関節リウマチ
- 本態は増殖性滑膜炎
- 変形性関節症は違う
概要
- 原因不明のchronic multisystem disease
- 炎症性の関節炎が、特に末梢の関節で全身性に起こる。
- 経過は多様
症候
- 関節症状
関節外症状
- 100CASE p.76
- リウマトイド結節、血管炎→皮膚結節・手指の壊死、強膜炎、pleural effusions, びまん性肺線維症、pulmonary nodules、閉塞性細気管支炎、心膜炎、脾腫
- SOR.213改変
- 全身症状:発熱
- 皮膚症状:リウマトイド結節(肘の伸側、後頭部、手指)。壊疽性膿皮症(出典不明)
- 眼症状:上強膜炎(10日の経過で治癒)、強膜炎(予後不良)。稀に角膜穿孔 乾性角結膜炎(多い)、時に強角膜炎、潰瘍を来たし角膜穿孔もありうる(SOP.220)
- 血液障害:(高頻度)貧血、白血球減少(Felty病。DMARDs投与中の場合は薬剤性の骨髄抑制を考慮)
- アミロイドーシス:ネフローゼや下痢を来した症例で疑う。アミロイド蛋白はAA
- 腎障害:稀。アミロイドーシスによる続発症(アミロイド腎症) or 薬剤性(ペニシラミンなどのRA治療薬)によるもの。
- 呼吸器症状:間質性肺炎の合併多い。下肺野に好発。通常無症状。メトトレキセートなどの使用により薬剤性の急性間質性肺炎を生じることがある。
- 心・血管障害:リンパ管炎による難治性の浮腫。
- 神経症状:環軸関節亜脱臼により項部痛や脊髄症上が出現しうる。
- 骨粗鬆症
- 腱鞘滑膜炎:手指、手関節、足関節
症候スペクトル
| 病態 | レイノー現象 | 抗核抗体 | リウマトイド因子 | 抗好中球細胞質抗体 | 皮疹 | 皮下結節 | 関節炎 | 筋炎 | 漿膜炎 | 自己抗体 |
| RF | ||||||||||
| 病理 | 壊死性血管炎 | 糸球体腎炎 | 間質性肺炎 | 心炎 | 唾液腺炎 | オニオンスキン病変 | ワイヤーループ病変 | ヘマトキシリン体 | LE細胞 | |
合併症
- YN. F-43
検査
単純X線
- 関節X線写真所見異常
血液
- 赤血球:小球性低色素性貧血
- 白血球:正常あるいは軽度増加。ただし 脾腫 + 白血球減少 + RA = フェルティー症候群
- 血小板:増加
- 補体:高値?。(SOR.217)SLEと違って低下しない。経過中に低下してきたのなら悪性関節リウマチを考慮
- リウマチ因子:陽性(70-80%の症例)
- 炎症所見:赤沈・CRP・免疫グロブリン高値
関節液
- 淡黄緑色、混濁、滑膜細胞の細片の浮遊を認める。粘稠度低下(SOR.218)
関節内視鏡
- 非特異的慢性滑膜炎
身体所見 (SOR.213,417)
- 図:SOR.213
手
- (ムチランス型RAにおいて)オペラグラス手
手関節
- 手関節と遠位橈尺関節の滑膜炎→腫脹、運動痛、手関節の掌背屈及び前腕の回旋制限
- 尺骨頭の背側亜脱臼:ピアノキーサイン
- 手根骨の尺側移動、掌側移動
- 手関節強直:手関節が破壊されて癒合すると線維性強直、骨性強直が起きて関節の変形が固定される。
指
MP関節(MCP関節)
- 掌側脱臼、尺側偏位、伸筋腱の尺側脱臼
- スワンネック変形:DIP関節過伸展、PIP関節屈曲
PIP関節
- ボタン穴変形 :DIP関節屈曲、PIP関節過伸展
趾
MP関節(MTP関節)
- 外反母趾:第1中足骨が内反し、第1中足趾節関節で母指基節骨が外反し、中足骨骨頭が内側に膨隆し「く」の字型の変形を起こしたもの。
診断基準
| 7項目中、4項目以上を満たすとき、関節リウマチと診断される | 備考 | |
| 1 | 1時間以上持続する朝のこわばりが、6週間以上あること | |
| 2 | 3領域以上の関節の腫れが、6週間以上あること | 領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる |
| 3 | 手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、6週間以上あること | 少なくとも1ヵ所での軟部組織腫脹 |
| 4 | 対称性関節腫脹 | PIP、MCP、MTP関節は完全に対象である必要はない |
| 5 | リウマトイド結節 | 骨突起部、伸側表面/関節近傍の皮下結節 |
| 6 | リウマトイド因子が陽性 | 正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること |
| 7 | X線、関節リウマチに特有の骨びらんが見られる | 手・指を中心に見る、びらん以上の破壊も含む |
診断
治療
- 以前は、病状の進行に合わせて作用の弱い薬剤から強い薬剤を用いていたが、最近では初期に強力に炎症を抑制して関節破壊を防ぐ治療方針に変わってきている。
- 非ステロイド性抗炎症薬 NSAIDs:(副)間質性腎炎、消化性潰瘍。
- 金製剤:(副)ネフローゼ症候群(膜性腎症)。
- D-ペニシラミン:(副)薬剤誘発性ループス、膜性腎症。
- 副腎皮質ステロイド薬
- 免疫抑制薬
TNF阻害薬の適応
- 1) 圧痛関節数6関節以上
- 2) 腫脹関節数6関節以上
- 3) CRP 2.0mg/dl以上あるいはESR 28mm/hr以上
- これらの基準を満足しない患者においても、
- a) 画像検査における進行性の骨びらんを認める
- b) DAS28-ESRが3.2(moderate activity)以上
- のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
- 2. さらに日和見感染症の危険性が低い患者として以下の3項目も満たすことが望ましい。
- 1) 末梢血白血球数 4000/mm3以上
- 2) 末梢血リンパ球数 1000/mm3以上
- 3) 血中β-D-グルカン陰性
参考
- 1. 診断基準
- 2. 株式会社医学生物学研究所 MESACUP CCPテスト
- 3. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン