多形性心室頻拍

出典: meddic

polymorphic ventricular tachycardia polymorphic VT, polymorphous ventricular tachycardia
トルサード・ド・ポアンツ不整脈心室頻拍



概念

  • 多形性心室頻拍は頻拍中のQRS波形が刻々と変化し、QRS波形が基線を中心にしてねじれているように見える。多くは非持続性で自然停止するが、時に心室細動に移行する。

分類

  • QT延長を伴う:Torsades de pointes TdP  →  QT時間の延長を伴い、T波に続く心室性期外収縮によって誘発され、QRS波形が刻々と変化する多型性心室頻拍で、QRS波の振幅が基線の周りを捻じれるように変動する。
  • 後天性QT延長症候群:薬剤(抗不整脈薬(Ia群、III群)、非心臓薬(向精神薬、抗生剤、抗アレルギー薬など)など)が多い。
  • QT延長伴っていない
  • 心疾患有り:虚血、心不全、ショックなどの心機能低下に伴って起こる場合が多い
  • 心疾患なし: → 特発性多形性心室頻拍
  • Brugada症候群:胸部誘導(V1-V3)のST上昇が特徴。若年-壮年男性の突然死の原因
  • カテコラミン誘発多形性心室頻拍:感情の高まり、運動、イソプロテレノールで誘発
  • QT短縮症候群(SQTS)
  • 明らかな誘因や心電図学的特徴が認められない特発性多形性心室頻拍・心室細動


治療

予防

参考

  • 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display][display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf

UpToDate Contents

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和文文献

  • 心室性不整脈 (特集 救急領域における循環器用薬の使い方) -- (病態からみた循環器用薬の使い方)
  • 症例 水泳中の心事故が初発症状であったカテコラミン誘発性多形性心室頻拍の1例
  • 木許 恭宏,大塚 珠美,近藤 恭平 [他]
  • 小児科 51(9), 1191-1193, 2010-08
  • NAID 40017256767
  • Purkinje線維起源心室細動--カテーテルアブレーションによる治療の可能性 (第1土曜特集 ここまで進んだ 不整脈研究の最新動向) -- (心室細動をめぐる新展開)

関連リンク

多形性心室頻拍はいくつかの異なる起源または伝導路に起因し,それゆえ不規則であり,多様なQRS波を伴う。非持続性心室頻拍は30秒未満で終息する;持続性心室頻拍は30秒以上継続するか,または血行動態破綻のために30秒未満で ...
1.歴史 Coumelら(1978), Leenhardtら(1995)は、小児例で種々のストレス(精神的、身体的)により誘発され、二方向性心室頻拍(bidirectional ventricular tachycardia)などの特有の心電図所見を示す多形性心室頻拍の反復出現を特徴と ...
臨床医は「トルサード・ポワン」という微妙な発音でごまかしているこれ。いったいどう書いてどう読むのが正しいのか。 フランス語の発音規則からすると、揺らいでいる部分によって発音が変わりうるのは真ん中の前置詞(+冠詞)だけ ...

関連画像

 多形性の心室頻拍症Torsadesde 多形性心室頻拍 遠藤彩佳QRS幅の広い心室頻拍。テコラミン誘発性多形性心室頻 図3:心室頻拍図3上段が多形性心室性頻拍  な多形性心室頻拍/心室頻拍ブロック、B:多形性心室頻


★リンクテーブル★
先読み不整脈」「polymorphic ventricular tachycardia」「polymorphous ventricular tachycardia
国試過去問104H014
リンク元低カルシウム血症」「トルサード・ド・ポアンツ」「後天性QT延長症候群
拡張検索カテコラミン誘発多形性心室頻拍
関連記事心室頻拍」「心室」「多形性」「多形」「頻拍

不整脈」

  [★]

arrhythmia
抗不整脈薬不整脈の背景因子

分類

病因の分類

  • 調律の異常(リズム)
  • 心房・心室の心拍の異常(レート)

心拍での分類

  • 徐脈性(50回/分以下)
洞房結節の自動能低下
房室結節のブロック
心拍出量↓
  • 頻脈性(100回/分以上)
異所性自動能の亢進 + リエントリー
一回拍出量↓、肝血流量↓

発生機序

刺激生成異常
洞結節自動能の亢進・低下
洞結節以外の異常自動能
トリガード・アクティビティ
興奮伝導異常
伝導遅延ブロック
リエントリー

刺激生成異常

  • 洞結節自動能の亢進・低下
  • 洞結節以外の異常自動能
  • トリガード・アクティビティ

興奮伝導異常

  • 伝導遅延ブロック
  • リエントリー

原因による分類

  • 生理的 → Wenckebach型2度房室ブロック(交感神経の緊張による房室結節内ブロック)
  • 病的

ガイドライン

  • 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf



polymorphic ventricular tachycardia」

  [★] 多形性心室性頻拍多形性心室性頻脈


polymorphous ventricular tachycardia」

  [★] トルサードドポアント

104H014」

  [★]

  • 心筋梗塞の急性期合併症で緊急開心術の適応となるのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 104H013]←[国試_104]→[104H015

低カルシウム血症」

  [★]

hypocalcemia
低Ca血症
カルシウム
  • 血清カルシウム:8.0 mg/dl以下

病態生理

  • 低カルシウム血症 → 2価陽イオンによる膜安定効果が消失(遮蔽効果↓、結合効果↓) → 細胞膜の脱分極傾向 (SP.99)

病因

  • 原発性副甲状腺機能低下症(PTHの分泌低下)DiGeorge症候群、自己免疫性
  • 副甲状腺ホルモン受容体異常
  • 高リン血症
  • 腎不全→高リン血症→相対的低Ca血症
  • ビタミンDの欠乏:腎不全→活性型にする酵素は腎臓にあるので活性化されない。

新生児

QB.O-84

心電図パーフェクトマニュアル.221

症候

急性症状

参考1
  • 眼:乳頭浮腫

神経・筋の易刺激性(テタニー)

  • 感覚異常(口・四肢)、筋痙攣、手・足の攣縮(carpopedal spasm)、トルソー徴候(手の症状)、クヴォステク徴候(顔面神経の)、てんかん発作、喉頭痙攣、気管支痙攣
  • 心臓:QT延長、低血圧、心不全、不整脈  ← 心収縮力低下

慢性症状

参考1
  • 異所性石灰化(大脳基底核)  ←  P優位なCa・P積の上昇
  • 錐体外路症状
  • パーキンソン症候群
  • 認知症
  • 嚢下白内障(subcapsular cataract)
  • 歯牙異常
  • 皮膚乾燥

テタニー

参考1
  • 低カルシウム血症により末梢神経・筋肉の易刺激性亢進。EMG上、1つの刺激で高頻度の放電が見られる。テタニーはイオン化Ca 4.3mg/dL、カルシウム7.0-7.5 mg/dL未満で起こるのが一般的。テタニーは慢性腎不全(低カルシウム血症+代謝性アシドーシス)では稀
  • 最初は口の周りあるいは末梢の錯感覚(paresthesia)ではじまる。ぎこちなさとこわばり、筋痛、および筋攣縮・筋痙攣を呈する。呼吸筋と舌の攣縮はチアノーゼを起こしうる。自律神経の症状は発汗、期間攣縮、胆道疝痛 biliary colicを含む。 ← オッディ括約筋が収縮して腹痛を生じるらしい(080A040)

検査

  • Chvostek徴候;耳介の前方、顎関節の上の部分をハンマーで軽くたたくと顔面筋と眼輪筋の痙攣が起こる。
  • Trousseau徴候;上肢の血圧計マンシェットを巻き、収縮期と拡張期の中間血圧で1~2分圧迫すると上肢の筋の攣縮により、手首と親指が屈曲し他の手指は伸展して手掌が凹む。

心電図

QTの延長はSTの延長による。T波の幅は変えないので、心房全体の再分極相の不均一化は起こりにくい。だからQT延長で多形性心室頻拍が起こることは少ないらしい(心電図の読み方 p.221-223)。
STの延長 = 2相(プラトー相) 絶対不応期と考えられる。
T波 = 3相 受攻期 相対不応期にあたる。ここが延長しなければ不整脈のリスクは高くないということか・・・ほんと?
  • QRS幅の拡大は伴わない

治療

  • グルコン酸カルシウム、活性型ビタミンD

参考

  • 1. [charged]Clinical manifestations of hypocalcemia - uptodate [1]



トルサード・ド・ポアンツ」

  [★]

Torsades de pointes, torsades de pointes, torsade de pointes
トルサード・ド・ポアンツトルサード・ド・ポアン倒錯型心室頻拍倒錯性心室頻拍多形性心室頻拍 polymorphic ventricular tachycardia
QT延長症候群


[show details]

概念

  • 多形性心室頻拍であって、非発作時にはQT延長を伴うものである。
  • 心電図上、多形性心室頻拍を示し、QRSがベースラインに対して反転した波形で周期的に変動する。

疫学

SQ.549
  • 性差:女性に多い
  • 好発年齢:35-50歳

病因

  • QT延長症

病態

  • 心拍数減少により失神・痙攣を来す。
  • 短時間のうちに頻拍が停止し、回復することもまれならずある。

治療

  • QT延長が原因であればMgを静注。
  • QT延長の原因によって次の治療を行う。


YN.C-49
  • 原因の除去、硫酸マグネシウム→メキシレチン
  • 薬物療法無効であれば体外式ペーシング。

予防


参考

  • 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display][display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf



後天性QT延長症候群」

  [★]

acquired long-QT syndrome
QT延長症候群多形性心室頻拍トルサード・ド・ポアンツ

病因

参考1

治療

  • 発作:Mgの静注が有効

参考文献

  • 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf

カテコラミン誘発多形性心室頻拍」

  [★]

  • 多形性心室頻拍(特発性)の一つ。
  • 感情の高まり、運動、イソプロテレノールで多形性心室頻拍が惹起される

心室頻拍」

  [★]

ventricular tachycardia, VT
心室性頻拍, 心室頻脈, 心室性頻脈
[show details]

概念

  • 心室起源の頻拍

検査

  • 心電図
[show details]



ガイドライン

  • 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf


治療

  • DCショックによる再同期 cardioversion
  • ACLS
  • 血行動態不安定な心房細動 unstable AF 120-200J
  • 血行動態不安定な単型心室頻拍 unstable monomorphic VT 100J
  • その他循環動態不安定な上室性頻拍/心房粗動 other unstable SVT atrial flutter 200J
  • 循環動態不安定な心室頻拍 polymorphic and unstable VFとして扱う。
  • PALS:初回0.5-1J/kg 2回目以降2J/kg

国試



心室」

  [★]

ventricle (KH)
ventriculus
心房

生理学

  • 循環血液量↑、心室拡張性↑ → 拡張期心室容量↑
  • 循環血液量↓、心室拡張性↓ → 拡張期心室容量↓
  • 末梢血管抵抗↑、心室収縮性↓ → 収縮期心室容量↑
  • 末梢血管抵抗↓、心室収縮性↑ → 収縮期心室容量↓




多形性」

  [★]

pleomorphism
多形態性
異型性異型細胞異型組織異型


  • 腫瘍細胞に対して使われる。
  • 細胞や核の形、大きさの、巨細胞や多核細胞の混在、N/C比の増大、各クロマチンの増量と凝集、異常核分裂像、核小体の明瞭化を示す(EPT.76)


多形」

  [★]

polymorphpleomorphic、(l.,adj.)multiforme
多形性複数単形性

頻拍」

  [★]

tachycardia
頻脈頻脈性不整脈頻拍症頻脈症




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