先天性胆道閉鎖症

出典: meddic

congenital biliary atresia CBA, congenital atresia of bile duct
閉塞性黄疸、先天性胆道閉鎖、新生児黄疸

  • 成長と発達 081009I

概念

  • 肝外胆管が生来あるいは生後まもなく完全閉鎖し、未治療では胆汁性肝硬変により死にいたる

病型

  • 吻合不能型が90%

症状

黄疸、白色便、肝脾腫、腹部膨満、肝硬変、ピリルビン尿
  • 初発症状は黄疸である。
  • 生後1ヵ月以上の遷延性黄疸であり、黄疸の増強、無胆汁性白色便(無胆汁便、白色便)を認める。 ← 生来完全閉塞していることもあれば、次第に閉塞してくることがあるため。
  • 生後4-5ヵ月以後は栄養障害と肝硬変をきたす。

検査

  • 血液生化学:血中コレステロール高値、リン脂質高値、トリグリセリド高値。異常リポ蛋白(リポプロテインX)の出現。コレステロールの胆汁への排泄が低下するため
  • 尿検査:尿中ビリルビン上昇、尿中ウロビリノゲン低下
  • 胆道シンチグラム:99mTc-PMTの腸管内排泄が認められない
  • 経腹超音波検査:胆嚢内に胆汁を認めない。
  • その他:十二指腸に胆汁を認めない

診断

新生児黄疸との鑑別が難しい

治療

YN. A-134 SSUR.687
肝障害は進行性であるため生後60日以内に手術を行わなければ予後不良となる。
  • 1. 手術療法:吻合できる肝外胆管が残存すれば(症例の10%)、瘢痕組織を切除し胆管と空腸を吻合する。吻合できる肝外胆管が残存しなければ(症例の90%)、空腸を切除し肝門部に縫合する手術(葛西手術)を行う。口側の空腸断端は空腸壁に端側吻合する。
  • 2. 肝移植 :肝実質の障害が進行し、肝硬変、肝不全に至る例では肝移植が行われる。


葛西手術 シェーマ
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予後

  • 生後60日以内の外科治療が必須。そうでなければ予後不良

症例

  • 1ヶ月の新生児。検診で黄疸を指摘され来院。便は黄白色である。腹部超音波エコーで胆嚢の腫大は認められない。
遷延性黄疸→便の色を確認する。先天性胆道閉鎖症では黄疸、灰白色便、濃黄色尿、肝脾腫、超音波エコーで胆嚢が描出されない(萎縮している)、尿が濃褐色、直接ビリルビン上昇。


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/18 23:04:52」(JST)

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和文文献

  • 3.先天性胆道閉鎖症に対する生体肝移植後にEBウイルス関連リンパ増殖性疾患を発症した2例(第32回東北小児がん研究会)
  • 新妻 秀剛,堀野 智史,齋藤 由佳,渡辺 庸平,小沼 正栄,力石 健,笹原 洋二,土屋 滋,風間 理郎,仁尾 正記,里見 進,吉野 裕顕
  • 小児がん : 小児悪性腫瘍研究会記録 48(1), 32-33, 2011-02-25
  • NAID 110008608580
  • PO-013 先天性胆道閉鎖症術後27年目に胃静脈瘤破裂をきたした1例(胆道閉鎖症,ポスターセッション,病気の子供達に笑顔 小児外科に夢そして革新を,第47回 日本小児外科学会学術集会)
  • 當寺ケ盛 学,草野 徹,甲斐 成一郎,太田 正之,北野 正剛
  • 日本小児外科学会雑誌 46(3), 605, 2010-05-20
  • NAID 110008016063
  • 症例 硬膜下血腫を機に先天性胆道閉鎖症が発見された小児の1例
  • 伊部 洋子,金丸 良範,日野原 宏 [他]
  • ICUとCCU 32(9), 771-775, 2008-09
  • NAID 40016247582
  • 症例 急性硬膜下血腫を契機に診断された先天性胆道閉鎖症の1症例
  • 岩崎 衣津,松本 睦子,倉迫 敏明 [他]
  • ICUとCCU 31(9), 687-690, 2007-09
  • NAID 40015711496

関連リンク

胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう、英: BA; biliary atresia)とは、肝臓と十二指腸を結ぶ 胆道が閉鎖している病気のことである。肝臓で作られた胆汁が十二指腸に流れないため 、黄疸を引き起こし、放置すると胆汁性肝硬変に進行して死亡してしまう危険性が高い ...
胆道閉鎖症とはどんな病気か 肝臓と十二指腸を結ぶ管(総胆管(そうたんかん)を含む 肝外胆管(かんがいたんかん))が閉塞して ... 先天的発生異常説、レオウイルス3など によるウイルス感染説、膵胆管(すいたんかん)合流異常説、血行障害説、胆汁酸障害説 、 ...

関連画像

white stool先天性胆道閉鎖症の画像 p1_6先天性胆道閉鎖症の画像 p1_20PMTex先天性胆道閉鎖症の画像 p1_11先天性胆道閉鎖症の画像 p1_15先天性胆道閉鎖症の画像 p1_4先天性胆道閉鎖症


★リンクテーブル★
先読み新生児黄疸」「閉塞性黄疸」「CBA
国試過去問078B003
リンク元α-フェトプロテイン」「小児外科」「出生前診断」「肝外胆管閉鎖症」「無胆汁性白色便
関連記事胆道閉鎖症」「胆道」「閉鎖」「先天性」「

新生児黄疸」

  [★]

neonatal jaundice
黄疸核黄疸生理的黄疸病的黄疸

黄疸の定義

  • 血液中のビリルビンの増加によって皮膚が黄染して見える状態。
  • 成人 > 2 mg/dl
  • 新生児 > 5-7 mg/dl →新生児黄疸

新生児黄疸の種類

  • 生理的黄疸
  • 生後2-3日で可視的黄疸が出現 (G10M.330)
  • 血清ビリルビン濃度は4-6日にピーク (小児科学第2版 p.421)
  • 新生児の特異性によって生じる(ビリルビン産生亢進、ビリルビン代謝・排泄の未熟性、腸肝循環の亢進)
  • 病的黄疸 (小児科学第2版 p.422)
  • 1. 早期黄疸:生後24時間以内に出現する黄疸
  • 2. 急速な血清総ビリルビン値の上昇
  • 3. 血清ビリルビンの異常高値
  • 4. 遷延性黄疸
  • 生後1週間以上遷延する黄疸

原因

  • 生理的黄疸
  • 赤血球数が多い
  • 赤血球の寿命が短い 70-90日 ←成人100-120日 (小児科学第2版 p.421)
  • 無効造血の割合が高い
  • 肝のグルクロン酸抱合能・胆汁への排泄能が未熟
  • 新生児に特有の腸肝循環による:新生児の消化管にはβグルクロニダーゼがあり、ビリルビンの一部を脱抱合する。この非抱合型ビリルビンが再吸収され、腸管内から循環へと戻るため(出典要確認)。
  • 病的黄疸 (小児科学第2版 p.422)
  • 新生児溶血性疾患
  • 母児血液型不適合
  • 早発型の母乳性黄疸
  • 授乳量やの回数の不足、摂取エネルギー不足
  • 遷延型の母乳性黄疸
  • 未熟性、感染、心不全など

リスクファクター

治療

  • 適応:
  • 禁忌:高直接ビリルビン血症
  • 適応:重篤な高ビリルビン血症、著明な血液型不適合溶血性貧血、光線療法が無効な場合
  • 合併症:感染症、出血傾向、低カルシウム化粧、高カリウム血症、低体温、酸血症、移植片対宿主反応





閉塞性黄疸」

  [★]

obstructive jaundice
外科的黄疸 surgical jaundice機械的黄疸 mechanical jaundice肝外胆汁うっ滞症 extrahepatic cholestasis
黄疸高ビリルビン血症


原因

  • 胆石
  • 悪性腫瘍
  • 胆管癌
  • 十二指腸膵頭部癌

病態

  • 直接ビリルビンの胆汁としての排泄が減少 → (1)直接ビリルビンの血管への漏出、尿中へのビリルビンの出現、(2)疎水性ビタミンの吸収低下(ビタミンK欠乏による凝固低下)

検査

  • 手順:スクリーニング検査(尿検査、便検査、血算、血液検査) → 超音波検査

尿検査

超音波検査

  • 胆道の拡張を証明

心電図

  • 閉塞性黄疸では徐脈になるらしい。高ビリルビン血症による心筋伝導系障害のためらしい。


CBA」

  [★]

congenital biliary atresia


078B003」

  [★]

  • 誤っているものは?

α-フェトプロテイン」

  [★] ;英:α-fetoprotein AFP, alpha fetoprotein, alpha-fetoprotein

αフェトプロテインα胎児性タンパク
トリプルマーカーテスト。腟分泌液中α-フェトプロテインAFP-L3分画


産生部位

  • 胎生期の卵黄嚢、胎児肝臓で産生される。
  • 出生後の産生はほとんどみられない。
  • 肝細胞癌、肝細胞の再生局面で再び産生されるようになることがある
  • 妊娠初期の異常高値は、胎児の中枢神経系異常を疑わせる所見となる。
  • 本蛋白質は胎生期初期には卵黄嚢で、その後は内胚葉、肝臓で産生された後血清中に放出される。

意義

  • 肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、肝芽腫の腫瘍マーカー、炎症性肝疾患における肝再生の指標

先天異常の診断

破水の診断

  • 羊水中に多量に存在するため、膣分泌物のAFPを同定することで破水の診断に利用される

腫瘍マーカー

  • 腫瘍径:腫瘍径とAFP値との間に相関はない。3cmの以下の早期肝癌では陽性率は25%。
  • 組織型:(高分化・未分化)産生能低い、(中分化)産生能高い。

QB.Q-14

基準値

  • (健常人) <10ng/ml

高値

AFPの分画

  • レクチンとの親和性により、L1,L2,L3の分画に分けられる。
  • L1分画上昇:肝硬変
  • L3分画上昇:肝細胞癌

AFP-L3分画、PIVKA-IIとの関係

  • AFP-L3分画、PIVKA-IIと相関関係は見られない。
  • 肝細胞癌において、AFPとPIVKA-IIとの間に相関関係が見られないため、併用により診断率の向上が期待できる(LAB.631)
  • AFP, AFP-L3分画, PIVKA-IIが高い例では予後不良である。(参考1,2)

妊婦の生理的な変動

  • 妊娠3ヶ月以降上昇、8ヶ月でピーク(300-800ng/ml)。

乳児の生理的な変動

  • 出生後高値、生後1年で成人値。

参考

  • 1. AFP・AFP-L3・PIVKA-IIの3因子陽性例は脈管浸潤が多く予後不良【肝癌研究会2011】
[display]http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201107/520980.html&cnavi=1
3マーカーがいずれも陽性の場合、組織学的に脈管浸潤が多く認められ、Edmondson分類グレードIII、IVの頻度が高い
  • 2. Triple Positive Tumor Markers for Hepatocellular Carcinoma Are Useful Predictors of a Poor Survival.
  • Kiriyama S, Uchiyama K, Ueno M, Ozawa S, Hayami S, Tani M, Yamaue H.SourceFrom the Second Department of Surgery, Wakayama Medical University, School of Medicine, Wakayama, Japan.
  • Annals of surgery.Ann Surg.2011 May 20. [Epub ahead of print]
  • OBJECTIVE: To determine the importance of the expression pattern of multiple tumor markers for hepatocellular carcinoma (HCC) with regard to the tumor malignancy and patient survival.BACKGROUND: Several studies have indicated that HCC tumor markers, including alpha-fetoprotein (AFP), Lens culinaris
  • PMID 21606837




小児外科」

  [★]


発症時期

発症時期 疾患
新生児期 直腸肛門奇形
Hirschsprung病
先天性腸閉鎖症
先天性食道閉鎖症
横隔膜ヘルニア
腸回転異常症
臍帯ヘルニア
臍ヘルニア
腹膜破裂
肥厚性幽門狭窄症
乳児期以降 鼡径ヘルニア
腸重積症
先天性胆道拡張症
先天性胆道閉鎖症

出生前診断」

  [★]

prenatal diagnosis, antenatal diagnosis

方法

可能な疾患

  • 染色体異常:ダウン症候群
  • 遺伝疾患
  • 奇形:先天性水腎症、二分脊椎
  • 代謝異常:ティ・サックス病
  • 感染症
  • 血液型不適合妊娠

できないもの

  • 先天性胆道閉鎖症



肝外胆管閉鎖症」

  [★]

extrahepatic biliaryatresia
先天性胆道閉鎖症


無胆汁性白色便」

  [★]

acholic white stool
先天性胆道閉鎖症

胆道閉鎖症」

  [★]

biliary atresia
良性胆道狭窄 benign biliary stricture
胆道閉鎖、先天性胆道閉鎖症



胆道」

  [★]

bile duct
胆管系

閉鎖」

  [★]

closure
縫合
  • 手術・外傷により生じた組織損傷を縫い合わせること


先天性」

  [★]

congenitalcongenitacongenitally
先天先天的


症」

  [★]

sis, pathy
  • 検査や徴候に加えて症状が出ている状態



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