- 英
- angiostrongyliasis, angiostrongyliasis cantonensis
- 同
- 好酸球性髄膜脳炎 eosinophilic meningoencephalitis
- 関
- 広東住血線虫
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2019/12/06 14:41:06」(JST)
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広東住血線虫症(カントンじゅうけつせんちゅうしょう、英:angiostrongyliasis)とは広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis)の幼虫寄生を原因とする人獣共通感染症。
広東住血線虫の終宿主はネズミであり、ネズミから排出された第1期幼虫が中間宿主であるナメクジ類に摂取されると、その体内で第3期幼虫まで発育する。このナメクジ類がネズミに摂取されると第3期幼虫は中枢神経に移動し、第5期幼虫まで発育する。第5期幼虫は肺動脈へと移動して成虫となる。中間宿主が待機宿主に摂取されると第3期幼虫のまま寄生する。
1933年ネズミの血管から見出され命名され、1945年台湾での人体症例が報告された[1]。アフリカマイマイに起因すると考えられる発症例の報告もある[2]。
疫学
太平洋諸島、極東、東南アジア諸国、オーストラリア、アフリカ、インド、インド洋の島々、カリブ海の島々、北米などに広く分布する[2]。日本では、2000年に沖縄県で死者が出ているほか、オーストラリアでは、当時19歳だった男子学生が、友人たちとの悪ふざけでナメクジを食べたことが原因で広東住血線虫症にかかり、8年間の闘病の末に2018年11月2日に死亡した事例がある[3]。
アメリカ合衆国ハワイ州では、2018年に10例、2019年5月までに5例と患者数は拡大傾向にある[4]。
臨床像
ヒトでは中間宿主や待機宿主に汚染された食品の摂取により寄生が成立する。感染から発症までは 12-28日程度とされ[1]、ヒトの体内に侵入した第3期幼虫の多くは中枢神経へと移動し、出血、肉芽腫形成、好酸球性脳脊髄膜炎などを引き起こす[2]。第3期幼虫が中枢神経へ移動する理由としては、免疫システムからの回避、成長に必要な脳由来酵素の獲得、槍型吸虫やロイコクロリディウムのような宿主のコントロールといった仮説が挙げられる。
診断
虫体抗原を用いて、ELISA法や免疫電気泳動法による血清や髄液中からの抗体検出が行われる。
治療
特効薬は無い。好酸球性脳脊髄膜炎に対する対症療法が行われる[2]。プレドニゾロン、グルココルチコステロイドを併用したメベンダゾールの投与が行われる[2]。
鑑別疾患
重要な鑑別疾患は、有棘顎口虫症、嚢虫症、肺吸虫症、住血吸虫症[2]
脚注
- ^ a b 日本における広東住血線虫ならびにその感染者の発生状況 国立感染症研究所 病原微生物検出情報 Vol.14 (1993/10[164])
- ^ a b c d e f 広東住血線虫症とは 国立感染症研究所 IDWR 2004年第25号
- ^ “ナメクジ食べて体が麻痺、8年闘病の男性が死亡。人間の脳に感染する「広東住血線虫症」とは?”. HUFFPOST NEWS (2018年11月6日). 2019年6月10日閲覧。
- ^ “観光客など3人が寄生虫に感染、ハワイ島で今年5人目”. CNN (2019年5月28日). 2019年6月10日閲覧。
参考文献
- 高島郁夫、熊谷進編 『獣公衆衛生学 第3版』 文永堂出版 2004年 ISBN 4830031980
関連項目
外部リンク
- 最近話題になった広東住血線虫について - 沖縄県衛生環境研究所
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- 1. 好酸球性髄膜炎eosinophilic meningitis [show details]
…There are three important parasitic infections associated with eosinophilic meningitis: Angiostrongylus cantonensis, Baylisascaris procyonis, and Gnathostoma spinigerum. These are parasites for which humans …
- 2. オーストラリア、ニュージーランド、南西太平洋(オセアニア)への旅行者における健康被害の可能性potential health hazards in travelers to australia new zealand and the southwestern pacific oceania [show details]
…and spreading into new geographic areas including the Mornington Peninsula . Angiostrongylus cantonensis (rat lung worm) may cause encephalitis meningitis and meningoencephalitis following ingestion …
- 3. 成人における無菌性髄膜炎aseptic meningitis in adults [show details]
…and sterile cultures may be seen in partially treated bacterial meningitis. Angiostrongylus cantonensis, the rat lungworm, is a parasite that is endemic in Southeast Asia and Pacific that can also cause …
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…agglutination tests, or PCR. Eosinophilic meningitis – Eosinophilic meningitis due to Angiostrongylus cantonensis occurs principally in Southeast Asia; the parasite has also been found outside of this …
Japanese Journal
- 面白い寄生虫の臨床(11)寄生虫の小径 身近な人獣共通寄生虫症 : 広東住血線虫症 (日本獣医師会雑誌(日獣会誌))
- 常盤 俊大,赤尾 信明
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 66(11), 757-762, 2013-11
- NAID 40019862873
- ケナガネズミ (Diplothrix legata) における広東住血線虫 (Angiostrongylus cantonensis) 感染の初記録
- 中谷 裕美子,岡野 司,大沼 学,吉川 堯,齊藤 雄太,田中 暁子,福田 真,中田 勝士,國吉 沙和子,長嶺 隆
- Japanese journal of zoo and wildlife medicine = 日本野生動物医学会誌 18(2), 71-74, 2013-06-01
- … これは人獣共通感染症である広東住血線虫症が,人のみならず野生動物にも悪影響を及ぼし,特に希少野生動物の多いやんばる地域においては大きな脅威となる可能性があることを示している。 …
- NAID 10031158598
- 現代寄生虫病事情(13)広東住血線虫症--脳を侵す寄生虫病
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- 広東住血線虫の寄生による人獣共通感染症。人には幼虫が寄生し、脊髄から脳に侵入して好酸球性髄膜脳炎を起こす。 幼虫が寄生するナメクジ・アフリカマイマイ・テナガエビなどを直接あるいは野菜などとともに摂取することにより経口感染する。
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★リンクテーブル★
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- ラ
- Angiostrongylus cantonensis
- 同
- カントン住血線虫、広東住血吸虫?
- 関
- 広東住血線虫症
参考
- http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_25.html
[★]
- 英
- eosinophilic meningoencephalitis
- 関
- 広東住血線虫症、広東住血線虫
[★]
- 英
- nematode infection
- 関
- 原虫、線虫、線虫感染症、線虫感染
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- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- nematode
- 関
- 線虫門、Caenorhabditis elegans
[★]
- 関
- 広東住血線虫、住血線虫属