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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/24 21:44:20」(JST)
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災害拠点病院(さいがいきょてんびょういん)とは、日本において、地震・津波・台風・噴火等の災害発生時に災害医療を行う医療機関を支援する病院のことである。各都道府県の二次医療圏ごとに原則1カ所以上整備される。
目次
- 1 設置の経緯と内容
- 2 拠点病院の条件
- 3 耐震性の問題
- 4 災害拠点病院の一覧
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
設置の経緯と内容
1995年の阪神・淡路大震災を受けて同年4月に被災地の医療機関、医師会の関係団体、救急医療、建築、機器設備、情報通信、医薬品の専門家等による「阪神・淡路大震災を契機とした災害医療体制のあり方に関する研究会」(厚生科学研究費補助金(健康政策調査研究事業)による研究班)より研究成果が発表され、患者の広域搬送や応急用資器材の貸出し、医療救護チームの派遣等に対応できる「災害医療支援拠点病院」の設置が提言された[1]。
これを受ける形で厚生省は、各都道府県知事宛に「災害時における初期救急医療体制の充実強化ついて」(平成8年5月10日健政発第451号健康政策局長通知)を発出し、各都道府県内や近県において災害が発生し、通常の医療体制では被災者に対する適切な医療を確保することが困難な状況となった場合に、都道府県知事の要請により傷病者の受け入れや医療救護班の派遣等を行うこととなった。災害拠点病院の旨は受付等に標榜できる。
拠点病院の条件
- 建物が耐震耐火構造であること。
- 資器材等の備蓄があること。
- 応急収容するために転用できる場所があること。
- 応急用資器材、自家発電機、応急テント等により自己完結できること。(外部からの補給が滞っても簡単には病院機能を喪失しないこと)
- 近接地にヘリポートが確保できること。
耐震性の問題
厚生労働省による『災害拠点病院の整備基準』では、耐震構造を求めている対象は「救急診療を行う棟だけ」となっている。一方で国は「建物すべての耐震化が望ましい」という指針を示し、整備費の補助を行っている。2011年の東日本大震災では、耐震性が不十分だったために、地震による建物被害を受けた災害拠点病院もあった[2]。また、津波と洪水については想定外であり、津波の被害を受けるおそれのある海抜の低い場所に立地している病院でも、災害拠点病院の指定を受けている。現在は、東日本大震災による津波被害を踏まえて、高知県などの津波リスクが特に高い地域の災害拠点病院について、建物の3階以上の棟でも救急診療を行えるよう設備の改修を実施することが議論されているところである。
災害拠点病院の一覧
※ 神奈川県のみ、災害医療拠点病院の名称を用いている。
- 北海道
- 青森
- 岩手
- 秋田
- 宮城
- 山形
- 福島
- 茨城
- 栃木
- 群馬
- 埼玉
- 千葉
- 東京
- 神奈川
|
- 新潟
- 富山
- 石川
- 福井
- 山梨
- 長野
- 岐阜
- 静岡
- 愛知
- 三重
- 滋賀
- 京都
- 大阪
- 兵庫
- 奈良
- 和歌山
|
- 鳥取
- 島根
- 岡山
- 広島
- 山口
- 徳島
- 香川
- 愛媛
- 高知
- 福岡
- 佐賀
- 長崎
- 熊本
- 大分
- 宮崎
- 鹿児島
- 沖縄
|
脚注
- ^ 96/05/10 阪神・淡路大震災を契機とした災害医療体制研究会NO1・NO2(厚生省報道発表資料)
- ^ 災害拠点病院、耐震に課題…不十分な施設4割も - 読売新聞 2011年5月16日
関連項目
- 災害医療
- 災害対策基本法
- 災害派遣医療チーム
- ヘリコプター救急
外部リンク
- 広域災害救急医療情報システム
- EDM 地震防災フロンティア研究センター -防災科学技術研究所-
- 97/01/16 災害拠点病院の指定について(旧厚生省報道発表資料)
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Japanese Journal
- 大規模災害における都道府県レベルの広域支援体制-大震災時に備えた都道府県薬務行政の対応-
- 氏家 國夫
- 保健医療科学 62(4), 405-413, 2013-08-00
- … 害時ロジスティックスの問題である.医薬品等の供給要求がなされた救護所等へは,可能な限り迅速な医薬品の搬送が可能であったが,連絡手段が途絶した医療機関等への搬送には時間を要した.震災直後の災害拠点病院等において,被災者の増加により薬剤師の不足が生じ,勤務する薬剤師に大きな負担を強いた等の人的資源面での問題があった.更に,医薬品供給については,被災地域が広域で行政機能も麻痺したため,市町単 …
- NAID 110009623920
- 安藤 恒三郎
- 日本赤十字豊田看護大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Toyota College of Nursing 8(1), 7-12, 2013-03-31
- … また、石巻市・石巻市医師会を中核とした一次医療体制(仮設石巻市夜間急患センター)の整備、石巻赤十字病院を中核とした、三次医療体制の復興および災害拠点病院としての機能強化(救命救急センターの機能拡張、災害医療および災害看護にかかる人材育成拠点の設置)などの事業を支援することになった。 …
- NAID 120005315136
- 小菅 瑠香,小林 健一,秋葉 道宏,山田 俊郎,鶴田 秀貴,闢本 李子,小窪 和博
- 保健医療科学 62(1), 106, 2013-02-00
- NAID 110009575540
Related Links
- 災害拠点病院は、病院などの後方医療機関として、地域の医療機関を支援する機能を有する病院で、重症・重篤な傷病者を受入れるなど、災害時の医療救護活動において中心的な役割を担う病院として位置づけられています。
- 東京都災害拠点病院一覧 平成27年2月27日現在の東京都災害拠点病院の一覧は以下の表のとおりです。 東京都災害拠点病院一覧(PDF:205KB) PDF形式のファイルを開くには、Adobe Reader(旧Adobe Acrobat Reader)が必要です。 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- a 医師の役割は応急手当である。
- b 都道府県の医療計画に示されている。
- c 災害拠点病院は被災患者を24時間体制で受け入れる。
- d 災害派遣医療チーム(DMAT)は自己完結型の医療救護を基本とする。
- e 大規模災害では長期間にわたってこころのケアを提供する必要がある。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B018]←[国試_110]→[110B020]
[★]
- a 災害拠点病院は市区町村が指定する。
- b 災害現場では医師は救急救命士の指揮下に入る。
- c 防災体制を整備する地域的単位を二次医療圏と呼ぶ。
- d トリアージは医師以外の医療職も行うことができる。
- e 災害医療とは災害派遣医療チーム(DMAT)の医療活動のことである。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E006]←[国試_111]→[111E008]
[★]
- a 災害拠点病院は市町村が指定する。
- b トリアージは医師でなくても行うことができる。
- c 災害現場では医師は救急救命士の指揮下に入る。
- d 防災体制を整備する地域的単位を二次医療圏と呼ぶ。
- e 災害医療とは災害派遣医療チーム<DMAT>の医療活動のことである。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B004]←[国試_107]→[107B006]
[★]
- a 広域災害医療に対応する。
- b 医療救護班の派遣機能を持つ。
- c 救急救命士を配置する必要がある。
- d 免震構造であることが指定要件である。
- e 災害発生現場に最も近い病院が指定される。
[正答]
※国試ナビ4※ [106B036]←[国試_106]→[106B038]
[★]
- 英
- disaster、casualty