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- sulfhydryl group、SH group
- 関
- スルフヒドリル基、メルカプト基
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- the 19th letter of the Roman alphabet (同)s
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- sulfurの化学記号 / {略}South[ern]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/07 13:38:36」(JST)
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チオール (thiol) は水素化された硫黄を末端に持つ有機化合物で、メルカプタン (mercaptan) とも呼ばれる[1]。チオールは R−SH(R は有機基)であらわされる構造を持ち、アルコールの酸素が硫黄で置換されたものと等しいことから、チオアルコールとも呼ばれる。また置換基として呼称される場合はメルカプト基と呼ばれ、水硫基、チオール基、スルフヒドリル基と呼称されることもある。
目次
- 1 命名
- 2 臭い
- 3 性質
- 3.1 酸性度
- 3.2 沸点
- 3.3 塩基
- 3.4 酸化
- 3.5 例
- 4 合成法
- 5 主な化合物
- 6 事故
- 7 出典
- 8 関連項目
- 9 参考文献
命名
チオールの命名は SH が結合している炭素を番号で示し、骨格の炭化水素の名前を続け、語尾 e に続けて -thiol とする(IUPAC命名法)。
- (例)CH3−SH = メタンチオール (methanethiol)
臭い
多くのチオールは特異的な悪臭をもつ。システインなどの含硫黄アミノ酸は分解されてチオールを生じるが、これを生物(蛋白質)の腐敗であると検知するために遺伝形質が選択され生物が感覚器官として獲得したという説がある。この悪臭は低濃度でも感じるため、ガス施設などのガス漏れ検知剤や、都市ガスの付臭剤(ガス漏れにすぐ気づくように微量のチオールが添加されている)として使われる。しかし、このにおいは細胞に吸着し易いのが難点である。
エタンチオールはギネスブックにおいて世界一臭い化合物とされている。ドリアンの臭いの主要成分は1-プロパンチオール(C3H7SH)である。
性質
酸性度
チオールの水素は相当するアルコールの水素に比べて高い酸性度(小さい pKa 値)を示す。水素が解離した後にできるアニオンは、チオラートアニオンの場合はSの3p軌道に最外殻電子があるのに対して、アルコキシドアニオンの場合はOの2p軌道である。より外側である3p軌道のほうが軌道が大きく電子密度が低いために、アニオンの安定性の違いが生じる。
沸点
また S−H 間の分極が弱く、アルコールよりも分子間の水素結合が弱いため、アルコールと相当するチオールの沸点を比べたときにアルコールの方が沸点が高い傾向を示す。
塩基
また、その共有結合性の高さからソフトな塩基として作用し、特に水銀など後周期金属化合物と強い結合を作りやすい。
酸化
酸素、過酸化水素などの酸化剤によって容易に酸化され、アルキル鎖が対称なジスルフィドを形成する。
例
生化学で最も重要なチオールはおそらく補酵素A (CoA) である。これは補酵素Aのチオール基 (SH) とアシル基が結合したチオエステルから容易にアシル基が転移する性質に由来する。アミノ酸のひとつ、システインもチオールの一種である。
合成法
ハロゲン化アルキルをアルカリの存在下に硫化水素と反応させると生成する。この反応では系中で水硫化ナトリウム NaSH が発生し、これがハロゲン原子と求核置換することによって、アルキル基上に硫黄原子が導入される。あらかじめ単離した水硫化ナトリウムを用いてもよい。
- H2S + NaOH → NaSH + H2O
- R−Br + NaSH → R−SH + NaBr
上記の反応では、条件によっては生成したチオールがさらにハロゲン化アルキルと反応し、スルフィド RSR が副生する場合がある。ハロゲン化アルキルとチオ尿素を反応させ、得られたイソチオ尿素塩をアルカリ加水分解すると、選択的にチオールのみを得ることができる[2]。
- R−Br + S=C(NH2)2 → R−S−C(=NH)NH2•HBr
- R−S−C(=NH)NH2•HBr + NaOH + H2O → R−SH + 1/2 NCNHC(=NH)NH2 + NaBr + H2O
ほかに、ジスルフィドを還元させたり、グリニャール試薬を硫黄分子で処理する方法も用いられる。
主な化合物
- メタンチオール
- エタンチオール
- チオフェノール
- システイン
- グルタチオン
事故
2013年1月21日、フランス、ルーアンの工場からチオールが漏出。臭気がパリを含むフランス北部一帯のほか、イングランドまで到達し、身体の不調を訴える住民が続出する騒ぎとなった[3]。
出典
- ^ IUPAC Gold Book - thiols
- ^ Speziale, A. J. "Ethanedithiol." Org. Synth., Coll. Vol. 4, p. 401 (1963); Vol. 30, p. 35 (1950). オンライン版
- ^ “フランス北部の工場で悪臭ガス漏れ出す、英国まで到達”. AFPBB News (フランス通信社). (2013年1月23日). http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2922759/10151547 2013年1月26日閲覧。
関連項目
参考文献
官能基 |
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- アセチル基
- アセトキシ基
- アクリロイル基
- アシル基
- アルコール
- アルデヒド
- アルカン
- アルケン
- アルキン
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 長距離走による有酸素運動と高濃度酸素による血清SH基の変動
- 3D0924 隣接炭素化学シフトへの重水素同位体効果を利用したタンパク質側鎖OH/SH基の新しいNMR研究手法(3D 蛋白質_構造機能相関2,日本生物物理学会第49回年会)
- Takeda Mitsuhiro,Yang Chun-Jing,Jee JunGoo,Ono Akira,Terauchi Tsutomu,Kainosho Masatsune
- 生物物理 51(SUPPLEMENT_1), S117, 2011-08-15
- NAID 110008903431
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臨床関連
- 無機鉛中毒:ポルフィリン合成酵素のSH基に結合して活性を阻害。
- ヒ素中毒:活性中心にSH基を有するような酵素の活性を阻害。
参考
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SH基、スルフヒドリル基、メルカプト基
- 関
- mercapto group、sulfhydryl group
[★]
- 英
- mercapto group、SH group
- 関
- SH基、スルフヒドリル基
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- グループ、群、集団、分類、群れ、グループ化
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