- 英
- dill、Anethum graveolens
- 関
- イノンド
WordNet
- aromatic Old World herb having aromatic threadlike foliage and seeds used as seasoning (同)Anethum_graveolens
- aromatic threadlike foliage of the dill plant used as seasoning (同)dill weed
PrepTutorEJDIC
- イノンド(セリ科の植物で,種子は薬品やピクルスの香料に用いる)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/11 06:04:32」(JST)
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イノンド |
イノンド
(画)オットー・ヴィルヘルム・トーメ
|
分類(APG III) |
界 |
: |
植物界 Plantae |
階級なし |
: |
被子植物 angiosperms |
階級なし |
: |
真正双子葉類 eudicots |
階級なし |
: |
コア真正双子葉類 core eudicots |
階級なし |
: |
キク類 asterids |
階級なし |
: |
キキョウ類 campanulids |
目 |
: |
セリ目 Apiales |
科 |
: |
セリ科 Apiaceae |
属 |
: |
イノンド属
Anethum [1][2] |
種 |
: |
イノンド
A. graveolens [2][3] |
|
学名 |
Anethum graveolens L. [3][4] |
和名 |
イノンド[3][2] |
英名 |
dill [4] |
イノンド(蒔蘿、Anethum graveolens)はセリ科の一年草。英名はディル (dill)。種子や葉を香味料や生薬として用いる。
イノンド属 (Anethum) に属する唯一の種であるが、稀にカワラボウフウ属 (Peucedanum) に分類されることもある。西南アジアから中央アジアが原産。成長すると高さ40-60cmに達し、細い茎には細かく裂開した柔らかな葉が互生する。成長した葉は長さ10-20cm、幅1-2mmほどとなる。花は白か黄色で、2-9cmほどの小さな繖形花序をつくる。種子は長さ4-5mm、厚さ1mmほどで、直線またはやや湾曲した形をしており、表面は縦方向に波状のうねりをもつ。 香りの主成分はカルボン。他にリモネン、ピネン、ジペンテン、フェランドレンを含む。
英名 (dill) はノルウェー語またはアングロサクソン語で「なめらかな」あるいは「あやす」を意味する言葉「dylle」に由来すると考えられており、これはこの植物が駆風薬として痛みを和らげる作用を持つためである[要出典]。
和名のイノンドは、スペイン語の呼称イネルド(eneldo)が転化したものといわれている[5]。また、イノンドは同じセリ科のキャラウェイと同じくヒメウイキョウと呼ばれることがある[6]。
目次
- 1 用途
- 2 栽培
- 3 ギャラリー
- 4 脚注および参考文献
用途
イノンドは薬草として古くからヨーロッパ・北アフリカ・アジアで栽培されてきた。5000年前にはエジプトの医師に使用されており、またイギリスにあるローマ時代の廃墟からもその痕跡が見つかっている。また、中世には魔術を防ぐ効果があるとも考えられていた。
イノンドはセム系言語では「シュビット」と呼ばれており、タルムードには十分の一税をイノンドの種子、葉、または茎で支払うことと命じた箇所がある。新約聖書にはパリサイ人がイノンドで税を支払っていたことを記述する場面がある(「マタイによる福音書」23章23節)。
イノンドを含め、セリ科の香辛料は混同や混乱が多い。韓国市場での蒔蘿子はフェンネルであることが多く、中国浙江省では蒔蘿子の名でドクゼリの種子が取引されていた。また、ヨーロッパ向けに輸出されているインド産のディルはキャラウェイの代用品とされている。
シダ状の葉にはキャラウェイのような芳香があり、今日でも香草として、グラブラックス(塩漬けの鮭)、ボルシチなどのスープ、ピクルスなど、様々な料理に使用されている。ただし、イノンドの葉は乾燥するとすぐに香りが失われてしまうため、新鮮なうちに使用する必要がある。
種にも強い香りと味があり、スパイスとしてカレーやピクルスなどに使用する。また、種は薬用としても使用される。ポーランド料理には欠かせない食材であり、ピクルスやサラダ、あるいは冷製スープやオードブルなどに大量に使用される。北アメリカではディルとピクルスで自然とポーランド人が連想される。
栽培
栽培には熱い夏と高い日射量を必要とし、一部が日陰になるだけでも収穫量は減少する。肥沃で水はけの良い土地を好む。フェンネルとは交雑しやすいため、繁殖用に種子を目的として栽培するものは互いに近くで栽培するべきではない。
種のほか苗も市販されているが移植を嫌う性質があるので、種から育てる方が望ましいとされている。したがって種をまく際も育苗ポットなどではなく露地やプランター・鉢などに直まきする。筋蒔きし、発芽後に間引く。草丈が15-20cmになると支柱立てや株元への土寄せで株が倒れるのを防ぐ。耐寒性があるので冬越しも可能だが霜には注意すること。
種を収穫するときは、種が熟成しはじめたら花頭を茎から切り取り、紙袋に上下逆に入れて乾燥した暖かい場所に一週間ほど置く。茎から離れた種は密閉容器に保存する。種子は3年から10年は生育可能である。
ギャラリー
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デンマークのニシンのサラダ。マヨネーズでディルの葉があしらってある。
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マスの塩焼き。ブロッコリー(右)とディル、ジャガイモ添え。
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アラビア語の生薬の書籍。クミンとディル。1334年頃。
脚注および参考文献
- ^ 米倉浩司 『高等植物分類表』 北隆館、2010年、重版。ISBN 978-4-8326-0838-2。
- ^ a b c 大場秀章(編著) 『植物分類表』 アボック社、2010年、第2刷。ISBN 978-4-900358-61-4。
- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Anethum graveolens L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月4日閲覧。
- ^ a b Missouri Botanical Garden. “Anethum graveolens L.”. Tropicos. 2012年8月4日閲覧。
- ^ ディル/Dillエスビー食品 ハーブ検索 2015年5月10日閲覧
- ^ イノンドエーザイ くすりの博物館 2015年5月10日閲覧
- ^ ヨーグルトに塩、ニンニク、キュウリ、ミント、ライムジュースとともにディルを使う。本品にはオリーブオイルも使われている。
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ウィキメディア・コモンズには、イノンドに関連するメディアおよびカテゴリがあります。 |
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ウィキスピーシーズにイノンドに関する情報があります。 |
- Hamilton, Andy (2005). "Selfsufficientish - Dill". Retrieved 25 May 2005.
- Anethum graveolens - Encyclopedia of Life
- 武政三男 『スパイス&ハーブ辞典』 文園社、1997年。ISBN 4893361015。
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- ニューディールの総決算 : 国家に寄生し侵食する新自由主義 (特集 外注化・労組破壊と闘う米労働運動)
Related Links
- Aneto [アネト](伊)、Aneth [アネット](仏)、 Dill weed [ディルウィード](英)、蒔羅 [シールオ]、 土茴香 ... 魚介のマリネやスモークサーモン等、魚料理と組み合わせたレシピが多い。細葉を刻んで、マヨネーズやチーズ ...
- ディルとは、地中海沿岸原産のセリ科のハーブで、葉にはさわやかな芳香があり、魚とよく合うので「魚のハーブ」とも呼ばれ、鮭によく使われます。また、ディルをきざんでドレッシングやマヨネーズ、スープなどにも使います。
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
リピディル錠53.3mg
組成
成分・含量
添加物
- 含水二酸化ケイ素,クロスカルメロースナトリウム,クロスポビドン,軽質無水ケイ酸,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒプロメロース,ラウリル硫酸ナトリウム
禁忌
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
- 肝障害のある患者
[肝障害を悪化させることがある.]
- 中等度以上の腎機能障害のある患者(目安として血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上)
[横紋筋融解症があらわれることがある.]
- 胆のう疾患のある患者
[胆石形成が報告されている.]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性,授乳婦(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 総コレステロールのみが高い高脂血症(IIa型)に対し,第一選択薬とはしないこと.
- カイロミクロンが高い高脂血症(I型)に対する効果は検討されていない.
- 通常,成人にはフェノフィブラートとして1日1回106.6mg〜160mgを食後経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜減量する.1日160mgを超える用量は投与しないこと.
- 総コレステロール及びトリグリセライドの両方が高い高脂血症(IIb及びIII型)には,1日投与量を106.6mgより開始すること.なお,これらの高脂血症患者において,高血圧,喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターを有し,より高い治療目標値を設定する必要のある場合には1日投与量を159.9mg〜160mg注)とすること.
注)159.9mgは53.3mg錠を3錠,160mgは80mg錠を2錠用いる.
- トリグリセライドのみが高い高脂血症(IV及びV型)には,1日投与量53.3mgにおいても低下効果が認められているので,1日投与量を53.3mgより開始すること.
- 肝機能検査に異常のある患者又は肝障害の既往歴のある患者には,1日投与量を53.3mgより開始すること(「慎重投与」の項参照).
- 急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症(「副作用 重大な副作用」の項参照)があらわれることがあるので,投与にあたっては患者の腎機能を検査し,血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上の場合には投与を中止し,血清クレアチニン値が1.5mg/dL以上2.5mg/dL未満の場合は53.3mgから投与を開始するか,投与間隔を延長して使用すること.
- 本剤はフェノフィブラートの吸収を高めるため,固体分散体化した製剤であり,本剤106.6mg(53.3mg製剤2錠)は微粉化フェノフィブラートカプセル製剤134mgと,また本剤160mg(80mg製剤2錠)は微粉化フェノフィブラートカプセル製剤200mgと生物学的に同等である(「薬物動態」の項参照).
慎重投与
- 肝機能検査に異常のある患者又は肝障害の既往歴のある患者
[肝機能検査値の異常変動があらわれるおそれがある.]
- 軽度な腎機能障害のある患者(目安として血清クレアチニン値が1.5mg/dL以上2.5mg/dL未満)
[横紋筋融解症があらわれることがあるので投与量を減ずるか,投与間隔を延長し使用すること.]
- 胆石の既往歴のある患者
[胆石形成が報告されている.]
- 抗凝血剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム,シンバスタチン,フルバスタチンナトリウム等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
横紋筋融解症(0.1%未満)
- 筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ,これに伴って急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
肝障害(0.1〜5%未満)
- 肝炎や黄疸,AST(GOT),ALT(GPT)等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
膵炎(頻度不明)
- 重度の腹痛,嘔気,嘔吐,アミラーゼ上昇,リパーゼ上昇等を特徴とする膵炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
==
血清脂質改善作用====
高脂血症患者の血清総コレステロール及び血清トリグリセライドを有意に低下させ,HDLコレステロールを有意に上昇させた16).
==
血清総コレステロール低下作用22),23)====
正脂血ラット,フルクトース負荷及びコレステロール負荷ラット,コレステロール負荷ハムスターへの反復経口投与において,用量依存的に血清コレステロール濃度を低下させた.
==
血清トリグリセライド低下作用22),23)====
正脂血ラット,フルクトース負荷ラット及びコレステロール負荷ハムスターへの反復経口投与において,用量依存的に血清トリグリセライド濃度を低下させた.
==
作用機序====
核内受容体 peroxisome proliferator-activated receptor α(PPARα)を活性化して種々の蛋白質の発現を調節することにより脂質代謝を総合的に改善させ,血清コレステロール濃度と血清トリグリセライド濃度を低下させるとともに,血清HDLコレステロールを上昇させる24)〜26).
==
コレステロール低下作用====
- LDL異化速度を亢進させる(ラット)27).
- ステロールの胆汁中への排泄を促進させる(ラット)27).
- 肝コレステロール合成を抑制する(ラット)28).
==
トリグリセライド低下作用====
- リポ蛋白リパーゼ活性を亢進させ,トリグリセライド消失速度を上昇させる(ラット)27).
- 肝臓でのトリグリセライド生合成を抑制する(ラット)28).
- VLDLトリグリセライドの分泌を抑制する(ラット)29).
==
HDLコレステロール上昇作用30),31)====
HDLの主要構成蛋白であるアポA-I及びA-IIの産生を増加させる(in vitro).
有効成分に関する理化学的知見
分子量
融 点
性 状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である.
アセトニトリル,アセトン,酢酸エチル又はジエチルエーテルに溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けやすく,ヘキサンにやや溶けにくく,水にほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
[★]
ディル
- 関
- Anethum graveolens
[★]
- ラ
- Anethum graveolens
- 関
- ディル
[★]
ディル、イノンド
- 関
- dill
[★]
ジブカイン、ヒドロコルチゾン、フラジオマイシン、エスクロシド
[★]
- 英
- Wardill-Kilner method, Wardill-Kilner technique
- 同
- Wardill-Kilnerの方法