- 英
- viscosity
- 関
- 粘性率、ポアズイユの法則、血液粘性
WordNet
- resistance of a liquid to shear forces (and hence to flow) (同)viscousness
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- ねばねばすること,粘性
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粘度
viscosity |
量記号 |
μ, η |
次元 |
M L −1 T −1 |
種類 |
スカラー |
SI単位 |
パスカル秒 (Pa·s) |
CGS単位 |
ポアズ (P) |
MKS重力単位 |
重量キログラム秒毎平方メートル (kgf·s/m2) |
テンプレートを表示 |
動粘度
kinematic viscosity |
量記号 |
ν |
次元 |
L 2 T −1 |
種類 |
スカラー |
SI単位 |
平方メートル毎秒 (m2/s) |
CGS単位 |
ストークス (St) |
テンプレートを表示 |
粘度(ねんど、英語: viscosity)は、物質のねばりの度合である。粘性率、粘性係数、または(動粘度と区別する際には) 絶対粘度とも呼ぶ。一般には流体が持つ性質とされるが、粘弾性などの性質を持つ固体でも用いられる。
量記号にはμまたはηが用いられる。SI単位はPa·s(パスカル秒)である。CGS単位系ではP(ポアズ)が用いられた。cm2/s = 10−4m2/s = 1 St(ストークス)も使われる(即ち、1 mm2/s = 1 cSt(センチストークス))。工業的にはセイボルト秒も使われる。
目次
- 1 定義
- 2 動粘度
- 3 温度依存性
- 3.1 液体においての粘性式
- 3.2 気体においての粘性式
- 4 粘度の例
- 5 分子運動論との関係
- 6 無次元数
- 7 参考文献
- 8 関連項目
定義
粘性のある物体を面積 S 、間隔をh にした2枚の平板間にはさみ、平板を相対速度 U で平行に動かすと、動いている方向と反対方向に剪断応力(摩擦応力ともいう) τが発生する。物体と板の間に発生する力をF と置くと、F は相対速度U と間隔h の逆数に比例し、
と表現される。この比例係数μが粘度である。
もう少し一般化して記述する。面と垂直方向にy 軸を取り、面と平行方向の流体の速度をU と置くと、剪断応力τは単位時間当りの剪断変形率に比例する。すなわち
と表現される。これをニュートンの流体摩擦法則という。
通常、粘度μは外力に対して一定値であり、このような性質及び物質をニュートン流体と呼ぶ。μがせん断変形率に依存する物質を非ニュートン流体と呼ぶ。
動粘度
粘度は、毛管粘度計など、細い管のなかを自重で通過する速度(時間)によって比較できるので、絶対粘度を密度で割った動粘度(動粘性係数ともいう)が指標として用いられる。
温度依存性
一般に、液体の粘度は温度が上昇すると低下し、気体の粘度は温度が上昇すると上昇する。潤滑油では、粘度指数 (VI) で、高温・低温の粘度を規定している。固体から液体への転移は粘度の急激な低下という見方もでき、粘度で軟化温度などを定義することもある(例:ガラス)。
なお、圧力依存性については、気体では小さいとされている[1]。
粘度と温度の関係を表す式がいくつか提案されている。以下、T は絶対温度を表す。
液体においての粘性式
- レイノルズの式 1886年
- レイノルズ方程式より導かれる理論式。[2]
- μ0 :基準温度での粘度
- b :物質に依存する係数
- アンドレードの式 1934年
- 分子動力学においてアレニウスの式より導かれる、ガラス転移しない物質あるいはガラス転移点以下における最も一般的な理論式。[3]
- A :物質に依存する係数
- E :流動活性化エネルギー
- R :気体定数
- WLFの式 1955年
- ガラス転移点を持つ物質の溶解物及び流体においての経験式。ガラス転移点+100℃の範囲に適用出来る。[4]
- ウィリアムズ(Williams),ランデル(Landel),フェリー(Ferry)の三人による。
- 緩和時間 τ の温度依存性を表す時間‐温度換算因子 αT
- C1,C2は物質によらない定数で、それぞれ8.86,101.6。
- TS :ガラス転移温度Tgと、TS-Tg=50の関係。
- TS=Tgの場合、C1,C2はそれぞれ17.55,51.6。
- 増子 マギルの式 1988年
- ガラス転移点を持つ物質の溶解物における、広範囲な温度に適用可能な経験式。[5]
- A,B :物質に依存しない定数で、それぞれ15.29±1.04, 6.47±1.13。
気体においての粘性式
- サザーランドの式 1893年
- Sutherland (1893)が理想化された分子間ポテンシャルを使用して動力学的理論から導いたものであり、2つの形式が提案されている(パラメータの換算をすれば、これらは等価である)。
-
-
- μ0 :基準温度での粘度
- T0 :基準温度
- S :Sutherlandの定数
- ジーンズの式
粘度の例
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1 P(ポアズ) = 100 cP(センチポアズ) = 0.1 Pa・s(パスカル秒)
粘度の例
物質 |
粘度 / Pa·s |
備考 |
マントル[6] |
1021-1022 |
ピッチ |
2.3×108 |
ピッチドロップ実験を参照 |
ガラス |
4.5×106 |
軟化温度の定義粘度、自重で1mm/minの速度で伸びるぐらいの粘度 |
ガラス |
104 |
流動温度の定義粘度、ガラス成形作業の目安の粘度 |
マヨネーズ |
8 |
潤滑油 |
0.5–1 |
20℃ |
エタノール |
0.001084 |
25℃ |
水 |
0.000890 |
25℃ |
空気 |
1.8×10−5 |
20℃ |
ヘリウム |
0 |
超流動状態 |
英語版に0℃のいくつかの気体・液体についての粘度のデータがあるので参照されたい。
分子運動論との関係
分子運動論によれば、粘度μと平均自由行程l との間には次の関係がある[1]。
ただし
- φは気体の種類による無次元定数
- 理想気体でφ = 1/3
- 空気でφ = 0.499
- P :圧力
- T :絶対温度
- k :ボルツマン定数
- mg :気体分子の質量
である。
低圧(10気圧程度以下)の気体に対しては以下の式もある[7]が、温度T の依存性は実際とはあまりよく合わない。
液体に対しては Eyring による、絶対反応速度論を用いた次の式がある[7]。
- NA :アボガドロ定数
- h :単位物質量あたりのエンタルピー
- :分子のモル体積
- :活性化自由エネルギー;経験公式が提案されている。
無次元数
粘度に関係する無次元数には以下のものがある:
- レイノルズ数 - 慣性との比
- グラスホフ数 - 重力あるいは浮力との比
- プラントル数 - 熱拡散率との比
- キャピラリ数(英語版) - 表面張力との比
- シュミット数 - 物質拡散係数との比
参考文献
- ^ a b 高橋幹二、日本エアロゾル学会編、 『エアロゾル学の基礎』 森北出版、2003年、15-16頁。ISBN 4-627-67251-9。
- ^ Reynolds, O. 1886. On the Theory of Lubrication and Its Application to Mr. Beauchamp Tower's Experiments, Including an Experimental Determination of the Viscosity of Olive Oil. Philosophical Transactions of the Royal Society of London.[1]
- ^ Betten, J., 2005, Creep Mechanics: 2nd Ed., Springer.
- ^ Williams, Malcolm L.; Landel, Robert F.; Ferry, John D. (1955). "The Temperature Dependence of Relaxation Mechanisms in Amorphous Polymers and Other Glass-forming Liquids". J. Amer. Chem. Soc. 77 (14): 3701–3707. doi:10.1021/ja01619a008.
- ^ Toru Masuko, Joseph H. Magill (1988), A comprehensive expression for temperature dependence of liquid viscosity., 日本レオロジー学会誌 Vol.16
- ^ 亀山真典「マントル対流 -「固体」地球内部の「流れ」-」、『日本機械学会誌』第116巻第1136号、2013年7月、 478-480頁。
- ^ a b 林茂雄 『移動現象論入門』 東洋書店、2007年、338-341頁。ISBN 978-4-88595-691-1。
関連項目
- 物性物理学
- 流体力学
- Category:粘度の単位
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- "広"粘度流体の撹拌・混合装置 (特集 "真"に使いやすい化学機器・装置の開発)
Related Links
- <物質の粘度表> ※cP=1/100P(P=100cP) ※通常10cPまではポンプ等の機能に大きな影響はありません。 100cPあたりになると、ポンプの性能にかなりの影響があり、500cPでは、一般 のうず巻ポンプは使用不能になります。 ※cSt ...
- 備考)この表の値は、20 における動粘度1.0038 cSt{mm 2 /s}を基準にして定めたものである(JIS Z 8803より抜粋) <<
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ツインラインNF配合経腸用液
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 高度の肝・腎障害のある患者[肝性昏睡、高窒素血症などを起こすおそれがある。]
- 重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者[高血糖、高ケトン血症などを起こすおそれがある。]
- イレウスのある患者[消化管の通過障害がある。]
- 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者[肝性昏睡が増悪又は発症するおそれがある。]
- 急性膵炎の患者[膵炎が増悪するおそれがある。]
- 先天性アミノ酸代謝異常の患者[アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがある。]
- 腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されない。]
効能または効果
- 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。
- 通常、A液200mLとB液200mLを用時混合し、成人標準量として1日1,200〜2,400mL(1,200〜2,400kcal)を鼻腔チューブ、胃瘻又は腸瘻より胃、十二指腸又は空腸に1日12〜24時間かけて投与する。投与速度は75〜125mL/時間とする。経口摂取可能な場合は1回又は数回に分けて経口投与することもできる。
また、投与開始時は、通常1日当たり400mL(400kcal)を低速度(約50mL/時間)で投与し、臨床症状に注意しながら増量して3〜7日で標準投与量に達するようにする。
なお、年齢、体重、症状により投与量、投与濃度、投与速度を適宜増減する。
- 小児への投与:約0.4kcal/mLの濃度より投与を開始し、臨床症状を注意深く観察しながら、徐々に濃度を上昇させること。
なお、標準濃度は0.7〜0.8kcal/mLとする。
慎重投与
- 短腸症候群などの高度の腸管機能障害が予想される患者
- 長期経中心静脈栄養施行例など消化吸収能が極度に低下している患者
- 投与前から重度の消化器症状のある患者
- 高度の手術侵襲があった術後早期の患者
[上記1〜4の患者は腸管機能が低下しているため、投与量、投与濃度、投与速度に注意すること。]
重大な副作用
低血糖:
- 投与終了後にダンピング症候群様の低血糖(倦怠感、発汗、冷汗、顔面蒼白、痙攣、意識低下等)があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には適切な処置を行うこと(用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意を参照)。
ショック、アナフィラキシー様症状:
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 空腸カテーテル留置ラットを用いた試験で、乳たん白加水分解物はジ及びトリペプチド又はアミノ酸混合物よりも門脈血中への出現時間が速く、吸収量も多い傾向を認め、また、アミノ酸組成も投与物に近かったことから、乳たん白加水分解物は吸収が速やかで吸収量も多く、バランスよく吸収されることが認められた7)。
- 消化吸収障害ラットを用いた試験で、乳たん白加水分解物はジ及びトリペプチド又はアミノ酸混合物と同等以上に、体重増加、窒素出納、尿中尿素窒素及び3-メチルヒスチジン排泄量で良好な値を示し、消化吸収が障害された状態でも栄養学的に有効であることが認められた8)。
- Thiry-Vella loop作製ラット及び小腸切除ラットを用いた試験で、トリカプリリンは長鎖脂肪酸トリグリセリドよりも吸収及びエネルギー代謝が速やかであり、エネルギー基質として優れることが認められた9,10)。
- 消化吸収障害ラットを用いた試験で、トリカプリリンは長鎖脂肪酸トリグリセリドよりも吸収率、体重増加、窒素出納で良好な値を示し、消化吸収が障害された状態でも栄養学的に有効であることが認められた11)。
- 消化吸収障害ラットを用いた試験で、トリカプリリンはデキストリンよりも体重増加、窒素出納、尿中尿素窒素排泄量、筋RNA及びたん白量で良好な値を示し、エネルギー基質として優れることが認められた12)。
- 小腸切除ラット及び消化吸収障害ラットを用いた試験で、本剤は市販消化態栄養剤と同等以上に体重増加と窒素出納に優れ、低残渣性であり、下痢発生が少ないことが認められた13,14)。
- 十二指腸カテーテル留置ラットを用いた試験で、本剤の窒素源と糖質は市販消化態栄養剤と同等以上の吸収性を示すことが認められた15)。
- ラットを用いた空腸への持続投与試験で、本剤は市販消化態栄養剤と同等以上に胆汁及び膵液の分泌を刺激しないことが認められた16)。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- coefficient of viscosity
- 関
- 粘度、ニュートンの粘性法則
γ(ずり速度 cm/s) = η(粘性率) × τ(ずり応力 g・cm/s2)
粘性率ηの単位は
γ:ずり速度
τ:ずり応力
η:粘性率。物質に固有の値。温度に依存。
血液の粘性率 (SP.577-)
- 血流速度、血管の内径に依存するため、粘性率ηは定数でなくなる
[★]
- 英
- newtonian law of viscosity
- 関
- 粘性率、粘度
γ = η × τ
γ:ずり速度
τ:ずり応力
η:粘性率。物質に固有の値。温度に依存。
[★]
- 関
- coefficient of viscosity、viscous
[★]
- 英
- viscosity
- 同
- 粘性係数 viscosity coefficient
粘度
[★]
- 英
- capillary viscometer
- 関
- 粘度計
[★]
- 英
- Ostwald viscometer
- 関
- 粘度計
[★]
血液粘性
- 同
- 485
[★]
- 英
- degree
- 関
- 温度