- 英
- methylbromide
- 関
- メチルブロミド
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/11 23:23:40」(JST)
[Wiki ja表示]
ブロモメタン |
|
|
|
別称
臭化メチル, モノブロモメタン, Methyl fume, ハロン1001, Curafume, Embafume, R-40 B1, UN 1062, Embafume, Terabol
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
74-83-9 |
PubChem |
6323 |
EINECS |
200-813-2 |
KEGG |
C18447 |
RTECS番号 |
PA4900000 |
|
|
特性 |
化学式 |
CH3Br |
モル質量 |
94.94 g mol−1 |
外観 |
無色透明の気体。高濃度でクロロホルムに似た臭気。 |
密度 |
1.730 g/cm³ (0°C, 液体) [1]
3.974 g/l (20 °C, 気体)
|
融点 |
−93.66 °C
|
沸点 |
3.56 °C
|
水への溶解度 |
15.22 g/L |
log POW |
1.19 |
蒸気圧 |
1900 hPa (20 °C) |
危険性 |
主な危険性 |
毒性(T), 環境への危険性(N), 発癌性 |
NFPA 704 |
|
Rフレーズ |
R23/24/25, R34, R36/37/38, R45, R48/20, R50, R59, R68 |
Sフレーズ |
(S1/2), S15, S27, S36/39, S38, S45, S59, S61 |
引火点 |
< -30 °C (液体) |
発火点 |
535 °C |
爆発限界 |
8.6 - 20 % |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ブロモメタンは化学式CH3Brで表されるハロゲン化アルキルの一種である。ブロムメチル、臭化メチル(しゅうかメチル)、メチルブロマイド、メチブロとも呼ばれる。不燃性であり、無色でわずかに甘いクロロホルム様の臭いがある。性質はクロロメタンと非常に似ている。
目次
- 1 発生・製造
- 2 用途
- 3 オゾン層破壊
- 4 健康への影響
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
§発生・製造
自然界ではアブラナ科の植物の一部や海中の藻類、昆布類などにも含まれている。人工的にはメタノールと臭化水素とを反応させることで製造されている。
- CH3OH + HBr → CH3Br + H2O
工業生産されたものは圧縮冷却して液化し、耐圧容器(シリンダー)に入れて貯蔵される。直射日光を避けて冷暗所に貯蔵する。
§用途
モントリオール議定書により製造と使用が制限されるまでは、イチゴなどの農作物に対する土壌滅菌や、採種時の滅菌などに広く利用されていた。作物生産と異なり、採種では発芽しない種の除去が重要であるため、選択性除草剤の使用は困難であった。取り扱いが困難な物質であるが、他の土壌滅菌剤と比較するとより安全に使用可能であった。またネズミやコクゾウムシなどの害虫駆除のための燻蒸剤としても広く用いられたが、現在はリン化アルミニウムなどに代替され、代替不可能な防疫燻蒸に限って使用されている。他にメチル化剤として、あるいは種や羽毛などの洗浄溶媒としても用いられた。
モントリオール議定書により使用と製造が国際的に規制されたが、アメリカ合衆国では2007年現在も大量に製造されている。2004年には、カリフォルニア地区で700万ポンド(3175トン)以上が殺虫剤として利用されていたというカリフォルニア農薬規制局の統計が存在する。
§オゾン層破壊
臭素原子は塩素原子の60倍のオゾン層破壊力を持つため、モントリオール議定書ではオゾン層破壊物質として指定されている。しかし代替剤の使用が困難な場合があるとして、一定の規制下で例外的な使用が認められている[2][3]。ゴルフコースなどの芝生、特にギョウギシバに対して用いられる場合もあるが、モントリオール議定書では使用停止が求められている。
§健康への影響
高濃度の蒸気を短時間吸入すると、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、衰弱などの症状が現れ、場合によっては興奮やけいれん、急性躁病なども発症する。低濃度の蒸気を長期にわたって吸入した場合は、気管支炎や肺炎の原因になる[4]。液体が皮膚に付着すると赤くかぶれて痒みが現れ、数時間後に水ぶくれができる。液体、気体ともに目粘膜に深刻な障害を残す[4]。漏洩した液は速やかに蒸発するので周辺に近付かないようにする。致死に至る暴露濃度は、その暴露時間により変化する。
また呼吸器や腎臓、神経に与える影響も懸念されている。低濃度で長期に暴露した人間が神経に深刻な障害を負った例は報告されていないが、ウサギやサルを用いた実験では有害性が確認されている。
日本では毒物及び劇物取締法により原体および製剤が劇物に指定されている。
§脚注
- ^ Merck Index, 11th Edition, 5951.
- ^ 日本国 環境省 報道発表資料 モントリオール議定書特別締約国会合の結果について(平成16年3月29日付)
- ^ 日本国 環境省 報道発表資料 モントリオール議定書第18回締約国会合の結果について(平成18年11月6日付)
- ^ a b Muir, GD (ed.) 1971, Hazards in the Chemical Laboratory, The Royal Institute of Chemistry, London.
§関連項目
§外部リンク
- Toxicological profile (U.S. Public Health Service)(pdf)
- Environmental Health Criteria 166 (IPCS INCHEM)
- 日本国 環境省 リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート ブロモメタン
オゾン層破壊 |
|
現象 |
オゾン - オゾン層 - オゾンホール - 紫外線
|
|
|
生成理論 |
大気化学 - 塩素ラジカル - 一酸化塩素 - オゾン破壊係数 - 真珠母雲(極成層圏雲)
|
|
原因物質 |
クロロフルオロカーボン (CFC) - ハロン - 四塩化炭素 - トリクロロエタン (C2H3Cl3) - ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC) - ハイドロブロモフルオロカーボン - ブロモメタン - ブロモクロロメタン
|
|
対策 |
代替フロン - オゾン層保護のための国際デー
|
|
枠組 |
ウィーン条約 - モントリオール議定書 - オゾン層保護法 - フロン回収破壊法
|
|
ハロメタン |
|
一置換体 |
CH3F · CH3Cl · CH3Br · CH3I
|
|
二置換体 |
CH2F2 · CH2ClF · CH2BrF · CH2FI · CH2Cl2 · CH2BrCl · CH2ClI · CH2Br2 · CH2BrI · CH2I2
|
|
三置換体 |
CHF3 · CHClF2 · CHBrF2 · CHF2I · CHCl2F · C*HBrClF · C*HClFI · CHBr2F · C*HBrFI · CHFI2 · CHCl3 · CHBrCl2 · CHCl2I · CHBr2Cl · C*HBrClI · CHClI2 · CHBr3 · CHBr2I · CHBrI2 · CHI3
|
|
四置換体 |
CF4 · CClF3 · CBrF3 · CF3I · CCl2F2 · CBrClF2 · CClF2I · CBr2F2 · CBrF2I · CF2I2 · CCl3F · CBrCl2F · CCl2FI · CBr2ClF · C*BrClFI · CClFI2 · CBr3F · CBr2FI · CBrFI2 · CFI3 · CCl4 · CBrCl3 · CCl3I · CBr2Cl2 · CBrCl2I · CCl2I2 · CBr3Cl · CBr2ClI · CBrClI2 · CClI3 · CBr4 · CBr3I · CBr2I2 · CBrI3 · CI4
|
|
|
|
|
この項目は、化学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:化学/Portal:化学)。 |
Japanese Journal
- 鹿児島県の促成栽培ピーマン産地のための脱臭化メチル栽培マニュアル (特集 臭化メチル剤から完全に脱却した産地適合型栽培マニュアルの開発)
- 宮崎県のキュウリ産地のための脱臭化メチル栽培マニュアルの開発 (特集 臭化メチル剤から完全に脱却した産地適合型栽培マニュアルの開発)
- 熊本県の露地ショウガ産地のための脱臭化メチル栽培マニュアル : これからのショウガは,四つの「C」で安定生産 (特集 臭化メチル剤から完全に脱却した産地適合型栽培マニュアルの開発)
Related Links
- 臭化メチルは殺虫殺菌剤として輸出入植物・木材の検疫くん蒸に使用され、また化学工業のメチル化剤などに用いられています。くん蒸剤としては、各種くん蒸剤の中で最も理想に近い性質を持ち、あらゆる物品の殺虫・殺菌 に卓越 ...
- a Matheson Gas Data Book(1980) b Atochem(1988) 1.2 ヒトおよび環境の暴露源 海洋は臭化メチルの主要な発生源と考えられている。臭化メチルの主要な人為的発生源は、土壌および室内空間の燻蒸消毒剤である。少量の臭化メチル ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ストメリンDエアロゾル
組成
有効成分(1mL中)
- 硫酸イソプロテレノール 1.667mg
日局 デキサメタゾン 0.556mg
臭化メチルアトロピン 0.111mg
添加物
- 中鎖脂肪酸トリグリセリド、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)
禁忌
- カテコールアミン製剤(アドレナリン等)、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 頻脈性不整脈のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫
- 上記疾患の治療に使用される副腎皮質ホルモンの減量及び離脱
気管支痙攣の緩解の場合
- 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。
- 通常1回1吸入(硫酸イソプロテレノールとして0.1mg)する。2〜5分間たって効果が不十分な場合でも、2吸入を限度とする。続けて用いる必要がある場合でも、少なくとも4〜6時間の間隔をおくこと。
副腎皮質ホルモンの減量及び離脱にあたっては次のように用いる。
- 副腎皮質ホルモンの経口投与を漸減すると同時に、併行して症状の緩解を維持しうるよう症状に応じて1日数回、1回1〜2吸入する。副腎皮質ホルモンの経口投与中止後は本剤の吸入回数を慎重に漸減する。
- 本剤の投与によって副腎皮質ホルモンの経口投与の中止が可能と考えられる場合には、副腎皮質ホルモンの経口投与を中止し、本剤に切り換え1日数回、1回1〜2吸入する。ついで症状の緩解を維持しつつ1回1〜2吸入し、その後吸入回数を漸減する。
- 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。
気管支痙攣の緩解の場合
- 成人の場合、1回1吸入の用法・用量を守ること。なお、吸入後2〜5分を待っても十分な効果がみられない場合には、1回1吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加投与は行わないこと。続けて用いる必要がある場合でも、少なくとも4〜6時間の間隔をおき、1日4回(8吸入)までとすること。
- 小児の場合、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とし、次の発作に使用する場合、少なくとも4〜6時間の間隔をおき、1日4回(4吸入)までとすること。
副腎皮質ホルモンの減量及び離脱の場合
- 副腎皮質ホルモンの減量及び離脱の場合には定められた1日数回、1回1〜2吸入の用法・用量を守ること。
慎重投与
- 甲状腺機能亢進症の患者[動悸、頻脈を助長させるおそれがある。]
- 高血圧のある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
- 心疾患のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 糖尿病の患者[血糖値を上昇させるおそれがある。]
- 呼吸器以外の感染症を有する患者[症状を悪化させるおそれがあるので抗生物質を投与するなど適切な処置を行うこと。]
重大な副作用
血清カリウム値の低下
- β2刺激薬による重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、この作用はキサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。さらに、低酸素血症では血清カリウム値の低下により心リズムに及ぼす作用が増強されることがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
薬効薬理
- 本剤は硫酸イソプロテレノール、デキサメタゾン、臭化メチルアトロピンが15:5:1の比率で配合されており、次のような作用が確認されている。
- モルモットを用いた実験で硫酸イソプロテレノールの吸入によるヒスタミン喘息抑制作用が、臭化メチルアトロピンの併用により持続性となることが認められている。また、硫酸イソプロテレノール、臭化メチルアトロピンの両者に更にデキサメタゾンを加えると、より強い喘息抑制作用が得られることが判明している15)。
- 気管支喘息患者の1秒肺活量を指標としたcross-over法で、イソプロテレノールの吸入による気管支拡張作用が硝酸メチルアトロピンの併用により持続性となり、かつ作用が増強することが示されている16)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
融点
性状
- デキサメタゾンは白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(95)又はアセトンにやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- methylbromide
- 関
- 臭化メチル
[★]
- 英
- atropine methylbromide
- 関
- アトロピン、メチルアトロピン、硝酸メチルアトロピン
[★]
- 英
- methyloctatropine bromide
- 関
- メチルオクタトロピン
[★]
- 英
- methylbenactyzium bromide
- 関
- メチルベナクチジウム
[★]
- 英
- diphenhydramine methylbromide
[★]
- 英
- bromide、bromo
- 関
- 臭化物、ブロミド、ブロモ、ブロマイド