トラマドール
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Japanese Journal
- 新しいオピオイドを活用する : トラマールカプセル (特集 活用しよう!緩和ケアの新しい薬剤)
- がん疼痛治療薬トラマドール塩酸塩(トラマール^【○!R】カプセル25mg・50mg)の薬理作用と臨床試験成績
- 廣内 雅明,田中 麻美子,西村 健志
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 137(4), 189-197, 2011-04-01
- トラマール®カプセル25 mg・50 mg(有効成分:トラマドール塩酸塩)は,「軽度から中等度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」の効能・効果で2010年7月に承認された.トラマドール塩酸塩はμ-オピオイド受容体を介する作用,ならびにノルアドレナリンやセロトニンの再取り込み系を抑制する作用を有し,これらが抗侵害作用の主たる作用機序と考えられている.軽度から中等度のがん疼痛患者を対象とした臨床 …
- NAID 10029417589
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- 2010年09月17日 がん疼痛治療剤「トラマール®カプセル」新発売のお知らせ 日本新薬は、がん疼痛治療剤「トラマール®カプセル25mg」、「同50mg」(一般名:トラマドール塩酸塩)を本日、新発売しましたのでお知らせいたします。
- トラマールとは?トラマドールの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 成分(一般名) : トラマドール塩酸塩 製品例 : トラマールカプセル25mg~50mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価 区分
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
トラマールカプセル25mg
組成
組成
- 1カプセル中にトラマドール塩酸塩25mgを含有する。
添加物
- 結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムを含有し、カプセル本体に酸化チタン、黄色三二酸化鉄、赤色3号、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチンを含有する。
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒患者[中枢神経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。]
- モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者、又は投与中止後14日以内の患者(「相互作用」の項参照)
- 治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある。]
効能または効果
- 非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
疼痛を伴う各種癌
慢性疼痛
- 慢性疼痛患者においては、その原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
- 通常、成人にはトラマドール塩酸塩として1日100〜300mgを4回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。ただし1回100mg、1日400mgを超えないこととする。
初回投与量
- 本剤を初回投与する場合は、1回25mgから開始することが望ましい。
投与間隔
- 4〜6時間ごとの定時に経口投与すること。ただし、生活時間帯に合わせて投与間隔を調整することも可能とする。
増量及び減量
- 本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。増量・減量の目安は、1回25mg(1日100mg)ずつ行うことが望ましい。
がん疼痛患者における疼痛増強時の臨時追加投与(レスキュー・ドーズ)
- 本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突出痛が発現した場合は、直ちに本剤の臨時追加投与を行って鎮痛を図ること。本剤の臨時追加投与の1回投与量は、定時投与中の本剤の1日量の1/8〜1/4を経口投与すること。
投与の継続
- 慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
投与の中止
- 本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
- がん疼痛患者において、本剤の1日の定時投与量が300mgで鎮痛効果が不十分となった場合、本剤の投与を中止し、モルヒネ等の強オピオイド鎮痛剤への変更を考慮すること。その場合には、定時投与量の1/5の用量の経口モルヒネを初回投与量の目安とすることが望ましい。また、経口モルヒネ以外の強オピオイド鎮痛剤に変更する場合は、経口モルヒネとの換算で投与量を求めることが望ましい。
高齢者への投与
- 75歳以上の高齢者では、本剤の血中濃度が高い状態で持続し、作用及び副作用が増強するおそれがあるので、1日300mgを超えないことが望ましい(「薬物動態」の項参照)。
慎重投与
- オピオイド鎮痛剤を投与中の患者[痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある(「相互作用」の項参照)。]
- 腎障害又は肝障害のある患者[高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがあるので、患者の状況を考慮し、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。]
- てんかんのある患者、痙攣発作を起こしやすい患者又は痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣発作を誘発することがあるので、本剤投与中は観察を十分に行うこと。]
- 薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者[依存性を生じやすい。]
- 呼吸抑制状態にある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。]
- オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(頻度不明※)
- ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支痙攣、喘鳴、血管神経性浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣(頻度不明※)
- 痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
依存性(頻度不明※)
- 長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止すること。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがあるので、適切な処置を行うこと。また、薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者では、厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。
意識消失
- 意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用に関する検討(in vivo)10), 11), 12)
- マウス及びラットを用いたライシング法、ホットプレート法及びテールフリック法による侵害刺激実験において、トラマドール塩酸塩は経口、腹腔内又は皮下投与で鎮痛効果を示した。代謝物M1の塩酸塩をラットに静脈内投与した場合、テールフリック法による侵害刺激反応をトラマドール塩酸塩よりも低用量から抑制した。
- マウスを用いたテールフリック法による侵害刺激法において、トラマドール塩酸塩を腹腔内投与した時の鎮痛作用はオピオイド受容体拮抗薬であるナロキソン塩酸塩で抑制された。一方、α2-アドレナリン受容体拮抗薬であるヨヒンビン塩酸塩及びセロトニン2型受容体拮抗薬であるリタンセリンは、マウスにトラマドール塩酸塩をくも膜下腔内に投与した時の鎮痛作用を抑制した。
- ラットの坐骨神経を部分結紮した神経障害性疼痛モデルにおいて、トラマドール塩酸塩は経口投与で抗アロディニア作用を示した。
作用点に関する検討(in vitro)13)
- ラット脳を用いた受容体結合実験において、トラマドール塩酸塩はδ及びκ-オピオイド受容体よりもμ-オピオイド受容体に高い結合親和性を示した。M1塩酸塩のラットμ-オピオイド受容体に対する結合親和性は、モルヒネ塩酸塩に劣るもののトラマドール塩酸塩より高かった。
- ラット脳を用いた取り込み実験において、トラマドール塩酸塩はノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み系を抑制した。これらの再取り込み系に対するM1塩酸塩の抑制作用は、トラマドール塩酸塩と同程度あるいは弱かった。
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
本品は水、メタノール、酢酸(100)又はエタノール(95)に溶けやすく、無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- tramadol、
- 化
- 塩酸トラマドール tramadol hydrochloride
- 商
- トラマール、トラムセット、クリスピン
- 関
- 鎮痛薬、中枢性鎮痛薬
[★]
- 英
- llama
- 関
- 新世界ラクダ類