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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/18 10:07:21」(JST)
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胃腸薬(いちょうやく)とは、胃および腸の疾患の治療や、症状の緩和に用いられる医薬品の総称である。俗に胃薬(いぐすり)と呼ばれることも多い。胃酸を中和し胃腸の過度な働きを抑制するものと、胃酸の分泌を促進し胃腸の働きを活発にするものとに大別できる。症状にあわない医薬品を選択すると効果がないばかりか、症状を悪化させることとなる。これら両方の効果を持つ複合胃腸薬も市販されている。瀉下薬や止瀉薬も広義の胃腸薬に含まれる。
目次
- 1 胃腸活動抑制型
- 2 胃腸活動促進型
- 3 その他
- 4 参考文献
胃腸活動抑制型[編集]
胃酸過多や消化性潰瘍などに有効。制酸薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)などが該当する。
- 胃のpHを上昇させ、増えすぎた胃酸を中和する。水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムなどのアルカリ性の化合物が配合される。
詳細は「制酸薬」を参照
- 胃酸分泌受容体拮抗剤
- H2ブロッカー : ヒスタミンH2受容体に拮抗し、胃酸の分泌を抑制する。シメチジンやファモチジンなどが配合される。
詳細は「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」を参照
- ムスカリン受容体拮抗薬 : ムスカリン受容体に拮抗し、胃酸の分泌を抑制する。ピレンゼピンなどが配合される。
- 胃粘膜保護成分
- 荒れた胃粘膜を覆って保護し、修復を補助する。スクラルファートやグリチルリチン酸二カリウム、銅クロロフィリンナトリウム、アズレンスルホン酸ナトリウムなどがある。
- 抗コリン薬として臭化水素酸スコポラミンやロートエキス、局所麻酔薬としてアミノ安息香酸エチル、平滑筋弛緩薬として塩酸パパベリンなどが処方される。
- 消化管内部のガスを取り除き腹部の張りを抑えるため、ジメチルポリシロキサンが胃腸活動抑制型・促進型を問わず配合されることがある。
胃腸活動促進型[編集]
胃腸虚弱や消化不良などに有効。健胃消化薬や整腸剤などが該当する。
- アロエ、ウコン、ケイヒ、陳皮など生薬が主体で、乾燥酵母や消化管運動改善薬として塩酸カルニチンやマレイン酸トリメブチンなどが配合されることもある。生薬の苦味・辛味や匂いが味覚・嗅覚神経を刺激し効果を生み出すため、オブラートやカプセルを用いると効き目が損なわれる。マレイン酸トリメブチンは消化器の運動が活発なときは抑制的に、逆に弱っていたら活発にする作用があるが用量が多いと抑制的に動くため特に用量を守る必要がある。
- ジアスターゼやリパーゼなどの消化酵素、ウルソデオキシコール酸やデヒドロコール酸などの胆汁成分が配合される、
- 乳酸菌や酪酸菌、納豆菌などが配合される。
その他[編集]
- 代表的なものにスルピリドと呼ばれるものがあり、現在は主に精神・情動安定剤として使用されるが本来は神経性の胃炎や食道炎、十二指腸潰瘍など胃腸疾患の薬として開発された(副作用に向精神薬としての有効性が認められた)ため現在も胃腸薬として処方されることがある。離脱症状として食欲不振や吐き気、焦燥感や抑うつ感など胃腸薬の副作用としては通常みられない症状(ドパミン受容体に作用するため)が現れることがあるため処方された用法、用量を守ることが重要である。
参考文献[編集]
- 齋藤洋、福室憲治、武政文彦著 『一般用医薬品学概説(第2版)』 じほう、2006年。ISBN 9784840735940。
Japanese Journal
- くらしの中の生薬の話(第2回)健胃薬に用いられる生薬 : 丁香 茴香 蜀椒
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