- 英
- occupational disease, occupational diseases
- 同
- 職業性疾患
- 関
- 業務上疾病
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/05 23:37:07」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事の内容の信頼性について検証が求められています。
確認のための文献や情報源をご存じの方はご提示ください。出典を明記し、記事の信頼性を高めるためにご協力をお願いします。議論はノートを参照してください。(2009年6月) |
職業病(しょくぎょうびょう)とは、特定の職業に従事することにより罹る、もしくは罹る確率の非常に高くなる病気の総称である。医学用語では「職業性疾病」、労働基準法では「業務上疾病」と表現される。また転じて、特定の役務を行なう人に降りかかる災難を指す場合もあるほか、特定の職業に就く人に顕著に見られる問題のある傾向も、この言葉で形容する場合がある。
目次
- 1 歴史
- 2 労働災害と職業病
- 3 派生的な意味における職業病
- 4 脚注
- 5 関連項目
|
歴史 [編集]
昔は劣悪な労働環境や、不十分な健康被害への対策に起因する多数の職業病が存在した。
日本では古くは重金属によるものが多く、奈良や鎌倉の大仏建立時には大仏の装飾に動員された金箔職人に、当時の金箔技法に利用されていた水銀アマルガムによる水銀中毒が多発した事を疑わせる記録が残されている。また、精錬に従事する人には水銀や銅などによる中毒にかかる者が少なからず存在した。江戸時代には歌舞伎役者が化粧に用いる顔料の鉛白によって鉛中毒となり、天覧歌舞伎の演技中に、足が震えて止まらなくなった事件が社会問題となった。
19世紀の後半に、重工業が盛んになり始めると金属精錬や金属溶融作業に従事する者の熱中症、ヒューム等の吸い込みによる悪寒が見られるようになった。 また、20世紀の前半には、騒音などによる職業性難聴、ダイナマイト製造従事者に見られる狭心症、化学関連製造従事者による有機化合物による皮膚や骨などの溶解やがんが見られるようになり、20世紀の後半には、新しい重金属中毒、機械器具などによる振動障害、アスベスト作業に従事者に見られるじん肺(塵肺)など技術の進歩や新しい職種が増加するにしたがって新しい職業病が次々と発見されるようになった。
また職業病と呼ばれるものの中で、パソコンや携帯電話の普及で簡単に文字変換が出来るようになったため、漢字を読めるが書けなくなるというものがある。 これは機械類に明るくない人からは単に学力不足と見られることが多く、近年では仕事や生活の違い等から生じる、誤解されやすい習性全般を職業病と呼称する傾向が強い。
労働災害と職業病 [編集]
職業病を本人に明確な過失がない限り、雇用者に責任があるものとして、現在は労働基準法などでその予防と労働環境の維持が事業者に義務づけられている現代にも、トンネルや鉱山で掘削を行なっていた者に塵肺が発生し補償を求め大規模な訴訟が起こったり、林業従事者のチェーンソーによる白蝋病などがあり、最近では手話通訳者に起こる頸肩腕症がある。労働上の疾病や障害は労働災害の一部であり、雇用者によって加入される労働者災害補償保険により補償の対象とされるが、例えばサラリーマンのうつ病による自殺が労働災害にあたるかどうかは、しばしば司法に判断を委ねられる複雑な問題である。
最近ではタクシー運転手が長時間タクシーの運転席に座り続けた後、事務所へ歩いていった際に心不全で死亡した事例で、エコノミークラス症候群と同様の症状で死亡したとして労災認定が成されたケースもあり、現在でも就労環境によって発病したとして係争中の裁判は多い。
なお、糖尿病は力士の職業病と呼ばれているほか、編集者の過剰な喫煙や、キーパンチャーやプログラマの腱鞘炎や近視なども職業病と表現されているものの、これらは職種に直接関係したものではなく、個々の作業環境の問題や、不摂生に因るものである。これらは狭義の職業病には含まれないと思われる。
放射線と職業病 [編集]
キュリー夫妻(ピエール・キュリーとマリ・キュリー)はラジウムやポロニウムといった危険な放射性物質の検出を行なう過程でかなりの長期に亘って放射線を浴び続け(恐らく体内に入り込んだ放射性物質による内部被曝などの影響もあっただろう)体を蝕まれた。娘のイレーヌ・ジョリオ=キュリーなどの原子物理学者の中にも放射性物質を取り扱ったために同様に命を落とした者が出ている。これも職業病のうちに入るだろう。
ウラン産出国の採掘現場では労働者の理解不足から、イエローケーキを何の放射線防護も施さずに取り扱い被曝するケースも見られ、国際的に問題視されていることなど、教育によって回避されるべき職業病も存在しうる。
派生的な意味における職業病 [編集]
特定の業種・業界において常識とされているもので、世間一般から見れば非常識だったり、不可思議に映ることがらを、派生的な意味合いで「職業病」と表現する事がある。例えば釣り銭を両手に並べて渡すことを規則で決めているファストフード店に長く勤務すると、普段の生活においてもついつい両手でお金を渡してしまうことがあるが、これは「職業病」と言える。また、自衛隊の隊員同士で飲みに行った際、体に行進の仕方を叩きこまれているため酔っ払いながらも並んで歩くと綺麗に足が揃うことがある。これも普段体に教え込まれた習慣が出てしまう「職業病」と言える。一方、仕事に打ち込むあまり、その業界ではまかり通る非常識を突き通す「職業病」は、しばしば社会問題として取り沙汰される事がある。例えば報道業界におけるプライバシーの概念は時として世間一般の常識よりも行き過ぎた行動を黙認しがちであるが、これを熱心に取材活動を繰り広げるがあまりの「職業病」と見る向きもある。
脚注 [編集]
関連項目 [編集]
- 労働災害
- 安全工学
- 公害病
- 仕事病 - ワーキングホリック
就業 |
|
個別的労働関係
(雇用関係) |
基本概念 |
労働基準法 • 労働法 • 労働基本権 • 労働組合法 • 労働関係調整法 • 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 • 雇用 • 労働安全衛生法 • 最低賃金法 • 雇用保険法 • 労働に関する法令の一覧 (日本) • 労働契約 • ホワイトカラーエグゼンプション • 就業規則 • 雇用契約書 • 労働条件通知書 • 勤労権 • 労働 • 賃労働 • 雇用調整助成金
|
|
就業形態 |
常勤 • パートタイマー • 個人事業主 • 正規雇用 • 非正規雇用 • 試用期間 • 内職 • 見習い
|
|
就職活動 |
求職 • 内定 • インターンシップ • ワークプレイスメント • 就職活動 • 合同企業説明会 • 就職試験 • 履歴書 • 職務記述書 • 職務経歴書 • 証明写真 • ジョブ・カード制度 • 入社試験 • 面接 • エントリーシート • 名刺 • 新卒一括採用 • リクルートスーツ
|
|
雇用関係 |
労働者 • 使用者 • 従業員 • 雇用主 • 終身雇用 • 管理職 • ボランティア • 男女共同参画
|
|
労働時間 |
週35時間労働制 • フレックスタイム制 • 休日 • 時間外労働 • シフト勤務 • 深夜業 • テレワーク • 労働時間 • 週末 • 休憩時間 • 休暇 • ギャップ・イヤー • 長期休暇 • サバティカル • 病気休暇 • フリーライダー • 社内ニート • 窓際族 • 社内失業 • 人事異動
|
|
賃金処遇 |
同一労働同一賃金 • 男女同一賃金 • 最低賃金 • 割増賃金 • 有給休暇 • 職務給 • 年功序列 • 給与 • サラリーキャップ • ワーキングプア • 就職氷河期 • 就職難 • 平均賃金 • 賞与 • 給料 • 固定給 • 歩合
|
|
福利厚生 |
年次有給休暇 • 全国健康保険協会 • 健康保険 • 国民健康保険 • 日雇健康保険 • 傷病手当金 • 社会保険 • 厚生年金 • 厚生年金基金 • 国民年金 • 国民年金基金 • 共済組合 • 企業年金 • 確定給付年金 • 確定拠出年金 • 船員保険 • 船員手帳 • 老齢基礎年金 • 生命保険 • 遺族年金 • 医療保険 • 後期高齢者医療制度 • 私的年金 • 公的年金 • 年金手帳 • 年金証書 • 育児休業 • 病気休暇
|
|
安全衛生 |
安全衛生教育 • 安全管理者 • 衛生管理者 • 人間工学 • 工場騒音 • 職業病 • 職業外傷 • シックビル症候群 • 労働災害(殉職) • 過労死 • 労働者災害補償保険 • ワーク・ライフ・バランス • メンタルヘルス • 企業内カウンセラー • 従業員支援プログラム • デジタル土方 • ブラック企業 • デスマーチ
|
|
離職退職 |
退職 • 免職 • 解雇 • 懲戒解雇 • レイオフ • 辞表 • 引退 • 定年退職 • 早期優遇退職 • 退職手当 • 退職届 • 会社都合退職 • 失業 • 求職者給付 • 失業給付 • 失業率 • 整理解雇 • 不当解雇 • リストラ(退職強要 • 退職勧奨) • 自己都合退職 • 転職 • 転勤族 • 懲戒処分 • 分限処分 • 休職 • 失業 • 重処分
|
|
違法行為 |
サービス残業 • 職場いじめ(セクシャルハラスメント • パワーハラスメント • モラルハラスメント) • 強制労働(タコ部屋労働)
|
|
労働意欲 |
怠惰 • 仕事中毒 • 企業戦士 • 社畜 • シュガー社員 • モンスター社員
|
|
|
団体的労働関係
(労使関係) |
労働組合 |
労働組合 • 企業別労働組合 • 職種別労働組合 • 産業別労働組合 • ナショナルセンター (労働組合) • 御用組合 • 紅色組合 • ユニオンショップ
|
|
労働組合の団体の一覧 |
日本労働組合総連合会 • 全国労働組合総連合 • 全国労働組合連絡協議会 (1989-)
|
|
労働組合の一覧 |
フリーター全般労働組合 • 日本航空の労働組合 • 日本プロ野球選手会 • 日本音楽家ユニオン • 日本俳優連合 • コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク • 職員団体 • 教職員組合
|
|
団体交渉 |
団体交渉 • 労働協約 • 労使協定 • 春闘
|
|
争議行為 |
争議行為 • ストライキ • ゼネラル・ストライキ • ハンガー・ストライキ • リレーハンスト • 納金スト • 政治スト • 同情スト • ロックアウト • ピケッティング • スト権スト
|
|
|
雇用政策・
労働市場・
労働紛争 |
雇用政策 |
労働ビッグバン • ワークシェアリング • フレキシキュリティ • ホワイトカラーエグゼンプション • アファーマティブ・アクション
|
|
労働市場 |
労働市場 • 職業紹介事業(公共職業安定所 • 都道府県雇用開発協会 • 管理職人材スカウト • 求人広告 • 求人情報誌) • キャリア・コンサルタント • IT業界離れ
|
|
労働紛争 |
労使紛争 • 不当労働行為 • 労働委員会 • 労働審判
|
|
|
職業 |
その他 |
業種 • 業態 • 産業 • 職業 • 職業一覧 • 部署 • 総務部 • 秘書 • 財務 • 営業 • 開発 • 企画 • 総合職 • 一般職 • 営業職 • 人事 • 総務 • 事務 • 法務 • 人事労務管理 • 経営管理論
|
|
役職 |
上下関係 • 上司 • 主任 • 係長 • 課長 • 次長 • 部長 • 室長 • 局長 • 本部長・監査役 • 役員 • 社長 • 会長 • 代表取締役 • 取締役会 • 審議官・統括官・参事官 ・ 理事官 ・ 管理官
|
|
|
税金 |
納税や給与 |
給与支払報告書 • 公的年金等支払報告書 • 住民税 • 市町村民税 • 地方税 • 市町村民税 • 道府県民税 • 地方税法 • 所得税 • 所得税法 • 所得 • 住民票 • 青色申告 • 白色申告 • 源泉徴収票 • 確定申告 • 源泉徴収 • 年末調整 • 納税者番号制度 • 申告納税制度 • 定額給付金 • 国民健康保険税 • 国税 • 国税通則法 • 国税徴収法 • 地方税
|
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- トヨタ支配の系譜 (特集 現代労働負担研究会 in名古屋)
Related Links
- 職業病(しょくぎょうびょう)とは、特定の職業に従事することにより罹る、もしくは罹る確率 の非常に高くなる病気の総称である。医学用語では「職業性疾病」、労働基準法では「 業務上疾病」と表現される。また転じて、特定の役務を行なう人に降りかかる災難を指す ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- disease resulting from employment, compensatory occupational disease, prescribed industrial disease
- 関
- 職業病、労働基準法、労働基準法施行規則
[★]
- 英
- VDT syndrome
- 同
- VDT病?
- 関
- 職業病、VDT。テクノストレス
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患