細菌性髄膜炎
- 英
- bacterial meningitis
- 同
- 化膿性髄膜炎 purulent meningitis meningitis purulenta、化膿性脳脊髄膜炎、化膿性脳膜炎。(ここでは急性化膿性髄膜炎と細菌性髄膜炎を同義として扱う)
- 関
- 髄膜炎、化膿性髄膜炎、急性化膿性髄膜炎
定義
- クモ膜、クモ膜下腔、軟膜の感染性炎症であって、細菌感染による髄膜炎。
- 急性発症であり、化膿性の病態を呈する。梅毒トレポネーマによる梅毒性髄膜炎と結核菌による結核性髄膜炎を除く。
- 発症すれば致死率は高く、救命できても重篤な後遺症を残す。
病原体
- 髄膜炎菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、B群連鎖球菌、緑膿菌、大腸菌など
PED.602
- 生後3ヶ月未満はStreptococcus agalactiae、Escherichia coliが多く、生後3ヶ月以降はHaemophilius influenzae, Streptococcus pneumoniaeが多く、他国には多いNeisseria meningitidisが少ないのが特徴。(PED.602)
HIM. 2621
- (多分、全患者中(←私見))
- Streptococcus pneumoniae ~50%
- Neisseria meningitidis ~25%、
- group B streptococci ~15%
- Listeria monocytogenes ~10%
- Haemophilus influenzae type B <10%
参考1
| 新生児~生後3カ月乳児 | B群レンサ球菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、リステリア菌 |
| 生後3カ月以降の乳児~幼児 | インフルエンザ菌(ほとんどがHib)、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌 |
| 年長児~青年期 | 肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌 |
| 成人 | 肺炎球菌、髄膜炎菌 |
| 高齢者(50歳以上) | 肺炎球菌、グラム陰性桿菌、リステリア菌 |
| 免疫能低下の状態 | 肺炎球菌、緑膿菌などのグラム陰性桿菌、リステリア菌、黄色ブドウ球菌(MRSA)など |
| 脳室シャント後 | 黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌など |
疫学
- 化膿性髄膜炎はあらゆる年齢に起こりうるが、病原体は年齢により異なる。死亡率は 5-25%である。
- 化膿性髄膜炎は新生児から乳幼児期に多く、4歳未満で全体の80%程度を占め、2歳未満が特に多い(PED.602)。
- 参考1
- 日本の細菌性髄膜炎患者の発生状況は、1990 年代では0.5 人程度である。
- 1999 年4月施行の感染症法下における感染症発生動向調査によると、年齢別では、5歳未満(0歳及び1~4 歳)の報告が多く全体の約半数を占め、それ以降の年齢では減少しているが、70歳以上ではまた多くなっている。季節に関してはほとんど差異がみられていない。原因菌に関してはインフルエンザ菌、肺炎球菌の順となっている。
- 髄膜炎菌による髄膜炎は、日本では流行性脳脊髄膜炎の名称で1918年に法定伝染病に指定された。患者報告数は1945年の4,384人をピークに減少し、特に1960年代以降急激に減少した。現在は感染症法で定める4 類感染症全数把握疾患に分類されており、報告数は1999年(4月~)11例、2000年15例、2001年8例、2002 年8例である(註:その後、2003年11月施行の感染症法一部改正により、5類感染症全数把握疾患に変更)。
- インフルエンザ菌によるものに関しては、欧米でtype b(Hib)に対するワクチンが使われている国では発生数は激減しているが、我が国においては特に小児における原因菌として重要である。
感染経路
- 血行性:鼻咽頭粘膜→血中への進入→血管内での生存→髄膜への進入→クモ膜下腔での増殖
- 局所の炎症からクモ膜下腔に進入する経路もある(肺炎、膿胸、心内膜炎、腎盂炎など)
- 医原性(カテーテル(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌))もありうる。
- 直接:頭部外傷(黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌)、中耳炎、副鼻腔炎、眼窩の炎症
- 経腸管感染、経胎盤感染、産道感染(Listeria monocytogens)
- 産道感染(Streptococcus agalactiae)
発症機序(PED.603, HIM.2622-2624)
菌側の要因
- 胸膜の存在が重要である。髄膜炎の起炎菌は胸膜を持ち、血管内での貪食や帆や胃による殺菌に抵抗している。
宿主側の要因
- 1. 補体欠損症:C5-C9欠損ではNeisseria meningitidisによる髄膜炎を合併しやすい。日本人ではC9欠損(約1/1000)とC7欠損が多い。
- 2. 無脾症、摘脾:Streptococcus pneumoniaeが多い。電撃型の経過が多い。
- 3, 髄液耳漏、髄液鼻漏、先天性皮膚洞、VPシャントが反復性髄膜炎の原因として最も多い。
- 4. 免疫不全。
その他
- 頭蓋内圧亢進:末梢循環の減少を補償するために血圧上昇・徐脈(クッシング現象)となる。また、意識障害、肢位異常、呼吸抑制、瞳孔異常、動眼神経麻痺を来す。
- 脳神経麻痺(CN III, IV, VI, VIIなど):神経鞘の炎症や脳圧亢進による。難聴は蝸牛管炎症細胞やメディェ一夕-の流入による内耳傷害による。
炎症の成立
- PED.603
症状
- 古典的な三徴「発熱、頭痛、頚部硬直」。意識障害。悪心・嘔吐、羞明(HIM.2623)
- 1. 急性発症。
- 2. 発熱(38-40℃の高熱)。
- 3. 激しい頭痛。
- 4. 悪心・嘔吐。
- 5. 意識障害(>75%の患者で)、末期に痙攣重積発作。
- てんかん発作は初発症状や病気の経過の中で20-40%の患者でみられる。(HIM.2623)
年齢別症状
- PED.603
| 症状 | <3か月 | 3か月~2歳 | 2歳< |
| 無呼吸/チアノーゼ | 多い | まれ | まれ |
| 発熱 | 多い | 多い | 多い |
| 低体温 | 多い | まれ | まれ |
| 意識障害 | 多い | 多い | 多い |
| 頭痛 | - | まれ | 多い |
| 痙攣 | 病初期に | 病初期に | 進行期に |
| 運動失調 | - | いろいろ | 病初期に |
| 易刺激性 | 多い | 多い | まれ |
| 嘔吐 | 多い | 多い | いろいろ |
| 項部硬直 | まれ | 進行期に | 多い |
| 大泉門膨隆 | 多い | 多い | 閉鎖 |
臨床所見
- 精神症状
- 発熱
- 頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔吐、痙攣、意識障害、うっ血乳頭)
- 髄膜刺激症状(項部硬直、ケルニッヒ徴候(Kernig sign)、ブルジンスキー徴候(Brudzinski sign)) ← 乳児期には典型的な髄膜刺激症状を欠くことがある。
病型
- 1. 典型的な髄膜炎
- 2. 敗血症
- 3. Waterhouse-Friderichsen(ウォーターハウス・フリードリクセン)症候群
- 髄膜炎菌敗血症で播種性血管内凝固症候群(DIC)、全身の皮膚・粘膜出血、副腎出血が生じ、24時間以内に死亡する場合がある。
合併症
- PED.603
- 硬膜下液貯留、痙攣、頭蓋内圧亢進、脳神経麻痺、脳梗塞、静脈洞血栓症、脳ヘルニア、迷路炎、水頭症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿
- 関節炎、心嚢液:治療開始後に免疫複合体の蓄積により出現することがある。
- 痙攣:細菌性髄膜炎の30%程度に合併。4日以後の痙攣は神経学的異常やてんかんの後遺症を関連する
- 硬膜下液貯留:乳児では高率に生じる
- 硬膜下膿瘍・脳膿瘍:発熱持続の原因となる。新生児期のグラム陰性桿菌による髄膜炎では、脳膿瘍を来すことが多い。
- 脳梗塞:動脈炎,静脈炎による血管の狭窄・閉塞,頭蓋内圧亢進・ショック・脱水などによる脳血流低下が関与
- 難聴:片側・両側。多くは永続的
- Listeria monocytogenes髄膜炎:rhomboencephalitis(中脳,小脳,脳幹の炎症)
- Neisseria meningitidis髄膜炎:Waterhouse-Freidrichsen症候群(電撃型紫斑病+副腎出血)
- Streptococcus pneumoniae髄膜炎:溶血性尿毒症症候群
検査
髄液検査
- ただちに髄液穿刺(腰髄穿刺)を行う。ショック状態やDICの場合には注意が必要であり、高度の頭蓋内圧亢進を来している場合には禁忌である。
- 脊髄圧:上昇
- 肉眼所見:白濁
- 細胞数:増加
- 好中球:増多
- 蛋白:増加 ← 炎症により血管透過性が亢進するため。
- グルコース:低下。血糖の40%以下 ← 細菌や好中球によるグルコースの消費のため。炎症に伴い、糖の髄液への輸送が減少するため(PED.603)とも記載がある
- 脊髄液培養
- 塗沫グラム染色検査
- ラテックス凝集反応などによる抗原迅速診断
- Haemophilus influenzae type b、Streptococcus pneumoniae、GBS、Neisseria meningitidis(A, B, C)、K1抗原(+)Eschericha coli
血液検査
血算
- PED.605
- 白血球:左方移動を伴った白血球数増多。重症例で白血球数が減少
- 血小板:重症例では血小板減少
血液生化学
- CRP:CRPは発症12時間後に全例高値になる
- プロカルシトニン:重症菌血症でCRPより早期に上昇する
- 血糖・電解質・浸透圧:血清Na、尿中Na、浸透圧を測定しSIADHの合併の有無を検討。
- 血液培養:菌血症の合併が多く必ず実施する。
- 腎機能・肝機能:臓器障害の評価を行う。
- 凝固機能:プロトロンビン時間、部分トロンボプラスチン時間、フィブリノゲン、フィブリノゲン分解産物でDICの評価。
- 尿検査、尿量:濃縮尿での起炎菌抗原検索も有用
- 胸部X線:肺炎の合併を検索
診断
- 血液培養、髄液のグラム染色、髄液培養(頭蓋内圧亢進の場合には禁忌)を行う。(グラム染色の結果から、すぐに経験的抗菌薬治療を行う)
- 迅速診断として、ラテックス凝集法による抗原診断も実用化されているが、現在この対象となるのは肺炎球菌、B群レンサ球菌、Hib、髄膜炎菌A、B、C群、K1抗原陽性大腸菌などである(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_38.html)
鑑別診断
- 髄膜炎(ウイルス性、結核性、真菌性)、脳膿瘍、脳炎、Behcet病など
経過
- 劇症の場合(数時間で発症・悪化)もあるし、亜急性(数日かけて発症・悪化)の場合もある
治療
- 1. 抗菌薬
- 抗生剤の全身投与や髄腔内投与。経験的治療を先行させ、気炎菌が確定したら感受性のある抗菌薬に切り替える。
- 髄液所見の正常化・CRP陰転後、1週間抗菌薬を投与して治療が終了
- 2. 脳圧亢進
- 高張脳圧降下薬(マンニトールなど)の投与
- ステロイド
- 3. サイトカイン放出の抑制
- ステロイド:細菌性髄膜炎の時には経験的にステロイドを抗菌薬投与の前か同時に投与。軽症例・重症例では投与しない。病原体が肺炎球菌でないと判明すれば中止。(IRE.410)
経験的治療
- HIM.2625
| Table 376-1 Antibiotics Used in Empirical Therapy of Bacterial Meningitis and Focal CNS Infections | |||||
| 適応 | ampicillin | cefotaxime | ceftriaxone | ceftazidime | vancomycin |
| 早産児~1ヶ月未満乳児 | ○ | ○ | |||
| 1~3ヶ月乳児 | ○ | ○ | |||
| ○ | ○ | ||||
| 3ヶ月以上の健常児。55歳以下成人 | ○ | ○ | |||
| ○ | ○ | ||||
| 55歳以上の成人。 年齢をとわずアルコール中毒、衰弱した患者。 |
○ | ○ | |||
| ○ | ○ | ||||
| 院内感染による髄膜炎、外傷後の髄膜炎、 神経手術後の髄膜炎、好中球減少患者、 細胞性免疫が低下している患者 |
○ | ○ | ○ | ||
- 研修医当直御法度 第5版 p.3
治療期間
- Practice Guidelines for Bacterial Meningitidis CID 2004:39(1 November) 1281
- Neisseria meningitidis 7
- Haemophilus influenzae 7
- Streptococcus pneumoniae 10-14
- Streptococcus agalactiae 14-21
- Aerobic gram-negative bacilli 21
- Listeria monocytogenes ≧21
後遺症
- 水頭症、硬膜下水腫 ← 髄液の吸収障害
予防
- インフルエンザ菌:Hibワクチン
感染症法による取り扱い
- 参考1
- 細菌性髄膜炎は5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約500カ所の基幹定点から毎週報告がなされている。報告のための基準は以下の通りとなっている。
- 診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の2 つの基準を全て満たすもの
- 1.以下の臨床症状を呈するもの
- 発熱、頭痛、嘔吐を主な特徴とする
- 項部硬直、Kernig 徴候、Brudzinski 徴候などの髄膜刺激症状(いずれも新生児や乳児などでは臨床症状が明らかではないことが多い)
- 2.以下の検査所見を有すること
- 髄液細胞数の増加(多核球優位であることが多い)
- 髄液蛋白量の増加
- 上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの
参考
- 1.
- <click2in>http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_38.html</click2in>
国試
胎児・新生児の感染経路と主な起炎菌
- PED.428
- 子宮内感染(経胎盤感染):リステリア菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、結核菌、梅毒トレポネーマ
- 産道感染(上行感染含む):B群溶連菌、大腸菌、エンテロバクター、クレブシエラ、リステリア菌、淋菌
- 出生後感染(院内・家庭内感染):黄色ブドウ球菌、大腸菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、緑膿菌
莢膜を有する細菌
- 莢膜を有することで血行性にクモ膜下腔まで到達しうる。
- Streptococcus pneumoniae
- Haemophilus influenzae type b
- Neisseria meningitidis
B群連鎖球菌(NGY.433) → Streptococcus agalactiaeを指す
- ストレプトコッカス属
- B群溶連菌の陽性者は、妊婦の約10%に存在している。膣や外陰部から分離されることの多いB群溶連菌は、産道感染によって、児に重篤な全身感染を引き起こす(1000分娩に一例)。新生児に髄膜炎、肺炎の他、敗血症の症状を取ることもあり、きわめて重篤な経過をたどることがある。妊婦は無症状であることが多く、細菌学的な検索によって診断する。発症予防に分娩時母胎に、ペニシリン系抗生剤、あるいは第一世代セフェムが投与される。
- 保菌者の大部分は無症状に経過するが早産、前期破水、子宮内膜炎、敗血症を起こしうる。B群溶連菌保菌妊婦から生出した児が、早発型敗血症を起こす割合は1/50-1/100である(PED.428)。
リステリア菌 Lesteria monocytogenes (SMB.266)
細菌学的特徴
- グラム陽性桿菌
- リステリア属
- 嫌気性菌
- 無芽胞菌
- 人獣共通感染症
- 通性細胞内寄生菌
- リソソームの中で増殖しうる。リステリオリシンによりファゴソームを分解し、マクロファージの細胞質に分布
- β溶血性
- 20-25℃で活発な運動能を示すが、37℃では運動能が低い
- 4℃でも増殖能を有する。至適増殖温度は30-37℃。
- グルコース、ラクトース、スクロースを分解して酸を生じるがガスは産生しない
- カタラーゼ試験:陽性。オキシダーゼ試験:陽性。
リステリアの生存部位
- 牛、ブタなどの家畜
- ネズミ、トリ、昆虫など
- 健常者や健康動物で保菌されている
- 環境中(土壌、河川水など)に常在
感染経路
- 感染経路
- 罹患動物との直接接触
- 汚染されたミルク、ナチュラルチーズなどの経口摂取による経口感染
- 糞便などの塵埃による気道感染
リステリア症
- 1. 周産期リステリア症(新生児リステリア症)
- 出生前:感染した妊婦から胎児へ経胎盤感染
- 母胎への影響:無症状で経やすることが多い。流産の2-14日前に悪寒、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などのインフルエンザ様症状が認められることがある。
- 胎児への影響:流産、死産(全身臓器における化膿性肉芽腫性の微小膿瘍が認められる)
- 妊娠3-5ヶ月の阿智児はリステリアの影響を受けやすい。
- 早産となった場合、胎児敗血症性肉芽腫症が発生し予後不良
- 早発型:日齢7日未満に発症
- 感染経路:子宮内感染
- 症状:敗血症、肺炎、皮膚・咽頭の小肉芽腫症
- 遅発型:1-8週に発症。全身政治リステリア症例の1-^15%
- 感染経路:母胎からの感染か水平感染
- 症状:髄膜炎(発熱、頭痛、嘔吐、髄膜刺激症状、意識症状)
- 2. 乳児・小児リステリア症
- 新生児リステリア症と同じく、重篤な症状を呈する。
- 髄膜炎症状、下痢、発疹、肝脾腫、呼吸不全、循環不全
- 3. 成人リステリア症(高齢者リステリア症)
- 易感染者:臓器移植患者、抗菌治療を受けている高齢者、糖尿病患者、肝疾患患者、AIDS患者などの免疫脳の低下した成人。ステロイド服用時、H2ブロッカー服用時。
- 症状:中枢神経系障害を示す症例は55-70%に及ぶ。髄膜脳炎(意識障害、運動障害、脳神経麻痺)、敗血症、心内膜炎、肺炎、胸膜炎、肝炎、胆嚢炎、
- 4. 食品媒介リステリア症
- 症状:下痢、嘔吐、発熱などの食中毒用の胃腸症状と共に敗血症や脳炎
- 原因食品:キャベツサラダ、牛乳、ナチュラルチーズ、チョコレートミルク、コーンサラダ、ホットドッグ
大腸菌 Escherichia coli
- 腸内細菌科大腸菌属
- グラム陰性桿菌。
- 通性嫌気性菌
- オキシダーゼ試験:陰性
- グルコースおよび他の糖を発酵
- 産道感染によると思われる新生児化膿性髄膜炎(あるいは新生児髄膜炎)を引き起こす(SMB.168)。
- 新生児髄膜炎から分離されるEscherichia coliのK1抗原株は毒性が強い。K1抗原はNeisseria meningitidisの胸膜多糖体と同じ物質である。この抗原は異物としての認識が低く抗体を産生するのが困難であり、髄膜炎を誘発しやすい一員とされている(SMB.168)
インフルエンザ菌 Haemophilus influenzae type b
細菌学的特徴 (SMB.191)
- パスツレラ科ヘモフィルス属
- グラム陰性桿菌
- 莢膜を有し、血清型はb型である。
- 発育因子として、X因子(プロトポルフィリンIX or プロトヘム) and/or V因子(NAD or NADP)が必要
- 病原因子は莢膜(抗貪食作用)とIgAプロテアーゼ(IgAを分解)が特徴的である。
- ペニシリン結合蛋白(PBP)の変異による耐性菌(BLNAR, β-lactamase negative ampicillin-resistant Haemophilus)が出現している。
感染経路
- 飛沫感染
感染症
- 髄膜炎菌、結膜炎、喉頭炎、関節炎を引き起こす
髄膜炎菌 Neisseria meningitidis
細菌的特徴
- ナイセリア科ナイセリア属
- グラム陰性球菌
- 莢膜
- 双球菌
- 無芽胞
- 無鞭毛
- グルコース:分解。マルトース:分解せず。
- 健常人の鼻咽頭腔に存在(保菌率: 5-15%)
- 五類感染症、全数把握
感染経路
- 飛沫感染
- 上気道から感染し、鼻咽腔で増殖し、血行性に広がる
髄膜炎菌感染症
- 髄膜炎
- 菌血症、敗血症
- 70%以上の症例で点状皮下出血や紫斑性皮下出血
- 致命率:15-25%
- Waterhouse-Friderichsen症候群:両側の副腎が侵され、ついにはDICによりショック死する。
- 高頻度:関節炎
- まれ :化膿性結膜炎、副鼻腔炎、心内膜炎、肺炎
肺炎球菌
細菌学的特徴
- ストレプトコッカス属
- グラム陽性球菌
- 西洋槍(ランセット)型の双球菌
- α溶血性。ランスフィールド分類には分類されない
- オプトヒン感受性
- 自己融解 autolysis ← 培養しすぎに注意
- 中心部の陥凹した集落
- 莢膜多糖体を有する ← 抗食菌作用(C3bの付着に抵抗する)
- IgA proteaseを分泌
- 健常人の5-250%の気道に存在するが莢膜がない弱毒の株
易感染性宿主
- 2歳以下の乳幼児や老人で重症化しやすい
- 脾臓を受けた患者、急性骨髄性白血病、骨髄移植、HIV感染症で発症しやすい
感染症
- 肺炎(大葉性肺炎)、髄膜炎
- 中耳炎、心内膜炎、関節炎、腹膜炎、軟部組織の炎症(SMB.248)