- 英
- necrophilia
- 同
- 屍愛、死姦、屍姦、死体嗜愛、屍体愛、necrophilism
WordNet
- an irresistible sexual attraction to dead bodies (同)necrophilism, necromania
PrepTutorEJDIC
- 死体姦(かん)症(死体に性的魅力を感じること)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2021/04/17 06:56:24」(JST)
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屍姦(しかん)は、死体を姦する(性的に犯す)ことを言う。広義には死体に欲情する性的嗜好をも指し、死体性愛(屍体性愛、したいせいあい)、死体愛好(屍体愛好、したいあいこう)、ネクロフィリア(necrophilia)[1]とも呼ばれる。性的倒錯の一つでもある。「屍(しかばね)を姦する」に語源を持つため「屍姦」の表記が本来的であるが、「死姦」の誤記も散見される。
精神分析における用法
エーリヒ・フロムは「生に対するリアリティが失われ、死に対する欲望が高まる病理現象」をネクロフィリアと命名している[2]。
歴史的な事例
- 屍体性愛は、他の性的倒錯と同様に、非常に古くから人類のうちにあったと考えられるが、異常である故の秘匿な行為であったために、実例を見つけるのは難しい。ヘロドトスの『歴史』第2巻には、古代エジプトでは位の高い男の妻や美しい女が死んだ場合、ミイラ職人に屍姦されることのないよう、死から3、4日たった後に死体を引き渡した、という記述がある。古代には、死者との性交が魔術的な意味を持っていたと考えられる場合もある。モチェ文化のものとして、廃墟で生者と交わる骸骨の死者が描かれた陶器が出土しているという。
- 中国の正史『晋書』の列伝には、西晋の親王司馬榦の屍姦の嗜好が記されている。また、東晋の干宝の『捜神記』巻15には、後漢の貴人馮氏(桓帝の妃嬪)の墓が盗掘された際に、遺体が生前とさほど変わらなかったため、盗賊が争って遺体を屍姦した、という記事もある。
- 18世紀フランスの売春宿では、女が棺桶の中で死体のふりをし、男性が修道士の姿になり交わるという屍姦的なサービスを行っていた場所もあり、一部の人間にはかなりの人気があったようである。また、女優のサラ・ベルナールが普段から棺桶で眠っていたという話はよく知られている。
- 近代以降になると、巷の事件として屍姦の例を多く見られる。歌舞伎の演目『心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)』は、実際の屍姦事件を基にして書かれた(この中では、お房が生き返る)。
屍姦にあたる行為
主に以下の行為が当てはまる。
- 死体を姦淫する行為自体に興奮を覚えること。
- 死体を姦淫する行為を見ることに興奮を覚えること。
以下の行為は分けて扱われる場合もある(淫楽殺人、猟奇殺人など)。
- 強姦して相手を殺害してしまう行為そのものに興奮を覚えること。
- 男性が女性に対して強姦し、また絞殺することによって相手が死ぬ直前に窒息状態になる。この際膣穴が縮小し男性の性器を強く刺激することによる強度の刺激から来る快感と、相手を死に至らしめる達成感に興奮を覚えること。実際には窒息状態になったからといって膣穴が縮小することは無く、息を止めても変わらないのと同じ。男性も同じで窒息状態になったからといって鬱血して勃起力が上がることはない。
また、強姦しようとして抵抗されたため殺害してから性交を遂げようとしたことで結果的に屍姦となる場合もある。
現在における屍姦
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現在、日本では屍姦そのものについて罪に問われることはない[3]が、殺人や死体損壊につながる行為であり、社会的に許容されることはまずあり得ない(屍姦を行った日本人としては小平義雄、栗田源蔵、佐川一政などが挙げられる)。逆に言えばそれゆえに研究が遅れている分野でもある。このような性的嗜好が顕在化する要因として、フロイト派では、幼少時に見た「眠っている母親の姿」に愛情を感じ、それが欲情へと変化するためであると主張している。また、眠っている相手との性行為を体験したことがきっかけで顕在化することもあるという。これとは関係ない説として自尊心の弱さが逆らえない相手に対する欲望を生むという説もある。
米国では2004年、カリフォルニア州アーノルド・シュワルツェネッガー知事が屍姦を禁止する法案を承認した。これまで法的に罰することが不可能だった死体との姦淫が公式に不法なものとなった。
山口県光市母子殺害事件では、加害者が被害者を殺害した後、辱めたとされている。裁判では生き返らせるための儀式だと供述。また、あまり知られていないが1993年に発生した埼玉愛犬家連続殺人事件の加害者も被害者を殺害後に辱めたことがあると言う[4]。
姦淫までは明らかになっていないが、2011年にロシアのニジニ・ノヴゴロド市で、高名なケルト語学者で墓地研究家のアナトリー・モスクヴィン(英語版)が、人形の格好をさせた若い女性のミイラ化した遺体29体を自宅に隠し持っていた事件が発覚した。遺体は墓場から盗んだとみられ、人形のような服を着せ、顔と手は布で覆っていた。部屋には遺体のほかに、人形製作の本や本物の人形、ぬいぐるみ、仮面なども散乱していた。逮捕される以前のインタビューで、死体や墓地に興味を持ったきっかけとして、12歳のときにたまたま出会った葬儀で、11歳で亡くなった少女の額にキスをさせられたことだと答えている[5]。
屍姦を題材にした作品
- 『眠れる美女』(川端康成作の小説)
- 『愛の流刑地』(渡辺淳一作の小説)
- 『睡れる花嫁』(横溝正史作の推理小説)
- 『陰摩羅鬼の瑕』(京極夏彦作の推理小説)
- 『残虐な抱擁』 (井上光晴作の小説)
- 『殺戮にいたる病』 (我孫子武丸作のサイコホラー小説)
脚注
- ^ フォン・クラフト=エビングの造語で、『性的精神病理』が初出か。
- ^ Erich Seligmann Fromm 1973 The anatomy of human destructiveness.
- ^ 「刑法第一九〇条に規定する死体損壊罪は、死体を物理的に損傷・毀壊する場合を云うのであつて、これを姦するが如き行為を包含しないと解すべきものである」 昭和23年(れ)584号 昭和23年11月16日最高裁判例(集刑第12号1535頁)
- ^ ただし、共犯者による証言のみで、遺体は加害者に解体・処分された事から物的証拠はない。
- ^ Grisly discovery: 29 mummies found in historian's apartment
関連項目
- 緊縛
- サディズム
- マゾヒズム
- SM
- 猟奇殺人
- サイコキラー
- 鬼畜
- カニバリズム
- ブルーノ・ルトケ
- エド・ゲイン
- テッド・バンディ
- ジェフリー・ダーマー
- クラブきっず事件
- 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件
- パリ人肉事件
外部リンク
- 屍愛について - 南方熊楠『南方随筆. 続』 (岡書院, 1926)
典拠管理 |
- BNF: cb122194306 (データ)
- GND: 4171419-2
- LCCN: sh85090573
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- 1. アポトーシスと自己免疫疾患apoptosis and autoimmune disease [show details]
…phagocytose and to digest the corpse . A key feature of this physiologic death process is the preservation of plasma membrane integrity. Rapid ingestion of the apoptotic corpse by phagocytes with continued …
- 2. 閉じ込め症候群locked in syndrome [show details]
…earliest descriptions of LIS in "The Count of Monte Cristo" by vividly depicting a character who was "a corpse with living eyes." Following a stroke, Monsignor Noirtier de Villefort could only communicate by…
- 3. 死別および悲嘆:臨床的特徴grief and bereavement in adults clinical features [show details]
…with a few other people . These are the people whom a person loves and who reciprocate love. People generally want to be with those they love and enjoy the time spent together. A secure attachment relationship …
- 4. 緩和ケアにかかわる文化的側面cultural aspects of palliative care [show details]
… choice,” and partners facing the loss of same-sex loved ones may experience grief that is not recognized as legitimate by uninformed parties .… traditions) Color of clothing on the corpse (eg, white among Southeast Asians) Use of makeup to enliven the corpse (eg,…
- 5. 死後生殖(PAR)posthumous assisted reproduction [show details]
…embryos that were previously stored or request gamete retrieval from a deceased or terminally ill loved one. In addition, unrelated third-party recipients might receive gametes or embryos from deceased … to obtain sperm from critically ill or recently deceased men. Viable sperm can be retrieved from a corpse up to 36 hours after death. Live births have resulted from sperm retrieved postmortem, but limited …
Related Links
- ネクロフィリア(死体性愛) ネクロフィリアとは、 死体に性愛感情を抱くセクシュアリティ を指します。 ネクロフィリアを題材とした文学作品は非常に多く、『雪国』などの作品で知られる川端康成の 『眠れる美女』 にもネクロフィリアの考え方が登場します。
- 世界大百科事典 第2版 - 屍体性愛の用語解説 - 歴史的に性対象の異常とされてきたものには,以下の行為がある。自分自身の肉体を性対象とするオートエロティズム(ナルシシズム),自分と同性を対象とする同性愛,性的に未熟な幼児を対象とする幼児性愛(ペドフィリアpedophilia),老人を対象...
- 屍姦(しかん)は、死体を姦する(性的に犯す)ことを言う。 広義には死体に欲情する 性的嗜好 をも指し、 死体性愛 ( 屍体性愛 、したいせいあい)、 死体愛好 ( 屍体愛好 、したいあいこう)、 ネクロフィリア (necrophilia) [1] とも呼ばれる。
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- 英
- corpse、carcass
- 関
- 屠殺体
死体
- 病死による死体
- 異状死体:異状死体とは犯罪性の有無にかかわらず、全ての外因子、死因が不明な死体、発症や死亡前後の状況に異状のある死体をいう(日本法医学会。異状死ガイドライン)
- 犯罪死体 :明らかに犯罪に起因した異状死体
- 非犯罪死体:犯罪とは無関係な異状死体
- 変死体 :犯罪に起因しているか否かが不明