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サケ科 | |||||||||||||||||||||
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川を遡上するギンザケの成熟個体
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分類 | |||||||||||||||||||||
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サケ類は、単にサケまたはシャケともいい、サケ目の唯一の科であるサケ科に属するものあるいはそのうちサケ属に属する魚類の総称。狭義にはサケ(鮭)は、サケ属のサケ(シロザケ、学名:Oncorhynchus keta)を指すが、広義にはシロザケ以外にも、タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)、ベニザケ、ギンザケ、キングサーモン などの仲間を総称する。
サケ科(Salmonidae)は、イトウ属 (Hucho)、イワナ属(サルベリヌス属 Salvelinus)、サケ属(タイヘイヨウサケ属、オンコリンクス属 Oncorhynchus)、タイセイヨウサケ属(サルモ属 Salmo、アカントリングア属 Acantholingua)、カワヒメマス属(グレイリング属、テュマルス属 Thymallus)、コレゴヌス属(コクチマス属、ワカソ属 Coregonus)、サルモティムス属(Salmothymus)、ステノドゥス属(Stenodus)、ブラキミスタクス属(Brachymystax)、プロソピウム属(ラウンドホワイトフィッシュ属 Prosopium)の11属、約66種以上に分類される。9属68種説もある。 10属214種[1]。
コレゴヌス亜科 Coregoninae
コレゴヌス属 Coregonus - Whitefishes - 78種 - ホワイトフィッシュ、シナノユキマス、オームリ
プロソピウム属 Prosopium - Round whitefishes - 6種
ステノドゥス属 Stenodus - Inconnu - 2種
カワヒメマス亜科 Thymallinae
カワヒメマス属 (テュマルス属) (Thymallus) - Graylings - 13種
サケ亜科 Salmoninae
ブラキミスタクス属 Brachymystax - Lenoks - 3種
イトウ属 (Hucho) - 5種
サケ属 (タイヘイヨウサケ属、オンコリンクス属) (Oncorhynchus) - Pacific salmon and Trout - 12種 - 亜種 - カラフトマス、シロザケ、ベニザケ、サクラマス(ヤマメ)、サツキマス、ギンザケ、マスノスケ、スチールヘッド
タイセイヨウサケ属 (サルモ属) (Salmo) - Atlantic salmon and Trout - 43種 - ブラウントラウト、タイセイヨウサケ
イワナ属 (サルベリヌス属) (Salvelinus) - Char and trout (e.g. Brook trout, Lake trout) - 51種 - アメマス、オショロコマ、ミヤベイワナ、ブルックトラウト、イワナ
サルモティムス属 Salmothymus - 1種
サケの語源には諸説あるが、およそ以下の4種に分けられる。
硬骨魚類の魚の中では比較的原始的な外観を持つ。サケ科魚類の最初の化石は、ブリティッシュコロンビアの中間始新世地層で発見されているが、この化石が進化のどの段階にあるのかは分かっていない。
環太平洋で日本(16集団)、ロシア(10集団)、北米(21集団)、韓国(1集団)の計48集団のミトコンドリアDNA(mDNA)を解析した結果、塩基配列中の変異(30種ハプロタイプ)を分類し大きく3つのグループに分けることが出来た、また、遺伝的な多様性は日本が最も多く次いでロシア、北米の順であった。この結果から、広義サケ属「シロザケ」は古日本海を起源として、ロシアから北米へと分布範囲を広げていったと考えられる。Neaveによる研究でサケ属は東アジアを起源としているが、mDNAの解析結果もアジア起源を強く示唆している[2]。より進化した種(シロザケやカラフトマス)ほど長距離の回遊を行っていると考えられる。
一般的にサケは川で産まれ海に下る。海で数年かけて大きくなり、また産まれた川に戻り(母川回帰)産卵した後死亡する。魚種によって回帰性には差があり、マスノスケ、ベニザケは回帰性が強いとされ支流まで突き止め遡上するが、シロザケやカラフトマスは回帰性が比較的弱く川を間違え遡上し「迷子ザケ」となる。回帰性があるため、同じ魚種でも母川あるいは海域で遺伝的特性が異なる。多くの種は一度の産卵活動で息絶えるが、ニジマス、イワナ、イトウなどでは数年に渡り複数回の産卵活動に参加する。シロザケなどでは孵化・浮上後直ちに降海するが、サクラマス、ベニザケ、マスノスケ、ギンザケなどでは一定期間を淡水で過ごし、ある程度成長した個体がスモルト化すると降海し海洋生活を送る。降海の目的は海洋の豊富な餌を捕食することで、より大きな体となり淡水で成熟した個体より多くの卵を産卵することにある。つまり、海洋での生活は必須ではなく淡水でも成熟し繁殖活動を行う。従って、通常は降海する魚種でも何らかの原因で陸封(河川残留)された場合は、淡水中でも成熟し産卵を行う[3]。
水が通り十分な酸素のある砂礫質の河床に形成された産卵床に産み付けられた粘着性の無い卵は、親魚には保護されず産卵後1ヶ月程度砂礫中で成長(発眼卵)する。卵嚢を腹部に付けた稚魚は、浮上するまでの数ヶ月卵嚢中の栄養分のみで成長する。シロザケの場合、積算水温約480℃、(8℃で60日)で孵化する。従来は、卵嚢中の栄養分だけで成長するとされてきたが、コレゴヌス属のペリヤジ(シナノユキマス)ではプランクトンを捕食している事が、孵化卵の養殖の過程で明らかとなっている[4]。卵嚢が無くなった稚魚は3cmから5cm程度に成長すると砂礫から出て浮上する。
生後しばらくして体側面に斑点状の模様が1個または複数個あらわれた個体を、パー (parr) といい、斑点をパーマーク (parr mark) という。パーはさらに成長すると銀化(ぎんけ)してスモルト (smolt) になり、降海を開始する。銀化は一種の変態であり、皮膚にグアニンが沈着して体色が白くなるとともに、海水環境に適応するための器官が発達する。銀化は甲状腺ホルモンや成長ホルモン、コルチゾルによって引き起こされる。
多くの個体は銀化を経て海に下るが、中には銀化せずに川に留まる個体もいる。川を下り海に生活圏を求める個体を降海型、川(湖水)に生活圏を求めた個体を残留型と呼ぶ。かつては「陸封型」とも言われたが、同河川で降海するタイプもあるため川に残るタイプを「残留型」と呼ぶようになっている。ただし河川によってはダムなどの物理的要因や下流部の水温の問題で「陸封」されているものもある。有名なものではベニザケ Oncorhynchus nerka の残留型がヒメマスであり、サクラマス O. masou の残留型がヤマメである。ただ、全ての種に降海型と残留型が存在するわけではない。降海型は残留型よりもはるかに体が大きく、雄は産卵の際に有利である。しかし、残留型の雄が全く産卵に参加できないわけではない。降海型のペアが産卵しているところに小さな体を生かして忍び寄り、雌が卵を産んだ瞬間にペアの間に割り込んで、降海型の雄よりも先に卵に精子をかけるのである。たとえばサクラマスのそれにヤマメが割り込む例がよく知られる。従来は卵を食べる「子喰らい」として括られていた(実際に繁殖に参加していない産卵現場の卵を捕食することも知られる)。このような繁殖戦略をとる個体を、一般に生態学の言葉でスニーカーと呼ぶ。音を立てずに忍び寄ることを意味する英語スニーク(sneak)に由来する(靴のスニーカーと同じ語である)。
残留型となる要因は複数あるが、単独の要因だけが作用するのではなく複数の要因が作用する事もある。
降海後の母川回帰までの海洋での回遊経路は魚種により大きく異なる。古いサケ科魚類とされるサクラマス、サツキマスなどは主に沿岸域を回遊するが、新しいサケ科魚類とされるカラフトマスやマスノスケは広い海域を回遊する。回遊する海域は、日本海、オホーツク海、ベーリング海、北太平洋で海洋では、主に動物性プランクトンを食べて成長するが、イトウ、マスノスケなどは魚食性が強い。身(魚肉)のサーモンピンクと称される特有の色は、餌に含まれる色素に由来しているため、養殖魚で赤色色素を含まない餌を与えると、白身の魚肉となる。
サケ科魚類が「どの様に川を記憶し、帰ってきたことをどの様に判断しているのか?」は長年の謎で、遠洋では高精度な生体時計と地磁気コンパスと太陽コンパスにより自分の位置を割り出し回遊していると考えられている。 母川の記憶と特定に関しては、最近の研究により徐々に解明されている。研究によれば、実際にベーリング海で捕獲・センサーを付け放流したシロザケは、直線的に根室まで回帰していた。また、網膜剥離による視覚妨害や鼻孔へのワセリン充填を行った放流魚の調査から、沿岸域を回遊するサクラマスでは視覚と嗅覚により各河川水に固有なアミノ酸成分(具体的な成分は不明)を識別し回帰し、遠洋を回遊するベニザケでは視覚により回帰していると考えられる。更に、このアミノ酸成分は河床の付着性微生物の集合体であるバイオフィルムが起源の一つであることが判明している[7]。
種によって性的な成熟までの期間は異なるが、通常は2-6年の海洋生活で成熟し母川回帰する。しかし、通常の個体より早く1年の海洋生活で小型ながら性的に成熟し母川回帰する個体が現れる。この個体を英語では、ジャック(Jack)と呼ぶ。この早熟雄は河川での成長速度の速い個体から出現すると考えられる。一部の早熟雄は降海せず残留する[8]が、同様な現象はサクラマス(降海型)-ヤマメ(残留型)だけでなく他のサケ科魚類でも起きている。また、性成熟によりスモルト化が阻害されることが実験的に確認されている[9]。カラフトマスの遺伝的差異は、同じ回帰年の河川間の隔たりよりも回帰年による差異が大きいことが報告されている[10]が、早熟雄の出現により遺伝的差異の大きな年産間の交流に役立っていると考えられる。
シロザケを始めとする多くの種の降海個体は成熟してから川を上って産卵するまで絶食状態にあり、筋肉のタンパク質を分解してエネルギーを得ている。この時期のサケの体内では糖新生を促進するホルモンであるコルチゾルを盛んに分泌して、タンパク質や脂肪からエネルギー源になるグリコーゲンをつくっている。そのため O.keta や O.nerka など大半の種は産卵に残りの全エネルギーを使い果たして息絶えてしまう。ただし、同じサケ科でも大西洋サケ属のタイセイヨウサケ S.salar や、外来魚のブラウントラウトなどは何回も川登りと海降りを繰り返せる。同様にコレゴヌス属では、ホワイトフィッシュ(釣り対象として有名)、シスコ(Cisco 北米原産)、シナノユキマス(北欧原産だが、日本導入時に独自命名)。イワナ属では、アメマス。イトウ属のイトウも、複数回の降海・遡上を行う例である。タイヘイヨウサケ属でも、ニジマスの降海型のスチールヘッド(テツ)にこうした生態が知られている。
鮭児(ケイジ)やトキシラズとして知られる個体は、性的に未成熟であるにもかかわらず間違って遡上をしてしまった個体とされている[11]。産卵床を形成する場所も種によって異なり、流れが弱い場所で湧水性を求めるものと、流れが速い場所で水通しを求めるものがある。
川に上る途中のサケや、産卵後の息絶えた魚体は、熊や狐など野生動物が冬を越すための貴重な栄養源となる。また川や湖、周囲の森に栄養分をもたらし、最終的には孵化後の稚魚が育つ助けとなる。このようにサケの定期的な遡上と死は、川周辺の生態系と一体化し、そのサイクルが成り立つための前提となっており、親個体の死は無駄になるわけではない(人間も、一部地方では死骸を肥料として利用することがあった。年によっては産卵後の死骸が多すぎて異臭を放ち、川浚いする必要があるためである)。
一部の河川では、ダム建設や近代の工業汚染によりサケが遡上しなくなったことから「カムバック・サーモン」キャンペーンが展開されたことがあった(豊平川などが有名)。
酸性雨や温暖化はサケ科魚類の種の存続に対し大きな影響を与えている。
魚種による差はあるが、サケ科魚類は浮上稚魚期のpH低下に弱い[12]。河川生活性の高い魚種ほど耐酸性が高い傾向が報告されていて、魚種間では太平洋サケ属(ヒメマス、ホンマス、ニジマス)は耐酸性が低く、大西洋サケ属(イワナ、カワマス、ブラウントラウト)は耐酸性が高い[12]。従って、酸性雨や酸性雪の融雪水による河川水のpH低下は、天然河川の生息数の減少だけでなく絶滅につながる深刻な問題となる可能性がある。同時に、養殖用水源にも影響を得る為、養殖業者への影響も懸念される。実際に、ヨーロッパやカナダでは、サケ科魚類が死滅した水域が多数報告されている[13]。
魚種による差異はあるが、孵化浮上期は10℃程度、稚魚・成魚の生息には18℃以下の冷涼な水域が生存の必須条件であるため、地球温暖化は深刻な問題となる。特に台湾に生息するタイワンマスはサケ科魚類の南限である事から水温の上昇による絶滅が懸念されている。また、日本の在来イワナのうちキリクチ個体群やゴギも水温上昇によりヤマメ、アマゴが、より上流に生息域を広げていることでイワナの生息域が狭められている。
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今日の日本では辞書などにおいて日本語のサケに英語の salmon、日本語のマスに英語の trout が対応するとされている。しかし、この両者の概念の関係は複雑に錯綜している。例えば日本語でマスの部類として扱われているカラフトマスやサクラマスは英語ではそれぞれ Pink salmon(または Humpback salmon)、Cherry salmon と呼ばれ、salmon として扱われている。
この問題を解きほぐすには、両言語における初期の用例に遡る必要がある。
まず、日本語で元来サケとはシロザケ Oncorhynchus keta のみを指す概念であった。また、マスとは元来の日本語の使用空間であった本州、四国、九州及びその周辺島嶼において一般的に見られたもう一つの大型サケ科魚類、サクラマス O. masou masou 及びその亜種の降海型、降湖型であるサツキマス O. masou ishikawae、ビワマス O. masou rhodurus を指す概念だったのである。
それに対して、英語の salmon とは元来ブリテン諸島に分布するタイセイヨウサケ Salmo salar 1種のみを指していたし、trout とは同様にブリテン諸島に分布するブラウントラウト S.trutta に他ならなかったのである。これらタイセイヨウサケ属の魚類のうち、タイセイヨウサケは大半が降海し、ブラウントラウトやその亜種群ではごく少数しか降海しない魚であった。
しかし、英語を母語とする人々の世界への拡散と植民地建設、明治以降の日本人の認識する世界の拡大によって、それまでイギリス人や日本人が知らなかったサケ科魚類に salmon、trout、サケ、マスといった語が割り振られていったのである。
まず、英語圏のアメリカ大陸への拡大によって英語話者とたくさんの種を擁するタイヘイヨウサケ属 Oncorhynchus やブリテン島には見られなかったブラウントラウト並みに大型のイワナ属 Salvelinus との接触が起きた。そして、タイセイヨウサケ同様に降海性のタイヘイヨウサケ属の魚には salmon、河川残留性のタイヘイヨウサケ属の魚や一部のイワナ属の魚には trout の呼称を当てていったのである。
一方、日本では幕末以降日本人の活動領域が北海道、樺太、千島列島と広がっていくにつれ、接触するタイヘイヨウサケ属の種も増加していった。それ以前から日本近海で漁獲されることもある O.tschawytscha がマスノスケと呼ばれていたように、日本人が新たに接触する大型サケ科魚類は「マス」扱いで名称がつけられるのが原則であった。
その一方で、英語の salmon がサケ、英語の trout がマスと翻訳されるようになると、狭義のサケであるシロザケに加えて、日本人の活動領域であまり見られないタイヘイヨウサケ属の降海型大型種に対して、salmon の訳語として「サケ」扱いの名称が与えられることになった。
また、本来の英語の概念拡大の傾向からは salmon 扱いとなっておかしくないサクラマスを本義とする「マス」が trout の訳語とされると、英語の概念が日本語に逆流し、「マス」とは非降海性のサケ類の呼称であるとの概念が生じてしまった。
特に今日の都市部の日本人の多くには、漁獲が激減しているサクラマスは身近ではなくなり、マスと言えば観光地のニジマス釣りの方が想像しやすくなっていると言えよう。そのため、海から遡上してくる大きなサケに、清流に住む小さなマスという印象もまた、支配的になっている。
そのためであるのか、昔からマスノスケというれっきとした和名を持つ魚が、今日の日本の鮮魚市場ではキングサーモンの呼称で流通している。また、アメリカ大陸ではニジマスの降海型で大型化して遡上する個体を英語でSteelheadと呼び習わしてきたが、養殖ニジマスを海に降ろして降海型として育てたものがサーモントラウトの商品名で流通している。近年大衆的な寿司屋などで見かける「サーモン」というタネのほとんどはこれらのサーモン類であるため、「鮭の握り」というような呼び方はまずされることがない。
なお肉の色に関して、サケは赤くてマスは淡いピンクであるというのもよく行われる説である。上記のような商品としての名称の混乱は、見た目にわかりやすい肉の色を優先して名づけることが一因であろう。しかしこの特徴は後天的なもので、これはエビ・カニといった甲殻類が持つカロテノイド色素であるアスタキサンチンによるものである。ベニサケを白身の魚肉だけで育てた場合、ほとんど赤くない肉が得られる。ちなみにオームリやホワイトフィッシュ、シナノユキマスなどのコレゴヌス属は、ビワヒガイやワタカ等のコイ科に近い、サケ科とはかけ離れた外貌で、肉質もタラのように白い身である。
自然状態での産卵期と産卵場所の重複や、人工養殖の際に、耐病性向上、生産性向上などを目論見、異種交配により雑種を生じる。しかし、組合せによっては致死性の雑種を生じ、受精卵が孵化しなかったり、仔魚期に斃死する組合せがある[14]。また、養殖の際は養殖魚が自然界に逃げ出し、さらなる交雑個体が生じないようにするため、不妊化処理を施した生殖能力を持たない3倍体メスを作出することが多い[15][16]。
主要種の交雑組合せ | |||||||||||||
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オス(male) | |||||||||||||
イワナ属 (Salvelinus) | サケ属 (Oncorhynchus) | タイセイヨウサケ属 (Salmo) | |||||||||||
leucomaenis イワナ(white-spotted char) |
fontinalis カワマス (Brook trout) |
mykiss ニジマス (Rainbow trout) |
masou masou サクラマス (masu salmon) |
masou ishikawae サツキマス (Amago Salmon) |
gorbuscha カラフトマス (pink salmon) |
nerka ベニザケ (Sockeye salmon) |
keta サケ (chum salmon) |
kisutsh ギンザケ (coho salmon) |
tshawytscha マスノスケ (king salmon) |
trutta ブラウントラウト (Brown trout) |
salar タイセイヨウサケ (Atlantic Salmon) |
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メス (female) | |||||||||||||
イワナ属 (Salvelinus) | leucomaenis イワナ(white-spotted char) |
同一種 | O | X | O | O | X | X | O | ||||
fontinalis カワマス (Brook trout) |
O | 同一種 | X | O | O | X | X | O | X | X | |||
サケ属 (Oncorhynchus) | mykiss ニジマス (Rainbow trout) |
O | O | 同一種 | O | O | O | X | X | X | X | X | |
masou masou サクラマス (masu salmon) |
O | X | X | 同一種 | O | X | X | O | O | X | |||
masou ishikawae サツキマス (Amago Salmon) |
O | O | X | O | 同一種 | X | O | ||||||
gorbuscha カラフトマス (pink salmon) |
X | 同一種 | O | O | O | ||||||||
nerka ベニザケ (Sockeye salmon) |
X | X | X | X | X | O | 同一種 | O | O | O | X | ||
keta サケ (chum salmon) |
X | X | X | X | O | O | 同一種 | O | X | X | |||
kisutsh ギンザケ (coho salmon) |
X | X | O | O | X | 同一種 | O | X | X | ||||
tshawytscha マスノスケ (king salmon) |
O | O | O | X | O | 同一種 | |||||||
タイセイヨウサケ属 (Salmo) | trutta ブラウントラウト (Brown trout) |
O | O | X | O | O | X | X | 同一種 | O | |||
salar タイセイヨウサケ (Atlantic Salmon) |
O | X | X | X | O | 同一種 |
注記:同一種の組合せは生存。O - 生存性 (survivability) , X - 致死性 (Fatality)
サケ類は北半球固有の種であり、かつて南半球には存在しなかった。アメリカ合衆国では、19世紀から北半球の国々と気候、地形が似通った地域を選定し導入を進めてきた経緯があるが、ニュージーランドでマスノスケ、ブラウントラウトが定着したほかは回帰率が極めて不良で、商業的な成功を観ることはなかった。 こうした失敗の中で、チリは自然放流からニジマスを主とする海面養殖事業へ転換。2005年現在では世界第2位の養殖出荷高を誇る生産規模へ成長した。
薄紅色の肉、および卵である筋子は様々な料理に用いられる。日本では塩を用いてあらかじめ加工された塩鮭の形で消費されることが多いが、生のまま調理しても美味である。後述のように、刺身での利用も広がりつつある。
元来は保存目的の塩漬けであるが、保存技術の発達した現在でも、風味などの点から塩で加工される。
なお、上記のブラウンマスはサケの「子喰らい」や「稚魚喰らい」のために害魚扱いされているが、サクラマスやビワマスには劣るとはいえ食味は悪くない。また北海道近海を回遊しているアムール川系のシロザケが、鮭児(けいじ)の名で流通することがある。これは魚齢が若く、精巣・卵巣が未成熟であるものが大半である。
海洋産のサケ類の肉には寄生虫(アニサキス幼虫)がいることがある。 アニサキスはクジラ・イルカ類を終宿主とする寄生虫であり、サケ類はアニサキス幼虫に寄生されたオキアミ類を捕食することで感染するため、通常は陸封型のサケ類にアニサキス幼虫は寄生していない。アニサキス幼虫は高温に弱く、摂氏60度以上で数分間加熱すれば死滅するとされる。また冷凍でも-20度以下で長時間保存すれば死滅するため、厚生労働省では、-20度以下で24時間以上冷凍することを指導している。
近年、チルド輸送技術の発達により、生に近い新鮮な状態のサケ類が入手できるため、アニサキス幼虫の感染の危険性は上昇したと考える識者もいる。摂氏2度程度では40-50日間生きつづけた記録がある。また、酢や塩で死滅させることはできず、ワサビもアニサキス幼虫一匹に対し100グラムほど使用しなければ効果がない。生食する際は十分な注意が必要である。 なお、アニサキス寄生による症状はアレルギー反応と考えられており、生きた虫体はもちろん、加熱して死んだ虫体にも抗原性が残っているので、食べるとアレルギー症を発生する可能性がある。
他にもサナダムシ(裂頭条虫類)の幼虫が寄生していることがある。
いずれにしても養殖技術が発達した現在においては、養殖で育ったものには寄生虫がいる可能性が少ないとはいえ、生食するのであれば一旦冷凍されたものであることを確認する方が安全である。
一方、東京医科歯科大学・藤田名誉教授によると、サナダ虫感染者は腸内環境が改善されることにより、アレルギー反応が軽減すると『サイエンス』誌に発表した。
明治時代の画家高橋由一による油彩画。日本油彩画の金字塔として知られる。高橋由一は鮭の絵を好んで書いており、彼およびその弟子の手による「鮭図」は10点ほどが現存する。東京芸術大学所蔵のものは重要文化財に指定されている。このほかに、北海道大学に1点所蔵されている。
現在日本国内で遊漁としての鮭釣りが楽しめるのは、遡上数が国内最大で魚影も濃いとされる北海道地域の場合、河川内はもとより、大半が河口制限があるためこの制限範囲外の港湾や海岸等に限られる(一部許可された区域、期間を除く)が、豪快な引き味が楽しめる。河口制限の範囲は各都道府県の河川毎に異なるため、注意書きのある看板がある場合はこれに従う、国内ではいくつかの河川で『有効利用調査釣り』を実施している。これらの河川では行政が管理・運営をし、事前登録で許可された人が『有効利用調査』という名目で釣りが許されている。それ以外の者が河川でサケを捕獲すると罰せられる
葛飾北斎画:肉筆画帖:『塩鮭と鼠』『鮎と紅葉』
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