胸部大動脈瘤

出典: meddic

thoracic aortic aneurysm TAA, aneurysm of thoracic aorta
胸腹部大動脈瘤大動脈瘤腹部大動脈瘤

症状

  • 胸部大動脈瘤症例の大部分は、基本的に無症状。
  • 瘤径の拡大に伴い以下の諸症状が出現する。
  • (1)大動脈基部や上行大動脈の拡大による大動脈弁閉鎖不全症
  • (2)気管や主気管支の圧排による咳、息切れ、喘鳴、反復性の肺炎
  • (3)食道の圧排による嚥下障害
  • (4)反回神経の圧迫による嗄声
  • 5)胸腔内の周囲臓器の圧迫や肋骨への浸蝕による胸痛や背部痛等

保存的に経過観察

血圧管理

  • 胸部大動脈瘤非手術例での降圧目標は、収縮期血圧で105~ 120mmHgと通常の高血圧症患者に比較して低値にすべきとされている。
  • β遮断薬が第一選択薬と考えられており、最大投与量のβ遮断薬を用いても降圧が不十分である場合、他の降圧薬を適宜に追加投与し、目標の血圧まで降圧を図る必要がある。

運動制限

  • 喫煙、暴飲暴食、過労、睡眠不足、精神的ストレス等を避けるよう指導する。
  • また、急激な血圧上昇を来たすような重量物の挙上や牽引、排便時でのいきみ、持続する咳き込み等にも注意を払うよう指導する。

画像検査による評価

  • 胸部大動脈瘤の破裂時期や瘤径の拡大速度を予測することは困難であるが、胸部大動脈の瘤径が50~ 60mmでの心血管事故率は年間6.5%、60mm以上で年間15.6%とされる。
  • 瘤径や拡大傾向の有無に応じて、定期的にCTまたはMRI により、径や形態の変化を評価する必要がある。


参考

  • 1. CT
[display]http://www.ntt-east.co.jp/smc/dept/d37/disease1.html
[display]http://www.ntt-east.co.jp/smc/dept/d37/images/d_ph1h.jpg
  • 2. CT
http://ops.umin.ac.jp/ops/case/case36_daidoumyaku/case36_daidoumyaku.html
[display]http://ops.umin.ac.jp/ops/case/case36_daidoumyaku/zu3.jpg


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/08 03:12:40」(JST)

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和文文献

  • 5.EWSにより治療した,胸部大動脈瘤術後有瘻性膿胸の1例(第41回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会)
  • 神谷 賢吾,可児 久典,坂本 宣弘,佐川 弘之,佐野 正明,深井 一郎
  • 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 33(5), 378, 2011-09-25
  • NAID 110008750418
  • 術中大量出血時に望まれる検査・輸血対応
  • 胸部大動脈瘤内の血流解析 (非線形現象の数理解析と実験解析)
  • 水藤 寛,植田 琢也
  • 数理解析研究所講究録 1748, 58-61, 2011-07
  • NAID 110008606424

関連リンク

胸部大動脈瘤は何の症状もなく大きくなります。動脈瘤が大きくなり、周囲の組織が圧迫 されるようになって初めて症状が現れます。声帯を支配している神経(反回神経)を圧迫 すると、左側の声帯のはたらきが悪くなって、しわがれ声(嗄声(させい))が出てきます。
そして横隔膜を貫いて腹部に入り、臍の少し下の高さで左右に分かれますが、一般的に ここまでを「大動脈」と呼びます。この間で、人体の各部へ送られる血管が枝分かれし ています。横隔膜の上を胸部大動脈、下を腹部大動脈と呼びます。 大動脈瘤とはこの ...

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★リンクテーブル★
先読み腹部大動脈瘤
国試過去問096A054」「098A013」「095B028
リンク元上大静脈症候群」「心嚢血腫」「オリバー・カルダレッリ徴候」「TAA」「胸腹部大動脈瘤
関連記事大動脈瘤」「大動脈」「動脈瘤」「動脈」「胸部

腹部大動脈瘤」

  [★]

abdominal aortic aneurysm abdominal aneurysm AAA
大動脈瘤


疫学 NSU 448

  • 60-70歳に多い。男女比4:1

原因 NSU 448

  • 95%以上は動脈硬化
  • 特異性炎症(梅毒、結核)
  • 非特異性炎症(Behcet病)
  • Marfan症候群
  • 感染性(感染性動脈瘤)、外傷性(外傷性動脈瘤)

病型

  • 95%以上は腎動脈より末梢

症状

NSU 448
  • 無症状のことが多い。拍動腫瘤として自覚することがある。
  • 腰痛、腹痛を主訴とすることがある。激しい腹痛は切迫破裂、または破裂となる。
  • 穿孔による消化管出血や大動脈-下大静脈瘻(aorto-caval fistula)もありうる

治療

  • 外科手術、ステント留置

外科手術

  • 切発破裂例は緊急手術
  • 5-6cm:症状があれば外科手術
  • >6cm :外科手術

ガイドライン

  • 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_takamoto_h.pdf

診察から診断まで

  • 腰痛、腹痛を訴えることがある。身体所見で拍動する腫瘤を触れる。心電図、心筋逸脱酵素迅速検査キットでACSを否定し、血液検査、腹部X線写真撮影を施行。腹部大動脈瘤が疑われれば、循環器内科・血管外科コールし、腹部単純・造影CT、降圧を。


096A054」

  [★]

  • 35歳の女性。左手のしびれと全身倦怠感とを主訴に来院した。数か月前から微熱と全身倦怠感とがあった。おにぎりを握ると左手がしびれ、冷たくなることを自覚している。意識は清明。左橈骨動脈拍動は微弱で、左鎖骨下動脈部位に血管雑音を聴取する。血液所見:赤沈96mm/1時間、赤血球360万、Hb10.2g/dl、白血球9,600、血小板46万。免疫学所見:CRP5.6mg/dl(基準0.3以下)、抗核抗体陰性、CH50 54単位(基準30~40)。
  • この疾患でみられるのはどれか。
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096A053]←[国試_096]→[096A055

098A013」

  [★]

  • 19歳の男性。2年前から肺炎を繰り返すため来院した。
  • 体温36.5℃。呼吸数18/分。脈拍80/分、整。血圧120/76mmHg。胸部聴診で呼吸音に異常を認めない。胸部造影磁気共鳴血管撮影(造影MRA)左前斜位像を以下に示す。
  • 最も考えられるのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 098A012]←[国試_098]→[098A014

095B028」

  [★]

  • 突然の激しい胸背部痛を訴えて入院してきた成人女性の胸部造影CTを以下に示す。最も考えられる疾患はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 095B027]←[国試_095]→[095B029

上大静脈症候群」

  [★]

superior vena cava syndrome, SVC syndrome, SVCS
上大静脈頚静脈怒張

概念

  • 上大静脈の閉塞や有意狭窄によって生じる上半身の静脈圧の上昇で、頭部、顔面、上肢、頸部および上半身のうっ血を来す症候群。
  • 肺癌ホジキンリンパ腫(→ホジキン病)、大動脈瘤などの縦隔洞、胸腔内腫瘍により急速に上大静脈が圧迫され、静脈還流異常をまねき、これによって生ずる種々の症状をいう。

病因

病態生理

症状

  • 上肢静脈圧は30-50cmH2Oと上昇し頚部、上腕、胸壁の静脈は怒張し、顔面、上肢の浮腫をみる。
  • 頚静脈、側頭静脈の怒張、起坐呼吸、失神発作
  • 脳浮腫 → 頭痛、めまい、傾眠傾向、(ときどき)痙攣・呼吸困難など
脳静脈圧上昇 → 抗利尿ホルモン分泌亢進 → 脳脊髄循環に悪影響

身体所見

  • (原因疾患が良性で慢性に経過する場合)副血行路が主として奇静脈内胸静脈、側胸静脈、脊椎静脈に生じる。門脈系を通して食道静脈瘤を生じる。

副側路(表在腹壁静脈)の流れる方向

表在腹壁静脈 正常 門脈圧亢進症 上大静脈閉塞症 下大静脈閉塞症
臍以上
 
臍以下

検査

  • 胸部単純X線写真:左第一弓の突出
  • 胸部造影CT:上大静脈の閉塞、奇静脈の拡張
[show details]

治療

  • 原因疾患の治療
  • 手術療法:大動脈瘤や甲状腺腫など
  • 放射線療法・抗癌剤化学療法:摘除不能な悪性腫瘍
  • 対症療法
  • 利尿薬
  • バイパス手術:人工血管にて閉塞部をバイパス
  • 経皮的血管形成術:バルーン拡張やすてんと留置で閉塞部を広げる。


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.


国試




心嚢血腫」

  [★]

hemopericardium, haemopericardium
心膜血腫
心嚢液貯留心嚢水腫乳糜心膜症心タンポナーデ
[show details]
  • 心嚢内への出血、血液の貯留により血腫を形成がみられる状態。
  • 心臓破裂胸部大動脈瘤の破裂、心臓外傷、医原性の心損傷により生じる。
  • 心嚢内に血液・血腫が充満することで心収縮が障害され、心タンポナーデという病態を来す。
  • 治療は心嚢穿刺により血液をドレナージする心嚢ドレナージ。奏効しない場合には開胸止血術を要することもある。


オリバー・カルダレッリ徴候」

  [★]

Oliver-Cardarelli sign
Oliver-Cardarelli徴候気管牽引徴候 tracheal tugging sign
胸部大動脈瘤大動脈瘤
  • 大動脈瘤の気管への癒着によって、心拍動に一致して喉頭が上下すること(YN.C145)

参考

  • Oliver-Cardarelli sign (William Silver Oliver)
[display]http://www.whonamedit.com/synd.cfm/2554.html
  • wikipedia en - Oliver sign
[display]http://en.wikipedia.org/wiki/Oliver%27s_sign
  • wikipedia en - Cardarelli sign
[display]http://en.wikipedia.org/wiki/Cardarelli%27s_sign
[display]http://suuchan.net/note/Chapter-091101.html


TAA」

  [★]


胸腹部大動脈瘤」

  [★]

thoracoabdominal aortic aneurysm
胸部大動脈瘤


大動脈瘤」

  [★]

aortic aneurysm, aneurysm of the aorta
動脈瘤、大動脈弁輪拡張症 AAE

概念

  • 大動脈に発生する動脈瘤。

分類

部位

病理

疫学

好発部位

  • 腎下部腹部大動脈瘤 60%
  • 上行大動脈瘤    16%
  • 弓部下行大動脈瘤   7%
  • 腎上部腹部大動脈瘤  5%
  • 胸腹部大動脈瘤    2%
  • 動脈硬化性の大動脈瘤の頻度が増加

腹部AAと胸部AAの比較 (YN.C146)

  胸部大動脈瘤 腹部大動脈瘤
aortic aneurysmに占める割合 1/3 2/3
癒着症状 オリバー・カルダレッリ徴候  
圧迫症状 胸痛・背部痛、呼吸困難・喘鳴・咳、嚥下困難、頚静脈怒張嗄声Horner症候群上大静脈症候群、前胸部拍動性腫瘤 腰痛、腹痛、イレウス、腹部拍動性腫瘤
破裂症状 突然の激烈な胸痛、背部痛、ショック 腰背部痛、貧血、ショック
その他   下肢動脈閉塞症状(blue toe症候群)

病因

YN.C-145

ガイドライン

  • 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_takamoto_h.pdf

治療

  • 胸部AA > 5cm、腹部AA > 6cmで破裂のリスクが高まる。

手術療法

動脈瘤


大動脈」

  [★]

aorta (Z), Ao
大動脈弁
  • 大動脈径:胸骨左縁アプローチで左室長軸断面を得て、心エコーMモードで評価。




動脈瘤」

  [★]

aneurysm, arterial aneurysm
大動脈瘤真性動脈瘤仮性動脈瘤



動脈」

  [★]

artery (Z)
arteria
静脈



胸部」

  [★]

chest, thorax
pectus






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