出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/20 15:07:34」(JST)
開発元 | Valve Corporation |
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初版 | 2003年9月12日 (2003-09-12)[1] |
最新版 | API: v012 Package: 1763/1763 - 2011年12月6日(10か月前) (2011-12-06) [+/-] |
最新評価版 | [+/-] |
プログラミング言語 | C++ |
プラットフォーム | Microsoft Windows Mac OS X[2] |
サイズ | 41.5MB (Windows) 153.5MB (Mac) |
対応言語 | 21ヶ国語 |
サポート状況 | 運営中 |
種別 | コンテンツデリバリー(英語版) デジタル著作権管理 |
ライセンス | Steam Subscriber Agreement (プロプライエタリ・ソフトウェア) |
公式サイト | store.steampowered.com |
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Steam( /ˈstíːm/ スティーム[4])とはコンピュータゲームのネット配信、デジタル著作権管理、マルチプレイヤーゲームのサポート、ユーザの交流補助を目的としたプラットフォーム。開発元、及び運営はバルブ・ソフトウェア。
Steamはゲームのデジタル配信とその後の管理に使われ、その中にはファーストパーソン・シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、レースゲーム、個々のミニゲームがある。配信元はアクティビジョン、Electronic Arts、Take-Two Interactive、Introversion Software、Strategy First、PopCap Games、id Software、THQ、ロックスター・ゲームズ、アイドス、カプコン、スクウェア・エニックス、ソニーオンラインエンタテインメントなど[5][6][7][8][9][10]の大手の他、様々な国の中小の独立系開発会社もSteamを通じて作品を配信している。2012年1月の時点で、1800以上のコンピュータゲームが配信されており、約4000万人のユーザが登録している。[11]2010年5月12日よりMac向けサービスの提供を開始した。
目次
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Steamで購入、または、ゲームの使用権を登録してしまえば、インターネット環境のあるどのPCからでもインストール、及びプレイが可能になる。メディアも必要なくなるため、ディスクの保管などの手間が省ける。PCを買い換えたときやシステムをクリーンインストールしたとき、別のPCで手持ちのゲームを遊びたいとき、既にアンインストールした昔のタイトルを再度プレイしたいといった際に容易にプレイ環境を整えることが可能である。アップデートも自動で行われるため、管理の手間がなく、マルチプレイでバージョン不一致で跳ねられるなどの問題も発生しない。 加えて、パッケージやディスクなどの物理的なメディアもいらず、商品流通にあたってはSteam以外の中間業者を挟むことなく販売できるため、販売価格が安く設定でき、また開発者が得られる利率も多い。これはパブリッシャーや店頭販売を引き受けてくれる販売代理店を見つけるのが困難な中小の独立系開発会社にとっては大きな利点であり、実際これらの会社の制作による冒険的な作品も数多く配信されている。
反面、一度購入すればゲームの転売は事実上不可能となるので、特に対応タイトルで中古パッケージを買うときなどには注意が必要となる。(既に誰かのSteamアカウントに登録されているパッケージは空箱に等しく、これを中古で買ってもプレイすることはできない。) また、製品の購入にはクレジットカードもしくはPayPalアカウントが、初回認証にはインターネット接続が不可欠となるため、これらを使えないユーザーは利用できない。
ユーザはSteamのネット配信システムを利用してゲームを購入することができる。パッケージやゲームディスク、CDキーすら使わず、購入したソフトウェアは直ちにSteamへ追加され、購入したユーザのアカウントで利用できるようになる(アカウント登録は無料)。ゲームを購入した後は、Steamを通してどのPCからでもゲームをダウンロードし、プレイすることが可能となる。(ただし、複数のPCで単一のSteamアカウントを同時に利用することは出来ない。)
ユーザが所持するゲームはSteamクライアント上のライブラリと呼ばれるタブにリスト表示されており、初めてプレイする際にはここからインストールを選ぶとダウンロードのプロセスが開始される。この時、もしゲームに複数のバージョン(64ビットと32ビット版など)や対応言語がある場合は、Steamがコンピュータの環境(ハードウェアとソフトウェア)を調べた上で、自動的に適切なバージョンが選択される。例えば複数言語として日本語版のデータが含まれるゲームの場合、Steamクライアントが日本語に設定されていれば、インストールされるゲームも自動的に日本語版となる。(ただし、現時点でSteam上で日本語版に対応しているゲームは少数に限られる。)
Steamはゲームの更新をおこなう機能も備えている。元来PCゲームでは、ゲームの不都合などがパッチで修正された際、そのパッチをメーカーの公式サイトもしくはサードパーティのミラーサイトからダウンロードし、手動でこれをインストールする必要があった。公式サイトが既に無くなっているような古いゲームや、段階的に適応しなければならないパッチが継続的にリリースされているようなゲームでは、再インストールの際にバージョンを最新にするのが困難である。Steamでは、インストールされているゲームが最新の状態であるか、オンライン時に常に確認するシステムになっており、更新があればSteamのダウンロードサーバーから自動的にダウンロードが始まり、修正が適用される。これらは全てバックグラウンドで全自動で行われるようになっており、ユーザは煩雑な手間抜きに常に最新のバージョンでゲームをプレイすることができる。
更に、Steamクラウドと呼ばれるクラウド機能に対応したゲーム(レフト・フォー・デッドなど)では、キーボードやマウスなどの各種設定、マルチプレイで使用する自キャラクターのスキン、シングルプレイでの進捗状況やセーブファイルなどの個人的なデータをSteam側で保存、管理してくれる。これにより、ネットカフェやサブPCなど異なる環境でプレイする際も、それまでの遊び慣れたセッティングでそのままプレイすることが可能となっている。対応しているゲームであれば、この機能はMac版とPC版の間でも有効である。
Steamクライアントはオーバーレイ表示によってゲーム中いつでも呼び出すことができ(デフォルトではShift+Tab)、後述するSteamコミュニティの利用や、実績の進捗状況を確認することができる。
また、Steamには標準でフレンド間で利用できるインスタントメッセンジャー機能、そしてボイスチャット機能が搭載されており、ゲーム側でボイスチャットに対応していないゲームをフレンドとプレイする際などはこれを利用して容易にコミュニケーションを取ることが可能である。
2011年の2月からはスクリーンショット機能がSteamクライアントに搭載された。これにより、ゲーム側で対応していないゲームでもSteamクライアントを通してスクリーンショットの撮影が可能となった。キャプチャした画像は自分のSteamアカウントにアップロードされ、それについてフレンド間でコメントをつけたり、そのままツイッターなどに転載することも可能である。現在DirectX 8以前のゲームには未対応となっている。
SteamにはValve Anti-Cheat(VAC)というバルブによるチート行為対策の機能が盛り込まれており、対応したマルチプレイヤーゲームにおいては厳しい監視がなされている。これに違反したユーザーのアカウントは保有するあらゆるVAC対応マルチプレイヤーゲームからバン(締め出し)され、基本的にいかなる理由があっても処分が取り消されることはない。[12]
更に、Xbox Liveなどでおなじみのアチーブメント(実績)システムを独自に有しており、ゲームの進歩具合を確認したりすることができるほか、ユニークな実績を達成するため、更なるやり込み要素をゲームに付加している。
また、SteamのインターフェースはModもサポートしている。購入したゲームと同様、インストールしたModはゲームの一覧のリストにアイコンと共に表示され、そこから起動できるようになっている。ModゲームでもVAC、フレンド機能、サーバーブラウザなどのSteamの機能が使えるようになっている。今のところSteamを通しての配信はできず、自動更新やGCF、NCF形式のファイルは使用できない。例外的に、ValveのGoldSrcのゲーム、Source Engineを利用したゲーム、Red Orchestra、RACE The Official WTCC Gameのみこれらの利用が可能である。
Steamはプレイヤー間のソーシャルネットワーク機能も有しており、オンラインフレンドの検索やグループの作成、チャットへの参加、そしてマッチのホストなどが簡単に行える仕組みになっている。
各プレイヤーが持っている「SteamID」の情報ページでは、そのプレイヤーについて、フレンド、二週間以内にどのゲームをプレイしたか、どんなゲームをお勧めしているか、Steamランキング[13](二週間以内にどのくらいプレイしていたのかを示す0から10の数字)、どのグループに所属しているのか、などの様々な情報を閲覧することができる。(これらの情報はあくまでオプションであり、使用を始めた段階では非公開となっているので、プライバシーのため公開を控えたいユーザーにも配慮されている。)
Steamのサーバーブラウザを使えば、特定のプレイヤーを検索したり、無視(filter)したり、目的のプレイヤーのいるサーバーを登録してそこに参加することができる。全ての操作は共通のメニュー項目から可能で、メニューからどのプレイヤーがどのサーバーに居るのかを確認することができ、クリックするだけでそのプレイヤーのプレイしているマルチプレイヤーゲームに参戦できる。
フレンズ機能やSteamのインスタントメッセージ・ツールを使うことにより、一対一もしくは多対多のやりとりをすることができる。一般的なインスタントメッセージツール同様、アクティビティを非公開の状態にすることも可能である。この機能はフィッシング行為への有効な対策でもある。
各グループはSteamコミュニティ上にサイトを持つことができ、ここを拠点として、活動の予定を立てたり議論を交わすことができる。
ダウンロードによる大容量ファイルのインストールという仕組み上、不安定な回線などではデータの破損などが起こる場合もあるが、Steamにはダウンロードしたファイルをチェックする機能があり、破損部分がある場合はその箇所のみを再度ダウンロードすることが可能である。これにより、ファイルの欠落による一からの再インストール(とその際のストレス)を回避することができる。
また、「分割ファイルシステム」(Distributed File System)という仕組みをサポートしており、一部のゲームではダウンロードが完全に完了する前にもゲームを起動することができる[14]。ファイルの一覧を作成して必要なファイルだけを要求することによって、ファイル構造が線形で構成されているゲームの場合は、実行部分と最初の部分のダウンロードだけで起動できるようになる。ダウンロード進行中に起動を試みても何ら問題はなく、基本的なファイルが足りない場合はゲームの起動に失敗するだけである。
Steamに適合したゲームの場合、無圧縮のファイル形式.gcf
が使用される。これにより、ユーザが重要なファイルを上書きしたり、ファイル汚染がおこるのを防ぐことができる(例えば、「Pure」サーバーではテクスチャやモデルの変更が不公平の元となるので禁止している[15])。
更に、発売間近の大作ゲームなど、発売日当日の回線混雑が予想される場合を考慮し、予約したゲームについては暗号化したファイルをあらかじめダウンロード(プリロード)することが可能となっている。これにより、発売日にはファイルを復号するだけで起動が可能になるため、サーバーの負荷は軽減され、購入した側もダウンロードの待ち時間を軽減できる。
初期のバージョンではパッケージ版としてインストールしたプログラムファイルが既にある場合、ダウンロードの手間をかけずにそれをそのままSteamでも使えるようにコンバートする機能があったが、通信速度の向上等の理由により、現在この機能は廃止されている(全てダウンロードするようになった)。パッケージ版を所有している人はそのCDキーを入力することにより、そのゲームがダウンロード可能になるようになっている。
初めからSteamとの併用を前提に開発されたゲーム、例えばWarhammer 40,000: Dawn of War IIやThe Orange BoxなどはSteam上での販売に加えパッケージ版も発売されているが、導入にあたってはSteamが同時にインストールされ、プレイする際もSteamによる認証プロセスが必須となり、以降もSteamにログインしてから起動、更新が行われる(ただし、一般的なゲームの様にディスクをドライブに入れていく必要はない)という仕組みになっている。つまり実質的にはSteam版と全く違いはなく、キャッシュファイルをただディスクに入れただけのものと言っても良い。
Steamは配信時の接続に独自のインターネットプロトコルを使用し、HTTPやFTPはWeb用に使用する。ダウンロード時にはSteam専用の「コンテンツサーバー」を利用する。Valveによって世界中に設置されており、第三者機関によって承認されている[16]。
購入可能なゲームは値段が段階的につけられている。古いゲームであるほど安く、新規作品は(アメリカでの)店頭販売価格とほぼ同一である。安いものでは$5~$10といった値段が設定されており、そうした中には発売当初に高評価を得た往年の名作も多い。通常の小売店での購入であれば、古いタイトルでも発売当初の価格とさほど変わらない値段で売られていたり、そもそも入手が困難であったりする場合も多いが、そうしたものが現在でも確実に、しかも格安で手に入るという利点がある。また、新規作品であっても、並行輸入や代理店を経て販売されている日本国内でのパッケージの販売価格よりも格安であることが多い。
加えて、一部のゲームは単品としての購入以外に、「独立系開発会社制作のパズルゲーム詰め合わせ」「Half-Lifeシリーズ全作品」など何らかの形で関連するいくつかのゲームが入っているパッケージ(詰め合わせ商品)としても販売されることがある。こうしたパックで購入する場合、単品での購入に比べると破格とも言える割引が適用される。(例えばValve Complete Packと呼ばれるValve社製ゲーム全部入りパックでは、単品で個別に買うよりも$169.15も割安になる。)また、下記にあるように、友人間での共同購入やプレゼント利用を意図した、特定タイトルの複数ライセンスのパック販売もあり、こちらも単体で買う場合よりも割安である。
頻繁に強気なセールが行われることもSteamの大きな特徴である。 週の半ばの数日間だけの「ミッドウィークマッドネス」、週末の間だけの「ウィークエンドディール」がほぼ毎週行われており、これらの期間中は特定のタイトルが格安(通常50%OFF、稀に75%OFFになる事も)で購入出来る。セールの対象となるタイトルはその時々で変わるため、熱心なゲーマーは期待感を持って毎週これらのセールを注視しており、顧客を惹きつける大きな魅力の一つとなっている。
他にも、近日発売のタイトルでは先行予約すると一割引で購入が可能になったり、シリーズ作品ならばその前作が無料で付加されたりするキャンペーンが積極的に行われている。 年末のホリデーシーズンや夏休み期間になると、単独のタイトルだけではなく特定の開発会社、販売会社のタイトルなど大規模なスケールでの値引きが行われる。(id Software社のゲームが全タイトル半額、など。)
購入時にギフトオプションを選択すれば、他人のSteamアカウントにそのゲームをプレゼントとして譲渡することができる。手続きとしては受け取り手のメールアドレス、もしくはアカウントを購入時に指定するだけであり、自分用に購入した場合と同様、相手はSteamを通して即座にゲームがプレイ可能になる。通常ギフト用のライセンスは購入時に受け取り先を指定せねばならず、買い置きはできない。また、最初から自分用として購入したものや、ギフトとして受け取り、認証したものをギフトとして譲渡するといった使い方もできない。
このシステムの利用を促すため、マルチプレイ主体のゲームの場合は4人用のライセンスが割安でセットになったパック(Four Packと呼ばれる)が販売されていることがある。これは例外的に贈る相手を決めるまで無期限で取っておくことができるため、セール期間中にとりあえず買っておいて後でプレゼントするなどといった利用法も可能である。
また、ごく限られた条件下ではあるが、購入したパック中に既に持っているゲームがあった場合、この余剰分のライセンスをギフト機能によって友人にプレゼントすることが可能な場合がある。例えば、The Orange Boxを購入した際のハーフライフ2とハーフライフ2 エピソード1、Left4Deadシリーズ2作品のパックを買った際の1作目など。このように対象となるゲームも状況も非常に限定されており、通常はパック中のゲームのライセンスの二重購入は考慮されず、二回目に買ったものは無駄になってしまう。
ちなみに、Valveはこのギフト機能を使ったライセンスのプレイヤー間での売買を一切認めておらず、(Steamの利用条件によって明記されている。)規約に違反した場合はアカウントが停止される[17] 。
上記のギフト機能を利用した販売促進目的の手法として、「ゲストパス」がある。特定のタイトルを購入した際に提供されるいわば期限付きの体験券で、特定のゲームを一定期間無料で体験できるものである。購入者はゲストパスを友人にプレゼントし、マルチプレイヤーのゲームなどを一定期間遊ぶことができる。有効期限が切れればゲストパスは無効になるが、このように友人間でプレイ可能な期間を設けることにより、自然な形で購入を促す仕組みになっている。
さらに、マルチプレイヤーゲームにおける販売促進として、週末期間の間にゲームを無料でプレイできる「フリーウィークエンド」イベントが開催されることがある。この期間中はすでに同タイトルを購入済のプレイヤーと全く同じ条件でマルチプレイヤーゲームのプレイが可能となる。イベント終了後は当然プレイは不可能となるが、ゲームのファイルはインストールされたままになる。そのため、そのまま購入の手続きを行えば即座に継続してプレイが可能になる。また、もしも将来そのゲームを購入した場合、ゲームを最新の状態まで更新する手間をいくぶんか省くことができる。
ゲームの購入は全てSteamクライアントを利用した暗号通信で行う。支払いにはクレジットカード、デビットカード、PayPal、Click&Buy、WebMoneyが使用可能[18]。ただし、Steamで利用可能な「WebMoney」は電子決済サービスであり、日本のプリペイドサービス、「ウェブマネー」ではない。
上記のプレロード機能との兼ね合いもあり、殆どの新作は発売日前からの予約が可能だが、発売後ではなく、予約をした段階で料金の支払いが発生する仕組みとなっている。
Valveの実施しているValve Cyber Cafe Program[19]により、ネットカフェでもSteamが使われているゲームを遊ぶことができるようになる。運用形態は二つあり、クライアント数に応じた使用料金の徴収の場合と、Valveの時間追跡システムによるユーザ個別課金の場合がある。
Steamクライアントはスペイン語、ポルトガル語、オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、ポーランド語、ロシア語、タイ語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、日本語で使用できる。
ローカライゼーションシステムの機能には、ほかにも一括の仕様として、Valveの設定した地域ごとによる配信ゲームのロックが存在する。北米に住んでいる人がValveのOrange Boxをロシアやタイなどから購入した場合、地域コードが異なるので、Valveが地域外から購入したことを認識して、認証を取り消してしまう[20][21]。
Steamは定期的にどのようなハードウェアが使われているのかを調査している。その情報はハードウェアの製造元に伝わって宣伝や販売促進に役立てられる。例えば、2007年5月にはじまった「ATI Steam Offer」[22]では、グラフィックボードにATI TechnologiesのRADEONシリーズを使用しているユーザにハーフライフ2 ロストコーストとハーフライフ2 デスマッチが無料で提供された。
2008年1月には、Portalのデモ版Portal: The First SliceがNVIDIAビデオカードを使用しているユーザ全員に提供された。ただし、一つのカードにつき一回のみである。
Steamの開発はだいたい2002年にはじまったとされている、開発中の名称は「Grid」と「Gazelle」だった[23]。一般に周知されたのは2002年5月22日のGame Developers Conferenceにおいてで、分散ネットワークとして紹介された。ゲームの統合機能を紹介する目的で、Relic EntertainmentがImpossible Creaturesの特別バージョンを作成した。
クライアントとしてのSteamバージョン1.0がダウンロード可能となったのは、2002年のカウンターストライク 1.6のベータ期間からで、オンラインコンピュータゲームの自動更新システムとして登場した。Steamの公開はカウンターストライクのベータテスターに限られていた。2004年に、World Opponent Networkの閉鎖と同時にSteamに統合された。
その後Valveは、複数の開発元や開発者が製品をSteamで公開するように交渉した。代表的な例はRag Doll Kung FuとDarwiniaで、他にも2005年の冬にカナダのStrategy FirstがValveとパートナーシップを結び、現在及び将来のゲームの供給を約束した。
2004年12月16日、Steamの本格的なダウンロード販売の先駆けとなるハーフライフ2が公式配信された。配信はほとんどの地域でうまくいったが、後にゲームの購入者の中にハーフライフ2をプレイできない人々が続出した。直前にSteamのシステムに問題が発見されたのが間接的な原因で、これを復旧するためヨーロッパの認証サーバーが五時間の間停止していたが、この間に購入した人はゲームをプレイすることができなくなっていた[24]。他にも、ダウンロードが延々と続き、必要のないアップデートをさせられるなどの問題が起こった[25][26]。
その後の度重なるアップデートを経て、現在はこのようなトラブルは滅多に起こらなくなっている。
HL2が発売された当初、クラッカーの中には、ハーフライフ2の起動プロセスを改造してSteamの認証サーバーをだまし、無料で入手できるようにするものも現れた。Valveは直ちにサーバーを改良して、アカウントの停止を行った。
Steamの認証サーバーを騙すというクラックは不可能となったものの、その後もSteam配信のゲームから海賊版が根絶されたわけではなく、Steamを経由せず、オフラインでゲームのシングルプレイヤー部分がプレイできるように細工された海賊版は出回り続けている。しかし、マーケティング部門副社長、ダグ・ロンバルディによれば、発売日前、及び発売日直後の海賊版流出こそが最も売り上げに影響する深刻な問題であるとValve社は捉えており、その意味で現時点のプロテクションは十分効力を発揮しているとの認識を示している。[27]
2010年5月12日より、Valve社のゲームエンジン、Source Engineの対応と合わせ、Mac版のSteamが利用可能になった。立ち上げに併せ、Source Engineを用いたValve作品の代表作、Half-Life 2シリーズ、Left 4 Deadシリーズ、Counter-Strikeなどがラインナップに上がったほか、Team Fortress 2も一足遅れて対応となった。順次独立系開発会社の製品も多くがMac対応版をリリースした。Mac向けのSteamはすべてのSteamworks APIをサポートしており、更に「Steam Play」という新機能により、Windows版、Mac版どちらかの同製品を購入したユーザーは、同一のライセンスによって無償で他方のプラットフォームのバージョンをもプレイすることが可能となった。
Steamのゲームは起動する前にインターネットで認証しなければならない。認証によってオフラインモードが使用可能となり、シングルプレイヤー部分だけなら以降のインターネット接続は不要になるが、電話やファックスのような代替手段は存在しない。また、会社や社員・学生寮などのファイアウォールで規制されているインターネット環境では、Steamでの認証が不可能な場合がある。
更に、一時的なシステムの故障が発生するとゲームの認証が不可能になる。過去の例では、ヨーロッパでハーフライフ2の配信時に発生した[24]障害の他、2006年12月にはルート認証サーバーがシアトルの嵐のため使用不能となったりしたこともある[28]。
また、万が一、将来的にValveが倒産や事業縮小などによりSteamのサービスを停止することになった場合、購入したゲームがプレイ不可能になるのではないかという懸念もある。
初期状態では、ゲームをオフライン状態でプレイするにはSteamとゲームを両方とも最新状態へ更新しなければならない。Steamがオンライン状態で開始された場合、システムは更新がないか確認し、ユーザは更新のプロセスが完了してゲームがプレイ可能になるまで待たされることになる。[29]。更新を巻き戻すことは可能だが、更新によって未知の問題が発生することを予見することは難しい。例えば、MODなどは更新されることによって正常に作動しなくなってしまうものも多い。(ValveのHALF-LIFE 2などはMODコミュニティが盛んであり、2004年の発売以来大がかりなMODも多数登場したが、2010年に突如行われたゲームエンジンのバージョンアップにより、旧来のMODがほぼ動作しなくなってしまった。)
Steamをオフラインモードにして接続を回避することはできるが[30]、オフラインモードでは同アカウントの全てのゲームのマルチプレイヤーモードが遊べなくなってしまうなどの制限があり、ひとたびオンラインにして更新が検知されれば更新がなされるまでは再びオフラインモードで動かすことはできない[31]。また、PC側でネットワークアダプタの追加や削除があった場合はログインが必要となり、ログインできなければオフラインモードは使えなくなる。
購入した製品のインストールは全てダウンロードで行われるため、大容量のゲームをインストールすることになれば、当然ハードディスクにはフラグメンテーションが起きやすくなる。ただし、Steamではインストールされたゲームのファイルの断片化状況を確認し、任意でデフラグが可能である。
Steamではゲームによってインストール先を選ぶことが出来ず、全てSteamをインストールしたディスクドライブのSteamフォルダ下にインストールされることになる。[32]
Steamは匿名のデータとして支障頻度、安定性、パフォーマンスなどを収集している[33]。Steamは他にも、ゲームごとの個別データを収集している[34]。このデータは公開されて、個人が特定できない形のハードウェアの詳細[35] やゲームプレイの戦術[36]などのデータとなるが、この利用形態はValveのプライバシーポリシーに明記されている[33]。
Steamの認証が必要なゲームは、登録後転売することができない。日本の場合もゲームの中古販売は認められているが、Steamにはアカウントからアカウントへゲームを移す手段が存在しないために転売は不可能である。このため、$50~60の新作ゲームを購入して気に入らなかったとしても、中古品として売却し、出費を最小限にするといったことができない。 またSteamによる認証が必要なゲームの中にはパッケージとして店頭で販売されているものがあるが、こちらは付属するCDキーを使って自分のSteamアカウントに登録する手順が必要となる[37]。SteamでいったんCDキーが認証されてしまうと、そのパッケージを中古で購入した人は同じキーが使えないために、空箱を買ったも同然となる。転売措置として、前回の認証から90日未満の場合は、CDキーの画像をValveへ送ることで認証が可能となる[38]。 また、アカウント自体の売買についても利用規約によって禁止されている。
各国の販売代理店との兼ね合いから、Steamで発売されているゲームは世界中全ての地域で一様に購入できるわけではない。
地域によっては、Steamで広告が表示されていても地域制限を受け購入できないもの、セールスが適用されないもの、そもそもの販売価格が他国より高く設定されているものなどがある。日本に関してもこれは例外でなく、Direct2Driveなど競合するダウンロード販売サービスでは日本から購入可能なものでも、国内の販売代理店が販売権を有するゲームなどはSteamからの購入ができなかったりする。具体的には、パブリッシャーがエレクトロニック・アーツやアクティビジョンなどの製品が該当し、結果としてAAAタイトルで購入できないタイトルは少なくない。
この地域制限に起因する日本におけるトラブルで最も顕著な例としては、人気FPSのCall of Duty: Modern Warfare 2のケースがある。このタイトルの北米版・欧州版・アジア版・オーストラリア版など非日本語の各種海外版パッケージは、ディスクからのインストール後にSteamを通して認証を行い、初めてプレイすることができる仕組みになっている。しかし日本からではSteam上での地域制限によってこの認証を通過することができず、消費者からすればパッケージを正規に購入したもののプレイができないという致命的な事態を招くことになった。これは発売前からアナウンスされていたことではなく、輸入代理店側も何も知らされないまま海外版を取り扱ったために、販売店側も含めて大混乱に陥った。輸入代理店は対応に追われることになり、最終的には自主回収、発売を中止する店も現れた。現在も規制は続いており、このタイトルを通常の手法で国内で遊ぶにはスクウェア・エニックスから発売されている日本語版を購入するしか選択肢がなく、その場合マルチプレイヤーの対戦の相手も同じく日本語版を持つ国内のプレイヤーに限定されることになる。(その一方で、なぜか同タイトル英語版のDLCのみSteam上でも日本から購入可能な状態にある。)この件については国内版を販売するスクウェア・エニックスが規制をかけるよう働きかけたのではないかという憶測が流れたが、2010年6月25日に和田洋一社長はTwitter上でSteamのリージョンブロックをした覚えはないと釈明している[39]。
他にも、そもそも日本ではPC版は日本語マニュアル付き版としてすら発売されていない、Dragon Age: Originsなどもなぜか日本から購入することができず、Crysis WarheadやAssassin's Creed 2の販売価格は一次米国よりも$10以上高く設定されていたりする。また、Splinter Cell: Convictionのように、地域によっては販売日が遅れるものもある。
スクウェア・エニックスがパブリッシャーとなっている製品の一部もこの制限により日本からの購入が不可能な状態が続いていた[40]が、2010年6月30日にTwitterで直談判したユーザーによって和田社長が直接問題を認識するにいたり、同氏が規制を解除するよう関係者に働きかけたことによって、Eidos社製品なども含め数タイトルが日本からも再び購入可能になった。[41]
Steamを利用するユーザーは、接続元のIPアドレスによって国別の識別がされる仕組みになっており、これに併せてSteam上の購入可能な商品の一覧も異なって表示されることになるが、Steamの新製品告知のポップアップなどでは地域制限を考慮せずに取り扱いが知らされたりすることがあるために、実際発売日が来てみると日本からはそのタイトルをSteam上では購入できなかったりと、しばしば混乱を招くこともある。
地域制限は購入時のみチェックを受ける仕組みになっている為、他の地域のプレイヤーからギフトとしてプレゼントされたものは地域によらず保持・プレイが可能となっている。
また、発売予定の製品を割引価格や特典付きで予約可能なことも良くあるが、レッドファクション:ゲリラやMafia 2のように、発売予定日直前に突然地域規制が入り、日本でのリリースが延期になることがある。発売日も具体的に示されず延び延びになり、発売されたころには予約当初よりも価格改定により安くなっていたり、セールによる格安販売が行われた後だったりすることもある。Steamでの予約はキャンセルが可能であるが、Steam認証が必要なタイトルのパッケージ版を買い、自分のアカウントに登録してしまった場合は日本でのリリース日を待つしかなくなってしまう。
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Steam is the technical term for water vapor, the gaseous phase of water, which is formed when water boils. Water vapor cannot be seen, though in common language it is often used to refer to the visible mist of water droplets formed as this water vapor condenses in the presence of cooler air. Strictly speaking, in terms of the chemistry and physics, true steam is invisible. At lower pressures, such as in the upper atmosphere or at the top of high mountains water boils at a lower temperature than the nominal 100 °C (212 °F) at standard temperature and pressure. If heated further it becomes superheated steam.
The enthalpy of vaporization is the energy required to turn water into the gaseous form when it increases in volume by 1,600 times at standard temperature and pressure; this change in volume can be converted into mechanical work by steam engines and steam turbines. Steam engines played a central role to the Industrial Revolution and modern steam turbines are used to generate electricity. If liquid water comes in contact with a very hot substance (such as lava, or molten metal) it can create a steam explosion. Steam explosions have been responsible for many foundry accidents, and may also have been responsible for much of the damage to the plant in the Chernobyl accident.
Contents
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Water vapor that includes water droplets is described as wet steam. As wet steam is heated further, the droplets evaporate, and at a high enough temperature (which depends on the pressure) all of the water evaporates and the system is in vapor-liquid equilibrium.[1]
Superheated steam is steam at a temperature higher than its boiling point for the pressure which only occurs where all the water has evaporated or has been removed from the system.[2]
Steam tables contain thermodynamic data for water/steam and are often used by engineers and scientists in design and operation of equipment where thermodynamic cycles involving steam are used. Additionally, thermodynamic phase diagrams for water/steam, such as a temperature-entropy diagram or a Mollier diagram shown in this article, may be useful. Steam charts are also used for analysing thermodynamic cycles.
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enthalpy-entropy (h-s) diagram for steam | pressure-enthalpy (p-h) diagram for steam | temperature-entropy (T-s) diagram for steam |
In agriculture, steam is used for soil sterilization to avoid the use of harmful chemical agents and increase soil health.
Steam's capacity to transfer heat is also used in the home: for cooking vegetables, steam cleaning of fabric and carpets, and heating buildings. In each case, water is heated in a boiler, and the steam carries the energy to a target object. "Steam showers" are actually low-temperature mist-generators, and do not actually use steam.
About 90% of all electricity is generated using steam as the working fluid, nearly all by steam turbines.[3]
In electric generation, steam is typically condensed at the end of its expansion cycle, and returned to the boiler for re-use. However in cogeneration, steam is piped into buildings through a district heating system to provide heat energy after its use in the electric generation cycle. The world's biggest steam generation system is the New York City steam system which pumps steam into 100,000 buildings in Manhattan from seven cogeneration plants.[4]
In other industrial applications steam is used for energy storage, which is introduced and extracted by heat transfer, usually through pipes. Steam is a capacious reservoir for thermal energy because of water's high heat of vaporization.
Fireless steam locomotives were steam locomotives that operated from a supply of steam stored on-board in a large tank resembling a conventional locomotive's boiler. This tank was filled by process steam, as is available in many sorts of large factory, such as paper mills. The locomotive's propulsion used pistons and connecting rods, as for a typical steam locomotive. These locomotives were mostly used in places where there was a risk of fire from a boiler's firebox, but were also used in factories that simply had a plentiful supply of steam to spare.
Owing to its low molecular mass, steam is an effective lifting gas, providing approximately 60% as much lift as helium and twice as much as hot air. It is not flammable, unlike hydrogen, and is cheap and abundant, unlike helium. The required heat, however, leads to condensation problems and requires an insulated envelope. These factors have limited its use thus far to mostly demonstration projects.[5]
A steam engine and steam turbines use the expansion of steam to drive a piston or turbine to perform mechanical work. The ability to return condensed steam as water-liquid to the boiler at high pressure with relatively little expenditure of pumping power is important. Condensation of steam to water often occurs at the low-pressure end of a steam turbine, since this maximizes the energy efficiency, but such wet-steam conditions have to be limited to avoid excessive turbine blade erosion. Engineers use an idealised thermodynamic cycle, the Rankine cycle, to model the behavior of steam engines. Steam turbines are often used in the production of electricity.
An autoclave, which uses steam under pressure, is used in microbiology laboratories and similar environments for sterilization.
Steam is used in piping for utility lines. It is also used in jacketing and tracing of piping to maintain the uniform temperature in pipelines and vessels.
Steam is used in the process of wood bending, killing insects and increasing plasticity.
Steam is used to accentuate drying especially in prefabricates.
Used in cleaning of fibers, sometimes prior to painting.
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