全数把握疾患
定数把握疾患
統計
- 五類感染症のうち、全数把握とされる疾患。
- 診断後7日以内に届出。
- 参考1を改変
西暦
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1999
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2000
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2001
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2002
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2003
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2004
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2005
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2006
|
2007
|
2008
|
2009
|
元号
|
平成11
|
平成12
|
平成13
|
平成14
|
平成15
|
平成16
|
平成17
|
平成18
|
平成19
|
平成20
|
平成21
|
アメーバ赤痢
|
276
|
378
|
429
|
465
|
520
|
610
|
698
|
752
|
801
|
871
|
786
|
ウイルス性肝炎
|
B型肝炎
|
510
|
425
|
330
|
332
|
245
|
241
|
209
|
228
|
199
|
178
|
178
|
C型肝炎
|
136
|
119
|
65
|
61
|
65
|
43
|
57
|
46
|
34
|
52
|
40
|
D型肝炎
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
その他
|
74
|
41
|
29
|
23
|
19
|
7
|
10
|
6
|
4
|
8
|
5
|
不明
|
36
|
22
|
14
|
14
|
4
|
2
|
1
|
0
|
0
|
0
|
0
|
急性脳炎
|
...
|
...
|
...
|
...
|
12
|
167
|
188
|
167
|
228
|
192
|
526
|
クリプトスポリジウム症
|
4
|
3
|
11
|
109
|
8
|
92
|
12
|
18
|
6
|
10
|
17
|
クロイツフェルト・ヤコブ病
|
92
|
108
|
133
|
147
|
118
|
176
|
153
|
178
|
157
|
151
|
142
|
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
|
21
|
44
|
46
|
92
|
52
|
52
|
60
|
106
|
95
|
104
|
103
|
後天性免疫不全症候群
|
合計
|
588
|
794
|
947
|
916
|
970
|
1162
|
1203
|
1348
|
1493
|
1565
|
1446
|
無症候性キャリア
|
346
|
413
|
570
|
547
|
564
|
699
|
753
|
852
|
951
|
1000
|
882
|
AIDS
|
215
|
331
|
320
|
312
|
337
|
386
|
359
|
406
|
414
|
441
|
429
|
その他
|
27
|
50
|
57
|
57
|
69
|
77
|
91
|
90
|
128
|
124
|
135
|
ジアルジア症
|
42
|
98
|
137
|
113
|
103
|
94
|
86
|
86
|
53
|
73
|
70
|
髄膜炎菌性髄膜炎
|
10
|
15
|
8
|
9
|
18
|
21
|
10
|
14
|
17
|
10
|
10
|
先天性風しん症候群
|
0
|
1
|
1
|
1
|
1
|
10
|
2
|
0
|
0
|
0
|
2
|
梅毒
|
I期梅毒
|
112
|
129
|
104
|
99
|
114
|
136
|
151
|
175
|
198
|
172
|
142
|
II期梅毒
|
126
|
157
|
134
|
121
|
127
|
179
|
180
|
205
|
234
|
282
|
251
|
晩期顕症梅毒
|
47
|
46
|
40
|
53
|
54
|
54
|
37
|
50
|
55
|
65
|
44
|
先天梅毒
|
9
|
8
|
6
|
9
|
5
|
7
|
3
|
12
|
7
|
9
|
5
|
無症候
|
457
|
421
|
301
|
293
|
209
|
160
|
172
|
195
|
225
|
299
|
249
|
破傷風
|
66
|
91
|
80
|
106
|
73
|
101
|
115
|
117
|
89
|
123
|
113
|
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
|
...
|
...
|
...
|
...
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
0
|
バンコマイシン耐性腸球菌感染症
|
23
|
36
|
40
|
44
|
59
|
58
|
69
|
83
|
84
|
80
|
116
|
風疹
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
293
|
147
|
麻疹
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
...
|
11012
|
732
|
参考
- 年別報告数一覧(その1:全数把握) 一類~五類感染症、新型インフルエンザ等感染症および指定感染症(全数)
- http://idsc.nih.go.jp/idwr/ydata/report-Ja.html
国試
[★]
- 英
- mother-to-child transmission MTCT
- 関
- 垂直感染, vertical disease transmission, vertical transmission、周産期感染症
母子感染において重要なウイルス
- RV :風疹ウイルス:先天性風疹症候群
- CMV :サイトメガロウイルス巨細胞封入体症
- HSV :単純ヘルペスウイルス:新生児ヘルペス
- VZV :水痘・帯状疱疹ウイルス:先天性水痘帯状疱疹症候群
- B19V:パルボウイルス:非免疫性胎児水腫
- HPV :ヒトパピローマウイルス:咽頭乳頭症
その他
- HBV :B型肝炎ウイルス感染症
- HCV :C型肝炎ウイルス感染症
- HIV :ヒト免疫不全ウイルス感染
- HTLV:ヒトT細胞白血病ウイルス感染症
TORCHS症候群
- TO:トキソプラズマ
- R :風疹ウイルス
- C :サイトメガロウイルス
- H :ヘルペスウイルス(単純ヘルペス、水痘・帯状疱疹ウイルス)
- S :梅毒
母子感染の経路
- 資料2
1. 胎内感染
- 1. 母体が感染した場合,あるいは持続感染した微生物が再活性化した場合に,母体血を介し胎盤から臍帯を通じ児に感染
- 2. 胎盤に感染した微生物が増殖し児に感染
- 3. 子宮頸部や腟から上行性に羊膜や羊水を介し感染
2. 分娩時感染
- 1. 産道感染:
- 1. 子宮頸部,腟,外陰部などに感染している微生物が分娩時に産道内で児の粘膜などから感染
- 2. 産道内の母体血中の微生物が児の粘膜などから感染
- 2. placental leakage : B 型肝炎ウイルスやHIV の胎内感染率が切迫早産既往群に多いことから推定された.母体血の新生児血中への混入量を胎盤性アルカリフォスファターゼを指標として測定した場合,予定帝切群で0.8ml/kg(新生児体重)、経腟分娩群で1.2ml/kg と有意差があるという報告もある
3. 経母乳感染
- 母乳中の微生物や感染リンパ球が経口的に児に感染。
- サイトメガロウイルスは経母乳感染をするが、成熟児はこの感染により自然免疫を得て,成人してから初感染することは防げる。
- 1,500g 未満の極低出生体重児では経母乳感染により,肝炎などを発症する可能性がある。
母子感染症
- G10M.168
- G10M.182改変
感染時期と胎児影響
- 妊娠初期:早産、先天性胎児奇形:風疹ウイルス、水痘ウイルス、麻疹ウイルス、HHV-6、パルボウイルスB19
- 妊娠中期~末期:新生児ウイルス感染:単純ヘルペスウイルス、水痘ウイルス、サイトメガロウイルス、梅毒トレポネーマ(妊娠13週までは胎児感染しにくい)
資料
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-416.pdf
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5609-535.pdf
[★]
- 英
- dementia
- 同
- 痴呆、痴呆症、器質痴呆 organic dementia
- 関
- amyotrophic lateral sclerosis、ハチンスキー虚血スコア
定義
- いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、複数の認知障害があるために社会生活に支障をきたすようになった状態。(参考1)
- 1. 知的機能が脳の器質性障害によって低下
- 2. 認知機能が選択的に障害された状態(PSY.312)
- 3. 記憶と判断力の障害を基本とする症候群(PSY.312)
認知症の概念
- 1. 記憶障害
- 2. 記憶以外の認知機能の障害
- 3. それらによる日常生活や職業生活の障害
- 4. 意識障害によらないこと
認知症と区別すべき病態
など
認知症の分類
-
-
- ピック病:行動の障害、人格変化。Pick球やPick細胞が存在
原因疾患
原因
- KPS.369
認知症症状
1. 中核症状
- 記憶障害:初期には記銘力、短期記憶から障害される。早期:エピソード記憶 → 重症:意味記憶
- 判断力低下
- 見当識障害
- 言語障害(失語)
- 失行
- 失認
2. 周辺症状
認知症と老化現象との違い
- 老化現象
- 体験の一部を忘れる ← ヒントを与えられると思い出せる
- 名前や日付などをとっさに思い出せる
- 日常生活に支障はない
- 物忘れに対して自覚がある
- 体験した全てを忘れる。最近の記憶がない ← ヒントを与えられてても思い出せない
- 時間や自分のいる場所が分からない
- 日常生活を営むことが困難
- 物忘れに対して自覚がない
検査
診断
|
アルツハイマー病
|
脳血管性認知症
|
ピック病
|
認知症
|
全般的認知症
|
まだら認知症
|
アルツハイマー病に類似。 早期には人格、注意力が障害され、 次第に記憶力も障害される。
|
人格
|
晩期に人格障害
|
保たれる
|
早期に人格障害
|
病識
|
なし(初期にはあり)
|
あり
|
なし
|
経過
|
進行性
|
動揺性、階段状に進行性
|
進行性
|
基礎疾患
|
特になし
|
高血圧、糖尿病、心疾患
|
特になし
|
画像検査
|
対称性の脳溝開大
|
脳実質内に脳梗塞巣
|
側頭葉と前頭葉の萎縮
|
機能画像検査
|
側頭葉、頭頂葉での代謝低下
|
前頭葉を中心とした多発性の脳代謝低下
|
前頭葉、側頭葉での代謝低下
|
treatable dementia
- 治療可能な認知症を診断しておく。根本的な治療が可能で、認知機能は可逆的である。
- → 治療できる認知症
治療
認知症高齢者を対象とした事業・施設
国試
[★]
- ☆case16 膝の痛み
- ■glossary
- indigestion 消化障害、消化不良
- ■症例
- 80歳 男性
- 主訴:左膝の痛みと腫脹
- 現病歴:左膝の痛みを2日前から認めた。膝は発熱・腫脹しており、動かすと疼痛を生じる。時々胸焼けと消化不良が見られる。6ヶ月前のhealth checkで、高血圧(172/102mmHg)と血中クレアチニンが高い(正常高値)こと以外は正常といわれた。その4週間数回血圧を測定したが、高値が継続したため、2.5mg bendrofluamethizide(UK)/ベンドロフルメチアジドbendroflumethiazide(US)で治療を開始した。最近の血圧は138/84 mmHgであった。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:一週間に平均4unit。
- 既往歴:股関節に中程度(mild)の変形性関節症
- 家族歴:特記なし
- 服薬歴:アセトアミノフェン(股関節の疼痛に対して)
- 身体所見 examination
- 血圧 142/86mmHg。体温37.5℃。脈拍88/分。grade 2 hypertensive retinopathy(高血圧症性網膜症)。心血管系、呼吸器系に検査場異常なし。手にDIPにヘバーデン結節なし。
- 左膝が発熱し腫脹している。関節内に液、patellar tap陽性。90℃以上膝関節を屈曲させると痛みを生じる。右の膝関節は正常に見える。
- 検査 investigation
- 生化学:白血球増多、ESR上昇、尿素高値、グルコース高値
- 単純X線:関節間隙やや狭小。それ以外に異常は認めない。
- ■problem list
- #1 左膝の痛み
- #2 胸焼け
- #3 消化不良
- #4 高血圧
- #5 クレアチニン正常高値
- #6 股関節の変形性リウマチ
- #7 高血圧性網膜症
- ■考え方
- ・関節痛の鑑別診断を考える。
- ・VINDICATEで考えてみてもよいでしょう。
- ・関節痛の頻度としては 外傷>慢性疾患(OAなど)>膠原病>脊椎疾患>悪性腫瘍
- ■関節痛の鑑別疾患
- DIF 282
- V Vascular 血友病 hemophilia, 壊血病 scurvy, 無菌性骨壊死 aseptic bone necrosis (Osgood-Schlatter diseaseとか)
- I Inflammatory 淋疾 gonorrhea, ライム病 lyme disease, 黄色ブドウ球菌 Staphylococcus, 連鎖球菌 Streptococcus, 結核 tuberculosis, 梅毒 syphilis, 風疹 rubella, 単純ヘルペス herpes simplex, HIV human immunodeficiency virus, サイトメガロウイルス cytomegalovirus
- N Neoplastic disorders 骨原性肉腫 osteogenic sarcoma, 巨細胞腫 giant cell tumors
- D Degenerative disorders degenerative joint disease or 変形性関節症 osteoarthritis
- I Intoxication 痛風 gout (uric acid), 偽痛風 pseudogout (calcium pyrophosphate), ループス症候群 lupus syndrome of hydralazine (Apresoline) and procainamide, gout syndrome of diuretics
- C Congenital and acquired malformations bring to mind the joint deformities of tabes dorsalis and syringomyelia and congenital dislocation of the hip. Alkaptonuria is also considered here.
- A Autoimmune indicates (多い)関節リウマチ RA (可能性)血清病 serum sickness, 全身性エリテマトーデス lupus erythematosus, リウマチ熱 rheumatic fever, ライター症候群 Reiter syndrome, 潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis, クローン病=限局性回腸炎 regional ileitis, 乾癬性関節炎 psoriatic arthritis (老人であり得る)リウマチ性多発筋痛症 polymyalgia rheumatica
- T Trauma 外傷性滑膜炎 traumatic synovitis, tear or rupture of the collateral or cruciate ligaments, 亜脱臼 subluxation or laceration of the meniscus (semilunar cartilage), 脱臼 dislocation of the joint or patella, a 捻挫 sprain of the joint, and fracture of the bones of the joint.
- E Endcrine 先端肥大症 acromegaly, 閉経 menopause, 糖尿病 diabetes mellitus
- ■答え
- 骨格筋系-関節炎-単関節炎-急性単関節炎
- 痛風 尿酸 → 発熱、ESR↑、白血球↑
- 偽痛風 ピロリン酸カルシウム
- 高齢女性でチアジド系利尿薬の使用により痛風が誘発されやすい。特に腎機能低下、糖尿病の人はこのリスクが高まる。
- ■(BSTからの知識「)循環器領域での利尿薬
- ・心不全の治療において、循環血漿量を減らし、心臓の前負荷を軽減する。
- ・利尿薬は高尿酸血症を起こす。(けど、心不全の治療において高尿酸血症になったからといって痛風を発症している患者はみたことない)
- ・電解質異常を起こしやすいので、血液生化学の検査でモニタして注意する。たとえば低Kで不整脈のリスクが高まる。
- ・チアジド系の利尿薬は血糖を上げるし、尿酸を上げる
- ・長期の使用で腎機能を低下させる
- ■initial plan
- Dx 1. 関節液の吸引:関節液の一般検査、生化学検査、培養検査、
- ・白血球が増加していれば急性炎症性であることを示す。
- ・偏光顕微鏡で関節液を検鏡する。
- ・尿酸の結晶:針状結晶。negatively birefringent
- ・ピロリン酸カルシウムの結晶:positively birefringent
- Tx 1. 関節液の吸引:炎症が軽度改善
- 2. NSAIDによる疼痛管理
- 3. PPI:NSAID潰瘍を予防するため
- 4. ACE inhibitorの導入