Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/10/21 14:07:49」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2011年10月) |
無細胞タンパク質合成系(むさいぼうタンパクしつごうせいけい、cell-free protein synthesis system )とは大腸菌等の細胞を直接使用せず、代わりに大腸菌などの各種細胞内に存在する酵素などを利用してタンパク質を合成する方法のことである。大別するとコムギ胚芽由来・大腸菌由来・ウサギ網状赤血球由来・昆虫細胞由来の合成系が広まっており、転写及び翻訳の際にはそれぞれの細胞由来の酵素類を用いる。[1] [2][3]
目次
- 1 細胞系と無細胞系
- 2 応用分野への展開
- 3 出典
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
細胞系と無細胞系
DNAはPCRによって容易に複製することが可能となった。しかしタンパク質の場合、2006年の時点においてタンパク質を複製する技術は見つかっていない。このためタンパク質合成を行う場合、DNAからmRNAに転写し転写産物を翻訳するという一連の流れを大腸菌等の細胞を用い人為的に行うことで、タンパク質合成を行うという手法がある(細胞利用のタンパク質合成系)。
ただし、細胞を用いる方法ではいくつかの問題点が挙げられる。たとえば、合成に手間がかかる、合成可能なタンパク質が制限される、合成によって得られるタンパク質の量が少ない、合成に必要とする時間及びコスト等が非効率的、バイオハザードの危険が存在するといった点が挙げられることがある。また生命倫理の問題も存在している。
2013年5月、理化学研究所は、終止コドンを除いた環状mRNAを用いて無細胞タンパク質合成を行い、通常の直鎖状mRNAを用いた場合と比べて単位時間当たり200倍の反応効率を得ることに成功したと発表した[4][5]。
応用分野への展開
ゲノムの塩基配列を解読するゲノムプロジェクト以後の研究としてポストゲノムが存在する。ゲノムから合成されるタンパク質の総称をプロテオームと呼び、ポストゲノムの一分野としてプロテオームを扱う研究分野をプロテオミクスと呼ぶ。無細胞タンパク質合成系はプロテオミクスにおいて研究に欠かせない手法であるため、バイオ機器として商品化されている。
出典
- ^ Ma Y, Ghoshdastider U, Wang J, Ye W, DötschV, Filipek S, Bernhard F, Wang X (2012). “Cell-free expression of human Glucosamine 6-phosphate N-acetyltransferase (HsGNA1) for inhibitor screening.”. Protein Expres Purif 86 (2): 120-126. doi:10.1016/j.pep.2012.09.011. PMID 23036358.
- ^ Roos, C; Kai, L; Haberstock, S; Proverbio, D; Ghoshdastider, U; Ma, Y; Filipek, S; Wang, X et al. (2014). “High-Level Cell-Free Production of Membrane Proteins with Nanodiscs”. Cell-Free Protein Synthesis. Methods in Molecular Biology. 1118. pp. 109–30. doi:10.1007/978-1-62703-782-2_7. ISBN 978-1-62703-781-5. PMID 24395412.
- ^ Roos, C; Kai, L; Proverbio, D; Ghoshdastider, U; Filipek, S; Dötsch, V; Bernhard, F (2013). “Co-translational association of cell-free expressed membrane proteins with supplied lipid bilayers”. Molecular Membrane Biology 30 (1): 75–89. doi:10.3109/09687688.2012.693212. PMID 22716775.
- ^ 理化学研究所 (2013年5月22日). “環状mRNAを用いてエンドレスなタンパク質合成に成功”. 2013年5月22日閲覧。
- ^ Naoko Abe, Michio Hiroshima, Hideto Maruyama, Yuko Nakashima, Yukiko Nakano, Akira Matsuda, Yasushi Sako, Yoshihiro Ito and Hiroshi Abe “Rolling circle amplification in a prokaryotic translation system using small circular RNA”. Angewandte Chemie International Edition, 2013
関連項目
- cDNA
- 核酸
- 遺伝子
- In vitro virus、mRNA display法
外部リンク
|
この項目は、生物学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:生命科学/Portal:生物学)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 1C33 ガラスマイクロチャンバーを用いたタンパク質合成の反応場体積依存性(OS14-3:バイオMEMS(3))
- 1P222 無細胞翻訳系によるSecYEGトランスロコンの合成(13D. 生体膜・人工膜:輸送,ポスター,第52回日本生物物理学会年会(2014年度))
Related Links
- www.promega.co.jp/lit/tnttechno.html 無細胞タンパク質発現系には、RNAを鋳型にする方法とDNAを鋳型にする方法(転写/翻訳系)の2通りの方法があります。鋳型RNAとしては、Total RNA, mRNA, in vitro転写産物などを使用できます。
- 無細胞タンパク質合成技術とは,細胞より抽出したタンパク質合成(翻訳)に必要な成分に目的タンパク質をコードするmRNA,基質となるアミノ酸,エネルギー源(ATP)等を加えることで,試験管内で人工的にタンパク質を合成する技術 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 一連、菌株、緊張、系統、系列、シリーズ、歪み、連続、システム、体系、体制、方式、筋挫傷
[★]
- 英
- translation
- 同
- 遺伝的翻訳 genetic translation
[★]
- 英
- cell
- ラ
- cellula
- 関
[★]
- 英
- cell-free、acellular