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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/29 15:23:48」(JST)
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タマゴテングタケ
Amanita phalloides
|
|
| 分類 |
| 界 |
: |
菌界 Fungus |
| 門 |
: |
担子菌門 Basidiomycota |
| 綱 |
: |
菌じん綱 Hymenomycetes |
| 目 |
: |
ハラタケ目 Agaricales |
| 科 |
: |
テングタケ科 Amanitaceae |
| 属 |
: |
テングタケ属 Amanita |
| 種 |
: |
タマゴテングタケ phalloides |
|
| 学名 |
| Amanita phalloides |
| 和名 |
| タマゴテングタケ |
| 英名 |
| Death Cap |
タマゴテングタケ(卵天狗茸、Amanita phalloides)はハラタケ目テングタケ科テングタケ属のキノコで、猛毒菌として知られている。
夏から秋、主にブナやミズナラ林に生える。傘はオリーブ色、柄は白色でつばがある。ひだに濃硫酸をたらすと淡紅紫色に変色するという、他のキノコには見られない特徴があり、このキノコの判別に用いられる。
種名phalloidesの意味は「男根 (phallus) に似た (-oides) 」であるが、文字通りの意味なのか、Phallus(スッポンタケ属)に似ているという意味なのかははっきりしない。
目次
- 1 毒性
- 2 中毒の治療
- 3 脚注
- 4 外部リンク
毒性[編集]
ヨーロッパには多く自生しており、death capと呼ばれ、よく知られた毒キノコの一つである。日本においてもドクツルタケやシロタマゴテングタケとともに猛毒キノコ御三家と呼ばれ[1]、北海道で発見されることがあるが、本州以南の地域では見つかることは稀である。
中毒症状はドクツルタケやシロタマゴテングタケ同様、2段階に分けて起こる。まず食後24時間程度でコレラの様な激しい嘔吐・下痢・腹痛が起こる。その後、小康状態となり、回復したかに見えるが、その数日後、肝臓と腎臓等内臓の細胞が破壊されて最悪の場合死に至る。
古くから知られている毒キノコであるため、その毒素成分(キノコ毒)の研究も進んでおり、アマトキシン類、ファロトキシン類、ビロトキシン類などがその毒素であることが明らかにされている。これらは8つのアミノ酸が環状になった環状ペプチドであり、タマゴテングタケの毒性はこのうち主にアマトキシン (amanitatoxin) 類によると考えられている。毒性はα-amanitinw で、マウス (LD50) 0.3mg/kg。[2]
アマニチン (amanitin) は消化管からの吸収が早く、1時間程度で肝細胞に取り込まれる。[2]アマトキシン類はこれらのキノコ毒の中では遅効性で(15時間くらいから作用が現れる)あるが毒性は強く、タマゴテングタケの幼菌1つにヒトの致死量に相当するアマトキシン類が含有されている。アマトキシンはヒトの細胞においてDNAからmRNAの転写を阻害する作用を持ち、これによってタンパク質の合成を妨げ、体組織、特に肝臓や腎臓などを形成する個々の細胞そのものを死に至らしめることが、このキノコ毒の毒性につながっている。
中毒の治療[編集]
解毒剤は存在しないため、毒性分の体外排出促進と脱水症状への対症療法を施す。肝機能検査、腎機能検査と活性炭投与(4時間おき)は数日間継続。強制利尿。血液吸着[3]毒性分が濾過膜を通過し難いので血液透析は無効とされている。
- 治療例
- 酸素吸入、人工呼吸、輸液、肝保護剤の投与。
- 摂食後6時間以内の場合、胃洗浄。
- 摂食後6時間以上経過の場合、活性炭及び下剤(D-ソルビトール液(75%)2mL/kg)投与。十二指腸チューブによる胆汁の除去。
脚注[編集]
- ^ 大海淳 著 『いますぐ使えるきのこ採りナビ図鑑』 大泉書店、2006年10月1日発行、ISBN 978-4-278-04717-2、60頁。
- ^ a b アマニタトキシン群(タマゴテングタケ、ドクツルタケ)財団法人 日本中毒情報センター
- ^ 吸着法(adsorption)日本血液浄化技術研究会
外部リンク[編集]
- タマゴテングタケの毒性 - 医薬品情報21
- 中毒情報データベース - 財団法人 日本中毒情報センター
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 雑記帳 野外で出会う毒 ドクツルタケとシロタマゴテングタケ
- 食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan 45(5), "J-263"-"J-264", 2004-10-25
- NAID 10014277656
- 中毒性腎症:早期診断と予防 IV 外因性物質 2 毒物 3) 生物毒:3)生物毒
Related Links
- 「派手なやつは毒がある」「地味な奴の方が危ない」「茎が縦に避ければセーフ」「虫が食べていれば毒がない」「どんな毒キノコも適切に加工すれば毒が抜ける」などなど、数々の迷信で多くの人々を苦しめてきた毒キノコですが ...
- 発生時期 夏から秋 発生場所 針葉樹,広葉樹林の地上に発生する。 その他 地方名: 間違えやすい きのこ ドクツルタケに似ているが柄にささくれがなく,小型である。同じテングタケ属で白いキノコにシロテングタケがある。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- mushroom poisoning、mycetism、mycetismus
- 関
- 毒キノコ中毒
原因
- 参考2
分類
- 参考2改変
- 潜伏時間:食後30分~6時間
- 症状:発汗、よだれ、しびれ、悪酔い、幻覚、興奮、精神錯乱等 → 副交感神経刺激症状+急性アルコール中毒様症状
- テングタケ、ドクササコ、ホテイシメジ、ヒトヨタケ、ベニテングタケ?、ウロコテングタケ?
参考
- 1. 保健所だより第37号 毒キノコにご用心! 東京都福祉保健局
- http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamafuchu/kouhou/hokensho/h37/index.html
- 2. 毒キノコ、ふぐの毒について 東京都福祉保健局
- http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamakodaira/shokuhin/s_chuudoku/kino_hugu/index.html
- 3. キノコの話|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
- http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kinoko/