閉塞性細気管支炎性器質化肺炎

出典: meddic

bronchiolitis obliterans organizing pneumoniaBOOP
ブープ特発性器質化肺炎 cryptogenic organizing pneumonia COP

特徴

臨床診断名 IPF NSIP BOOP/COP
病理組織像 UIP OP
発症様式 慢性 慢性/亜急性 亜急性
BALF所見 リンパ球± CD8↑ CD8↑
予後 不良 良好(時に不良) 良好
分布 斑状,不均質, 胸膜下・小葉辺縁 びまん性,均質 小葉中心性
時相 多様 均質 均質
間質への細胞浸潤 少ない 通常多い やや多い
胞隔の炎症 軽度,斑状 びまん性,多彩 軽度
線維芽細胞巣 多数 まれ なし
肺胞内マクロファージ集積 巣状 巣状 なし
肺胞腔内線維化 まれ しばしば 多数
顕微鏡的蜂巣肺(肺胞虚説) 高頻度 通常なし(一部に認める) なし
硝子膜 なし なし なし

概念

  • 細気管支領域内腔がポリープ状肉芽により閉塞され、細気管支胞隔炎を呈した病態
  • 病理学的な定義:
  • 1. 閉塞性細気管支炎および器質化肺炎の所見が斑状に分布する、
  • 2. 種々の程度の単核球細胞浸潤が間質にみられる、
  • 3. 肺胞腔内に泡沫細胞が集簇する、
  • 4. 肺の既存構造は保たれており、蜂窩肺形成や広範な間質性線維化は認められない

疫学

  • 50歳代の発症が多い
  • 喫煙との関連なし

症状

  • 咳、発熱、咳嗽

身体所見

  • 肺の副雑音
  • バチ指は稀

病因

  • 膠原病、感染症、移植後など ← 特発性BOOPとは病態や治療に対する反応も異なる
  • 原因不明 → 特発性BOOP

検査

血液検査

  • 赤沈亢進、CRP陽性
  • 白血球数増加もあり売る

胸部単純X線写真

  • びまん性、下肺野優位の両側斑状陰影
  • 肺炎様の浸潤、陰影はしばしば移動

=胸部CT写真

  • 2パターン:エアブロンコグラムを伴う肺炎様の恋浸潤英(肺胞性パターン)、びまん性の微細粒状影(間質性パターン)
  • 主として胸膜下に沿うすりガラス陰影(コンソリデーション)
  • 蜂窩肺 は ない

BALF所見

  • リンパ球%↑、CD8%増加(50%の症例)、好中球%・好酸球%増加(50%の症例)

肺機能検査

  • 拘束性換気障害、拡散障害
  • 閉塞性換気障害は稀

診断

鑑別診断

臨床症状・胸部X線写真上での鑑別疾患

  • 感染性肺炎
  • ウェゲナー肉芽腫症
  • 特発性肺線維症 IPF:発症時期が明確でない、慢性経過をたどっている。BOOPで認められない蜂巣肺所見がX線・CTで認められる。BALF所見がCD8↑でない。リンパ球数±
  • 非特異性間質性肺炎 NSIP:一部に蜂巣肺所見。
  • 慢性好酸急性肺炎:肺病理所見を除けば、臨床所見・検査所見で区別できない。リンパ球%↑は同様

BALFでの鑑別疾患

  • サルコイドーシス、慢性ベリリウム肺:胸部X線写真、CD8↓から鑑別可能 (SPU.274)
  • 過敏性肺臓炎:胸部X線写真上で鑑別可能

治療

  • 自然軽快が少なくないので、軽症例では経過観察
  • ステロイド薬

予後

  • 特発性BOOPはステロイド薬が有効で予後良好。時に再燃する。


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関連リンク

器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎は,隣接の肺胞における慢性炎症および器質化 肺炎によって,肉芽組織が細気管支および肺胞管を閉塞する特発性の疾患である。 特発性器質化肺炎 ...
⑴ 肺は正常な解剖学的構築を保っているが、終末細気管支腔から呼吸細気管支腔に か. けて未熟な肉芽が形成されている(閉塞性細気管支炎の像)。 ⑵ 以上のような器質 化にともなって肺胞管から肺胞嚢にかけて散在性に滲出物が見ら. れる(器質化肺炎の ...

関連画像

 閉塞性細気管支炎器質化肺炎


★リンクテーブル★
先読みcryptogenic organizing pneumonia
リンク元特発性間質性肺炎」「気管支肺胞洗浄液」「COP」「特発性器質化肺炎」「BOOP
関連記事肺炎」「気管」「細気管支」「気管支」「閉塞

cryptogenic organizing pneumonia」

  [★] 特発性器質化肺炎


特発性間質性肺炎」

  [★]

idiopathic interstitial pneumonia IIP, idiopathic interstitial pneumonias IIPs
特発性線維化肺炎 cryptogenic fibrosingalveolitis
間質性肺炎 IP

特徴 YN.I-78 SPU.265-279 RNT.138

臨床診断名 急性間質性肺炎 特発性肺線維症 非特異性間質性肺炎 特発性器質化肺炎 剥離性間質性肺炎
AIP IPF NSIP COP DIP
病理組織像 びまん性肺胞障害 通常型間質性肺炎 非特異性間質性肺炎 閉塞性細気管支炎性器質化肺炎
器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎
剥離性間質性肺炎
DAD UIP NSIP BO + OP
= BOOP
DIP
発症様式 急性 慢性 慢性/亜急性 亜急性 慢性
BALF所見 好中球↑ リンパ球± CD8↑ CD8↑ MΦ↑
予後 不良 不良 良好(時に不良) 良好 良好
分布 びまん性,均質 斑状,不均質, 胸膜下・小葉辺縁 びまん性,均質 小葉中心性 びまん性,均質
時相 均質 多様 均質 均質 均質
間質への細胞浸潤 少ない 少ない 通常多い やや多い 少ない
胞隔の炎症 なし 軽度,斑状 びまん性,多彩 軽度 軽度
線維芽細胞巣 びまん性,間質 多数 まれ なし なし
肺胞内マクロファージ集積 なし 巣状 巣状 なし びまん性高度
肺胞腔内線維化 しばしば まれ しばしば 多数 なし
顕微鏡的蜂巣肺(肺胞虚説) なし 高頻度 通常なし(一部に認める) なし まれ
硝子膜 高頻度 なし なし なし なし
局在性 びまん性 下肺優位 下肺優位 下肺優位・びまん性 下肺野背側
その他 予後不良 最も多い
ステロイドの反応悪く予後不良
2番目に多い ステロイド著効 喫煙との関連あり
ステロイド著効

病態

  • 原因不明の機序により間質の線維化を来たし、拘束性肺疾患を呈する。

検査

  • II型肺胞上皮細胞の活性化による:KL-6上昇、SP-D上昇、SP-A上昇

参考

  • 特発性間質性肺炎 認定基準
[display]http://www.nanbyou.or.jp/pdf/076_s.pdf





気管支肺胞洗浄液」

  [★]

bronchoalveolar lavage fluid, bronchial lavage fluid, BALF
肺胞洗浄液
気管支肺胞洗浄

Tリンパ球サブセット(CD4/CD8比)

  • 高値
  • 低値 ・・・ 細胞傷害性T細胞優位?



COP」

  [★]

特発性器質化肺炎」

  [★] 閉塞性細気管支炎性器質化肺炎


BOOP」

  [★] 閉塞性細気管支炎性器質化肺炎


肺炎」

  [★]

pneumonia pneumonitis

疫学

  • 日本の肺炎の受療率は人口10万対3、死亡率は人口10万対7。死因順位は第4位である。
  • 受療率・罹患率共に高齢になるに従い急激に増加し、85歳以上の男性では死因第2位、90歳以上の男性では死因第1位となる(ガイドライン1)。
  • 死亡者の95%以上が高齢者である。
年代と病原体
乳児 RSウイルス インフルエンザウイルス 肺炎球菌 インフルエンザ菌  
小児 RSウイルス インフルエンザウイルス 肺炎球菌 クラミジア・ニューモニエ マイコプラズマ・ニューモニエ
青年期 肺炎球菌 インフルエンザ菌 マイコプラズマ・ニューモニエ    
成人 肺炎球菌 インフルエンザ菌      
高齢者 肺炎球菌 インフルエンザ菌 レジオネラ・ニューモニエ インフルエンザウイルス  

日本における肺炎の年齢階級別受療率と死亡率(人口10 万対,2002 年)

ガイドライン1 2004 年「国民衛生の動向」 改変
  年齢階級 総数 15~ 25~ 35~ 45~ 55~ 65~ 75~ 85~ 90~
19 29 39 49 59 69 79 89  
受療率 外来 6 3 4 3 3 6 7 14 21 21
入院 19 2 3 2 3 7 21 86 309 489
死亡率 男性 76.4 0.5 0.5 1.5 4.6 15.2 69.2 339 2087 4317
女性 62.7 0.3 0.5 0.9 1.9 5.6 22.4 144 934 2291
総数 69.4 0.4 0.5 1.2 3.2 10.3 44.6 249 1291 2787

分類

発症の場

  • 市中肺炎:上気道のウイルス感染後に多い。

原因

病理

  • 上気道から連続的に下気道へ、あるいは、直接下気道に及んでいる。炎症は上皮に包まれた管腔内
  • 間質性肺炎は、肺の実質や間質に炎症が存在

ガイドライン

  • 1. 成人市中肺炎診療ガイドライン




気管」

  [★]

trachea (Z), tracheal tube
trachea
気管支気管支の分岐

解剖

  • 長さ12cm、直径2cm (HIS.298)。
  • C6椎体-T5椎体 / C6椎体の下部より始まりT4-T5椎体で左右の気管支に分かれる。)
  • 喉頭の輪状軟骨の直下から始まり主気管支が分岐するところに終わる。 (HIS.298)

粘膜

  • 1呼吸上皮(粘膜上皮):多列線毛上皮
  • 2. 粘膜固有層 疎性結合組織 膠原線維、弾性線維、気管腺(混合腺)
  • 3. 粘膜下組織 密生結合組織 
  • 4. 外膜 気管軟骨 馬蹄形(C字軟骨)後方に開いている。10-12個


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.



細気管支」

  [★]

bronchiole n. / -s pl.
bronchiolus
気管支の分岐クララ細胞肺小葉

臨床関連

  • 肺の末梢気道、特に細気管支領域は解剖学的に気道肺胞の接点に位置し、喫煙や大気汚染物質により早期から障害を生じると考えられてきた。特に内径2mm以下の末梢気道の病変は呼吸生理学的にsmall airway diseaseと呼ばれ、進行すれば肺気腫などの慢性閉塞性疾患の発生につながるものとして喫煙などとの関連で論じられてきた。 (講義録呼吸器学 p.79)


気管支」

  [★]

bronchus / bronchi(pl.) (Z)
bronchus principalis
主気管支 main bronchus一次気管支 primary bronchus
気管気管支の分岐肺区域区域気管支





Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.



閉塞」

  [★]

occlusion
促通
  • 詰まること、詰まっていること
  • (神経)2種の異なる興奮性のシナプス前性のニューロン群が1つのニューロン群へ収束と発散によりシナプス結合する回路において、2種のシナプス前線維群内の同期して興奮するニューロンの数が多い場合には、興奮するシナプス後ニューロンの数は、個々のシナプス前線維群だけの活動による場合の和よりも少なくなる。





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