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- the motion of charged particles in a colloid under the influence of an electric field; particles with a positive charge go to the cathode and negative to the anode (同)cataphoresis, dielectrolysis, ionophoresis
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/18 17:11:15」(JST)
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電気泳動 (でんきえいどう) は、荷電粒子あるいは分子が電場(電界)中を移動する現象。あるいは、その現象を利用した解析手法。特に分子生物学や生化学ではDNAやタンパク質を分離する手法としてなくてはならないものである。
歴史
19世紀初めにロシアの物理学者Reussが水中の粘土粒子で発見したのに始まる。19世紀終わりからタンパク質やアミノ酸などの研究に用いられ、1930年代にティセリウスによってタンパク質の移動度を調べる方法として確立された。これは水溶液を用いる「無担体電気泳動」であったが、第2次大戦後、濾紙やデンプンゲルなどの担体を用いた電気泳動が発展した。濾紙電気泳動(現在は主としてセルロースアセテート膜を使う)は臨床検査で血清タンパク質を分析する方法として用いられている。一方ゲルとしては、その後 アガロース がよく用いられるようになり、現在でもDNA断片の分離・分析に用いられる。また1960年代に ポリアクリルアミドゲルが開発され、これはタンパク質の分析やDNAの塩基配列決定に用いられる。ポリアクリルアミドゲルを用いたタンパク質分析法の一種として等電点電気泳動や二次元電気泳動がある。最近では無担体電気泳動であるキャピラリー電気泳動が自動塩基配列決定に用いられている。
原理
荷電粒子や分子はその荷電と反対の極に向かって移動する。移動中にpH 勾配があると、荷電が0となる点(等電点)で停止する。これが等電点電気泳動であり、タンパク質の分析に用いられる。
担体を用いる場合には、DNAやタンパク質などの高分子が担体分子に遮られ分子量の大きいものほど移動しにくくなる「分子ふるい効果」が働く。特にアガロースやポリアクリルアミドなどのゲルではこの効果が顕著なのでよく用いられる。核酸は一様にマイナスに荷電しているので一定方向(陰極→陽極)に泳動して分子量による分離が容易に行える。なお別の原理に基づいて大分子量のDNAを分離するパルスフィールド電気泳動もある。
タンパク質の荷電は種類によって大きく異なるが、陰イオン系界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)存在下ではSDS分子がタンパク質分子に付着するため、タンパク質分子は陽極に向かって移動する。この方法がSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGEと略す)で、核酸の場合と同様に分子量による分離が行える。
担体を用いた電気泳動では各種の染色法で核酸やタンパク質の位置を検出することができる。例えば臭化エチジウムなど蛍光色素による核酸の検出、染料(クーマシー・ブリリアントブルーなど)や銀染色法によるタンパク質の検出がよく使われる。
泳動には直流電流を用いる。一般的な電源では交流電流であるので、AC-DCコンバータ(あるいは整流器ともいう)を用いて直流電流に変換してから電流を流す。
詳しくは関連各項目を参照されたい。
関連項目
- アガロースゲル電気泳動
- パルスフィールド電気泳動
- ポリアクリルアミドゲル電気泳動
- キャピラリー電気泳動
- 二次元電気泳動
- 等電点電気泳動
- DGGE
- ゲルシフトアッセイ
- サザンブロッティング
- ノーザンブロッティング
- ウェスタンブロッティング
- 電気浸透
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- DNAプローブ固定化微粒子を用いたDNA一塩基変異検出法の開発
- 橋本 雅彦,玉井 祐介,塚越 一彦
- 同志社大学理工学研究報告 52(2), 93-98, 2011-07
- … 正常型DNAから微量の変異DNAを識別する手法の一つとして,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)/リガーゼ検出反応(LDR)が知られている.PCR/LDR反応によって得られたターゲットであるLDRプロダクトは,マイクロアレイやゲル電気泳動により分析することができる.本研究では,ターゲット-プローブ間のハイブリダイゼーションにより蛍光標識されたLDRプロダクトを選択的に捕捉するためにプローブDNAが固定化された磁性微粒子を用いた.ハ …
- NAID 110008601714
- 大賀 祥治,高野 克太,孫 竹,Ohga Shoji,Takano Katsuhiro,Sun Zhu,オオガ ショウジ,タカノ カツヒロ,ソン ツー
- 九州大学農学部演習林報告 92, 4-7, 2011-03-30
- ツクツクボウシタケ(Isaria sinclairii Kobayasi)を土壌から検出するためにプライマーを設計した, DGGE解析により森林土壌を解析したところ, 高い精度で菌の検出が可能であった。次に, これまでに子実体発生が確認されている森林から土壌を採取し, 時期, 土壌深度ごとに菌の生存を解析した。子実体発生前の6月に菌の存在が認められ, 8月には検出のピークがみられ, 10月, 12 …
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- 日本電気泳動学会では、電気泳動および関連する技術とその応用について、幅広い 研究領域にわたる会員が相互に情報交換を行うために、和文の機関誌『生物物理化学』 および英文の国際学術誌『Journal of Electrophoresis』の刊行と、『総会』および『春季 ...
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