出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/21 06:49:53」(JST)
ガングリオン嚢胞(-のうほう)とは非がん性のゼリー状の液体で満たされたこぶ(嚢胞)で、手首や手の腱と関節周辺に主に発症する。足に表れることもある。
ガングリオン嚢胞は突然発生することもあれば、徐々に進行する場合もある。関節や腱の周りの部位の潤滑液が蓄積し、嚢胞となる。使いすぎや強くぶつけたりなどの後に多く発症するが、その正確なプロセスはわかっていない。
ほとんどの場合、ガングリオン嚢胞は痛みを伴わず、治療の必要も無い。多くは自然に消滅する。腫瘍による神経圧迫がおこり、痺れや痛みがおこる場合がある。痛みを生じたり、関節の動きを阻害するなどの原因でガングリオン嚢胞の治療が必要となった場合は、ガングリオン嚢胞内の潤滑液を排出するか、手術によって嚢胞を取り除く。その後、不快感をなくすため、コルチコステロイド懸濁液を注射することもある。テーブルのような硬いものの上に手を置き、分厚い本でたたいてガングリオン嚢胞をつぶすといった、昔ながらの治療法は有効性の根拠がなく、けがをするおそれがあるので、勧められない。約50%の人では、手術でガングリオンを切除する必要がある。手術後、約5%は再発する。ガングリオン嚢胞の手術は、手の外科専門の整形外科医が行わないと再発や神経損傷などの合併症が起こりやすいので、必ず手の外科専門の整形外科医を受診することが推奨される。
ガングリオン嚢胞は、20〜50歳で多く発症する。男性よりも女性が3倍多く発症する。最もできやすいのは手首の甲側で、このほか、手のひら側の手首や、指の手の甲側、表皮から数ミリ下の、粘液嚢胞と呼ばれる場所にも見られる。大きいものはピンポン玉ぐらいまで大きくなる。
使いすぎやぶつけた時の衝撃から体がその部分を守ろうとし、クッション材としてガングリオンを形成してしまうと考えられる。優しいタッチでガングリオン周辺の筋緊張を解消することで、クッション材としてのガングリオンの必要性がないことを体が判断し、自然に体内に吸収されていく。
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リンク元 | 「神経節嚢胞」「ganglion cyst」「粘液様嚢胞」 |
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