- 英
- centrifuge
- 関
- 遠心、遠心分離
WordNet
- rotate at very high speed in order to separate the liquids from the solids (同)centrifugate
- an apparatus that uses centrifugal force to separate particles from a suspension (同)extractor, separator
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- 遠心分離機
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2019/02/21 00:31:18」(JST)
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卓上型の遠心機。円周上に並んでいる穴に沈殿管をセットする。
遠心分離(えんしんぶんり、英: centrifugation)とは、ある試料に対して強大な遠心力をかけることにより、その試料を構成する成分(分散質)を分離または分画する方法である。
懸濁液や乳液などは、ろ過や抽出操作では分離することが困難であるが、遠心分離では通常なら分離困難な試料に対しても有効にはたらく場合が多い。その原理は、高速回転により試料に強大な加速度を加えると、密度差がわずかであっても遠心力が各分散質を異なる相に分離するように働くためである。遠心分離に使用する機械を遠心機という。
19世紀から開発され、現代的なものはテオドール・スヴェドベリにより1920-1930年にかけて開発された[1]。
密度勾配遠心法
詳細は「等密度遠心法」を参照
生化学では、塩化セシウムなど式量の大きい塩の溶液を試料と混合して超遠心機(後述)にかけることによって、試料の粒子をその重さにしたがって分離する密度勾配遠心法(みつどこうばいえんしんほう)が利用される。これは、溶液に長時間にわたり超遠心を施すことにより生じる密度勾配を利用し、試料中の粒子がその重さに応じて層を成して分離する現象を利用して、高分子の分離や平均分子量を推測する手法である。また、血球細胞の分離の際にもショ糖溶液などを用いて行われる。その際には細胞が損傷を受けないように超遠心機ではなく、通常の遠心機によって分離される。
遠心機
遠心分離に使用される装置を遠心機(えんしんき、centrifuge)と呼び、筐体とその内部の回転子とで構成される。手回し式のギアで回転させるものから、高速電動モーターで回転させるものまでさまざまである。
遠心機の能力は発生する遠心力をG(重力加速度)で計測した値で示され、数千Gまでかけられるものを遠心機、数万G以上をかけられるものを超遠心機 (ultracentrifuge) と呼び区別している。
回転子は用途によりさまざまな形状が存在する。試料容器は沈殿管(ちんでんかん)と呼ばれるが、試験管、スピッツ管、ディープウエルプレート、マイクロチューブなどさまざまな形状の容器が使用されるため、通常はアダプター交換によりさまざまな容器に対応できるようになっているものが多い。
回転速度により遠心力ベクトルが変化するため、管の向きが常に遠心力に対して鉛直に保たれるように、アダプターが振り子式の支点で回転子に保持されているものが多いが、管の角度が常に一定になっているものもある。ここで、回転子の重量配分に偏りがある状態で高速回転させると大きな振動が発生し、最悪の場合には遠心機が破壊される恐れもあるので、サンプルは重量配分に偏りが無いようにセットされる。
超遠心機では、種々の部位による摩擦による発熱が無視できないので、生化学用の超遠心機にはサンプルを冷却する仕組みが備えられたものもあり、これらは冷却遠心機と呼ばれる。場合によっては減圧にすることで、空気との断熱圧縮を減らす冷却遠心機も存在する。
- 工業用遠心機
- 工業用では砂糖の精製や、乳脂肪分を分離するために遠心機が利用されている。また化学工業用には結晶とろ液を分離する為の布張りの遠心機が利用されることもある。
- ガス遠心分離装置
- 六フッ化ウランガスを超遠心機にかけると、原子量の違いにより同位体濃度に勾配が発生する。遠心機の原理で同位体を分離する装置をガス遠心分離装置と呼ぶ。ガス遠心分離装置は天然ウランから濃縮ウランを製造するウラン濃縮工場でも使用されており、核兵器の製造にも使用できることから、核拡散防止のために輸出入が制限されることがある。
- 超遠心機の発生する数十万Gであっても、同位体の濃度勾配は極めてわずかであるため、高濃度側と低濃度側のガスをそれぞれ別の遠心分離装置に導き、多段階で分離を行う。段数を多くすることで、同位体を高度に濃縮することができる。
- 遠心エバポレーター
- 遠心機を減圧すると、遠心力が溶液の突沸を押さえ込むため、試験管やディープウエルプレートなど微少量の溶液サンプルを小容量の容器のまま蒸発・乾固させることができる。このような目的で設計された遠心機を遠心エバポレーターと呼ぶ。
- 回転子の構造は超遠心機と同様であるが、筐体が減圧可能になっており、サンプル容器を赤外線輻射や温風の注入などで加温できるようになっている。
理論
遠心分離中の分散質の移動速度v は、次で表される[1]。
ここでΔρは分散質と分散媒の密度差、V は分散質の体積、αは加速度、m は分散質の質量、βは単位質量あたりの摩擦係数である。このことから、遠心分離の効果を表す指標として、次のスヴェドベリのS 値、または沈降係数が定義される。
ただしストークスの式を用いており、a は分散質(粒子)の半径である。
このS は時間の次元をもち、10-13 秒を単位として表される。これをスヴェドベリ単位という。
脚注
- ^ a b 林茂雄 『移動現象論入門』 東洋書店、2007年、385頁。ISBN 978-4-88595-691-1。
関連項目
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- 遠心浮上データによるO/Wエマルションのデッドエンド精密濾過特性の推算
- 入谷 英司,片桐 誠之,福田 正秀
- 化学工学論文集 45(2), 72-79, 2019
- … <p>O/Wエマルションのデッドエンド精密濾過において,膜面上に形成される濾過ケークの特性を推算する手法を得るため,遠心場での近赤外光の透過率が測定できる分析用遠心機を使用して,O/Wエマルションの遠心浮上実験を行った.種々の濃度で得た初期浮上速度およびローター回転数を種々に変化させて得た圧密クリーミング層の平衡厚さから,O/Wエマルションの濾過と浮上の相似性に基づき,部分ケーク比抵抗 …
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- SurePath用手法における肺癌培養細胞を用いた自動細胞洗浄遠心機MC480LBCの検討―Sure path用手法における標本作製の精度管理―
- 村田 和也,河原 明彦,貞嶋 栄司,高瀬 頼妃呼,安倍 秀幸,山口 知彦,内藤 嘉紀,秋葉 純
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- … 今回我々は,SurePath用手法において自動細胞洗浄遠心機MC480LBCは,LBC標本作製工程において沈査細胞数に影響を与えるか否かについて検討した。 …
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
インフルエンザHAワクチン「第一三共」シリンジ0.5mL
組成
製法の概要
- 本剤は、厚生労働省より指定されたインフルエンザウイルスをそれぞれ個別に発育鶏卵の尿膜腔内に接種して培養し、増殖したウイルスを含む尿膜腔液をとり、ゾーナル遠心機を用いたしょ糖密度勾配遠心法により精製濃縮後、エーテルを加えてウイルス粒子を分解してHA画分浮遊液を採取する。これをホルマリンにより不活化した後、リン酸塩緩衝塩化ナトリウム液を用いて各株ウイルスのHAが規定量含まれるよう希釈調整した液剤である。
組成
- 本剤は、0.5mL中に下記の成分・分量を含有する。
有効成分(製造株)
- A型株
A/シンガポール/GP1908/2015(H1N1)pdm09 各株のHA含有量(相当値)は、1株当たり15μg以上
A/シンガポール/INFIMH-16-0019/2016(H3N2) 各株のHA含有量(相当値)は、1株当たり15μg以上
B型株
B/プーケット/3073/2013(山形系統) 各株のHA含有量(相当値)は、1株当たり15μg以上
B/メリーランド/15/2016(ビクトリア系統) 各株のHA含有量(相当値)は、1株当たり15μg以上
安定剤
緩衝剤
- リン酸水素ナトリウム水和物 1.255mg
リン酸二水素カリウム 0.204mg
塩化ナトリウム 4.15mg以下
分散剤
効能または効果
- インフルエンザの予防
- 1歳以上3歳未満のものには0.25mLを皮下に、3歳以上13歳未満のものには0.5mLを皮下におよそ2〜4週間の間隔をおいて2回注射する。13歳以上のものについては、0.5mLを皮下に、1回又はおよそ1〜4週間の間隔をおいて2回注射する。
本剤の使用
接種間隔
- 2回接種を行う場合の接種間隔は、免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 間質性肺炎、気管支喘息等の呼吸器系疾患を有する者
- 本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー
(0.1%未満)
- ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
(0.1%未満)
- 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)があらわれることがある。通常、接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
脳炎・脳症、脊髄炎、視神経炎
(頻度不明)
- 脳炎・脳症、脊髄炎、視神経炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
ギラン・バレー症候群
(頻度不明)
- ギラン・バレー症候群があらわれることがあるので、四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
けいれん
(頻度不明)
- けいれん(熱性けいれんを含む)があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
喘息発作
(頻度不明)
- 喘息発作を誘発することがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
血小板減少性紫斑病、血小板減少
(頻度不明)
- 血小板減少性紫斑病、血小板減少があらわれることがあるので、紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の異常が認められた場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
血管炎(IgA血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、白血球破砕性血管炎等)
(頻度不明)
- 血管炎(IgA血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、白血球破砕性血管炎等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
(頻度不明)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状に注意し、異常が認められた場合には、胸部X線等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
ネフローゼ症候群
(頻度不明)
- ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- インフルエンザHAワクチンを3週間間隔で2回接種した場合、接種1ヶ月後に被接種者の77%が有効予防水準に達する。
接種後3ヶ月で有効予防水準が78.8%であるが、5ヶ月では50.8%と減少する。効果の持続は、流行ウイルスとワクチンに含まれているウイルスの抗原型が一致した時において3ヶ月続くことが明らかになっている。基礎免疫を持っている場合は、ワクチン接種群における有効予防水準は、3ヶ月を過ぎても維持されているが、基礎免疫のない場合には、効果の持続期間が1ヶ月近く短縮される9)。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- centrifugation、centrifugal separation、centrifuge
- 関
- 遠心、遠心機、遠心沈降、遠心分離法、遠心法、遠沈
[★]
- 関
- centrifugal、centrifugal separation、centrifugation
[★]
- 英
- refrigerated centrifuge
[★]
- 英
- centrifugation、centrifuge、centrifugal
- 関
- 遠心機、遠心性、遠心沈降、遠心分離、遠心分離法、遠心法、遠沈