シェーグレン症候群
- 英
- Sjögren syndrome, Sjogren syndrome SjS SS, Sjoegren's syndrome
- 同
- Sjogren症候群、グージェロー-ハウアー-シェーグレン症候群 Gougerot-Houwer-Sjogren syndrome、乾燥症候群 sicca syndrome
- 関
- 膠原病
疫学
- 男女比=1:9
- 男女比=1:20。発症時平均年齢50歳代(REU.216)
病態
症候スペクトル
| 病態 | レイノー現象 | 抗核抗体 | リウマトイド因子 | 抗好中球細胞質抗体 | 皮疹 | 皮下結節 | 関節炎 | 筋炎 | 漿膜炎 | 自己抗体 | |
| SS-A | SS-B | ||||||||||
| 病理 | 壊死性血管炎 | 糸球体腎炎 | 間質性肺炎 | 心炎 | 唾液腺炎 | オニオンスキン病変 | ワイヤーループ病変 | ヘマトキシリン体 | LE細胞 | ||
症状
- REU.216,217
- 眼の異物感、羞明、充血(眼球乾燥症、ドライアイ) → 乾燥性角結膜炎
口腔内乾燥
- 口腔の乾燥感(ドライマウス、口腔乾燥症)
- 齲歯の増加
- 舌の乾燥、乳頭萎縮
- 耳下腺の腫脹
その他の外分泌腺症状
- 上気道、器官の分泌低下 → 副鼻腔炎、気管支炎
- 膵臓の外分泌機能低下、皮膚、膣の感想
腺外病変
- 関節炎、関節痛:(50%)。
- レイノー現象:(一次性のものの30%)
- 皮膚:血管炎性の紫斑、丘疹。非血管炎性の環状紅斑。
- 肝臓:肝機能異常は7-27%に認められ、主に自己免疫疾患によるもの。AMA陽性で原発性胆汁性肝硬変の像を示していることがある
- 腎臓:リンパ球浸潤による間質性腎炎 → 遠位尿細管性アシドーシス(RTA I)
- 甲状腺:不顕性の甲状腺機能障害を35-45%で認める。最も多いのは自己免疫性の甲状腺炎(慢性甲状腺炎)
- YN.
- 肺:間質性肺炎
- 血液免疫:悪性リンパ腫(B細胞性が多い。)
シェーグレン症候群における腎疾患
- 参考3
- 糸球体病変と間質性腎炎がある。慢性に経過する間質性病変により尿細管の萎縮と間質の線維化をきたす。症状は様々である、血清クレアチニン軽度上昇、尿検査は陰性である。尿細管の機能障害により、ファンコニ症候群、遠位尿細管性アシドーシス、腎性尿崩症、低カリウム血症をきたす。これらの病変はステロイドに反応し、血清クレアチニンは低下する。
- (1)遠位尿細管性アシドーシス:25%の患者で遠位尿細管での酸排泄能異常が見られる。これによる代謝性アシドーシスは軽度であるが、症例によっては重炭酸濃度が10mEq/L以下となりカリウムが1.5-2.0mEq/Lとなる(カリウム排泄による)症例がある。なぜ本性でdistal RTAが起こるかは不明。患者の腎生検をしたところ介在細胞のH-ATPaseが欠損していたというがその原因は不明。他のありうる機序として、carbonic anhydrase IIに対する自己抗体の力価が上がっており、H+排泄が妨げられてる事が考えられる。
- (2)腎性尿崩症
- (3)遠位尿細管性アシドーシスを伴わない低カリウム血症
- QB.E-2-1
HIM.2108
| Table 317-2 原発性シェーグレン症候群での腺外症状の割合 | |
| 臨床症状 | (%) |
| 関節痛/関節炎 | 60 |
| レイノー症候群 | 37 |
| リンパ節腫 | 14 |
| 肺病変 | 14 |
| 血管炎 | 11 |
| 腎病変 | 9 |
| 肝病変 | 6 |
| リンパ腫 | 6 |
| 脾腫 | 3 |
| 末梢ニューロパチー | 2 |
| 筋炎 | 1 |
シェーグレン症候群の皮膚症状(まとめ)
[show details]病型
- 原発性
- 続発性:膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス)など
検査
- 抗核抗体:陽性 → 陽性の場合リンパ腫症(adenopathy)、レイノー現象、皮膚血管炎が出現頻度が高い。(参考4)
- 抗SS-A/SS-B抗体:陽性 → 陽性の場合リンパ腫症(adenopathy)、末梢ニューロパチー、皮膚血管炎、レイノー現象、環状紅斑の出現頻度が高い。(参考4)
- リウマトイド因子:陽性
- 高γグロブリン血症
- 抗甲状腺抗体:(30%の症例)陽性
検査値異常の割合
| 抗核抗体 | 74% |
| 抗Ro抗体/抗SS-A抗体 | 40% |
| リウマチ因子 | 38% |
| 抗平滑筋抗体 | 35% |
| 抗La抗体/抗SS-B抗体 | 26% |
| 抗壁細胞抗体 | 20% |
| 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体 | 18% |
| 抗サイログロブリン抗体 | 13% |
| 低CH50血症 | 12% |
| 低C4血症 | 8% |
| クリオグロブリン血症 | 9% |
診断
1999年に厚生省の診断基準
- 4項目の中で2項目以上で陽性であること。
- (1)口唇小唾液腺の生検組織でリンパ球浸潤がある
- (2)唾液分泌量の低下がガムテスト、サクソンテスト、唾液腺造影、シンチグラフィーなどで証明される
- (3)涙の分泌低下がシャーマーテスト、ローズベンガル試験、蛍光色素試験などで証明される
- (4)抗SS-A抗体か抗SS-B抗体が陽性である
合併症
| 他の自己免疫疾患 | 全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症(SSc)、PN(結節性多発性動脈炎)、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)、環状紅斑、特発性血小板減少性紫斑(ITP) |
| 関節 | 関節リウマチ(RA) |
| 甲状腺 | 橋本病 |
| 血液・リンパ系 | 自己免疫性溶血性貧血、悪性リンパ腫、高γグロブリン血症、マクログロブリン血症 |
| 肺 | 間質性肺炎 |
| 胃 | 萎縮性胃炎 |
| 膵 | 急性膵炎 |
| 肝 | 原発性胆汁性肝硬変 |
| 腎 | 尿細管性アシドーシス |
- 50-60%の症例で自己免疫疾患を合併。関節リウマチが最多。全身性エリテマトーデス、原発性全身性強皮症、混合性結合組織病がこれに次ぐ。(QB.F145)
- 慢性甲状腺炎、原発性胆汁性肝硬変(10%程度の症例)もみられうる。(QB.F145)
治療
- 人工涙液点眼など乾燥症候への対症療法
- 必要に応じてコルチコステロイド
予後
- 良好
参考
- 1. 皮膚科Q&A
- <click2in>http://www.dermatol.or.jp/QandA/kogen/q12.html</click2in>
- 2. 難病情報センター
- <click2in>http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/044_i.htm</click2in>
- 3. [charged] Renal disease in Sjogren's syndrome - uptodate [1]
- 4. [charged]Clinical manifestations of Sjogren's syndrome: Extraglandular disease and prognosis - uptodate [2]
uptodate
- 1. [charged] シェーグレン症候群の分類および診断 - uptodate [3]
- 2. [charged] シェーグレン症候群の病因 - uptodate [4]
- 3. [charged] シェーグレン症候群の臨床症状:外分泌腺障害 - uptodate [5]
- 4. [charged] シェーグレン症候群の臨床症状:腺外型疾患および予後 - uptodate [6]
- 5. [charged] シェーグレン症候群関連間質性肺疾患:臨床症状、評価、および診断 - uptodate [7]
- 6. [charged] シェーグレン症候群関連間質性肺疾患:管理と予後 - uptodate [8]
- 7. [charged] シェーグレン症候群における腎疾患 - uptodate [9]
- 8. [charged] シェーグレン症候群の治療 - uptodate [10]
- 9. [charged] 抗Ro/SSA抗体および抗La/SSB抗体の臨床的意義 - uptodate [11]