若年性特発性関節炎

出典: meddic

juvenile idiopathic arthritis, JIA
若年性関節リウマチ juvenile rheumatoid arthritis JRA、小児特発性関節炎
関節リウマチ

概念

  • 15歳以下の小児に発病する慢性関節リウマチである。成人の関節リウマチに比べて全身症状が強く、リウマチ因子陽性率が低い。
  • 若年性関節リウマチには3病型有り、スチル病は小児の関節リウマチ、つまり若年性関節リウマチの亜型のことである。(REU.228)
  • 若年性特発性関節炎という病名でまとめようというのが最近の流れ。(uptodate; Classification of juvenile arthritis (JRA/JIA))

病型

  • 1. 多関節型:40%:慢性多発性関節炎をきたす
  • 2. 単関節型:40%:関節炎症はせいぜい4つくらいまでの関節にとどまる。眼に虹彩炎/虹彩毛様体炎をきたし、抗核抗体(ANA)陽性例が多い。
  • 3. 全身型 :20%:軽度の関節痛、著明な発熱、一過性のサーモンピンクの皮疹、リンパ節腫脹、脾腫、心外膜 →スチル病

症状

  • 多関節型:
  • 単関節型:虹彩毛様体炎が合併しやすい(SOP.220)
  • 全身型 :

検査

  • 多関節型:関節リウマチに似てMMP-3高値となる
  • 単関節型:
  • 全身型 :フェリチン上昇

若年性関節リウマチ診断の手引き

旧厚生省研究班,1981
  • 1.6週間以上続く多関節炎
  • 2.6週間未満の多関節炎(または単関節炎、少関節炎)の場合には次の1項目を伴うもの
  • 3.下記疾患と確定したものは除外し、鑑別不能の場合は「疑い」とする

注意すべき点

  • 1) 関節炎は移動性でなく、固定性であること。
  • 2) リウマトイド疹とは直径 数 mm ~1cm の鮮紅色の紅斑で、発熱とともに出現し、下熱時に消退することもある。
  • 3) 弛張熱とは、日差が3~4℃で、下降時は平熱またはそれ以下となることがあり、1週間以上続くこと。
  • 4) リウマトイド因子(RAテスト)は、肝疾患や、他の自己免疫疾患でも陽性となることがある。



参考

  • 1. 若年性特発性関節炎初期診療の手引き(2007年)
[display]http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13gs40.nsf/0/358654b9c68ddf7a492572fa0025fab9/$FILE/20070614_1shiryou3.pdf
  • 2. MyMed
http://mymed.jp/di/ifa.html
  • 3. 若年性関節リウマチ診断の手引き
http://www9.ocn.ne.jp/~ginzamed/ginzamed/tisiki/disease/answer/child_RA_diag.htm
  • 4. 若年性関節リウマチとは
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm120/kouza/jra.html

国試



UpToDate Contents

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和文文献

  • 小児期の炎症性疾患の病態変化と検査値とのかかわり (成長と臨床検査値)
  • 小児 (特集 関節リウマチ診療update : これだけは知っておきたい知識とは?) -- (特殊な状態に対する配慮)
  • 若年性特発性関節炎 (特集 小児慢性疾患の生活指導 : 最新の知見から) -- (日常生活における管理・指導)
  • 小児リウマチ性疾患(膠原病)の運動管理・生活管理 (特集 疾患をもつ学童の運動管理)

関連リンク

若年性特発性関節炎 若年性特発性関節炎とは? 若年性特発性関節炎(JIA)は、 持続する関節の炎症を特徴とする慢性疾患で、 関節炎の定型的な症状は疼痛・腫脹・運動制限です。“特発性” とは病気がどのようにして起こるのか ...
2.この病気にはどのような病型があるのですか?(病型診断) 臨床現場における分類については、まず全身型と関節型とに分けられます。また乾癬、潰瘍性大腸炎などに併発して二次的に慢性関節炎を呈するものは症候性慢性関節炎に ...
若年性特発性関節炎の患者さんの割合は、小児の人口10万人あたり8.79人 との報告があります。 タイプ別では、全身型が42%、少関節型が20%、多関節型が32%、その他が6%を占めています。病型によって異なりますが、一般的には ...

関連画像

近位指関節の腫脹により紡錘状 若年性特発性関節炎の治療は JIAの名称若年性特発性関節炎=JIA全身型 関節型・少関節型・多 JCA : Juvenile Chronic Arthritis / JRA 表1 若年性特発性関節炎:WHO病


★リンクテーブル★
先読み関節リウマチ」「juvenile rheumatoid arthritis
国試過去問108E013」「107G018」「103I025」「104I015」「104I025
リンク元成人スティル病」「マトリックスメタロプロテアーゼ3」「JRA」「JIA」「juvenile idiopathic arthritis
関連記事関節」「特発性」「若年」「若年性」「

関節リウマチ」

  [★]

rheumatoid arthritis, RA
リウマチ様関節炎萎縮性関節炎 atrophic arthritis
カプラン症候群膠原病

概要

  • 原因不明のchronic multisystem disease
  • 炎症性の関節炎が、特に末梢の関節で全身性に起こる。
  • 経過は多様

症候

  • 関節症状
  • 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
  • 手指の近位指節間関節(PIP関節)中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
  • 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
  • 朝のこわばりは1時間以上持続する(⇔変形性関節症では30分以内におさまる。関節を使わないと痛みがひどくなる)

関節外症状

100CASE p.76
SOR.213改変

症候スペクトル

病態 レイノー現象 抗核抗体 リウマトイド因子 抗好中球細胞質抗体 皮疹 皮下結節 関節炎 筋炎 漿膜炎 自己抗体
                  RF
                     
病理 壊死性血管炎 糸球体腎炎 間質性肺炎 心炎 唾液腺炎 オニオンスキン病変 ワイヤーループ病変 ヘマトキシリン体 LE細胞  
                   

合併症

YN. F-43

検査

単純X線

  • 関節X線写真所見異常
  • 軟部組織の腫脹によるX線透過性の低下、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症)、関節辺縁のびらん、骨洞、関節裂隙狭小化、関節面の破壊、関節亜脱臼・脱臼(SOR.216)(下線の症状は変形性関節症では認めない)

血液

  • 赤血球:小球性低色素性貧血
  • 白血球:正常あるいは軽度増加。ただし 脾腫 + 白血球減少 + RA = フェルティー症候群
  • 血小板:増加
  • 補体:高値?。(SOR.217)SLEと違って低下しない。経過中に低下してきたのなら悪性関節リウマチを考慮
  • リウマチ因子:陽性(70-80%の症例)
  • 炎症所見:赤沈・CRP・免疫グロブリン高値

関節液

  • 淡黄緑色、混濁、滑膜細胞の細片の浮遊を認める。粘稠度低下(SOR.218)

関節内視鏡

  • 非特異的慢性滑膜炎

身体所見 (SOR.213,417)

  • 図:SOR.213

  • (ムチランス型RAにおいて)オペラグラス手

手関節

手関節と遠位橈尺関節の滑膜炎→腫脹、運動痛、手関節の掌背屈及び前腕の回旋制限
  • 尺骨頭の背側亜脱臼:ピアノキーサイン
  • 手根骨の尺側移動、掌側移動
  • 手関節強直:手関節が破壊されて癒合すると線維性強直、骨性強直が起きて関節の変形が固定される。

MP関節(MCP関節)

掌側脱臼、尺側偏位、伸筋腱の尺側脱臼

PIP関節

MP関節(MTP関節)

  • 外反母趾:第1中足骨が内反し、第1中足趾節関節で母指基節骨が外反し、中足骨骨頭が内側に膨隆し「く」の字型の変形を起こしたもの。

診断基準

  7項目中、4項目以上を満たすとき、関節リウマチと診断される 備考
1 1時間以上持続する朝のこわばりが、6週間以上あること  
2 3領域以上の関節の腫れが、6週間以上あること 領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる
3 手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、6週間以上あること 少なくとも1ヵ所での軟部組織腫脹
4 対称性関節腫脹 PIP、MCP、MTP関節は完全に対象である必要はない
5 リウマトイド結節 骨突起部、伸側表面/関節近傍の皮下結節
6 リウマトイド因子が陽性 正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること
7 X線、関節リウマチに特有の骨びらんが見られる 手・指を中心に見る、びらん以上の破壊も含む

診断

治療

以前は、病状の進行に合わせて作用の弱い薬剤から強い薬剤を用いていたが、最近では初期に強力に炎症を抑制して関節破壊を防ぐ治療方針に変わってきている。

TNF阻害薬の適応

  • 1. 既存の抗リウマチ薬(DMARD)通常量を3ヶ月以上継続して使用してもコントロール不良のRA患者。コントロール不良の目安として以下の3項目を満たす者。
  • 1) 圧痛関節数6関節以上
  • 2) 腫脹関節数6関節以上
  • 3) CRP 2.0mg/dl以上あるいはESR 28mm/hr以上
  • これらの基準を満足しない患者においても、
  • a) 画像検査における進行性の骨びらんを認める
  • b) DAS28-ESRが3.2(moderate activity)以上
のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
  • 2. さらに日和見感染症の危険性が低い患者として以下の3項目も満たすことが望ましい。
1) 末梢血白血球数 4000/mm3以上
2) 末梢血リンパ球数 1000/mm3以上
3) 血中β-D-グルカン陰性

参考

  • 1. 診断基準
  • 2. 株式会社医学生物学研究所 MESACUP CCPテスト
  • 3. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html




juvenile rheumatoid arthritis」

  [★] 若年性関節リウマチ JRA


108E013」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 108E012]←[国試_108]→[108E014

107G018」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 107G017]←[国試_107]→[107G019

103I025」

  [★]

  • 組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 103I024]←[国試_103]→[103I026

104I015」

  [★]

  • 多関節型の若年性特発性関節炎で認められる検査所見はどれか。2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 104I014]←[国試_104]→[104I016

104I025」

  [★]

  • 鞍鼻をきたすのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 104I024]←[国試_104]→[104I026

成人スティル病」

  [★]

adult-onset Still's disease, adult-onset Still disease, adult Still's disease
成人発症スチル病成人発症Still病成人スチル病成人Still病
アレルギー性亜敗血症スティル病若年性関節リウマチ
[show details]


概念

  • 成人後に発症した全身症状を伴う若年性リウマチ性関節炎
  • 関節痛/関節炎(大関節)、弛張熱サーモンピンク疹、および肝脾腫・リンパ節腫脹を呈する。フェリチンは+。 → 若年性特発性関節炎に似るが、唯一リウマトイド因子が陰性である点が異なる。
  • 難病に指定されている。

診断基準

参考4 YN.F-47

大項目

  • 1. 発熱(39℃以上、1週間以上持続)
  • 2. 関節痛(2週間以上持続)
  • 3. 定型的皮疹(体幹・四肢近位部にサーモンピンク様皮疹、ケブネル現象陽性)
  • 4. 白血球増加(10000/μl以上、好中球80%以上)

小項目

  • 1. 咽頭痛
  • 2. リンパ節腫脹または脾腫
  • 3. 肝機能異常
  • 4. リウマトイド因子および抗核抗体陰性

除外項目

  • 感染症(特に敗血症・伝染性単核症)、悪性腫瘍(特にリンパ腫)、膠原病(特に多発性動脈炎、悪性関節リウマチ)

診断

  • 大症状2項目以上を含み、合計5項目以上で成人Still病と診断する。血清フェリチンの異常高値は診断の参考とする。

検査

参考

  • 1.
[display]http://www.collagen-disease.com/_src/sc2405/83X83e83B838B95a8ECA905E.jpg
  • 2.
[display]http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/1a/52/fukusama1019/folder/1092861/img_1092861_57599288_0?1262257060
  • 3. 「病気のプロフィル」No.43
[display]http://www.hospital.japanpost.jp/fukuoka/health/pdf/ProfileNo.43.pdf
  • 4. 簡単なまとめ
[display]http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-f11.html
  • 5. 難病情報センター
[display]http://www.nanbyou.or.jp/entry/282



マトリックスメタロプロテアーゼ3」

  [★]

matrix metalloproteinase 3, matrix metalloproteinase-3, MMP-3
マトリックスメタロプロテアーゼ


概念

OLM.402
  • 活性中心にZnイオンを有する蛋白質で、細胞マトリックスを分解する
  • 関節の主に滑膜細胞、一部軟骨細胞などからも産生される。
  • 抗CCP抗体と並んで早期RAの診断と経過観察に役立つマーカーとして用いられる。

MMP-3の機能

OLM.402
  • 軟骨の主要成分であるプロテオグリカンを中心にコラーゲン、エラスチンなどを分解し、結合組織の分解、再生に重要な役割を果たす。
  • pro MMP-1やpro MMP-9などのマトリックスメタロプロテアーゼの前駆体を活性型に変換し、細胞外マトリックスの分解を促進する。
  • MMP-3の活性は滑膜細胞がから放出されるTIMP(tissue inhibitor of metalloproteinase)により抑制を受けている。

MMP-3と疾患

OLM.402
  • 滑膜細胞の増殖能を反映して増加する。 ← 滑膜細胞から分泌されるから。
  • 非RA膠原病
  • 腎機能低下
  • 血中のMMP-3は腎臓より排泄されるので、腎機能低下により血中MMP-3濃度が増加する。


JRA」

  [★] 若年性特発性関節炎 juvenile idiopathic arthritis JIA = 若年性関節リウマチ juvenile rheumatoid arthritis


JIA」

  [★] 若年性特発性関節炎, juvenile idiopathic arthritis


juvenile idiopathic arthritis」

  [★] 若年性特発性関節炎 JIA


関節」

  [★]

joint joints, synovial joints
juncturasynovialis, articulationes synoviales
滑膜性の連結 synovial joint junctura synovialis

種類



特発性」

  [★]

idiopathyidiopathiccryptogenicagnogenic, essential
本態性
原因不明



若年」

  [★]

juvenileyoung
若年型若年性幼若若い若齢


若年性」

  [★]

juvenilejuvenilis
若年若年型幼若若齢


炎」

  [★]

  • n.
  • comb form.
  • (炎症の接尾辞)itis
炎光炎症




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