出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/07/27 00:49:44」(JST)
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足白癬(あしはくせん)は、白癬菌(はくせんきん)が足の皮膚の角質やその下の皮下組織を侵食する事によって炎症などが起きる感染症で、足の指や足裏などに水疱や皮膚の剥離(薄く皮が剥ける)などを伴い、多くの場合、発赤や痛痒感などの苦痛を伴う。一般には水虫(みずむし)という通称で知られている。また、足白癬には角化型白癬(かくかがたはくせん)と汗疱状白癬(かんぽうじょうはくせん)の2種類が存在する。
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「水虫」の名は、田んぼで耕作をしていた人の足に水虫ができたことから、水の中にいる虫に刺されたと考えられたことに由来するという説がある。イギリスやアメリカ合衆国等の欧米では日本人に比べ一般人には少なく、一方で運動選手に多いことから、“athlete's foot”(運動選手の足)という異名がある。
白癬菌は角質内部へ侵食し定住する。この領域では白血球による駆逐も不可能である。また皮膚の新陳代謝以上のスピードで侵食するため、自然治癒はほぼ期待できない。
白癬菌の角質侵食が進み、皮下組織等まで到達すると炎症を起こし、かゆみ等が発生する。よって白癬菌に感染していると必ずかゆみ等の自覚症状がある訳ではない。また自覚症状も皮膚がぼろぼろになったりならなかったり、かゆみのみだったり、かゆみも耐え難い程から殆ど自覚出来ない程と幅がある。
また、足白癬は伝染しやすい病気とも言われる。白癬菌自体の感染力は弱く、白癬菌が長く皮膚に密着した上で多湿環境が維持されないと感染はしない。しかし垢として角質ごと落下した白癬菌は数日は生存できるため、これがスリッパ・足拭きマットなどを介して非感染者の足裏などの皮膚に垢ごと付着、高湿度などの環境が整っていた結果として伝染することは容易に懸念される。このため家族などで水虫感染者が居る場合は、スリッパや足拭きマットを専用にするなどの配慮が必要である。
足白癬は、長らく通気の悪い革靴を長時間履いたままになりやすいサラリーマン男性に多かったため、社会的には成人男性の病気という風に理解されている面があるが、性別などは全く関係なく、また白癬菌自体は自然界に多く存在する真菌(カビ)である。至近に対策を行っていない感染者がいれば感染しうる機会は多くなるが、感染しやすさはあくまで湿度や足などの環境に大きく影響される。
白癬菌は高湿度を好むため、いずれも高温多湿の梅雨の頃から秋口にかけて症状が悪化する。白癬菌が特に足に感染しやすいのは、前述するように白癬菌に触れやすいからと、高湿度環境が長時間維持されるからである。特に、靴を長い時間履き続けると通気性が悪くなって蒸れることで、菌の活動が活発となる。日本では梅雨から夏場の高湿度な環境が長く続くため、靴を履いている時間が長い欧米人より感染率が高く、一般的な病気である。
また、糖尿病や免疫力の低い人、治療でステロイド内服をしている人は、水虫になりやすいとされる。
足白癬(水虫)のような症状を引き起こす感染症として、他にも田虫(たむし)、陰金(いんきん)、白雲(しらくも)があるが、これらは全て同じ白癬菌の感染によって炎症や水泡等の症状が引き起こされたものであり、感染部位によって異なる呼称が使い分けられているだけである。皮膚(掌、足、頭、太股の内側、陰部を除く)に感染すると「田虫」となり、太股の内側や陰部に感染すると「陰金」となり、頭に感染すると「白雲」となる(白雲は特に子供に起こりやすい)。上記以外の場所に感染した場合のものは、体部白癬(たいぶはくせん)と呼ばれる。
治療法は、主に抗真菌薬の内服・外用である。薬局やドラッグストアでも一般用医薬品の水虫薬が販売されているが、爪白癬のように皮膚科・内科等専門医の治療を必要とするケースもある。
自覚症状がある時点で角質の奥深くまで白癬菌が浸透していることが多く、また白癬菌を完全に殺菌することは難しいため、自覚症状が無くなっても皮膚が完全に新しいものに入れ替わる1ヶ月程度は治療の継続が必須である。かゆみなどの症状が無くなったので、また冬になり乾燥すると白癬菌の活動が弱まるため、治ったと思って治療を止め再発させてしまうことは多い。このため水虫は治しにくく再発しやすい病気と誤解されている面があるが、しっかりとした対策と治療、更にその継続さえあれば完治は容易な病気である。[要検証 – ノート]
以下では、足白癬を適応として謳っている医者の処方が必要な処方薬を基準名(日本薬局方)または一般的名称にていくつか列挙する。
以下では、薬局で購入可能で足白癬(水虫)を効能として謳っている医薬品をいくつか列挙する。
予防は、水虫既感染者との特に足周りの直接・間接接触を避け、感染しうる機会を減らし、足を清潔に保ち長時間高湿度にならないようにすればよい。靴下をよく取り替え、通気性の良い靴にするなども足の湿度を下げることに効果がある。最近では五本指靴下があるので、それを履くことも予防に繋がる。足を清潔に保つことは、白癬菌が定住している垢が長時間付着することを防ぐことになる。既感染者が足拭きマットの共用を避ける、足を清潔に保ち垢の落下を防ぐなど、他者と接触させないようにするとともに、しっかりとした治療を行うことが、他者への感染を防止する。
民間療法に関しては統計的調査や検証が行われたものがほとんど見つからず、効果がどのくらいなのかや副作用にどのようなものがあるのかなど不明なものが多い。
民間療法として、食酢を使用するものが存在する。[1][2] 食酢を水で半分ほど希釈し、傷口に付けておく。これを毎日繰り返す。そうすると水虫の成長に必要な最適なpH状況が無くなり、数日間で治るとされる[3]。しかしながら、市販の水虫薬を塗布した方が容易であるし確実である[要出典]。
硫黄は古くからさまざまな皮膚病に適用されてきた歴史を持つ。[4] 現在でもフケやニキビなどいくつかの皮膚病などに使用されることがあり、硫黄の入ったシャンプーや入浴剤、クリーム、石鹸などが国内外で販売されている。 民間療法としては、硫黄粉を擦り込む方法や硫黄含有液を塗布・湿布・漬け置きするなどの方法が取られている。 硫黄には角質の軟化・溶解作用があり、[5] 日本薬局方の「イオウ」の適応には頭部浅在性白癬が含まれ薬効薬理には抗菌作用および角質軟化作用とある。一部の温泉でも水虫を効能としてうたうところがある。 また入浴剤に配合することで水虫の効能を謳えるようになるようである。[6] 作用機序としては、硫黄と皮膚との反応により生成する硫化水素などにより抗菌作用や角質軟化作用が生じると考えられている。[7] 副作用としては、皮膚への刺激や発赤、皮膚炎などがある。[8][9] 濃度の高いものや長期間使用する場合には十分な注意が必要となる。 なお、硫黄は一部の金属に対して腐食作用があるので取り扱いには注意が必要である。
ニンニクを利用した民間療法も存在する。[10][11] 生のニンニクをすりおろしたものやガーリックオイルを患部へ適用する。経口投与を同時にする人もいる。ニンニク内のアリインからアリナーゼにより生成するアリシンがニンニク療法の有効成分と考えられている。なお、ニンニク適用ではまれに副作用がいくつか報告されている。ニンニク#悪影響も参照すると良い。
海外ではティーツリーオイルが使われることがある。症状改善には役立つが治癒率は3割と芳しくないとする報告[12] と、6割そこそこの治癒率があったとする報告[13] とがある。
重曹を利用する民間療法も存在する。[11]
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