- 英
- polyoxyethylene
- 関
- トリトン、ポリエチレングリコール、マクロゴール
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/02/26 17:51:44」(JST)
[Wiki ja表示]
ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、略称 PEG)は、エチレングリコールが重合した構造をもつ高分子化合物(ポリエーテル)である。 ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide、略称PEO)も基本的に同じ構造を有する化合物であるが、PEGは分子量 50,000 g/mol 以下のもの(エチレングリコールの重合体)をいい、PEOはより高分子量のもの(付加重合体)をいう。両者は物理的性質(融点、粘度など)が異なり用途も異なるが、化学的性質はほぼ同じである。
一般的な構造式は HO−(CH2−CH2−O)n−H と表される。PEG は水、メタノール、ベンゼン、ジクロロメタンに可溶、ジエチルエーテル、ヘキサンには不溶である。タンパク質など他の高分子に PEG構造を付加することを PEG化 (ペグか、pegylation) という。
利用
PEG は無毒でいろいろな製品に用いられる。マクロゴールなどの名で多くの緩下剤の基剤として用いられる。またセトマクロゴールは皮膚用クリームに用いられる。
PEG を他の疎水性分子に結合すれば非イオン性界面活性剤(PEG部分はポリオキシエチレン[POE]鎖と呼ばれる)が得られ、化粧品の乳化剤などに用いられている。
PEG をタンパク質性医薬品に結合すると、タンパク質の分解を抑制する効果(”ステルス化”)により、効力を延長したり副作用を軽減することが可能になる。例としては PEG化インターフェロンα(C型肝炎に有効)や PEG化フィルグラスチム(G-CSF製剤、Neulasta®)がある。
PEG はタンパク質を結晶化する際に、沈殿剤としてよく用いられる。
PEG は脊椎損傷の治癒に効果があることもイヌの実験で示されている[1]。
また材料としての PEG は、軍用防護服[2]や、採血器に代わって糖尿病患者の血糖値を監視するためのタトゥー風の方法[3]などへの応用も開発されつつある。PEG によりポリウレタンエラストマーにゴム状の性質を与えることができ、これはポリウレタンフォームやスパンデックス繊維へ応用されている。
PEG は弾力性のある高分子なので、膜にしても非常に高い浸透圧(数十気圧)に耐える。また生体物質との特異的相互作用もないとされる。これらの性質から PEG は、浸透圧を利用する生化学実験(特に浸透圧ストレス法)に最も適した材料のひとつである。
生物学では細胞への DNA導入や細胞融合に用いられる。DNA導入は、PEG 存在下ではプロトプラストに DNA が取り込まれやすくなることを利用した方法である。細胞融合は、細胞を PEG で処理することによって細胞膜が結合し、PEG を取り除くと細胞が融合することを利用した方法である。
考古学においては、古い木造品を保存する際に、内部の水分と PEG とを交換して固化することで保存するために用いられる。この方法は PEG を融点以上の温度にして木材中に浸透させて内部の水分と置き換え、その後、常温に戻して固化させ、木材組織を維持する方法である。
PEO はリチウムイオンポリマー二次電池の絶縁材および電解質溶媒として用いられる。拡散速度が低いので機能に高温を要することも多いが、粘度が高いため融点に近い温度でも非常に薄い電解質層を作ることが可能である。結晶化によって性能が落ちることもあるが、逆に多くの塩によって結晶化が抑制される。このような性質により、他のリチウムイオン二次電池よりも軽量の割には大エネルギーを出すことができる。
Japanese Journal
- 非血縁臍帯血移植後にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油によるアナフィラキシー症状を示した急性リンパ性白血病の1男児
- 高橋 和也,合井 久美子,本名 浩子,廣瀬 衣子,赤羽 弘資,黒田 格,根本 篤,佐藤 広樹,犬飼 岳史,中澤 眞平,杉田 完爾
- 日本小児血液学会雑誌 25(3), 135-139, 2011-06-30
- NAID 10029312297
- 宮本 敬久,大石 彬靖,河岸 丈太郎,石橋 明子,木下 義将,目加田 遥子,本城 賢一
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 58(3), 127-130, 2011-03-15
- … aeruginosa NBRC 13275以外の3種の細菌に対して実際の使用濃度で完全に付着阻害効果を示した洗剤は4種であった.成分表示から直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を含み,アルキルアミンオキシドを含まない製剤の付着阻害効果が高いことが示唆された. …
- NAID 10027868982
Related Links
- PEG を他の疎水性分子に結合すれば非イオン性界面活性剤(PEG部分はポリオキシ エチレン[POE]鎖と呼ばれる)が得られ、化粧品の乳化剤などに用いられている。 PEG をタンパク質性医薬品に結合すると、タンパク質の分解を抑制する効果(”ステルス化”) ...
- 世界大百科事典 第2版 ポリオキシエチレンの用語解説 - →ポリエチレングリコール※ 本文は出典元の用語解説の一部を掲載しています。...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ハロペリドール錠0.75mg「CH」
組成
ハロペリドール錠0.75mg「CH」:
成分・含量(1錠中)
添加物
- 乳糖,セルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,トウモロコシデンプン,硬化油,ステアリン酸マグネシウム,無水ケイ酸
禁忌
- 昏睡状態の患者[昏睡状態が悪化するおそれがある。]
- バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
- 重症の心不全患者[心筋に対する障害作用や血圧降下が報告されている。]
- パーキンソン病の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]
- 本剤の成分またはブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者
- アドレナリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 妊婦または妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 統合失調症,躁病
- ハロペリドールとして、通常成人1日0.75〜2.25mgから始め、徐々に増量する。
維持量として、1日3〜6mgを経口投与する。
なお、年齢,症状により適宜増減する。
- 本剤を増量する場合は慎重に行うこと。[本剤の急激な増量により悪性症候群(Syndrome malin)が起こることがある。]
慎重投与
- 肝障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
- 心・血管疾患,低血圧,またはこれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれることがある。]
- QT延長を起こしやすい患者[QT延長が発現するおそれがある。]
- QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者
- 低カリウム血症のある患者 等
- てんかん等の痙れん性疾患,またはこれらの既往歴のある患者[痙れん閾値を低下させることがある。]
- 甲状腺機能亢進状態にある患者[錐体外路症状が起こりやすい。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 小児(「小児等への投与」の項参照)
- 薬物過敏症の患者
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者,脳に器質的障害のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。]
- 高温環境下にある患者[体温調節中枢を抑制するため、高熱反応が起こるおそれがある。]
重大な副作用
悪性症候群(Syndrome malin):
- 無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下や、筋強剛を伴う嚥下困難から嚥下性肺炎が発現することがある。
なお、高熱が持続し、意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。(「用法及び用量に関連する使用上の注意」,「慎重投与」の項参照)
心室細動,心室頻拍:
- 心室細動,心室頻拍(Torsades de pointesを含む),QT延長があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量または投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス:
- 腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩および腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
遅発性ジスキネジア:
- 長期投与により、遅発性ジスキネジア(口周部の不随意運動,四肢の不随意運動等を伴うことがある。)があらわれ、投与中止後も持続することがある。抗パーキンソン剤を投与しても、症状が軽減しない場合があるので、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与継続の必要性を、他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):
- 低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙れん,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限など適切な処置を行うこと。
無顆粒球症,白血球減少,血小板減少:
- 無顆粒球症,白血球減少(初期症状として発熱,咽頭痛,全身けん怠等),血小板減少(初期症状として皮下・粘膜下出血等)があらわれることがあるので、異常があらわれた場合には、血液検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症:
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中および尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
肺塞栓症,深部静脈血栓症:
- 抗精神病薬において、肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ,胸痛,四肢の疼痛,浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸:
- AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-P,ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ブチロフェノン誘導体に分類される抗精神病薬で、ドパミン受容体(D2)とセロトニン受容体(5‐HT2)に対して強い遮断作用を示す。D1受容体に対する遮断作用はD2受容体の1/100程度である。ムスカリン受容体,ヒスタミン受容体,アドレナリンα受容体に対する作用は極めて弱い。統合失調症における精神運動興奮,幻覚,妄想などの陽性症状に有効である。昏迷,無為,自閉状態にも効果があるとされている。強い制吐作用がある。抗ヒスタミン作用,抗コリン作用は弱いので、フェノチアジン誘導体と比較して自律神経系,循環器系に対する作用は少ない。9)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 4-[4-(4-Chlorophenyl)-4-hydroxypiperidin-1-yl]-1-(4-fluorophenyl)butan-1-one
分子式
分子量
融点
性状
- ハロペリドールは白色〜微黄色の結晶又は粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、2-プロパノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- polyethylene glycol、polyethyleneglycol、PEG
- 同
- マクロゴール macrogol
- 商
- Colovate, Colyte, GoLYTELY
- (免疫グロブリンの処理)テタノブリン、ヘブスブリン、グロベニン、ヴェノグロブリン
- (経口腸管洗浄剤)ムーベン、ニフプラス、ニフレック
- (軟膏)ウレパール、フルコート、マクロゴール
- 関
- トリトン、ポリオキシエチレン
[★]
- 英
- macrogol
- ラ
- macrogolum
- 関
- トリトン triton、ポリエチレングリコール polyethylene glycol PEG、ポリオキシエチレン polyoxyethylene
- マクロゴール6000、マクロゴール4000、マクロゴール400
[★]
- 英
- triton
- 関
- ポリエチレングリコール、マクロゴール、ポリオキシエチレン
[★]
ポリオキシエチレン
- 関
- macrogol、polyethylene glycol、triton
[★]
- 英
- polyoxyethylene laurylalcohol ether, polyoxyethylene lauryl alcohol ether
- 関
- ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル polyoxyethylene lauryl ether