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- column chromatography
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- カラムクロマト、カラムクロマトグラフィ
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/01 14:35:11」(JST)
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オープンカラムクロマト管を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー
カラムクロマトグラフィーは、化合物の精製法(クロマトグラフィー)のひとつ。筒状の容器に充填剤をつめ、そこに溶媒に溶かした反応混合物を流し、化合物によって充填剤との親和性や分子の大きさが異なることを利用して分離を行う。GPCやHPLCもカラムクロマトグラフィーの一種であるが、通常カラムクロマトグラフィーと言う場合、シリカゲルカラムクロマトグラフィーのことを指すことが多い。
固定相の粒径が小さいほど、理論段数が高くなるが送流抵抗は大となる。 移動相の送流方法で
- オープンカラム - 溶媒の重力落下により送流する。
- フラッシュカラム - 数十 kg/cm3 以下のポンプで送流する。通常は単送ポンプの為、脈流である。
- 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
と呼び分ける。
目次
- 1 シリカゲルカラムクロマトグラフィー
- 1.1 方法
- 1.2 充填剤
- 1.3 展開溶媒
- 1.4 小技
- 2 HPLCカラム
- 3 関連項目
シリカゲルカラムクロマトグラフィー
方法
- 液体の出口に脱脂綿を詰める。
- 展開溶媒を適量入れ、径が一定になるところまで海砂または炭酸ナトリウムなどを詰める。このとき面が平らになるように注意する。
- 別の容器にシリカゲルを適量(分離する化合物の20倍程度)取り、展開溶媒を入れてよく混ぜる。
- (3) を (2) にゆっくりと、面が崩れないように入れる。
- 展開溶媒を流しながら、(4) を手で叩くなどして密に詰まるようにする。
- カラムの中の展開溶媒がシリカゲルの面ぎりぎりになったら、少量の展開溶媒に溶かした分離したい混合物をのせる。このときも面が崩れないように注意する。
- 混合物の溶液をシリカに染み込ませたら展開溶媒を流してカラムの反対側から出てくる液を試験管などに一定量ずつに分ける。
- 小分けにした液を細い管でTLCに打って分離しているか確認し、同じ Rf 値を持つものを集めて濃縮する。フラクションコレクター装置を使うとより便利である。
- うまく単一の化合物になっているかNMR等で確認する。
- うまくいっていたら終了。うまくいかなかったら、(1) に戻る。
充填剤
充填剤には基本的にシリカゲルを用いるが、シリカゲルは酸性であるために酸に弱い化合物が壊れてしまうという欠点がある。そのような場合には中性シリカゲルやアルミナを用いたり、展開溶媒に塩基を加えたりすることもある。
展開溶媒
展開溶媒は欲しいものと他のものとのTLCの Rf 値が十分に分かれる条件のものを用いる。 一種類の溶媒のみを使うこともあるが、一般にはいくつかの溶媒を混合して適切な Rf 値を達成するように極性を調整する。よく用いられる溶媒系はヘキサン-酢酸エチル、ヘキサン-ジクロロメタン、クロロホルム-メタノールなど。また、途中で混合溶媒の比率を変える(無修飾シリカカラムなどの順相カラムの場合は極性を上げる)ことで Rf 値の小さなものも流れてくるようになる。極性が同程度であっても用いる溶媒によってRf値は変わるので、分かれにくい時は別の溶媒系も試してみるとうまくいくかもしれない。
小技
化合物によっては、溶解性が低くジクロロメタンなどにしか溶けないにもかかわらず、それらの溶媒ではRf 値が高すぎて十分に分離できないものがある。そのような場合、ジクロロメタン溶液をシリカゲルなどの少量の担体と混合し、エバポレーターで溶媒を留去して吸着させる。これを上記の方法で作ったカラムに乗せ、ヘキサンなどで展開させる方法がある。これをまぶしカラムという。
HPLCカラム
HPLCの装置における分離を行う場。もしくは消耗部品。一般的には、微細な(数μm)真球状の多孔質シリカゲルをステンレス製の管に充填したものが多い。目的、分離手法に応じて様々なタイプのHPLCカラムが存在する。下記に代表的なカラムメーカーを列記する。
- 関東化学
- シグマ アルドリッチ ジャパン
- 日本ダイオネクス - Acclaim
- 資生堂 - カプセルパックが有名
- 昭和電工 - ブランド名:Shodex
- 東ソー
- Phenomenex
- メルク - モノリスカラムで有名
- 和光純薬工業 - ブランド名:Wakopak
- ナカライテスク- ブランド名:COSMOSIL
関連項目
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Japanese Journal
- セルロモナスNT3060株の防腐剤耐性グリセロールキナーゼの遺伝子クローニングと特性解析
- 曽我部 敦,北林 雅夫,森島 賢一,古川 美代子,八田 貴,福田 靖久,西瀬 弘,岡 正則,田村 隆,稲垣 賢二
- 生物工学会誌 92(8), 402-409, 2014-08-25
- … NT3060由来グリセロールキナーゼを各種カラムクロマトグラフィーにより均一に精製し,その酵素学的特性を明らかにした.本グリセロールキナーゼの安定性は好熱性細菌由来のグリセロールキナーゼと比較すると不安定であるが,37℃付近の実用温度では十分安定であり,弱酸性領域から弱アルカリ領域まで幅広いpH領域で安定であった.また,基質であるグリセロールに対してKm値は6.9μMと高い親和性を示した.さらに,他起源の …
- NAID 110009843921
- ツクツクボウシタケ由来プロテアーゼの精製とその性質
- 竹川 千裕,中村 和夫,本間 裕人,大山 拓次
- 日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology 22(2), 74-78, 2014-07-31
- … ら抽出した菌体外プロテアーゼを精製し,その性質を調べた.寒天培地上で分生子形成菌糸体と未分生子形成菌糸体の二形態をとることがわかった.分生子形成菌糸体は高い酵素活性を示した.CM-Sepharoseカラムクロマトグラフィーによって,収率33%,13倍に精製された.酵素標品は電気泳動的に単一のバンドが得られた.分子量はSDS-PAGEによって30.6kDa,ゲル濾過クロマトグラフィーによって31kDaであったので,本酵素はモノマーである …
- NAID 110009863113
- サケ鼻軟骨粉末から異なる溶媒で抽出したプロテオグリカンの性質の比較
- 三浦 絢子,伊藤 聖子,加藤 陽治
- 日本食品科学工学会誌 60(5), 237-241, 2013-05
- … 本研究では,サケの鼻軟骨から経口摂取可能なPG含有微粉末(PGNP)を調製し,各種溶媒を用いて抽出したPGの収量とカラムクロマトグラフィー溶出パターンの比較を行った。 …
- NAID 120005581124
Related Links
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- 概要・一般的注意 カラムクロマトグラフィーは,蒸留や再結晶では分離できない混合物から目的の化合物を単離する手法である. 固定相にはシリカゲルやアルミナなどを用いる.これらは分離しようとする化合物の性質によって ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
クアトロバック皮下注シリンジ
組成
製法の概要
- 本剤の製法は次のとおりである。
- 百日せき菌I相菌(東浜株)の培養菌ろ液から遠心及びカラムクロマトグラフィーの物理化学的方法で感染防御抗原(百日せき毒素及び線維状赤血球凝集素)をそれぞれ単離精製し、ホルマリンで減毒化した両防御抗原を含む液を作製する。ジフテリア菌(Park-Williams No.8株)の産生する毒素を精製し、ホルマリンで無毒化(トキソイド化)したジフテリアトキソイドを作製し、アルミニウム塩を加えて不溶性とする。破傷風菌(Harvard A-47株)の産生する毒素を精製し、ホルマリンで無毒化(トキソイド化)した破傷風トキソイドを作製し、アルミニウム塩を加えて不溶性とする。弱毒ポリオウイルスセービン株の1型(LSc,2ab株)、2型(P712,Ch,2ab株)及び3型(Leon,12a1b)をVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来の株化細胞)でそれぞれ増殖させ、得られたウイルスを精製した後に、ホルマリンで不活化し混合した三価不活化ポリオウイルス液を作製する。本剤は、これら全てを混合したものである。
- なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(カザミノ酸、スキムミルク、ポリペプトン、乳糖、エリスロマイシンラクトビオン酸塩、ラクトアルブミン加水分解物)、ウシの肝臓、ウシの血液、ウシの血液由来成分(血清)、ウシの肉、ブタの胃由来成分(ペプトン)、ブタの膵臓由来成分(パンクレアチン、トリプシン)、ウマの血液由来成分(血清)、クジラの心臓由来成分(ハートエキス)、ヒツジの毛由来成分(コレステロール)及びヒトの血液由来成分(アポセルロプラスミン)を使用している。
組成
- 本剤は、0.5mL(1シリンジ)中に次の成分を含有する。
有効成分
百日せき菌防御抗原
有効成分
ジフテリアトキソイド
有効成分
破傷風トキソイド
有効成分
不活化ポリオウイルス1型(Sabin株)
有効成分
不活化ポリオウイルス2型(Sabin株)
有効成分
不活化ポリオウイルス3型(Sabin株)
添加物
ブドウ糖
添加物
L-リシン塩酸塩
添加物
エデト酸ナトリウム水和物
添加物
ホルマリン(ホルムアルデヒドとして)
添加物
塩化アルミニウム
添加物
水酸化ナトリウム
添加物
塩化ナトリウム
添加物
リン酸水素ナトリウム水和物
添加物
リン酸二水素ナトリウム
添加物
M199培地
添加物
pH調節剤
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎の予防
- 初回免疫:小児に通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3週間以上の間隔で皮下に注射する。
- 追加免疫:小児に通常、初回免疫後6か月以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下に注射する。
接種対象者・接種時期
- 本剤の接種は、生後3か月から90か月までの間にある者に行うが、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンと同様に、初回免疫については、標準として生後3か月から12か月までの者に3〜8週間の間隔で、追加免疫については、標準として初回免疫終了後12か月から18か月を経過した者に接種する。
- なお、被接種者が保育所、幼稚園等の集団生活に入る場合には、その前に接種を完了することが望ましい。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また、他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
- ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(0.1%未満注1)):ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
血小板減少性紫斑病(0.1%未満注1)):血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
脳症(頻度不明注1)):脳症があらわれることがある。接種後、発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
けいれん(0.4%注2)):けいれんがあらわれることがある。通常、接種直後から数日ごろまでにけいれん症状があらわれる。本症が疑われる場合には、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎を予防するためには、あらかじめ各々の感染防御抗原に対する血中抗体が一定(発症防御)レベル以上産生される必要がある。
- 百日せきは、罹患小児の回復期血清で抗PT抗体及び抗FHA抗体をELISA法により測定した結果から、両抗体ともに少なくとも10EU(ELISA単位)/mL以上が血中に存在すればよいとする報告もある1)。ジフテリアに対する発症防御は、0.1IU(国際単位)/mLの抗毒素(抗体)が存在すればよいと考えられている2)。破傷風に対する発症防御は、0.01IU/mLの抗毒素(抗体)が存在すればよいと考えられている3)。急性灰白髄炎に対する発症防御には、中和抗体価1:8以上(log2表示で3以上)が必要と考えられている4)。
★リンクテーブル★
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- 同
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