- 英
- axoplasmic transport
- 関
- 軸索内輸送
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/31 01:44:34」(JST)
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神経細胞の軸索の中で、様々なものを運ぶ働きを軸索輸送(英:Axonal transport)と呼ぶ。
神経細胞の細胞体から軸索の先端にあるシナプスまで、ミトコンドリア、脂質、シナプス小胞、タンパク質、および他の細胞内小器官が運ばれている。 軸索は細胞体にくらべ、1,000倍から1万倍の長さがある。軸索にはタンパク質を作り出すリボゾームが含まれていないので、タンパク質が必要な場合は軸索輸送によって細胞体から運ぶ必要がある (順行性軸索輸送)。また、軸索末端から取り込まれた物質などを細胞体に送る逆行性軸索輸送も存在する。
軸索輸送のメカニズム
軸索の中の大多数のタンパク質は、神経細胞体で作られ軸索に沿って輸送される。 このため軸索輸送は、神経細胞の成長と生存に不可欠である。 軸索内には微小管が存在し、モーター蛋白質に「レール」を提供している。 この微小管上を動くタンパク質がキネシンとダイニンである。キネシンは順行性(軸索先端に向かって)に貨物を動かすのに対して、ダイニンは逆行性に(細胞体に向かって)動く。 これらのモータータンパク質は、ミトコンドリアや、細胞骨格や、神経伝達物質を含む小嚢などのオルガネラを含む数個の異なった貨物に結合して輸送する。
速い輸送と遅い輸送
放射性同位元素を使った実験から、軸索輸送には速いものと遅いものが存在することが1960年代からわかっていた。
小さなベジクルは比較的速く(50-400mm/日)動くが、タンパク質の輸送ははるかに長く(8mm/日未満)かかる。 速い輸送のメカニズムについては、1995年のキネシンの発見により非常によくわかって来た。しかし、遅い輸送のメカニズムについては、実験技術の向上により最近になって初めて理解されるようになってきた。
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Japanese Journal
- 耳側網膜神経線維の肥厚が確認できたレーベル遺伝性視神経症の1例
- 呉本 佳世,奥 英弘,大須賀 翔,細木 安希子,池田 恒彦
- 神経眼科 32(1), 36-41, 2015
- … 神経乳頭周囲の網膜神経線維層(RNFL)の肥厚を経時的に計測した.両眼ともRNFLは,耳側で発症早期から肥厚していた.特に右眼では,発症直前に耳側RNFLの肥厚が認められ,発症後は速やかに非薄化した.他の領域では,発症後も比較的持続的に肥厚していた.LHONでは,乳頭黄斑線維に病変が好発する.本所見は,同部位の軸索輸送が最初に強く障害されていることを示し,LHONの臨床的特徴に合致すると考えられた. …
- NAID 130005073800
- 3P288 培養神経細胞の軸索輸送活動度の新たな評価方法(26. 計測,ポスター,第52回日本生物物理学会年会(2014年度))
- Katakura Takashi,Isonaka Risa,Kawakami Tadashi
- 生物物理 54(SUPPLEMENT_1-2), S296, 2014-08-20
- NAID 110009933157
- 視神経乳頭腫脹をみたら (特集 視神経疾患のマネージメント)
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- 略称: C, 線虫(C. elegans); D, ショウジョウバエ(D. melanogaster). 遅い軸索輸送 遅い軸索輸送では、チュブリン、アクチンやニューロフィラメントタンパク質などの細胞骨格タンパク質が運ばれており、軸索の伸長、維持にとって極めて重要で ...
- デジタル大辞泉 - 軸索輸送の用語解説 - 神経細胞の軸索内でたんぱく質や神経伝達物質などを移動させる機能。微小管がレールの役割を果たし、キネシンやダイニンなどの分子モーターによって物質が運ばれる。[補説]キネシンは細胞 ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- slow axonal transport, slow transport
- 関
- 軸索輸送
[★]
- 英
- axoplasmic transport
- 関
- 軸索輸送、軸索流
[★]
- 英
- axon
- 同
- 軸索突起
- 関
- 神経線維