- 英
- ureterocele
- 関
- 先天性水腎症、尿管
概念
- 尿管下端部が嚢状に拡張した先天異常で、女性に多い。
- 尿管瘤の開口部位により2つに分けられる。
- 膀胱内尿管瘤：尿管の下端部が嚢状に拡張し、膀胱三角部の正常な位置に開口する。尿管口粘膜の先天性狭窄のため、腎から運ばれる尿は瘤内に一旦留まり緊満状態となった後に膀胱に排出される。従って、上部尿路の拡張と尿路感染を伴うことが多い。また嚢内に尿管結石を生じることが多い。
- 異所性尿管瘤：尿管の下端部が嚢状に拡張し、尿道などに開口する。
WordNet
- prolapse of the end of the ureter into the bladder; may obstruct urine flow
UpToDate Contents
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- 1. 尿管瘤 ureterocele
- 2. 胎児水腎症の概要 overview of antenatal hydronephrosis
- 3. 胎児水腎症の産後マネージメント postnatal management of antenatal hydronephrosis
- 4. 先天性腎盂尿管移行部閉塞 congenital ureteropelvic junction obstruction
- 5. 先天性腎尿路異常（CAKUT）の概要 overview of congenital anomalies of the kidney and urinary tract cakut
Japanese Journal
- 画像診断 排尿症状を呈した成人男子単純性尿管瘤
- 大森 圭,由利 康裕
- 臨床泌尿器科 65(2), 158-160, 2011-02
- NAID 40018721076
- 症例報告 膀胱尿管逆流を伴った左異所性尿管瘤の1女児例
- 上田 祐華,大津 一弘,鬼武 美幸 [他]
- 広島医学 63(9), 670-673, 2010-09
- NAID 40017328492
Related Links
- 尿管瘤。 尿管口の粘膜が狭窄(きょうさく)を生じたことにより、尿管下端が膀胱内に嚢状 (のうじょう)に拡張した病気です。女性に多く、左側に多く発症します。 静脈性腎盂撮影 では、膀胱内にこぶ状の陰影欠損がみられ、 gooヘルスケア 家庭の医学。
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| 国試過去問 | 「112A032」「098D042」「079C054」 |
| リンク元 | 「先天性水腎症」 |
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| 関連記事 | 「尿管」 |
「112A032」
- 7歳の女児。3歳でオムツが取れたにもかかわらず、下着が常に少し濡れていることを主訴に来院した。本人は｢お漏らしはしていない｣と言う。静脈性尿路造影では両側に完全重複腎盂尿管を認める。膀胱鏡検査で右側に2個、左側に1個の尿管口を認める。
- 尿失禁の原因はどれか。
※国試ナビ4※ ［112A031］←［国試_112］→［112A033］
「098D042」
- 7歳の女児。3歳でオムツがとれたにもかかわらず、下着が常に少し濡れていることを主訴に来院した。本人はお漏らしはしていないという。静脈性尿路造影では両側に完全重複腎盂尿管を認める。膀胱鏡検査で右側に2個、左側に1個の尿管口を認める。尿失禁の原因はどれか。
※国試ナビ4※ ［098D041］←［国試_098］→［098D043］
「079C054」
- 尿管瘤について正しいもの、３つ。
「先天性水腎症」
病因
- 参考1
- 胎内において水腎症をきたす原因
- 一時的なもの：45%
- 生理的：15%
- 腎盂尿路移行部狭窄 UPJO：11%
- 膀胱尿管逆流 VUR：9%
- 巨大尿管：4%
- 尿管瘤：2%
- 多嚢胞性異形成腎：1%
- その他一般的でないもの：異所性尿管、プルーンベリー、尿膜管嚢胞(urachal cyst)、duplex collecting system 、尿管狭窄
参考
- 1. [charged] Overview of antenatal hydronephrosis - uptodate [1]
「膀胱内尿管瘤」
「尿管」
- 図：M.173(体表解剖)
| 男性 | 女性 | |
| 前面 | N.327 | N.328 |
| 上面 | N.350 | N.349、351、354、355 |
神経 (KL.402)
- 腎盂と同じ
自律神経
求心性線維
- 交感神経と共に走行 → L1, L2へ
生理的狭窄部 (KH.176|KL.401)
- 腎管から尿管に移行する部分
- 尿管が総腸骨動脈と交叉する部分
- 膀胱壁の中を通過する部分
走行(男性)
走行(女性)
- 骨盤側壁から前内方に向かい、子宮頚と膣円蓋の約2cm外側で子宮動脈と交叉(KL.402)
- 子宮広間膜後葉に沿って、子宮動静脈の下をくぐるように走行し、基靭帯の上部をかすめ膀胱子宮靭帯の前層と後層の間を貫いて膀胱に入る(G9M.191)
- 図：G9M.191 N.349
発生
- 中腎管から尿管芽として発生。腎臓の上昇につれて尿管の開口部が上昇する
組織 HIS.388
- 直径3-4、長さ25-30cm
- 粘膜・筋層、外膜
- 粘膜：移行上皮、基底板、粘膜固有層(密不規則性結合組織)
- 筋層：(上位2/3)内縦筋層、外輪筋層、(下位1/3)内縦筋層、中輪筋層、外縦筋層 ⇔消化器系では内側が輪筋
臨床関連
- 生理的狭窄部には尿管結石が引っかかりやすく、臨床的に重要(尿管結石)
- 女性の場合、骨盤部での尿管の走行は重要