- 英
- angiotensin converting enzyme angiotensin-converting enzyme ACE
- 同
- キニナーゼII kininase II、アンジオテンシン転換酵素、CD143、 peptidyl dipeptidase A、ジペプチジルカルボキシペプチダーゼ dipeptidyl carboxypeptidase
- 関
- アンジオテンシン
概念
- 血中やその他の組織にも存在するが、肺で活性が強い (SPC.102)
- 実体は、dipeptidyl dipeptidaseのconverting enzyme (SPC.102)
検査
判別
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/24 22:56:05」(JST)
[Wiki ja表示]
アンジオテンシン変換酵素(-へんかんこうそ; 英: angiotensin-converting enzyme、ACE、EC 3.4.15.1)とは不活性体であるアンジオテンシンI (英: angiotensin I、Ang I) を、生理活性を持つアンジオテンシンII (英: angiotensin II、Ang II) に変換する反応を触媒する酵素(プロテアーゼ)である。
目次
- 1 アンジオテンシン変換酵素
- 2 ACE2
- 3 アンジオテンシン変換酵素阻害薬
- 4 関連項目
|
アンジオテンシン変換酵素 [編集]
構造・発現 [編集]
アンジオテンシン変換酵素はその活性中心(HExxH)に亜鉛を有するメタロプロテアーゼの一種であり、細胞膜上に存在する。アンジオテンシン変換酵素には2つの異なるタイプが存在し、それぞれ somatic ACE (sACE) と germinal ACE (gACE) と呼ばれる。sACEは全身の細胞に広く分布するのに対して、gACEは発現している組織が限られており、精巣に発現していることが知られている。また、sACEは活性部位をN末端側とC末端側に2つ持つのに対し、gACEは活性部位を1つしか持たない。sACEのN末端及びC末端の活性中心部位はそれぞれアミノ酸配列は同じであるにもかかわらず、基質に対する反応性など性質が異なる点が存在する。
機能 [編集]
アンジオテンシン変換酵素の基本的な働きはアンジオテンシンIを活性体へ変換し、血圧の制御を行うことにある。また、アンジオテンシン変換酵素はブラジキニンの分解に関与するキニナーゼIIと同等であることが知られている。つまり、アンジオテンシン変換酵素はアンジオテンシンIの変換とキニナーゼIIの分解の両方に働く酵素である。その他にもサブスタンスPや黄体形成ホルモン放出ホルモン (LH-RH) 等を基質とすることが知られており、基質特異性は低い。近年ではアンジオテンシン変換酵素のレニン-アンジオテンシン系 (英: renin-angiotensin system、RAS) 以外に対する機能も解明されつつある。
ACE2 [編集]
2000年、アンジオテンシン変換酵素のホモログとしてACE2が同定された。ACEとACE2の構造は類似しているが、Ang I,Ang IIの両方を分解する一方でブラジキニンを分解できないことが報告されていることからACEとACE2では基質が異なると考えられている。また、ACE2はエナラプリル、カプトプリル等のACE阻害薬によって抑制されない。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬 [編集]
ACE阻害薬の項を参照。
関連項目 [編集]
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 植物性食品のニコチアナミン含量とアンジオテンシン?変換酵素阻害活性
- Industrial Info. クロレラエキスのナノカプセル化が高血圧抑制作用に及ぼす影響
- 糖尿病細小血管症の成因とその予防・治療への応用 (特集 糖尿病とその合併症の成因 : 最新の知見)
Related Links
- アンジオテンシン変換酵素(-へんかんこうそ; 英: angiotensin-converting enzyme、 ACE、EC 3.4.15.1)とは不活性体であるアンジオテンシンI (英: angiotensin I、Ang I) を 、生理活性を持つアンジオテンシンII (英: angiotensin II、Ang II) に変換する反応を触媒 ...
- ACE阻害薬(エースそがいやく、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、angiotensin converting enzyme inhibitor、ACE inhibitor)は、アンジオテンシンIをアンジオテンシン IIに変換するACE(アンジオテンシン変換酵素:angiotensin-converting enzyme)を 阻害する ...
- アンジオテンシンⅡは、血圧を上げる作用を持っていて、ACEが働かないようにすれば 血圧が下がることになる。また、同時に、ACEを阻害するとブラジキニンという物質が 分解されなくなり、この物質が血圧を下げる作用を持っている。 ACE阻害剤 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 36歳の女性。分娩後の頭痛と視野障害を主訴に来院した。妊娠 28週ころから頭痛、 30週から左眼の視野障害が出現した。多尿や多飲はない。身長 165 cm、体重62 kg。脈拍 76/分、整。血圧 118/74 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。対面法による視野検査により両耳側に欠損を認める。尿所見:比重 1.024、蛋白 (-)、糖 (-)。血液生化学所見: AST 33 IU/l、ALT 17 IU/l、クレアチニン 0.6 mg/dl、血糖 92 mg/dl、総コレステロール 124 mg/dl、Na 140 mEq/l、K 3.8 mEq/l、Cl 104mEq/l、アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉18 U/l(基準 8.3.21.4)、 TSH 0.15μU/ml(基準 0.2.4.0)、 FT4 0.74 ng/dl(基準 0.8.2.2)、 ACTH 11.4 pg/ml(基準 60以下 )、コルチゾール 1.8μg/dl(基準 5.2.12.6)、 GH 2.7 ng/ml(基準 5以下 )、 IGF-I 164ng/ml(基準 112~271)、プロラクチン 25.4 ng/ml(基準 15以下 )。免疫血清学所見: CRP 0.3 mg/dl、抗サイログロブリン抗体 24 U/ml(基準 0.3以下 )。頭部単純MRIのT1強調矢状断像 (別冊 No.11A)と頭部造影 MRIのT1強調冠状断像 (別冊 No.11B)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A033]←[国試_108]→[108A035]
[★]
- 68歳の男性。自宅近くの診療所にて胸部エックス線写真の異常を指摘され、詳しい検査を希望して来院した。 2、 3年前から持続する咳と労作時の息切れを自覚している。感冒をきっかけに自宅近くの診療所で胸部エックス線写真を撮影したところ、異常を指摘された。喫煙は 20本/日を 30年間。 8年前に禁煙した。意識は清明。身長 157 cm、体重 61 kg。体温 36.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 124/72 mmHg。呼吸数 16/分。 SpO2 97% ( room air)。両側の背下部に fine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球 460万、 Hb 14.4 g/dl、Ht 45%、白血球 7,600、血小板 18万。 CRP 0.1 mg/dl。動脈血ガス分析 ( room air): pH 7.35、PaCO2 47 Torr、PaO2 86 Torr、HCO3 25 mEq/l。呼吸機能検査所見:% VC 69%、 FEV1% 72%。胸部エックス線写真 (別冊 No. 21A)と肺野条件の胸部単純 CT(別冊 No.21B)とを別に示す。
- 血液検査所見として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I056]←[国試_108]→[108I058]
[★]
- 40歳の男性。乏尿と呼吸困難とを主訴に救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。冷汗と下腿浮腫とを認める。 III音と IV音とを聴取する。両側の胸部に coarse cracklesを聴取する。脈拍 108/分、整。血圧 72/50 mmHg。呼吸数 28/分。血液生化学所見:クレアチニン 1.8 mg/dl、Na 134 mEq/l、K 3.8 mEq/l、 Cl 100 mEq/l、脳性ナトリウム利尿ぺプチド〈BNP〉840 pg/ml(基準 18.4以下)。動脈血ガス分析 ( room air): pH 7.32、PaCO2 30 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3 15 mEq/l。心エコー図 (傍胸骨左縁長軸像 )(別冊 No.15A、B)を別に示す。
- まず投与すべき治療薬で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A040]←[国試_108]→[108A042]
[★]
- 27歳の女性。前胸部痛を主訴に来院した。 3週前から前胸部痛が出現し、次第に悪化したため受診した。喫煙歴はない。意識は清明。身長 160 cm、体重 52 kg。脈拍 60/分、整。血圧 108/70 mmHg。呼吸数 16/分。 SpO2 98% ( room air)。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 460万、Hb 11.9 g/dl、Ht 40%、白血球 7,300、血小板 17万。胸部エックス線写真 (別冊 No.13A)と胸部造影 CT(別冊 No.13B)とを別に示す。
- 診断する上で必要性が低い検査項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I044]←[国試_108]→[108I046]
[★]
- 20歳の男性。持続する前胸部痛を主訴に来院した。2か月前から前胸部痛があった。自宅近くの診療所を受診したところ、胸部異常陰影を指摘されたため紹介されて受診した。身長 175cm、体重 62kg。体温 36.3℃。脈拍 60/分、整。血圧 106/78 mmHg。呼吸数 14/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。12誘導心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 8A)と胸部造影CT(別冊No. 8B)とを別に示す。
- 血液検査で有用性が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D028]←[国試_110]→[110D030]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I006]←[国試_108]→[108I008]
[★]
- 60歳の男性。本日夕方からの下口唇の腫脹と軽度の呼吸困難を主訴に来院した。咽頭痛や嚥下時痛はない。高血圧がありアンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬を服用中である。脈拍 72/分。血圧 130/80 mmHg。呼吸数 15/分。 SpO2 97% ( room air)。
- まず行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G046]←[国試_108]→[108G048]
[★]
- 英
- dipeptidyl carboxypeptidase
- 同
- ペプチジルジペプチダーゼ peptidyldipeptidase
- 関
- アンジオテンシン変換酵素
[★]
アンジオテンシン変換酵素 angiotensin-converting enzyme
[★]
アンジオテンシン変換酵素, ACE, CD143
[★]
アンジオテンシン変換酵素, CD143
[★]
アンジオテンシン変換酵素 ACE
[★]
- 英
- angiotensin-converting enzyme inhibitor angiotensin converting enzyme inhibitor , ACE inhibitor, ACEI
- 同
- アンジオテンシン変換酵素阻害剤 アンギオテンシン変換酵素阻害薬 アンギオテンシン変換酵素阻害剤 アンジオテンシン転換酵素阻害薬、ACE阻害薬 ACE阻害剤 ACE inhibitor、アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, angiotensin-converting enzyme antagonist
- 関
- アンジオテンシン, アンジオテンシン転換酵素 ACE, 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬 アンジオテンシンII受容体拮抗薬 ARB
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
=粉砕可能性
一般名
|
製品名
|
規格
|
剤形
|
用法
|
粉砕
|
アラセプリル
|
セタプリル
|
12.5,25,50
|
錠
|
1日
|
25-75mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
イミダプリル
|
タナトリル
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
○
|
エナラプリル
|
レニベース
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
|
カプトプリル
|
カプトリル
|
12.5,25
|
錠,細粒
|
1日
|
37.5~75mg
|
1日
|
3回
|
|
キナプリル
|
コナン
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
5~20mg
|
1日
|
1回
|
|
シラザプリル
|
インヒベース
|
0.25,0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.25~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
テモカプリル
|
エースコール
|
1,2,4
|
錠
|
1日
|
1~4mg
|
1日
|
1回
|
|
デラプリル
|
アデカット
|
7.5,15,30
|
錠
|
1日
|
15~120mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
トランドラプリル
|
オドリック
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
トランドラプリル
|
プレラン
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
ベナゼプリル
|
チバセン
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5~10mg
|
1日
|
1回
|
|
ペリンドプリル
|
コバシル
|
2,4
|
錠
|
1日
|
2~8mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ロンゲス
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ゼストリル
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
副作用
- 咳嗽:ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、血漿滲出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 高カリウム血症:間接的に血漿中のレニン濃度が低下するためにナトリウム取り込みとカリウム排泄が低下して高カリウム血症を来す
- 低血圧
- 腎不全
空咳の頻度
禁忌
- 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれ。アンジオテンシンIIによる輸出細動脈の収縮作用がblockされ、両腎共に腎血流が減少しているためにGFRの低下を代償できず腎機能の悪化をきたす。
参考
- http://www.naoru.com/ace.htm
- http://kanri.nkdesk.com/drags/arb.php
[★]
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
[★]
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
[★]
- 英
- enzyme, ferment
- 関
- 酵素反応
酵素の分類
- (a)酸化還元酵素(oxydoreductase) EC1:ある物質を酸化したり、還元したりします。脱水素酵素、ペルオキシダーゼなどを含みます。
- (b)転移酵素(transferase) EC2: アミノ基やリン酸基などをある物質から別の物質に転移する酵素です。アミノ基を転移する酵素はアミノトランスフェラーゼと呼ばれます。
- (c)加水分解酵素(hydrolase) EC3:ある物質(基質)に水(H2OのうちHとOH)を加えることにより、2つに分解します。多くの蛋白分解酵素が含まれます。
- (d)リアーゼ(lyase) EC4:ある物質を2つに分解します。
- (e)イソメラーゼ(isomerase) EC5:ある基質を異性体に変換します。
- (f)リガーゼ(ligase) EC6;ATPのエネルギーを使って2つの物質を結合します。
[★]
- 英
- angiotensin, ANG
- 同
- アンギオテンシン
- 関
- レニン、アルドステロン
- アンジオテンシン転換酵素、アンジオテンシン変換酵素阻害薬
- 関
- Ang
分類
産生組織
標的組織
作用
分泌の調整
分子機構
種類と酵素による切断
- ↓ ← レニン
- ↓ ← アンジオテンシン転換酵素 ACE
[★]
- 英
- conversion、transformation、convert、transform
- 関
- がん化、癌化、形質転換、転換、トランスフォーム、トランスフォーメーション、変える、転向者、形質変換