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チューインガム(英: Chewing gum)は、かむ (chew) ゴム (gum) の意味で、ガムベースに味や香りをつけ、かむことで風味や口あたりを楽しむ菓子の総称である[1]。ガム (gum) と略されることが多い。
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一般的な形状としては、板状のものと、粒状のものがある。粒状のものにはコーティングを施すことが多い。多くはこれらに個包装がなされている。
ガムベースの主原料としては、南米産のアカテツ科の樹木であるサポジラ (Achras sapota) から取れる樹液を煮て作る天然樹脂のチクルが主に用いられる。チクルから採取されたゴムはポリ-1,4-イソプレンで、cis型65%とtrans型35%の混合物である[2]。現在はコスト削減や噛み心地の調整などの目的で、マツの樹液(松脂)を加工して作るエステルガム(Ester gum)、合成樹脂である酢酸ビニル樹脂(ポリ酢酸ビニル)やポリイソブチレンも用いられている[3]。風船ガムには、よく伸びる酢酸ビニル樹脂がよく使われる。これらに、卵の殻などから作られる炭酸カルシウムを加えて堅さを保持させ、風味付けの甘味料、香料などが加えられ、成型される。
配合する材料により味を自由に設定できるが、多くの場合甘味がついている。砂糖が配合されていないガム(キシリトール入りガムなど)は、歯磨きの代わりに噛まれることがある。
日本チューインガム協会によると、2004年時点でキシリトール入りがガム市場の6割を占めている。キシリトール入りは、板状より粒状が主流。[要出典]
通常は噛むだけで飲み込まない。もし飲み込んだとしてもガムベースは体内に吸収されず、便として排出されるので健康上の問題はない。しかし、のどに詰まらせる恐れがあるので注意。紙に包んで捨てるほうが安全である。形状は板状、粒状ものがあり粒状には糖衣のようなコーティングを施されている。
風船ガム(バブルガム)は、ゴム風船のようにふくらませるために作られたガムで、これにも甘い味がついている。
また、チョコレートと一緒に食べると、ガムは少しずつ溶けていく。これはチクルをはじめとしてガムに使用される樹脂が油溶性であるためである。よってチョコレート以外にも、例えばポテトチップス等油分を含む食べ物ならガムを溶かすことができる。
中央アメリカに住んでいたアステカ族やマヤ族のような先住民族はサポジラやエゾマツの樹液のかたまりを噛む習慣を持っていた。両文明が滅びた後もこの習慣はメキシコインディオに受け継がれ、さらにスペイン系移民にも広まったとされるが、これより以前にヨーロッパでも弾力性のある物質を噛む風習があったという説もある。
最初のガムは味がなく、パラフィンでできていた。1848年、アメリカ合衆国でジョン・カーティスが「メイン州純正スプールガム」というパラフィンガムを発売した。
1860年頃、メキシコのサンタ・アナ将軍が当初別の目的でチクルを利用しようとしたが、これはうまくいかなかった。しかし、チクルには噛むと歯が白くなるという効能があることを発見したため、チクルをあめ玉状にして売り出した[4]。このころはまだ味はついていなかった。将軍の支援者であったアメリカ人のトーマス・アダムスがチクルに甘味料を加え、「アダムス・ニューヨーク」というチクルガムを発売、人気を得て一気に普及した。
1869年には、甘味料のほかに香料を加えた初の味つきガムをジョン・コルガンが発売した[5]。
風船ガムは1880年代には存在した。最初の製造者はフランク・ヘンリー・フリアー(en:Frank H. Fleer)と伝えられる。
ガムの自動販売機は、アメリカでは19世紀末には既に存在した。
日本には1916年(大正5年)に初めて輸入され、1928年(昭和3年)から日本国内でも生産されるようになった[4]。日本では、平安時代、6月1日に餅などの固いものを食べ、健康と長寿を祈る「歯固め」の風習があったことから、日本チューインガム協会は1994年、同日をガムの日・チューインガムの日と設定した。
ガムに限らないが、ものをかみ続けていること(継続した咀嚼運動)で眠気を防いだり集中力をあげたりできるとされる。すなわちガムをかむとアゴを動かす咬筋が活発に運動する、そのため咬筋内にある紡錘型をした感覚器官「筋紡錘」を刺激し感覚神経が活発となるためである。またこの継続した咀嚼運動はセロトニンの分泌を促すという報告もあり、それに従えばガムをかむのはセロトニン分泌のための一番手頃な方法であるということになる。
眠気防止のためのガムとしては、カフェインを配合したり刺激的な味にすることで、いっそうの効果を挙げることを期待したものが販売されている。集中力をあげるためのものでは、特に多い味というものはないが、NBAやMLBの選手などで、試合中でもガムを噛んでいる場面が撮影されることがある。ただし、噛みタバコやヒマワリの種を噛んでいる場合もある。日本では、試合中にガムを噛む姿が「真剣さが無い・不真面目である」と非難の対象にされることがあった(巨人・阿部慎之助など[6])。スポーツ選手がガムを噛むことは、上記にあげられる効果のほかに踏ん張る時に噛み込む際のショックを和らげるための行為と考えることもできるが、その効果についてはあくまで民間療法的なものであり、科学的な根拠に基づいたものではない。
ガムはかみ続けることで顎の筋肉が鍛えられるため、顎関節症やそれに伴う諸症状などの予防や緩和に繋がると考えられているが、逆に顎を酷使するため、発症者には厳禁との見方もある。
食べる人のマナーの問題であるが、噛み終えたガムをきちんと処理しない人も存在する。公共施設の床面や大都市の歩道(特に不特定多数の人が行き交う鉄道駅のプラットホームや階段、通路など)によく付着しており、歩行中に捨てられたガムを踏んでしまう場合がある。醜いポイ捨てガムの除去には、各管理者が苦慮しており、また清掃コストもかかる。東京原宿表参道など、ガムバスターズなどのガムを除去するための機器を導入している所もある。
また、髪の毛に付着してしまうと、剥がすのは困難だが、ポマードなど油を含んだ整髪料で取る方法が存在する。頭髪用のリンス(コンディショナー)やムースも有効なことが、テレビでも紹介された。なお服に付着したガムは、氷などで冷やして固くしたあとに剥がし取ることが最も簡単な方法である。またガムは、油や溶剤に溶けやすいためベンジン・灯油などを用いる場合があるが、汚いシミになるため家庭では用いてはならない。他には、市販の強力汚れ落とし(オレンジオイル等)や中性洗剤(アルコール)[7]または、マニキュアの除光液(アセトン)やIPA(イソプロピルアルコール)やエタノール[8]で取る方法が存在する。
このような問題があるため、日本ではガムの食べかすのポイ捨ては軽犯罪法違反である。
シンガポールではガムを所持すること自体が禁止されている。旅行者もガムの持ち込みができない。しかし2007年より、キシリトールなどが配合されていて、健康のためとされ得るガムについては解禁された。しかし、あくまで健康のためという理由なので薬局でしか販売されていない。
また、旧来から味付けには砂糖が使われており、歯が長時間糖に曝されたり、食後にケアを怠ると酸が生じて虫歯を進行させることになる。また、不要なカロリー摂取の要因の一つだった。そのため近年は、体内に吸収(もしくは分解)されない合成甘味料を用いて、糖分0グラムとする製品が増えた。その中には歯の健康に役立つことから、特定保健用食品に認定された製品がある。しかし、合成甘味料には、大量に摂取すると体質によってはおなかがゆるくなるものがあり、過摂取に注意し、自分の限界量を知る必要がある。
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