- 英
- normal pressure、ordinary pressure、normobaric
- 関
- 正常圧
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/22 22:25:22」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2013年1月) |
標準状態(ひょうじゅんじょうたい)とは、物理学、化学や工学などの分野で、測定する平衡状態に依存する熱力学的な状態量を比較するときに基準とする状態である。標準状態をどのように設定するかは完全に人為的なものであり、理論的な裏付けはないが、歴史的には人間の自然認識に立脚する。
一般的には気体の標準状態のことを指すことが多く、圧力と温度を指定することで示される。科学の分野により、また学会、国際規格団体によって、その定義は様々であり混乱が見られる。このため、日本熱測定学会は統一した値として、地球の大気の標準的な圧力である標準大気圧(1 atm = 101.325 kPa)を用いるべきであると主張し啓蒙活動を展開している[1]。
目次
- 1 圧力
- 2 温度
- 3 体積
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
圧力
指定される圧力は、標準状態圧力(英: standard-state pressure, SSP)と呼ばれる。しばしばSSPにおける量であることを表す為に ° を付けて表され[2]、SSPそのものは p° となり、標準生成エンタルピーであれば ΔfH° と書かれる(Δf は生成反応(formation)を示す)。
SSPの設定として主なものが二種類あり、一つは、歴史的に用いられてきた、標準大気圧をSSPとする
であり、もう一つは1981年にIUPACが推奨した
である。
1960年の国際単位系(SI)の採択を経て、IUPACでも1969年にGreen bookを出版してSIへの転換とした[3]。その後1970年代のGreen book改訂の際に標準気圧が非SIになるとして、SSPの慣習的な1気圧(1 atm)から105パスカル(1バール、1 bar)への変更が主張され、IUPACの推奨はこの主張に沿って行われた。20年以上(2004年当時)を経過してもIUPACの推奨はしばしば無視されており、化学熱力学のデータベースに二種類の設定があることで混乱が見られる[3][4]。種々の物理定数の推奨値を発表しているCODATAはIUPACの推奨に沿って後者をSSPとしているが[5]、標準状態の設定に依存するモル体積やサッカー・テトロード定数などは両方のSSPに基づく値で発表している。
IUPACによるSSPの変更の推奨は単位の変更に伴うものとして行われたが、標準状態とは(仮想的な)測定条件であり、基準とする量の選び方であって、単位の選び方ではない。物理学の理論は単位の選び方には依らないが、例えば標準生成エンタルピーは標準状態の設定に依存してその量が変化する(単位の変更による数値の変化ではない)。そもそも、105パスカル、あるいはバールは、SIに沿った一貫性のある単位ではないことに注意。
温度
基準とする温度には、SATPとSTPがある。温度は右下の添え字で示される[2]。
- SATP
- 基準の温度を25セルシウス度(298.15ケルビン)とするものがSATP(標準環境温度と圧力、英: standard ambient temperature and pressure)と定義される。
- 気体の標準状態としては、現在は主にSATPが使われる。
- STP
- 基準の温度を0セルシウス度(273.15ケルビン)とするものがSTP(標準温度と圧力、英: standard temperature and pressure)と定義される。
体積
1モルの理想気体の体積は、SATPでは24.8リットル、STPでは22.7リットル(1997年より前は22.4リットル)である。
体積を標準状態において測った場合、そのことを明示するために単位を m3N (ノルマル立米)とすることがある[6]。
脚注
- 出典
- ^ 日本熱測定学会 ICCT2008で発表したポスター
- ^ a b バーロー『物理化学』
- ^ a b 長野 (2004)
- ^ 長野 “標準状態圧力の成立過程”
- ^ CODATA Value
- ^ 『大気汚染対策の基礎知識』
参考文献
書籍
- G. M. Barrow 『物理化学』上巻、大門寛・堂免一成訳、東京化学同人、1999年3月、第6版、128頁。全国書誌番号:99087263。ISBN 4-8079-0502-3。NCID BA41014520。OCLC 676361134。ASIN 4807905023。
- 田中一義、田中庸裕 『物理化学』 丸善〈化学マスター講座〉、2010年12月25日、98頁。全国書誌番号:21876451。ISBN 978-4-621-08302-4。NCID BB04408193。OCLC 744241296。ASIN 4621083023。
- 『二訂・大気汚染対策の基礎知識』 環境保全対策研究会 編、一般社団法人産業環境管理協会、2005年2月(原著2001年10月)、第3版、49頁。全国書誌番号:20226028。ISBN 4-914953-69-2。NCID BA5412140X。OCLC 123028817。ASIN 4914953692。
雑誌
- 長野八久「標準状態圧力の成立過程 (PDF) 」 、『Netsu Sokutei』第31巻第3号、日本熱測定学会、2004年5月16日、 146-150頁。
関連項目
外部リンク
- “CODATA Value: standard-state pressure”. NIST. 2014年1月31日閲覧。
- “Borderless Science Seeks for Seamless Standards: Standard State Pressure Should Be 101.325 kPa (PDF)”. ICCT2008で発表したポスター. 日本熱測定学会 (2008年). 2015年8月2日閲覧。
- 長野八久 (2004年). “標準状態圧力の成立過程”. 大阪大学. 2015年8月2日閲覧。
- 日本大百科全書(ニッポニカ)『標準状態』 - コトバンク
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 常圧アンモニア電解合成法の高収率化に向けた要素技術開発 : H⁻共存下でのNH₃溶解機構
- 芹澤 信幸,竹井 勝仁,錦織 徳二郎 [他]
- 電力中央研究所報告. 研究報告. 電力中央研究所材料科学研究所 編 (13004), 巻頭1-3,1-15, 2014-05
- NAID 40020110884
- 常温常圧下での触媒的アンモニア合成反応開発の現状と将来展望 (特集 エネルギーキャリアの研究開発の現状と将来展望)
- 田辺 資明,西林 仁昭
- Journal of the Japan Institute of Energy = 日本エネルギー学会誌 93(5), 386-392, 2014-05
- NAID 40020110462
- 太陽 常圧蒸留装置2千b/d削減 : 残油流動接触分解装置は4千b/d増強
Related Links
- 楽天市場:道具屋 利作のCエアー工具 > エアー工具 > エアーコンプレッサー > 常圧エアーコンプレッサー一覧。道具屋利作は電動、充電、エアー、エンジンなど様々な工具を取り揃えております。プロ仕様からDIY、園芸用の工具まで全て ...
- ホームメイキング【電動工具・大工道具・工具・建築金物・発電機の卸値通販】 : 常圧用エアーホース ... カートは空です 限定品 ポリエステルパンツ エンジ LL 激安商品一覧へ ワン・ツゥ・スリー 鋼製床束 1箱(25本入)FS27-42
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- normobaric、normotensive、ordinary pressure
[★]
- 関
- normal pressure、normobaric
[★]
- 英
- idiopathic normal pressure hydrocephalis iNPH
- 関
- 正常圧水頭症、水頭症
[★]
- 英
- symptomatic normal pressure hydrocephalus, SNPH
- 関
- 正常圧水頭症
[★]
- 英
- normal pressure、normotensive
- 関
- 常圧
[★]
- 同
- 続発性NPH
- 関
- 正常圧水頭症
[★]
- 英
- pressure
- 関
- 圧力