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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/18 14:29:48」(JST)
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ニガクリタケ |
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分類 |
界 |
: |
菌界 Fungi |
門 |
: |
担子菌門 Basidiomycota |
亜門 |
: |
菌蕈亜門 Hymenomycotina |
綱 |
: |
真正担子菌綱 Homobasidiomycetes |
目 |
: |
ハラタケ目 Agaricales |
科 |
: |
モエギタケ科 Strophariaceae |
亜科 |
: |
モエギタケ亜科 Stropharioideae |
属 |
: |
クリタケ属 Hypholoma |
種 |
: |
ニガクリタケ H. fasciculare |
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学名 |
Hypholoma fasciculare
(Hudson: Fr.) Kummer |
和名 |
ニガクリタケ |
ニガクリタケ(苦栗茸、Hypholoma fasciculare(Hudson:Fr.)Kummer)はハラタケ目モエギタケ科モエギタケ亜科クリタケ属のキノコ。有毒。毒性は強く多くの死亡例がある[1] 。ニガコ(東北)、スズメタケ(青森)などの地方名がある。
目次
- 1 特徴
- 2 有毒種
- 3 類似の食用種
- 4 その他
- 5 参考画像
- 6 出典
- 7 脚注
- 8 参考文献
- 9 外部リンク
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特徴 [編集]
ほぼ一年中見ることが出来る。針葉樹および広葉樹の木材や切り株などに発生する傘の直径が2~5cm程度小型のキノコ。傘は鮮黄色から淡褐色。幼菌時の皮膜の名残が傘の縁や柄にあるが、消失しやすい。名前の通り生のものは味が苦く、飲み込まずに味見をすることで区別できる。加熱すると苦みは消えるが、毒性はそのままである。
分布 [編集]
北アメリカ、ヨーロッパなどの地域にも分布する。
有毒種 [編集]
毒成分はトリテルペンのファシクロール(ファシキュロール、fasciculol)E、F [2][3] で、カルモジュリン阻害作用を持つ。致死性の毒成分は未解明。1983年に千葉大学の藤本らの研究によりマウスに対する毒性が確認される。
中毒症状 [編集]
食後3時間程度で症状が現れる。消化器系の症状が中心で強い腹痛、激しい嘔吐、下痢、悪寒など。重症の場合は、脱水症状、アシドーシス、痙攣、ショック、手足の麻痺などを経て神経麻痺、肝障害などを引き起こし、最悪の場合死に至る。しかし、一部には毒抜きをして食べる習慣のある地域もある。[1]
中毒例 [編集]
青森県の一家の中毒例。佃煮にして6名で食したところ、子供3人(5、7、10歳)が2日後に死亡、13歳長女は4日後に死亡。ともに6-8時間後に舌の痺れ、激しい嘔吐、その後意識不明、腹部から首にかけての紫斑などが現れ、急死。38歳の母親は一時意識不明になるが4日後に回復。46歳の父親も同様の症状を発症するが20時間で回復。両親が子供たちのために、自分たちは少しだけ食べて残りを食べさせたことが子供だけ死亡した原因とみられ、今関六也は「涙ぐましい親心があだとなってしまった」と評している。
類似の食用種 [編集]
食用であるクリタケと外見が良く似ている。ほかにナラタケ、ナラタケモドキと誤認される。
その他 [編集]
トリウムやウランを蓄積しやすい[4]。
参考画像 [編集]
出典 [編集]
- 自然毒のリスクプロファイル:ニガクリタケHypholoma fasciculare(モエギタケ科クリタケ属)厚生労働省
脚注 [編集]
- ^ a b 胃腸障害を引き起こすきのこ-財団法人 日本中毒情報センター
- ^ 中毒の原因となる毒キノコ ニガクリタケ(猛毒)モエギタケ科 東京都福祉保健局
- ^ Grünblättriger Schwefelkopf (Hypholoma fasciculare)
- ^ Substrate role in the accumulation of heavy metals in sporocarps of wild fungi.Biometals. 2009 Oct;22(5):835-41. Epub 2009 Mar 31
参考文献 [編集]
- 今関六也『日本のきのこ 山渓カラー名鑑』(山と渓谷社)
外部リンク [編集]
Japanese Journal
- ニガクリタケおよびモエギタケ科属種子実体における毒成分ファシキュロールEの生産性
- 日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology 22(4), 147-152, 2015-01-31
- NAID 110009923640
- ニガクリタケ中毒による消化管障害を内視鏡的に観察し得た1例
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 54(4), 1457-1463, 2012-04-20
- NAID 10030649582
Related Links
- ニガクリタケ。モエギタケ科。ニガクリタケはカサの直径は2~5cmほど、ツカの長さは4~10cmの比較的小さなキノコで食用のクリタケとよく似ている毒キノコです。ニガクリタケのカサの色は淡い鮮やかな黄色で形は幼い時は半円球 ...
- ニガクリタケは傘がレモン色から茶色のものをある。ひだはオリーブ色(うすい緑) よく似ている食用きのこ クリタケ(上)は栗色から茶色で傘が3-8 cm程度で、幼菌では傘に繊維状の破片のようなもの(赤矢印)が見られる。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- mushroom poisoning、mycetism、mycetismus
- 関
- 毒キノコ中毒
原因
- 参考2
分類
- 参考2改変
- 潜伏時間:食後30分~6時間
- 症状:発汗、よだれ、しびれ、悪酔い、幻覚、興奮、精神錯乱等 → 副交感神経刺激症状+急性アルコール中毒様症状
- テングタケ、ドクササコ、ホテイシメジ、ヒトヨタケ、ベニテングタケ?、ウロコテングタケ?
参考
- 1. 保健所だより第37号 毒キノコにご用心! 東京都福祉保健局
- http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamafuchu/kouhou/hokensho/h37/index.html
- 2. 毒キノコ、ふぐの毒について 東京都福祉保健局
- http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamakodaira/shokuhin/s_chuudoku/kino_hugu/index.html
- 3. キノコの話|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
- http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kinoko/