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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/21 20:41:37」(JST)
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温度計(おんどけい)は温度を測定する計器である。温度変化に伴う物性の変化等の物理現象を利用して温度を測定する。一般的に温度を計るものは温度計と呼ばれるが、特定の用途に応じた名前を持つものもある(体温計等)。
目次
- 1 語源
- 2 温度計の種類
- 3 温度計の歴史
- 4 気象観測に用いられる温度計
- 4.1 ガラス製温度計
- 4.2 金属製温度計
- 4.3 電気式温度計
- 5 特徴のある温度計
- 6 脚注
- 7 参考文献
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語源
J.ルレション(Jean Leuréchon、1591頃-1670)が、1626年に"themomètre"という言葉を使っていて、これが英語に翻訳されたのが語源といわれている。 Bijour midame et missieurs yi voudlais dou texte por le thremometre dé cuisiné
温度計の種類
一次温度計と二次温度計
温度計は大きく分けて一次温度計と二次温度計に分類される。
一次温度計とは、熱力学温度と直接対応する物理量を測定することで温度が決定される温度計のことであり、温度標準の決定に用いられる。例えば、気体の状態方程式 において圧力と体積、物質量が求められれば温度は一意に決定される。一次温度計の特徴として、このように物理量の定義から温度が導かれるので校正という概念がない点にある。温度標準(温度目盛)は国際的な取り決めとして温度域ごとに定義式が定められている。
それに対して二次温度計とは温度との対応が明確に関連付けられた別の量、電気抵抗値や液柱の高さ、出力される電圧などを測定することで温度を求める温度計を指す。一般に流通しているほとんどの温度計はこの二次温度計に分類される。二次温度計は一次温度計で決定された温度を基準に温度計に値を付ける校正作業が必要である。
一次温度計を用いて熱力学温度を決定する作業は専門的な設備が備わる研究施設で行われる。そこで温度標準が決定され、それを基準に二次温度計が校正される。
- 熱電対
- 抵抗温度計 (Resistance thermometer)
- 放射温度計
- 液柱温度計
- バイメタル式温度計
- 最高温度計
- 最低温度計
- 自記温度計
- 乾湿温度計
- 地中温度計
- ガリレオ温度計
そのほか、簡易な温度計として、温度に応じて色付きの数字が液晶で表示される温度計がある(サーモテープを参照)。
温度計の歴史
温度計の歴史の初期においては、それぞれの温度計で目盛りが異なっていた。
- 1592年 - ガリレオ・ガリレイが球付のガラス柱を水面に倒立させて、球部を暖めることによって水面が変化することを示す(空気温度計)。これには異説もあり、ガリレオの友人サントリオ・サントリオ(Santorio Santorio,1561-1636)が発明したという説もある。
- 1612年 - サントーリオ・サントーリオが医療に温度計を用いる。
- 1650年頃(遅くとも1654年) - トスカーナ大公フェルディナンド・デ・メディチ(Ferdinando de'Medici)によって設計、A.アラマッニ(Antonio Alamanni)によって、上端を閉じて大気圧の変動の影響を廃した毛細管を持つ液柱(アルコール)温度計が製作された。
- 1702年 - デンマークの天文学者 オーレ・レーマー(Ole Rømer,1644-1710)が、水の融点と沸点を使って目盛りをふった温度計を製作。
- 1714年 - ガブリエル・ファーレンハイト(Daniel Gabriel Fahrenheit)が水銀を用いた液柱温度計を発明。
- 1730年 - ルネ・レオミュールが、アルコールと水の溶解液を用いてセ氏計を考案。当初は水の沸騰点を80度としていたが、1742年にスウェーデンのアンデルス・セルシウスの改良により、水の沸騰点100度に修正された。
- 1821年 - トーマス・ゼーベックが熱電対を発明。
- 1864年 - アンリ・ベクレルがパイロメータの原理を発見
- 1885年 - Calender-Van Duesenが 白金抵抗体温度計を発明。
- 1892年 - アンリ・ルシャトリエがパイロメーターを製作。
気象観測に用いられる温度計
日本では、気象業務法及びその下位法令により、公共的な気象観測には、検定に合格したガラス製温度計(液柱温度計に同じ)、金属製温度計(バイメタル式温度計に同じ)又は電気式温度計(白金抵抗体温度計に同じ)を用いることとされている。
これらは、-50℃(ガラス製温度計は-30℃でも可)~50℃において所定の性能を発揮しなければならない。
ガラス製温度計
- ガラス製温度計の感温液としては、公的な観測用としては主に純水銀が使われ、一般の用途には赤色に着色したアルコールや灯油などが用いられる[1]。後者の液の組成としては、ペンタンの異性体やその混合物、ないしトルエンが推奨されている (日本規格協会 1997, §6.c) 。特殊な構造のものとしては
-
- 二重管温度計:通常の温度計の毛細管及び目盛板を、さらにガラス管に封入して保護したもの
- 最高温度計:毛細管に感温液の球部への逆流を防止する留点があり、最高温度到達後に温度が下がっても示度を保持するもの(構造的には水銀式体温計に同じ)
- 最低温度計:水平な毛細管中に感温液の収縮には引き込まれるが逆には動かない指標が置かれており、最低温度到達後に温度が上がっても指標が示度を保持するもの
- がある。なお、毛細管に用いられるガラス管は、気象観測に用いることができるほどの精度と経時安定性とを有するものが日本では製造できず、ドイツからの輸入に頼っているのが現状である。
- 温度目盛りについては全漬没温度計と漬没線付温度計がある。漬没線付温度計は漬没線以下が測定対象と等温であり、線以上が室温(20℃)であることが前提であり全漬没温度計は球部から液柱先端までが測定対象と等温であることが前提である。前提と異なる測定方法をすると赤液温度計では約5℃近くの補正が必要になる場合がある[2]。
金属製温度計
- 金属製温度計は、感部にバイメタルを用い、その温度変化に伴う変形を指針の動きに変換することによって温度を測定するものである。バイメタルの材料としては主にアンバーと黄銅との組合せが使われる。構造が簡単で安価なため、家庭用としても普及している。
- 指針と目盛板によって気温を直接表示するもののほか、指針の代わりに記録ペンを駆動し、ゼンマイなどの動力で回転するドラムに巻かれた記録紙に温度の時系列を自動的に記録する自記式のものもよく使われる。
- 使用にあたっては、ガラス製温度計による校正が必要である。
- 許容される器差は、1.0℃である。
電気式温度計
- 電気式温度計は、白金の温度による電気抵抗の変化を検出することによって温度を測定するものである。自動・遠隔観測に適するため、現在、気象庁をはじめとする多くの機関で主力となっている。感部に用いられる白金線(抵抗体)は、0℃において抵抗値100オームの「Pt100」規格のものと定められている(同条件で抵抗値50オームの「Pt50」を用いる国もある)。
- 許容される器差は、0.5℃(感部のみについて0.3℃)である。
- 電気式温度計には、温度によって誘電率の変化する感温体を誘電体に用いたコンデンサの容量の変化を検出する方式のものもあるが、小型軽量な反面、耐久性や測定精度にやや難があるとされ、現在は、使い捨てが前提のラジオゾンデ用としてのみ認められている(許容される器差は0.5又は1℃(測定範囲により異なる))。
- 家庭用・教材用としてはサーミスタを用いた簡易な製品もあるが、特に常時観測に使用する場合、通電に伴う自己発熱による誤差を生じやすく、耐久性も実証されていないことから、公共的な気象観測には用いられない。
特徴のある温度計
- ガリレオ温度計
- 液体中にそれぞれ質量と体積の違う浮き子を入れ、液体の比重が温度によって変化するのに伴って浮沈する浮き子に表記された数字で,大まかな温度を示す温度計である。
脚注
- ^ 市川真史 (2002-07-10), “特別展「はかる」特集”, とやまと自然 (富山市科学文化センター) 25 (2): 6, http://www.tsm.toyama.toyama.jp/public/nature/scan/nature-098i.html 2009年8月17日閲覧。
- ^ ガラス温度計の正しい使い方(日本硝子計量器工業協同組合)17.Aug.2009採録
参考文献
- 日本規格協会, ed. (1997), “一般用ガラス製棒状温度計”, 日本工業規格, JIS B 7411:1997, http://www.jisc.go.jp/
- 『科学大博物館 - 装置・器具の歴史事典』ISBN 4-254-10186-4
- 『温度から見た宇宙・物質・生命』ISBN 406257442X
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- twenty-five degrees Celsius
テンプレート:単位
セルシウス度(セルシウスど、記号:℃/°C)は、温度(セルシウス温度)の物理単位である。欧米では考案者の名前からセルシウス度と呼ばれており、日本などではセルシウスを中国語で書いた摂爾修から摂氏温度(せっしおんど、せしおんど)ともいう。
定義
現在の定義は、「ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの」である。元々の定義は水の凝固点を0度、沸点を100度とするものであった(詳しくは#歴史を参照)。
用法
例えばセルシウス度による温度は、日本語では「15℃」または「摂氏15度」という。「C」または「摂氏」を省略しない書き方が正式であるが、日常生活においては単に「15度」と表現することも多く、同様に「度」という表現を用いるファーレンハイト度(華氏温度)や角度と混同される恐れがある。英語では"fifteen degrees Celsius" と読み、"15 deg C"と略記する。日本語の場合にも科学の学術の発音では上記誤解を避けるため「ドシー」と呼ぶこともある。
歴史
セルシウス度はスウェーデン人のアンデルス・セルシウスが1742年に考案したものに基づいている。当初は1気圧下における水の凝固点を100℃、沸点を0℃として、その間を100等分し、低温領域、高温領域に伸ばしていた。しかしその後、定義は凝固点を0℃、沸点を100℃とする現在の方式に改められた。これは、カール・フォン・リンネか、セルシウスの用いていた殆どの温度計の製作者であるDaniel Ekstromの換言によるものかもしれないといわれている。
水の沸点と融点の間に100の目盛があることから、この体系のもともとの名称はcentigrade(「百分度」の意)であったテンプレート:要出典。しかし1948年の第9回国際度量衡総会にて、名称が正式にセルシウスへと変更になった。これには、セルシウス自身の認知のためと、SI接頭辞であるセンチ (centi) との衝突からくる混乱(centigradeがgradeという単位の100分の1と勘違いされる)を避けるという目的があった。
その後の物理的な計測方法の進歩と熱力学温度の採用により、現在の定義は「ケルビンで表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの」となっている。つまり、水の三重点を0.01℃とし、水の三重点と絶対零度の温度差の273.16分の1を1℃としている。「273.16分の1」という数字は、セルシウス度における1度の温度差をそのままケルビンの1度の温度差として使用するためのものである。すなわち、セルシウス度とケルビンの目盛の幅(1度の温度差)は等しい。なお、この定義により、水の沸点はちょうど100℃から99.974℃に変更された。
セルシウス度は日常の様々なところで用いられているが、英国やアイルランドの放送メディアの中にはセンチグレードと呼ぶところも多い。アメリカのメディアだけは依然単独でファーレンハイト度を用いている。
単位の換算
セルシウス度からファーレンハイト度への換算
<math>F=1.8C+32</math>
ファーレンハイト度からセルシウス度への換算
<math>\textstyle C=\frac{5}{9}(F-32)</math>
-40℃と-40℉が等しいことを利用した、別の換算方法もある。
<math>\textstyle C=\frac{(F+40)}{1.8}-40</math>
テンプレート:温度の単位の比較
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