先天性食道閉鎖症

出典: meddic

congenital esophageal atresia
食道閉鎖 食道閉鎖症 esophageal atresia
小児科学。小児外科

臨床上の特徴

  • カニの泡状に唾液を流出
  • coil-up sign

疫学

  • 5000出生中1例といわれる(PED.1009)

病因

  • 胎生4-6週に前腸から発生した気道と食道が分離するが、この時期の異常により生じる。この時期のには心臓や直腸肛門が形成される時期であり、その他の奇形合併が多い。 → 18トリソミー、VACTER連合

病型


頻度

PED.1009

C型:80-85% A型:7-10% E型:2-3%

病態

PED.1009
  • C型:食道上部が盲端。食道下部が気管と瘻孔を形成
  • 唾液や母乳は嚥下不能 → 嘔吐、誤嚥、肺炎、脱水・電解質異常
  • 胃・食道接合部のHis角が鈍であるため、胃内容物が逆流しやすい → 瘻孔を通じて肺内へ → 肺胞障害
  • A型:食道上部と食道下部が盲端
  • 唾液や母乳は嚥下不能 → 嘔吐、誤嚥、肺炎、脱水・電解質異常

症状

  • 泡沫状の唾液流出、哺乳後の嘔吐、多呼吸、チアノーゼ
  • 出生直後から口腔内に粘稠性の唾液の貯留を認め、泡沫状に認められる。
  • ミルクを飲ませればチアノーゼをきたす。
  • 誤嚥性の肺炎をきたしうる。
  • (A,B)腹部陥凹、(C,D,E)腹部膨満

検査

  • カテーテルによる検査:鼻腔より胃へのカテーテルを挿入を試みる。胸部単純X線写真でcoil-up sign認める。
  • 胸部単純X線写真:胃泡があればC型、なければA型

治療

外科的治療

SPE.121 PED.1009 SSUR.675
方針:気管と食道の瘻孔を切断。上下の食道を吻合。一期的根治術をめざすが、上下食道間の距離が大きい、あるいは身体状態が不良(低出生体重児、重症合併奇形、重症肺炎)であれば、多段階の手術とする。
  • C型:気管食道瘻の切離・閉鎖。食道吻合。
  • A型:食道吻合。
  • 一期的根治術が不能である場合、気管食道の閉鎖と胃瘻造設を行い、身体状態の好転、あるいは食道ブジーによる食道の延長を計り食道吻合を行う。あるいは代用食道(小腸、結腸)による食道再建を行う。

術後合併症

  • 縫合不全、吻合部狭窄、胃食道逆流症、気管軟化症


UpToDate Contents

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和文文献

  • 食道閉鎖症術後吻合狭窄に対するtriamcinolone acetonide局所注入の有効性
  • 畑中 玲,中原 さおり,石田 和夫
  • 日本小児外科学会雑誌 47(5), 821-826, 2011-08
  • NAID 40018966369
  • 症例報告 整容性に配慮した先天性食道閉鎖症根治術
  • 今治 玲助,伊地智 怜子,橋本 晋太朗 [他]
  • 広島医学 64(7), 326-328, 2011-07
  • NAID 40018942721
  • 先天性食道閉鎖症に対する手術 (最新 胃・腸・食道手術)
  • Gross C型先天性食道閉鎖症術後難治性食道狭窄に対し経胃瘻孔的内視鏡を併用して磁石圧迫吻合術を施行した症例
  • 春田 英律,山内 栄五郎,細谷 好則,倉科 憲太郎,斎藤 心,瑞木 亨,宇井 崇,平嶋 勇希,佐田 尚宏,安田 是和
  • 日本消化器内視鏡学会雑誌 53(8), 2001-2005, 2011
  • … 症例は19歳男性.先天性食道閉鎖症Gross C型で日齢1日目に食道気管瘻結紮切離と胃瘻造設術,生後6カ月目に食道再建術を受けた.術後より吻合部狭窄を併発し,内視鏡的バルーン拡張術などを行うも,再狭窄を繰り返し難治性であった.内視鏡検査では門歯より約27cmに著明な全周性狭窄を認め,食道造影では狭窄距離は約2cmであった.今回,経胃瘻孔的内視鏡と経口内視鏡を併用して磁石圧迫吻合術による狭窄解除術を …
  • NAID 130000953773

関連リンク

[display]http://www.jsps.gr.jp/05_disease/gi/esph_atrs.html

先天性食道閉鎖症 - 日本小児外科学会
先天性食道閉鎖症. 食道閉鎖症は食道が途中で途切れていてミルクが飲めない病気ですが ,下の図のように気管との間に 瘻孔 があることが多く,その繋がり方によって5つの型 に分類されています.一番多いのは下側の食道が気管とつながっているC型で,8割は ...

[display]http://www.amy.hi-ho.ne.jp/panazizie/sub1.htm

先天性食道閉鎖症
このページは先天性食道閉鎖症というあんまりききなれない 病気の子供を持つ親の ページです。 私は今までネットや本等で、先天性食道閉鎖症のことを詳しくわかろうと 思い探しましたがなかなか無く、 同病の子供さんの親御さんにもなかなか会うことが なく ...

関連画像

記者会見する兵庫医大病院の 治療 成績 を 左右 する 主要  頻度 5 10 初期 治療 気管 食道文責 外 科学 小児 記事 作成日 胃 の 側 の 食道 が 気管 と 反転先天性食道閉鎖症グロスの分類


★リンクテーブル★
国試過去問102D032」「079C037」「098H032」「082C047」「108G017」「096G091」「088A087
リンク元小児外科」「先天性食道狭窄症」「グロスの分類」「EA」「esophageal atresia
関連記事食道」「閉鎖」「先天性」「」「先天

102D032」

  [★]

  • 生後24時間の新生児。著明な腹部膨満と胆汁性嘔吐とのためNICUに入院した。胎便の排泄はまだない。腹部エックス線単純写真立位像で腹部全体に多数の液面形成<niveau>を認める。
  • 最も考えられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 102D031]←[国試_102]→[102D033

079C037」

  [★]

  • 正しいのはどれか
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)
[正答]

098H032」

  [★]

  • 出生直後から泡沫状の唾液排出と呼吸困難とをきたすのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 098H031]←[国試_098]→[098H033

082C047」

  [★]

  • 出生直後の男児。母親が妊娠中に羊水過多を指摘されていた。出生直後から泡沫状の唾液の流出とチアノーゼとが見られる。この疾患で見られるのはどれか。
[正答]

108G017」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 108G016]←[国試_108]→[108G018

096G091」

  [★]

  • 羊水過多の原因となる胎児の疾患はどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096G090]←[国試_096]→[096G092

088A087」

  [★]

  • 疾患と画像所見との組み合わせで誤っているもの

小児外科」

  [★]


発症時期

発症時期 疾患
新生児期 直腸肛門奇形
Hirschsprung病
先天性腸閉鎖症
先天性食道閉鎖症
横隔膜ヘルニア
腸回転異常症
臍帯ヘルニア
臍ヘルニア
腹膜破裂
肥厚性幽門狭窄症
乳児期以降 鼡径ヘルニア
腸重積症
先天性胆道拡張症
先天性胆道閉鎖症

先天性食道狭窄症」

  [★]

congenital esophageal stenosis
先天性食道狭窄


[show details]

概念

  • 先天性の器質的な気管支狭窄症。

疫学

  • 先天性食道閉鎖症の約10%程度(の頻度?)。

分類

NSUR.675
  • 気管原基迷入型先天性食道狭窄症:(割合50%)気道下部に好発する。気管軟骨の迷入による
  • 筋線維肥厚型先天性食道狭窄症 :(割合40%):食道中部から下部に好発。食道壁の筋線維の肥厚による
  • 膜様型先天性食道狭窄症    :(割合10%):食道粘膜による

鑑別疾患

  • 胃食道逆流症に続発する狭窄、食道アカラシア

グロスの分類」

  [★]

Gross classification
[[]]
食道気道瘻先天性食道閉鎖症

頻度 (小児科学第2版 p.1009)

  • C型:80-85%
  • A型:7-10%
  • E型:2-3%


EA」

  [★] 先天性食道閉鎖症 esophageal atresia


esophageal atresia」

  [★] 先天性食道閉鎖症 EA

食道」

  [★]

esophagus (Z)
消化器系



解剖

  • 正中面付近を下行してくるが、横隔膜近傍で左側に寄り、背面で胸大動脈と交叉する。
  • L10椎体の高さで、食道裂孔を食道神経叢と共に通過して腹腔に入る

部位区分

SSUR.456
    O:食道入口部 esophageal orifice
Ce: 頚部食道 cervical esophagus    
  S: 胸骨上縁 margin of the sternum
Te: 胸部食道 thoracic esophagus Ut: 胸部上部食道 upper thoracic esophagus    
   
Mt: 胸部中部食道 middle thoracic esophagus B: 気管分岐部下縁 tracheal bifurcation
 
Lt: 胸部下部食道 lower thoracic esophagus  
  D: 横隔膜 diaphragm
  H: 食道裂孔 esophageal hiatus
Ae: 腹部食道 abdominal esophagus  
    EGJ: 食道胃接合部 esophagogastric junction

生理的狭窄部 (KL.283, KH. 139)

  • 第1狭窄部位:輪状軟骨狭窄部:cricopharyngeal constriction
    • 切歯から15cm
    • 食道の上端で、咽頭に連なる部位
    • 下咽頭収縮筋が食道を囲み、輪状軟骨に付き、この筋の緊張によると考えられる
  • 第2狭窄部位:大動脈狭窄部:bronchoaortic constriction
    • 切歯から25cm
    • 食道の中部で、大動脈弓と左気管支が交叉し、それによって圧される。つまり大動脈弓の
  • 第3狭窄部位:横隔膜狭窄部:diaphragmatic constriction
    • 切歯から38-40cm
    • 下部で横隔膜を貫く部位

運動 (SP.720)

部位 名称 筋肉 神経 運動性 シナプスする構造 最終的な伝達物質 運動
上部1/3 上食道括約部 UES 横紋筋 舌咽神経迷走神経(疑核) 随意性 運動終板のアセチルコリン受容体 アセチルコリン 弛緩
平滑筋 迷走神経 不随意性 壁内コリン作動性運動神経
下端部 下食道括約部 LES 平滑筋 迷走神経 不随意性 壁内非アドレナリン作動性抑制運動神経 NO, VIP 弛緩
交感神経 平滑筋α受容体 アドレナリン 収縮

組織

  • 食道腺は粘膜筋板の下に存在する。 ← 粘膜下組織に腺があるのは食道の固有食道腺と十二指腸のブルンネル腺だけ
  • 食道は横隔膜より上位では漿膜がなく、癌が周囲に浸潤しやすい

食道の上皮と上皮下の組織

      層構造 1 2 3 4 5 6
      器官 単層扁平上皮 単層立方上皮 単層円柱上皮 角化重層扁平上皮 非角化重層扁平上皮 上皮表層の構成細胞 粘膜固有層 腺の構成細胞 粘膜筋板 粘膜下組織
(大抵、粗結合組織)
筋層 漿膜(結合組織+単層扁平上皮)
外膜(結合組織のみ)
      食道           食道噴門腺
(咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺
粘液細胞
(スムーズに食べ物を流す)
縱層
(縦走筋のみ)
固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム) 内輪筋層
外縱筋層
(食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋)
外膜(横隔膜まで)
漿膜

臨床関連

  • 食事の通過障害は生理的狭窄部でおこりやすい。特に第1狭窄部で異物が見られる (KH.141)
  • 生理的狭窄部は癌の好発部位であり、第2,第3狭窄部位に多い (KH.141)



閉鎖」

  [★]

closure
縫合
  • 手術・外傷により生じた組織損傷を縫い合わせること


先天性」

  [★]

congenitalcongenitacongenitally
先天先天的


症」

  [★]

sis, pathy
  • 検査や徴候に加えて症状が出ている状態

先天」

  [★]

congenital
先天性先天的



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