出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/25 18:39:48」(JST)
電子ボルト (エレクトロンボルト) |
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記号 | eV |
系 | SI併用単位(SI単位で表される数値が実験的に得られるもの) |
量 | エネルギー |
SI | 1.602 176 565(35)×10−19 J (2010 CODATA) |
定義 | 電子1個を1Vの電位差で加速したときのエネルギー |
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電子ボルト(でんしボルト、エレクトロンボルト、electron volt、記号 eV)は、エネルギーの単位である。エレクトロンボルトともいう。素粒子の質量の単位としても使われる。[1]
1 V の電位差がある自由空間内で電子 1 つが得るエネルギーを 1 eV とする。非常に小さな単位である。1 eV の2010年CODATA推奨値は 1.602 176 565(35)×10−19 J(括弧内は拡張不確かさ)である[1]。質量に換算する[2]と 1.782 661 845(39)×10−36 kgとなる。1 eVの平均運動エネルギーをもつ気体の温度は11 604 Kとなる。
物性物理学から素粒子物理学、あるいは化学、半導体工学などの幅広い分野で使用されるエネルギーの単位である(*)。分野によって使用される桁数が大きく異なる。物性分野では数 meV - 数 eV(もっと大きい場合もある)のオーダー(1 meVが約10 Kに相当)である。素粒子分野では数 MeV - 数 GeV(あるいはそれ以上)のオーダーでの議論がなされる。電子質量は約0.5MeV、陽子質量は約1GeVに相当する。
日本語では活字での正式な表記の際には「電子ボルト」を用いることが多いが、発表・会話などではほとんどの場合「エレクトロンボルト」と読む。単に「イーヴィー」と読まれることもある。日本の高エネルギー(素粒子)分野では、MeV、GeV、TeVなどをそれぞれ、“メブ”、“ジェブ”、“テブ”などと発声する場合がある。
電子ボルトは日常生活ではあまり用いられない単位と言えるが、巨視的な物質や現象を素粒子1個単位から記述するのに便利である。このため学問や産業の現場において、光子や電子、原子などの持つエネルギーを表す際に広く利用される。以下、代表的な例を幾つか挙げる。
ジュール | キロワット時 | 電子ボルト | 重量キログラムメートル | カロリー | |
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1 J | = 1 kg·m²/s² | ~=0.278×10−6 | ~=6.241×1018 | ~=0.102 | ~=0.239 |
1 kWh | = 3.6×106 | = 1 | ~=22.5×1024 | ~=0.367×106 | ~=0.860×106 |
1 eV | ~=0.1602×10−18 | ~=44.5×10−27 | = 1 | ~=16.3×10−21 | ~=38.3×10−21 |
1 kgf·m | = 9.80665 | ~=2.72×10−6 | ~=0.613×1018 | = 1 | ~=2.34 |
1 calIT | = 4.1868 | ~=1.163×10−6 | ~=0.261×1020 | ~=0.427 | = 1 |
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